レポート内容の編集
はじめに
データ・コレクション・ビルダには、Caché データベースから取得してレポートに含めるデータの内容および構造を変更できるグラフィカル・エディタが装備されています。以下のセクションでは、導入として簡単なチュートリアルを提供します。それ以降のセクションでは、データ・コレクション・ビルダのユーザ・インタフェースの主な要素について説明します。
チュートリアル
以下の演習では、SAMPLES ネームスペースで提供される ZENApp.MyReportOpens in a new tab に似たレポートの構築を開始します。
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[DeepSee]→[ビジュアル・レポーティング]→[レポート・データ定義]→[データ・コレクション・ビルダ] をクリックします。
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[新規作成] をクリックします。表示されたダイアログ・ボックスで、以下の値を入力します。
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パッケージ名 : MyApp
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クラス名 : MyReportDC
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[OK] をクリックします。
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[データソース] 列の一番上の [変更] をクリックし、そのダイアログ・ボックスで ZENApp.Report.InvoiceOpens in a new tab を選択します。
[保存] をクリックします。
前のチュートリアルで行ったように、ここからデータの表示形式を定義し、レポートを実行する場合、作成されるレポートには、ZENApp.MyReportOpens in a new tab 内のすべてのデータが含まれますが、グループ、並べ替え、集約は行われません。次の手順に従ってレポートの構成を変更します。
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既定では、レポート内のすべてのデータ・フィールドは、queryResult というフィールド名のグループ内にあります。[データ・フィールド] 列の一番上の [グループ] ボタンをクリックします。レポートに、[グループ] というフィールド名の新しい行が表示されます。新しいグループには、内容がないため、問題ありというフラグが設定されます。
グループ queryResult から、SalesRep を除くすべてのフィールドを、新しいグループにドラッグします。
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フィールド queryResult を選択し、[プロパティ] 列で以下のように編集します。
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[フィールド名] を queryResult から SalesRep に変更します。
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[ブレーク] フィールドの右側の下矢印をクリックし、リストから SalesRep を選択します。
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フィールド Group を選択し、[プロパティ] 列で以下のように編集します。
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[フィールド名] を Group から Record に変更します。
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[2 番目の並べ替え] フィールドの右側の下矢印をクリックし、リストから SaleDate を選択します。
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[保存] をクリックします。
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ここから、“DeepSee ビジュアル・レポーティングの概要” セクションの “データ・プレゼンタの構築” および “レポートの実行” の手順で示したとおり、データの表示形式を定義し、レポートをプレビューまたは実行することができます。
データ・コレクション・ビルダ UI
データ・コレクション・ビルダには、いくつかのデータ定義ビューが表示されます。使用可能なビューは以下のとおりです。
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ではレポート・データ定義を編集できます。
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ではレポート・プロパティを編集できます。
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ではデータ・グループ・フィルタを編集できます。
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では補足メソッドを編集できます。
レポート・データ定義
レポート・データ定義ビューのページは、次の 3 つの列から構成されます。
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データソース:データを提供しているクラスを示し、そのソースから利用可能なデータ・フィールドをリストします。
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データ・フィールド : 現在レポートにあるデータ・フィールドおよび、追加されたグループ、並べ替え、集約を表示します。
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プロパティ : [データ・フィールド] 列で選択したレポート・コンポーネントのプロパティを編集できます。
[データソース] 列
[データソース] 列は、[変更] ボタンを使用して、レポートのデータを提供するクラスを選択するまでは空になります。データソースを選択すると、選択したクラスとそのクラスで使用可能なデータ・フィールドがリストされます。
[データ・フィールド] 列
[データ・フィールド] 列には、現在レポートで使用されているアイテムとグループがリストされます。既定では、レポートには、レポート生成時の時刻に関するアイテムとレポート生成者に関するアイテムが含まれます。列の右端の赤い [X] をクリックすると、エントリを削除することができます。[データソース] 列からデータ・フィールドをドラッグ・アンド・ドロップするか、この列の一番上にある [アイテム] ボタンまたは [グループ] ボタンをクリックすると、エントリを追加することができます。項目名とグループ名は一意である必要があります。
アイテム
[アイテム] は、レポートに表示されるデータを提供します。各エントリは、フィールド名と、そのデータを提供する派生、つまりソース式を示します。[データソース] 列からデータ・フィールドをドラッグすることで、データベースから派生したアイテムを追加できます。集約のデータを提供する場合などは、同じデータ・フィールドをレポートに複数回ドラッグできます。この列の一番上にある [アイテム] ボタンをクリックすることで、データベースから派生したものでないアイテムを追加できます。
グループ
[グループ] では、レポート内のアイテムを構成できます。[グループ] ボタンをクリックして、グループを追加します。最初にグループを追加すると、エラー・インジケータのフラグが立てられます。赤い感嘆符アイコンをクリックすると、エラー・メッセージを表示できます。エラー・メッセージには、グループの内容が未定義であると示されています。グループにアイテムを追加すると、エラー状態が解決します。
[プロパティ] 列
[プロパティ] 列では、[データ・フィールド] 列にリストされたアイテムとグループのプロパティを編集できます。[データ・フィールド] 列のエントリを選択すると、適切なフィールドと値が [プロパティ] 列に表示されます。
データベースのフィールドから提供されるアイテムについては、[フィールド名] は編集できますが、[ソース式] は編集できません。データベースから派生したものではないアイテムについては、[ソース式] も編集できます。データベースから派生したフィールドも、集約を選択するためのフィールドを提供します。
グループでは、グループの名前である [フィールド名] を編集できます。また、レポートのレコードの並べ替えとグループ化に使用するフィールドを指定できます。レポートを生成すると、レコードは [ブレーク] フィールドで並べ替えられ、フィールドの値が同じグループに出力されます。
レポート・プロパティ
[レポート・プロパティ] ビューでは、レポートにプロパティを追加できます。[追加] ボタンをクリックして、新しいプロパティを追加します。その後、プロパティに関する以下の情報を編集できます。
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プロパティ – プロパティの名前。既定値は RptProp です。
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タイプ – プロパティのデータ・タイプ。既定値は %String です。
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URL トークン – レポートを起動するためにブラウザに提供される URI 文字列でこのプロパティの値を指定するために使用される名前。
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デフォルト – このプロパティの既定値。
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制約 – 最大値や最小値など、このプロパティの値の制約。
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説明 – プロパティの簡単な説明。
データ・グループ・フィルタ
レポート・データ定義ビューの [データソース] 列の [変更] ボタンを使用すると、レポートで使用できるすべてのデータ・レコードを選択する SQL 文が DeepSee ビジュアル・レポーティングによって作成されます。[データ・グループ・フィルタ] ビューでは、レポートに返されるデータを制限する SQL WHERE 節を指定できます。
補足メソッド
[補足メソッド] ビューでは、レポートにメソッドを追加できます。[追加] ボタンをクリックして、新しいメソッドを追加します。この画面では、メソッドに関する以下の情報を編集するためのフィールドとコントロールを使用できます。
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名前: – メソッドの名前。
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返り値: – メソッドが返す値のデータ・タイプ。既定値は %String です。
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言語: – メソッドの記述に使用する言語。既定値は ObjectScript です。このフィールドに他の値を入力できます。
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引数: – メソッドの引数を定義します。フォーム右端の [+] ボタンを使用して、新しい引数を追加します。フォームの一番右端にある赤い [X] をクリックすると、引数を削除できます。
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実装: – このフィールドを使用して、メソッドの本文を編集します。