DeepSee ビジュアル・レポーティングの概要
DeepSee ビジュアル・レポーティングは、Zen レポートのグラフィカル・ユーザ・インタフェースで、これにより Caché データベースに格納されたデータからレポートを作成することができます。これは、グラフィカルなクエリ・ジェネレータやレイアウト・エディタを含む、Web ベースの一連のツールで構成されています。Zen レポートと同じコア・エンジンを使用し、既存の Zen レポートのアーキテクチャの上に構築されています。その GUI によってレポート作成プロセスは容易になり、基盤となるテクノロジの複雑さはほとんど表には現れません。
DeepSee ビジュアル・レポーティングでのレポートの作成は、以下のように 3 段階のプロセスとなります。
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最初の手順では、レポートを作成するデータ・セットを指定し、その並べ替えおよびグループ化の方法を指定します。
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次の手順では、レポートでデータを表示する形式を指定します。GUI と編集ツールが、レポート出力の可視化および微調整に役立ちます。
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最後の手順ではレポートを実行します。この時点で、クエリ・パラメータの値を指定し、PDF ファイルを生成します。
以下の図は、DeepSee ビジュアル・レポーティングによるレポート生成の概要を示しています。色の付いたブロックは、DeepSee ビジュアル・レポーティングのクラスを示します。データ指定の手順では、データ・コレクタを使用して永続クラスから直接レポートのデータを描画するか、データ・セット・スキーマを作成して既存の Zen レポートまたはクエリ・クラスを使用することができます。次に、データ・プレゼンタを構築し、ここでレイアウトと外観を指定します。最後の手順では、このデータ・プレゼンタを使用して PDF 出力を生成します。
参照ドキュメント
Zen レポートの詳細は、"Zen レポートの使用法" を参照してください。管理ポータルの使用法については、"Caché システム管理者ガイド" の “管理ポータルの使用” を参照してください。
チュートリアル
DeepSee ビジュアル・レポーティングの概要
以下の演習では、DeepSee ビジュアル・レポーティングを使用して簡単なレポートを作成し、実行します。Caché を新規にインストールした場合は、この演習を開始する前に、まず ZENDemo ホーム・ページを実行する必要があります。このページをロードすると、SAMPLES ネームスペースに対するデータ・レコードが暗黙的に生成されます。これは、Caché を 1 回インストールするごとに一度実行するだけですみます。
ブラウザに以下の URI を入力します。
http://localhost:57772/csp/samples/ZENDemo.Home.clsOpens in a new tab
ここで、57772 は、Caché に割り当てた Web サーバのポート番号です。
これから、以下のとおり演習を開始します。
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初期設定 :
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[InterSystems ランチャー] をクリックし、[管理ポータル] をクリックします。
セキュリティの設定によっては、Caché ユーザ名とパスワードを使用してログインするように求められます。
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以下のように、SAMPLES ネームスペースに切り替えます。
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[変更] をクリックします。
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SAMPLES をクリックします。
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[OK] をクリックします。
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データ・コレクタの構築 :
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[DeepSee]→[ビジュアル・レポーティング]→[レポート・データ定義]→[データ・コレクション・ビルダ] をクリックします。
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[新規作成] をクリックします。表示されたダイアログ・ボックスで、以下の値を入力します。
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パッケージ名 : MyApp
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クラス名 : TheaterDC
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[OK] をクリックします。ページには、既定のデータ・フィールド、[runTime] と [runBy] が表示されます。
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[データソース] 列の一番上の [変更] をクリックします。ダイアログ・ボックスが表示されます。Cinema.TheaterOpens in a new tab を選択します。
ページには、永続クラス Cinema.TheaterOpens in a new tab の既定のデータ構造が表示されます。
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[保存] をクリックします。
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このページでは、レポートのデータ構造を調整するツールを提供します。このプロセスについては、“レポート内容の編集” のセクションで説明します。差し当たり、既定のデータ構造を使用してください。
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データ・プレゼンタの構築 :
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[DeepSee]→[ビジュアル・レポーティング]→[レポート・ビルダ]→[明細レポート・ビルダ] をクリックします。
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[新規作成] をクリックします。表示されたダイアログ・ボックスで、以下の値を入力します。
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パッケージ名 : MyApp
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クラス名 : TheaterReport
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[OK] をクリックします。
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[フィールド] 列の一番上の [ソースの設定] をクリックします。ダイアログ・ボックスが表示されます。[MyApp]→[TheaterDC] をクリックして、前に作成したデータ・コレクタを選択します。
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これで Zen レポートのメイン・セクションを定義できる領域と共に、空のレポートが表示されます。
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レポート・ヘッダの定義
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ページ・ヘッダの定義
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レポート本文 (クエリ結果)
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レポート・フッタの定義
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ページ・フッタの定義
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[フィールド] 列の一番上の [自動入力] をクリックします。既定のレポート・テンプレート内で定義されている形式に従って、既定のラベルおよびフィールド一式がレポートに入力されます。
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[保存] をクリックします。
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[プレビュー] をクリックして、既定のレポートを表示します。
このページには、レポートのレイアウトと外観の調整に使用できるさまざまな編集機能が用意されています。このプロセスについては、“レポート・レイアウトの編集” のセクションで説明します。
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レポートの実行 :
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[DeepSee]→[ビジュアル・レポーティング]→[レポートの実行] をクリックします。
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[開く] をクリックします。レポートを選択できるダイアログ・ボックスが表示されます。[MyApp]→[TheaterReport] をクリックします。ページが更新され、このレポートのデータ・コレクタが表示されます。この例では MyApp.TheaterDC です。
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[実行] をクリックします。少し間を置いて、PDF 出力がブラウザ・ウィンドウに表示されます。
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Zen レポートとクエリ・クラスの使用法
DeepSee ビジュアル・レポーティングにより、新しいレポートの基盤として既存の Zen レポートおよびクエリ・クラスを使用することもできます。以下の演習では、このように別のやり方でレポートのデータ構造を定義する方法を示します。
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既存の Zen レポートから :
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[DeepSee]→[ビジュアル・レポーティング]→[レポート・データ定義]→[従来のレポートからの抽出] をクリックします。
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[新規作成] をクリックします。表示されたダイアログ・ボックスで、以下の値を入力します。
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パッケージ名 : MyApp
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クラス名 : ExtractMyReport
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[OK] をクリックします。ページが更新され、[データソース] および [データ・プロジェクション] が表示されます。
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[データソース] 列の一番上の [変更] をクリックします。ダイアログ・ボックスが表示されます。ZENApp.MyReportOpens in a new tab を選択します。ページが更新され、レポート定義の構造が表示されます。データ構造は元の Zen レポートで決定されているため、このページにはレポートを再構成するツールはありません。
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[保存] をクリックします。
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クエリ・クラスから :
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[DeepSee]→[ビジュアル・レポーティング]→[レポート・データ定義]→[クエリからのビルド] をクリックします。
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[新規作成] をクリックします。表示されたダイアログ・ボックスで、以下の値を入力します。
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パッケージ名 : MyApp
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クラス名 : BuildQueryFilms
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[OK] をクリックします。ページが更新され、[データソース] および [データ・プロジェクション] が表示されます。
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[データソース] 列の一番上の [変更] をクリックします。ダイアログ・ボックスが表示されます。Cinema.Film_TopFilms を選択します。ページが更新され、既定のレポート構造が表示されます。
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[保存] をクリックします。
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このページを使用して、レポートのデータ構造を調整することができます。このプロセスについては、“レポート内容の編集” のセクションで説明します。
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ここから、“DeepSee ビジュアル・レポーティングの概要” セクションの “データ・プレゼンタの構築” および “レポートの実行” の手順で示したとおり、データの表示形式を定義し、レポートを実行することができます。