ユーザ・ポータルの概要

ユーザ・ポータルの目的

ユーザ・ポータルは、(スタジオや管理ポータルなどのバックエンド・ツールと対照的に) エンド・ユーザが直接使用することを目的としています。 ユーザ・ポータルは、ユーザが以下のタスクを実行できるように設計されています。

• ダッシュボードおよびピボット・テーブル (これらすべてに主要情報が格納されている) の表示と使用。Ensemble ユーザの場合、この情報には Ensemble ビジネス・メトリックを含めることができます。DeepSee ユーザの場合、この情報にはそのユーザの集約されたビューが示されます。このデータは、さまざまな方法で調査できます。

  これらの項目は、管理を容易にするために、フォルダにまとめることができます。また、項目の再検索をよりすばやくできるように、これらの項目にキーワードを付けることも可能です。

• ダッシュボードおよびピボット・テーブルの他のユーザとの共有。

  ユーザ・ポータルは共有環境です。つまり、指定された Caché ネームスペースのユーザ・ポータルにアクセスできるすべてのユーザに、同じ項目が表示されます。

• ダッシュボードの作成。これは一般的に、ピボット・テーブル、およびメータやスコアカードなどの他の要素を表示します。ダッシュボードは通常、特定の業務上のニーズに対応することを意図しています。

• DeepSee アナライザへのアクセス。ピボット・テーブルの作成、またはデータの任意の分析の実行ができます。

• Web ページおよび Zen レポートへのリンクの共有とアクセス。

• (Ensemble ワークフロー・ユーザの場合) ワークフロー・タスクの管理。

DeepSee へのログオン

サポートされているブラウザで、以下の URL に移動します。

http://localhost:57772/csp/samples/_DeepSee.UserPortal.Home.zen

localhost:57772 は Caché Web サーバで使用されるサーバおよびポートです。また、samples は使用している Caché ネームスペースです。プロンプトが表示されたら、Caché のユーザ名とパスワードを入力します。

ユーザ・ポータルの概要

SAMPLES ネームスペースでは、ユーザ・ポータルは以下のように表示されます。

このページには以下の要素があることがわかります。

• 左側の領域にはワークリストがあります。これは、ツールを含む長方形の領域です。詳細は、“ユーザ・ポータルでのワークリストの使用法” を参照してください。

  SAMPLES では、これらの領域には最初は何も表示されていません。

• 右側の主要領域には、パブリックな DeepSee のピボット・テーブルやダッシュボードなどの項目が表示されます。

  ここでは、項目を開き、項目を削除し、項目にお気に入りのマークを付けることができます。フォルダの展開または折りたたみも可能です。最上部の領域には検索オプションがあります。

  ダッシュボードでは、タイトルがある場合には、この領域にダッシュボードのタイトルが表示されます。タイトルがない場合には、この領域にダッシュボード名が表示されます。

  この領域には、プライベートとしてマークされた項目は表示されません。

  Ensemble ワークフロー・ユーザの場合は、主要領域に [ワークフロー受信トレイ] というラベルの付いた項目が表示されます。

• 左上の [メニュー] リンクには、ダッシュボードおよびピボット・テーブルを作成して開き、DeepSee で他のタスクを実行するためのオプションがあります。

  %Developer ロールに割り当てられている場合は、このメニューには、管理ポータルにアクセスするためのオプションが含まれます。

• 最上部の [ホーム] リンクは、このページを表示するリンクです。

• [ログアウト] リンクを使用するとログアウトできます。

ユーザ・ポータルは共有環境です。各ユーザに表示される項目の多くは、他のユーザにも表示されます。

ENSDEMO ネームスペースでは (Ensemble がインストールされている場合)、ユーザ・ポータルには別のサンプル・ダッシュボードのセットが表示されます。これらのダッシュボードには、Ensemble ビジネス・メトリックが表示されますが、外観については、このドキュメントの説明にある他のダッシュボードと同様です。

ピボット・テーブルとダッシュボードの概要

ピボット・テーブルは、InterSystems DeepSee の中心で、データを選択および集約します。以下の図は、年齢および男女別に患者数と患者 1 人あたりが抱えるアレルギー数の平均値を表すピボット・テーブルの例を示しています。

この例を参照しながら、DeepSee の主要な用語について説明します。

• レベルは、ソース・データをグループ化するために使用されます。レベルにはメンバがあります。同様に、個々のメンバは、ソース・データ内の特定のレコード・セットに対応します。

  例えば、Age Group レベルには、メンバ 0-29、30-39、および 60+ があります。Gender レベルには、メンバ Female および Male があります。

• メジャーは、ピボット・テーブルの本文に表示される値で、ソース・データの値に基づいています。指定されたコンテキストに対して、メジャーは該当するすべてのソース・レコード値を集約し、これらを 1 つの値として表します。

  例えば、メジャー Patient Count は患者数、メジャー Avg Allergy Count は患者 1 人あたりのアレルギー数の平均値です。

前述の例は、アナライザ内のピボット・テーブルのプレビューを示します。アナライザには、ピボット・テーブルの変更、Microsoft Excel へのエクスポート、グラフ形式への切り替えなどを行うためのツールが多数用意されています。

一般的にピボット・テーブルは、ダッシュボード内に以下のように表示されます。

このダッシュボードには、複数のフィルタがあります ([フィルタ] ボックスに表示されています)。フィルタは、このダッシュボードで項目をフィルタ処理するために使用できます。

ダッシュボードには、メータやスコアカードなど、他の種類の要素を含めることができます。スコアカードには、複数のデータ行がテーブル形式で表示され、値に依存するランプや矢印などの機能も含まれます。以下はその例です。

メータには、以下のようにグラフィカル・オブジェクトに 1 つ以上の値が表示されます。

次の章では、ダッシュボードについて詳しく説明します。“ダッシュボードの使用法” を参照してください。

ユーザ・ポータルのオプションの概要

ユーザ・ポータルでは、権限に応じて以下のタスクを実行できます。

• 他のユーザにアラートを送信します。

  Note:

  これらのアラートは、Ensemble アラートとは関係ありません。

• 受信したアラートを確認します。

• 他のユーザに電子メールを送信します (システムがそのように構成されている場合)。

• Ensemble ワークフロー・タスクを管理します (Ensemble ワークフロー・ユーザのみ)。

• アクセスしやすくするために、項目にお気に入りのマークを付けます。

• ダッシュボードを作成、変更、表示、および操作します。

  ダッシュボードの作成および変更に関する詳細は、"DeepSee ダッシュボードの作成" を参照してください。

• ピボット・テーブルを作成、変更、表示、および操作します。

  ピボット・テーブルの作成および変更に関する詳細は、"DeepSee アナライザの使用法" を参照してください。

• Web ページおよび Zen レポートへのリンクを追加します。

• ユーザ・ポータルに表示されているパブリックな項目を削除します。

• アナライザを表示して、アナライザで他の分析を実行します。"DeepSee アナライザの使用法" を参照してください。

特に明記されていない限り、このドキュメントではこれらのトピックについて説明します。

セキュリティ

DeepSee には、DeepSee の機能、DeepSee の項目、およびユーザ・データへのアクセスを管理する、正式なメカニズムがあります。このメカニズムは、基礎となる Caché セキュリティ・フレームワークに基づいています。このセクションでは、このメカニズムが与える影響についてまとめます。

詳細は、"DeepSee 実装ガイド" を参照してください。