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設定で使用する再利用可能項目の定義

この章では、設定値として使用する特定の再利用可能項目の定義方法について説明します。以下のトピックが含まれています。

SSL/TLS 構成も定義しなければならない場合があります。詳細は、"Caché セキュリティ管理ガイド" の “Caché での SSL/TLS の使用法” を参照してください。

次の章の “システム・デフォルト設定の定義” も参照してください。

ビジネス・パートナーの定義

Ensemble では、プロダクションの管理に役立つ追加情報を Ensemble プロダクションに追加するための方法が用意されています。ビジネス・パートナー・プロファイルは、お使いの Ensemble システムに接続されているアプリケーションや組織に関する情報です。各ビジネス・パートナーについて、パートナー名、注記、主連絡先と代替連絡先、連絡先の詳細などの情報を提供できます。プロファイルを定義しても、プロダクションの動作や実行はまったく影響を受けません。より多くの情報を保管するための手段が得られるだけです。

例えば、お使いのプロダクションが ABC 病院および XYZ 病院と通信するとします。この場合は、これら両方のプロファイルを連絡先情報と共に入力できます。これらの組織と通信する項目を構成するときに、ビジネス・ホストごとに定義された [パートナー名] を指定できます。

Ensemble, 構成, ビジネス・パートナー ページでは、プロダクション内で使用するビジネス・パートナーについての情報が格納されたプロファイルを表示および編集できます。

このページでは、定義済みのすべてのビジネス・パートナー・プロファイルがリストされて、ページの右ペインで既存のプロファイルを編集したり、新しいプロファイルを入力したりできます。

必須である一意の [パートナー名] とオプションの [説明] を入力してから、[主連絡先][代替連絡先] について以下の情報を入力します。

  • 名前

  • タイトル

  • 電子メール・アドレス

  • 電話番号

  • 携帯電話番号

  • メモ

[保存] をクリックして、この情報を現在のネームスペースに保管します。プロダクションを構成している場合は、この名前は [ビジネス・パートナー] 構成設定リストに表示されます。このリストをプロダクションで使用するために選択すると、プロダクション内のビジネス・ホスト項目をビジネス・パートナー別に分類できるようになります。

特定のビジネス・パートナーのプロファイルを削除するには、リストからプロファイルを選択して右側のペインにプロファイルを表示し、[削除] をクリックします。

認証情報の定義

いくつかのリモート・システムでは、そのシステムにログインするためにユーザ名とパスワードが必要です。ユーザ名とパスワードのペアが、ログイン資格情報です。Ensemble では、一元管理された安全なテーブルにログイン資格情報を保管できます。管理ポータルへの適切なアクセス権を持つユーザのみがこのテーブルを表示して編集できます。

Ensemble, 構成, 認証情報 ページには、現在のネームスペースの [認証情報] テーブルが表示されます。

[資格情報] テーブルの各エントリには [ID] が含まれており、プロダクションのビジネス・サービスまたはビジネス・オペレーションを構成する際には、これを [資格情報] 設定の値として使用します。プロダクションの [資格情報] テーブルにエントリを追加するには、ユーザ名とパスワードのペアに [ID] の値を割り当てます。情報としてのビジネス・パートナー名を資格情報と共に保管することもできます。

[資格情報] ページには、現在のネームスペースと関連付けられた定義済み資格情報のリストが表示されます。テーブルの各行には、以下の列があります。

  • ID — このユーザ名とパスワードのペアを識別する一意の文字列です。リモート接続を確立するためにビジネス・サービスまたはビジネス・オペレーションを構成する際に、[資格情報] 設定でこの名前を使用します。

  • [ユーザ名] — リモート・システムへのログインに使用するユーザ名です。

  • [パスワード] — ログオン・ユーザ名に対応するパスワードです。

  • [ビジネス・パートナー] (オプション) — この項目に関連付けられたビジネス・パートナーのプロファイルの名前です。

    編集時にリストからプロファイルを選択して、その詳細を表示するには、虫めがねのアイコンをクリックします。[ビジネス・パートナー構成ページ] リンクをクリックして、プロファイルを作成または編集することも可能です。

[資格情報] 行を選択すると、右側のペインに現在の設定が表示されます。行を選択しない場合、右側のペインに新しい資格情報作成のための空白のフィールドが表示されます。テーブルの説明に示されているように、フィールドに値を入力します。[資格情報ビューワ] では、2 つのアクションを選択できます。

  • [保存] をクリックすると、更新された値または新しい値を資格情報の値として保管し、テーブルに表示します。

    行を編集して ID を変更することを選択した場合は、[保存] をクリックする際に、資格情報の名前変更を希望するのかどうかを確認する必要があります。

  • [削除] をクリックすると、選択した資格情報を削除します。

Caution:

[削除] の操作を実行後に取り消すことはできません。

スケジュール指定の定義

ビジネス・ホストのデフォルトのスケジューリングは、プロダクションの稼動時にホストも稼動するというものです。ただし、きめ細かい制御もできます。ビジネス・ホストを有効化および無効化できるだけでなく、Ensemble, 構成, プロダクション ページでは、ビジネス・ホストごとの [スケジュール] 設定も用意されています。ここには、項目を特定の曜日、月、または年の特定の時刻に起動および停止するスケジュールを示す、オプションのコマンド文字列を指定します。起動時刻になると、対象項目が有効になっている場合は、スケジューラによってその項目が開始されます。停止時刻になると、対象項目が実行中の場合は、スケジューラによってその項目が停止されます。

Ensemble, 構成, スケジュール仕様 ページでは、この構成設定で使用する文字列を簡単に作成できます。スケジュール文字列を作成して名前を付けたら、その文字列を [スケジュール] 構成設定の値として使用できます。

スケジュール指定

[スケジュール] の文字列は、イベント仕様のカンマ区切りリストです。各イベント仕様は、以下の形式をとります。

action:YYYY-MM-DDThh:mm:ss

このイベント仕様を構成する各項目は、左から右の順に以下の値をとります。

項目 使用可能な値
action START または STOP は必要なアクションを示します。
: 必須の区切り文字
YYYY-MM-DD ここで、
  • YYYY は 4 つの数字で表した年です。

  • MM は 2 つの数字で表した月です。

  • DD は 2 つの数字で表した月の日にちです。

  • これらのフィールドには 1 文字の * (アスタリスク) を指定できます。その場合は、すべての年、月、または日にちを示します。

または
  • YYYY は単語 WEEK です。

  • MM は、DD で指定された曜日が月の中で占める位置です (01 = 月の最初の指定曜日、02 = 月の 2 番目の指定曜日、以下同様)。

  • DD は特定の曜日です (00 = 日曜日、01 = 月曜日、以下同様)。

  • MM* を設定すると特定曜日のすべてを指定でき、DD* を設定するとすべての曜日を指定できます。

あるフィールドに * を指定すると、そのフィールドの左側にあるすべてのフィールドにも * が指定されていると見なされます。したがって、DD の値が * の場合は、MM の値に特定の数値を指定していても * として処理されます。同様に、MM* の場合、YYYY* として処理されます。

T 必須の区切り文字
hh:mm:ss 時間、分、および秒
, 現在のイベント仕様の後に別のイベント仕様が続く場合にのみ、カンマ区切り文字を使用します。カンマ区切り文字は [スケジュール] の文字列の末尾に使用しないでください。

スケジュール指定を導入可能として設定した場合は、プロダクションのエクスポート時にその指定を含めることができます。プロダクションをエクスポートする際は、[導入可能な設定] を選択して、Ens.Util.ScheduleOpens in a new tab 設定を選択します。

詳細は、"クラスリファレンス" の Ens.ScheduleHandlerOpens in a new tab のエントリを参照してください。

以降の節では、サマータイムに関する考慮事項の詳細、および設定の想定用途と制限事項について説明します。

スケジュールに反復イベントが含まれている場合は、[スケジュール] 設定では START と STOP の両方のアクションを指定する必要があります。スケジュール設定の対象が 1 回限りのイベントである場合は、START または STOP のうち適切なアクションを 1 つだけ使用する必要があります。ほとんどの場合は、[スケジュール] の文字列には START アクションと STOP アクションを 1 つずつ指定する必要があります。

以下に、[スケジュール] の文字列の例をいくつか示します。

  • ビジネス・ホストを毎日午前 8 時に起動して午後 5 時に停止します。

    START:*-*-*T08:00:00,STOP:*-*-*T17:00:00
    
  • 毎年の 1 月 2 日の午前 7 時に停止して、1 月 3 日の午前 7 時に再び起動します。

    STOP:*-01–02T07:00:00,START:*-01-03T07:00:00
    
  • 毎月 2 日の午前 8 時に起動し、毎月 10 日の午後 8 時 30 分に停止します。

    START:*-*-02T08:00:00,STOP:*-*-10T20:30:00
    
  • 毎日曜日の午前 10 時に停止して、毎月曜日の午前 8 時 30 分に起動します。

    STOP:WEEK-*-00T10:00:00,START:WEEK-*-01T08:30:00
    
  • 毎月の 3 回目の火曜日の午前 9 時に起動して、毎月の 3 回目の金曜日の午後 4 時に停止します。

    START:WEEK-03-02T09:00:00,STOP:WEEK-03-05T16:00:00
    
  • 2010 年 12 月 31 日の夜中 12 時の直前に停止します。

    STOP:2010-12-31T23:59:59
    
  • 2011 年 1 月 3 日の午前 6 時 45 分に起動します。

    START:2011-01-03T06:45:00
    
  • 以下の 2 つの文字列は同等で、いずれも毎日午前 2 時の起動を指定しています。

    START:*-*-*T02:00:00
    START:WEEK-*-*T02:00:00
    

スケジューリングとサマータイム

サマータイム (DST : Daylight Saving Time) の開始日には、クロックは 1 時間だけ進められますが、通常は午前 2 時から午前 3 時までの 1 時間がこれに該当します。この存在しない 1 時間中にスケジュールされているイベントは、この 1 時間の開始時点 (= 終了時点) で実行されます。例えば、DST の開始日には、午前 2 時 15 分に実行されるようにスケジュールされているイベントは、午前 2 時 (= 午前 3 時) ちょうどに実行されます。

DST の終了日には、同一時刻の 1 時間分が繰り返されますが、通常は午前 1 時から午前 2 時までの 1 時間がこれに該当します。この繰り返される 1 時間中にスケジュールされているイベントは、1 回しか実行されません。このイベントが、スケジュール時刻が最初に訪れたときに実行されるのか 2 回目に訪れたときに実行されるのかは、オペレーティング・システムによって異なりますが、実行されるのは 1 回だけです。例えば Windows システムの場合は、DST の終了日には、午前 1 時 15 分に実行されるようにスケジュールされているイベントは、2 回目の午前 1 時 15 分に実行されます。

想定用途と制限事項

[スケジュール] 設定は、スケジュールに従ってプロダクションのビジネス・ホストを起動および停止するものであり、タスク・スケジューラではありません。スケジュール文字列では、対象の項目が実行されている必要のある周期的な期間を指定し、この期間外はその項目は実行されていない必要があります。Ensemble は、スケジュールされているアクションが他のプロダクション・イベントによって妨げられたり中断されたりすることを防止できません。

スケジューラは、定期的に休止状態から復帰して (スケジューラはスケジュール対象項目の次回のアクション予定時刻に合わせて独自のアラーム・クロックを設定します)、スケジュール文字列で指定されたとおりの状態に現在なっていない項目があれば、それらの項目を起動または停止しようとします。スケジューラは、Ens.ScheduleHandlerOpens in a new tab クラスの UpdateProduction() メソッドを実行して、次にどのイベントをスケジュールする必要があるのかを確認します。

スケジュール文字列で指定されたとおりにアクションが実行されることを妨げる要因としては、以下の 2 種類が挙げられます。

  • スケジューラが意図された状態変化を引き起こすことができない場合です。つまり、UpdateProduction()Opens in a new tab メソッドが関連項目に作用できない場合です。

    例えば、項目が読み取りタイムアウト状態になっているか、更新タイムアウトより継続時間が長い他のビジー状態になっている可能性があります。もう 1 つの例としては、スケジューラによって起動されたビジネス・ホストが同期呼び出しの最中であるために、スケジューラによって停止できないことが考えられます。このようなビジネス・ホストは、呼び出しに対する応答を待ってから、スケジューラによって停止される必要があります。

  • スケジューラが意図された時間に再開できない場合です。この状況を引き起こす可能性のある事例としては、CPU がビジー状態であること、スケジューラのアラーム・クロック・メッセージが蓄積してキューの内容が増大していること、スケジューラ自体が無効化されているかクラッシュしていること、プロダクションがダウンしていることなどが挙げられます。スケジューラは、特定の期間中に休止状態から復帰することは保証されておらず、休止状態から復帰した場合は、現時点の想定されている状態のみを確認し、復帰しているはずだった期間の履歴はまったく確認しません。

スケジュール設定は、イベント通知手段として用意されているわけではありません。スケジュール設定の目的は、計画的なシステム停止に対応したり、アクティブ状態や非アクティブ状態の期間をスケジュールしたりすることです。イベントを特定の時点または特定時点以降のできる限り早い時点で実行する必要がある場合は、Ensemble では以下の適切な代替手段が用意されています。

  • ビジネス・サービスが、そのビジネス・サービスの呼び出し元である実装済み OnTask() メソッドと共に受信アダプタを使用するように構成できます。Ensemble では、さまざまなタイプの受信アダプタのクラスが用意されています。詳細は、"クラスリファレンス" の Ens.InboundAdapterOpens in a new tab のエントリと、"Ensemble アダプタ・ガイド" セット内のドキュメントを参照してください。

  • アダプタを使用することを希望しない場合は、ビジネス・サービスをプログラム側で呼び出して、管理ポータルの システム操作, タスクマネージャ ページ (/csp/sys/op/UtilSysTaskHome.csp) を使用して、このビジネス・サービスを実行するようにスケジュールできます。これにより、システムが午前 1 時にダウンするなどの状況においてよりきめ細かい制御が可能になります。

    推奨されるアプローチは、このビジネス・サービスの [プール・サイズ] を 0 に設定してから、タスク・マネージャを使用してタスクを起動することです。このタスクは、そのタスク上で CreateBusinessService() を呼び出して、その結果得られるサービス・インスタンス・オブジェクト上で ProcessInput() を呼び出します。ビジネス・サービスをこのようにして呼び出すことの利点は、希望の時点でビジネス・サービスが呼び出されて、1 回しか実行されないことです。Ensemble が偶然にそのときにダウンしていた場合は、実行するタスクによってエラーを記録できます。詳細は、以下の節を参照してください。

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