このドキュメントの概要
このドキュメントでは、今回の Caché リリースに追加された主要機能について説明します。また、このリリースへのアップグレードを成功させるために必要な情報についても説明します。
このドキュメントの内容は次のとおりです。
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Caché 2018.1 のアップグレード・チェックリスト — アップグレードする前に、この情報をお読みください。
次のドキュメントに、関連する情報が記載されています。
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Caché リリース・ノートおよびアップグレード・チェックリスト・アーカイブ — 以前のリリースの新機能とアップグレードに必要な情報の両方が用意されています。
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このリリース用のオンライン・ドキュメント "インターシステムズでサポートされるプラットフォームOpens in a new tab" — 今回のリリースの Caché でサポートされるテクノロジの一覧が掲載されています。
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Caché インストール・ガイド — ご使用のシステムに Caché をインストールする手順を説明します。
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Caché 入門 — Caché の機能および主要コンポーネントの概要が記載されています。
ライセンスに関する一般的な注意事項
インターシステムズは顧客に対して、ライセンスのもと、その製品や機能を提供しています。インターシステムズは、購入したライセンス機能から構成される前述の製品または機能の使用を強制する場合もしない場合もありますが、顧客はライセンスの条件を遵守することが期待されています。また、インターシステムズは、いかなるリリースにおいても、予告なく規則の実施を強化することがあります。
開発者は、マルチサーバ機能やミラーリング、Web サービス機能など製品の特定機能を使用するには、ある種のライセンス・タイプが必要であることを認識する必要があります。具体的な要件については、インターシステムズの価格表、およびライセンスの使用条件に記載されています。これらはインターシステムズの担当者がご提供いたします。
アプリケーションによるインターシステムズ Web サーバの使用
インターシステムズでは、Apache ベースの Web サーバ (多くの場合、"プライベート Web サーバ" と呼ばれる) をインストールすることで、自社製品の管理ポータルが常に利用できるようにしています。 プライベート Web サーバは、インターシステムズの管理サーバの管理ニーズを満たすように構築および構成され、インターシステムズ製品にのみ接続するように構成されています。 通常、選択されたオプションは、実稼働環境での使用には適していません。特に、セキュリティは最小限であり、通常、使用されるオプションは大量の HTTP 要求には適しません。 また、インターシステムズによるプライベート Web サーバのテストは、Caché、Ensemble、HealthShare などのインターシステムズ製品の管理用のプライベート Web サーバの使用のみを対象範囲としています。
顧客がこの Web サーバをインターシステムズ製品の管理に使用する必要はありません。使用するサーバ上に配置されている任意の Web サーバを使用することも可能です。 このプライベート Web サーバは、インストールおよびインストールの依存関係を簡素化するために便宜上提供されています。 また、多くの開発者が、ユニット・テストにプライベート Web サーバを使用することが有効だと感じています。
UNIX® による構築では次のパラメータを使用します。
--prefix=<installation_location> --disable-actions --disable-asis --disable-auth --disable-autoindex --disable-cgi --disable-cgid --disable-charset-lite --disable-dir --disable-env --disable-imap --disable-include --disable-negotiation --disable-setenvif --disable-shared --disable-status --disable-userdir --enable-access --enable-alias --enable-log-config --enable-mime --enable-so --without-berkeley-db --without-gdbm --without-ndbm
作成されたサーバは、Apache グループの Prefork マルチプロセッシング・モジュール (MPM) を使用する既定値を持ちます。 これは、非スレッド化サーバ・モデルです。同時に処理できる要求の数は、プール内の Apache ワーカ・プロセスの数に直接関係します。 プライベート Web サーバは、プールに対して作成を許可するワーカ・プロセスの数を 2 つまでとすることで、占有するフットプリントが最小限になるように構成されています。 サーバに対する Apache 構成 (httpd.conf) の設定は次のようになります。
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MinSpareServers: 1
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MaxSpareServers: 2
一方、プロダクション・グレードの構築に対する既定の Apache 構成は、通常以下のとおりです。
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StartServers: 5
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MinSpareServers: 2
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MaxSpareServers: 20
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ServerLimit: 256
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MaxClients: 256
この構成によって、Apache は起動時に 5 つのワーカ・プロセスを作成でき、同時に発生する負荷の増加に伴って最大 256 個まで増やすことが可能です。 構成においてこのような違いがあるために、プライベート Web サーバのパフォーマンスは、同時に発生する負荷の増加に伴って、プロダクション・グレードでの Apache の構築のパフォーマンスよりも明らかに劣るようになります。
Windows ベースの Apache インストールでは、Windows 用の正式なバイナリ配布と、オペレーティング・システムの最適化方法により適した特殊なマルチスレッドのマルチプロセッシング・モジュール (MPM) を使用します。ただし、インターシステムズでは、モジュールの小さなサブセット (mod_alias.so、mod_authz_host.so、mod_log_config.so、および mod_mime.so) のみをインストールおよびロードするため、使用できる機能は限られています。
予期される HTTP トラフィックが非常に少量で、高可用性や安全な処理に対する要求がそれほどない場合は、プライベート Web サーバが導入ニーズに適していることが考えられます。ただし、大量の HTTP トラフィックが予期される、Web サーバで高可用性が求められる、Web 情報の他のソースと統合する必要がある、または Web サーバに対する高度な制御を必要とする場合には、各自個別の Apache のコピーを (できれば独自のサーバに) インストールし、CSP ゲートウェイを使用して Cache、Ensemble、または HealthShare と通信するように構成することをお勧めします。 上記のオプションを確認して、これに当てはまるかどうかを判断してください。