Caché へのアプリケーションの接続
接続ツール
アプリケーションの性質により、ユーザ・インタフェースをデータベースに接続するさまざまなツールを使用している場合があります。
-
MSM アクティベイト
-
MSM-SQL、KB-SQL、および M/SQL
-
MSM-PDQWeb
-
MSM-Workstation
MSM アクティベイト
MSM アクティベイトは、M 関数を呼び出す、XECUTE コマンドを実行する、または以下のいずれかの方法で MSM Server 上で低レベルの演算を実行するための手段を提供します。
-
C から呼び出し可能な Windows DLL
-
ActiveX コントロールまたは COM オブジェクト
-
さまざまな UNIX® プラットフォームに基づく C ライブラリ
-
一連の Java クラスと関連する Java Bean
選択する接続方法に関係なく、クライアントはすべて TCP/IP を介して MSM Server 上で待ち受けているプロセスに接続します。
MSM アクティベイトのサーバ・コードは、Caché に移植されているため、クライアント側のアプリケーションを変更することなく、MSM アクティベイト・アプリケーションを Caché に対して実行できます。
インターシステムズは、長期的な目標として、現在使用している MSM アクティベイト・ベースのアプリケーションを、ネイティブ Caché テクノロジに変換することを推奨しています。クライアント・インタフェースを構築するのに使用したツールによって、利用できる Caché オプションが異なります。
-
Caché オブジェクトでは、C++、あらゆる Active X クライアント (例えば Visual Basic、PowerBuilder、Delphi)、あらゆる Java ベースのツール (例えば J++、Visual Café、JBuilder) などの多彩なアプローチを使用できます。詳細は、Caché に付属の各種ガイドを参照してください。
-
Caché Direct は、概念的に MSM アクティベイトの Active X コンポーネントと非常によく似ており、OCX を処理できるすべてのツールの使用を可能にします。詳細は、"Caché Direct の使用法" を参照してください。
-
Caché コールイン・インタフェースは、MSM アクティベイトのコールイン・インタフェースとよく似ており、すべてのプラットフォーム上で C プログラムから Caché にアクセスできるようにします。詳細は、"Caché コールイン API の使用法" を参照してください。
MSM-SQL、KB-SQL、および M/SQL
リレーショナル・アクセスを行う場合、以下の 2 つの MSM のリレーショナル環境のうちの 1 つを選択しています。
-
MSM-SQL (以前のバージョンの KB-SQL の名前を変更したバージョン)
-
InterSystems M/SQL (FDBMS とも呼ばれる)
データ・ディクショナリを含むグローバルが、既に MSM から Caché に移行されているため、Caché システム上で、直接、リレーショナル環境を MSM から Caché SQL または M/SQL for Caché Version F.17 に変換できます。
-
KB SQL の場合、データ・ディクショナリ・コンバータの最新バージョンへのアクセス方法について、InterSystems のアカウント・マネージャまでお問い合わせください。これは、^SQL ディクショナリ・グローバルをとり、テーブル・マッピングを Caché オブジェクト・クラス定義に変換します。これらの定義は、自動的にデータをリレーショナル・テーブルとして公開します。
-
M/SQL FDBMS については、Caché の DBMS に変換するために 2 つの手順を実行する必要があります。これらの手順は、FDBMS オブジェクトを含む任意のネームスペースから実行する必要があります。
-
必要な DBMS 変換の手順を実行するには、^%msql ユーティリティのシステム管理メニュー・オプションにある、変換マネージャを使用します。
-
次のコマンドを実行して、すべての DBMS オブジェクトを再コンパイルします。
Do all^%mcompil
-
F から CDL エクスポート・ユーティリティを実行します。
-
データ・ディクショナリを F.17 またはそれ以降のバージョンの Caché に変換した後、これらの F データ・ディクショナリを、Caché オブジェクトと高度に統合された最新の Caché SQL に変換する必要がある場合があります。
ODBC 接続では、MSM と Caché は同様に機能しますが、通常は、全体的なリレーショナル・パフォーマンスの大幅な向上と実行コストの低減が実現します。ODBC に関する詳細は、"Caché SQL の使用法" を参照してください。
MSM-SQL データ・ディクショナリおよび KB-SQL データ・ディクショナリの変換方法の詳細は、インターシステムズのアカウント・マネージャにお問い合わせください。
M/SQL for MSM を使用してアプリケーションを実装している場合は、M/SQL フォームから Caché の移行に関する詳細情報について、アカウント・マネージャまたは WRC にお問い合わせください。
MSM-PDQWeb
MSM-PDQWeb は、Web サーバを MSM サーバと接続します。それにより、要求が Web から MSM に送信されるよう処理され、MSM は静的または動的に生成された HTML の形で応答します。MSM-PDQWeb は、目的と実装の両面で InterSystems の WebLink テクノロジとよく似ています。このテクノロジは、現在では Caché Server Pages (CSP) に取って代わられています。インターシステムズは今後、WebLink を積極的には拡充しません。
PDQWeb および WebLink は Caché に集約され、どちらのテクノロジでも変更せずに、またはごくわずかな変更で実行できるように、アプリケーションを記述できるようになりました。この集約により、次の 2 つの最も頻繁に求められてきた PDQWeb の強化機能が MSM ユーザに提供されます。
-
ステート認識接続のサポート (現在使用可能なステートレス接続に加えて)。
-
より広範な種類の Web サーバのサポート。
Caché で PDQWeb アプリケーションを実行するには、いくつかの重要な手順に従う必要があります。ご使用の Web サーバ・プラットフォームにより、手順は異なります。この変換プロセスに関する詳細は、"Caché WebLink ガイドOpens in a new tab" を参照してください。
CSP はブラウザ・ベースのアプリケーションを構築する際の優先的なアプローチとして推奨されており、可能な限り WebLink の代わりに使用する必要があります。
MSM-Workstation
GUI 開発ツールの分野では、インターシステムズと Micronetics の戦略は大きく異なっていました。Micronetics は自社のインタラクティブな開発環境に焦点を当てているのに対し、インターシステムズは Visual Basic および Delphi などの大量に出回っている GUI 開発ツールを活用することに重点を置いていました。
現在使用している MSM-Workstation アプリケーションの代わりに、Caché オブジェクト・テクノロジを使用することを強くお勧めします。Caché オブジェクトを使用することで、あらゆる業界標準 GUI や Web 開発ツールをすべての GUI 開発プロジェクトで使用できます。業界標準のツールと組み合わせた Caché オブジェクトの使用により、急速な業界の変化に、より効果的に対応できます。
Caché では、現時点で次のようないくつかの MSM-Workstasion の主な機能を提供しています。
-
グラフィカルなデバッグ環境
-
グラフィカルなルーチン・エディタ
-
シングル・ユーザ・システムにはロイヤルティなしのライセンス
Caché では、MDC で定義された M/WAPI 標準をサポートしていません。
詳細は、インターシステムズの営業担当にお問い合わせください。
ターミナル・サーバ
TELNET ターミナル・サーバおよび LAT ターミナル・サーバ
Caché では、ご使用のアプリケーションにターミナルを接続する方法として、ターミナル・サーバをサポートしています。これらのターミナルは、Caché の組み込みターミナル機能を使用して、TELNET または LAT を介して接続できます。TELNET および LAT 接続を構成するには、管理ポータルの [ホーム]→[構成]→[詳細設定] ページを使用します (Caché Telnet 設定は、インターシステムズが Telnet サーバを提供している Windows 構成にのみ適用されます)。
ターミナル・デバイスの使用法の詳細は、Caché 入出力デバイス・ガイドの入出力デバイスとコマンドおよびターミナル入出力の章を参照してください。
Windows 環境では、特定の物理ターミナル・サーバ・ポートを特定のターミナル・デバイスと連携させる標準的な方法はありません。これは、$IO を使用して特定のユーザまたはデバイスを識別する MSM アプリケーションを変更する必要がある場合があることを意味します。この問題を解決するには、いくつかの方法があります。
-
個別のターミナルまたはグループのターミナルを特殊変数 $ZIO の特定の値と連携させるターミナル・デバイスでは、$ZIO には TELNET ポート番号とホスト IP アドレス、または LAT サーバ名とポート名が含まれます。
-
ターミナルの対応する ($ZIO 特殊変数から取得した) サーバまたはドメイン名とポートで名前が構成される Caché ユーザ・アカウントを作成することにより、特定のターミナルを識別するこの場合、アプリケーション内で、$IO 特殊変数への多くの参照を、$ZIO 変数または他のアプリケーション定義変数に変更する必要が生じます。
-
このターミナル・デバイスを、User Accounts ユーティリティを使用して特定のルーチンと連携させることもできます。
-
-
ダム・ターミナルのアンサーバック機能を使用して、一意の ID を取得する。例えば、DEC VT420 では、アンサーバックを Setup\Comm\Answerback 内で設定して、$character(5) を持つ文字列を取得します。
-
ご使用のターミナル・サーバで利用可能な場合は、telnet を使用してセッションとポートの情報を報告できます。ターミナル・サーバにこの情報について照会し、ターミナル・サーバが返すデータを解析するために、NT または Caché レベルで、スクリプト記述をする必要が生じる場合もあります。
Caché の TELNET サービスおよび LAT サービスは、Windows 95 または 98 のプラットフォームでは稼動しません。この機能は、NT、2000、XP など、他の Windows プラットフォームで使用する必要があります。LAT は、これらの Windows プラットフォームでのみ Caché により直接サポートされます。Windows 以外のプラットフォームでの LAT のサポートについては、サードパーティ製品を使用する必要がある場合があります。
負荷分散アルゴリズムは、MSM と Caché とで違いがあります。MSM LAT Service Rating (LATSR) は、任意のサーバの現在のプロセス負荷と最大のプロセス負荷に基づいて計算されます。Caché LATSR は、システム・マネージャにより定義された特定の数字を取り、それをシステムの現在の CPU 負荷で乗算して、システム・マネージャにより設定された数字よりも高いまたは低い数字を生成することにより、算出されます。
Caché LATSR は既定では 1 に設定されます。そのため、MSM と Caché アプリケーション/計算サーバが並んで、両方とも同じ LAT サービスを通知している状態で接続すると、ほぼ確実にすべてのユーザが MSM サーバにログインしてしまいます。
この状況を回避するには、Caché LATSR レベルを、MSM サーバの LATSR の既知の範囲に基づいて、より適切な数字に増やします。
シリアル・ポート拡張ボード
Caché for Windows では、Windows NT 用のサポートされるドライバを使用すれば、Digi International 社製のインテリジェント・シリアル・ポート拡張ボードをすべてサポートします。Digi ボードを Caché で使用する前に、[COM ポートの自動スタート] ボックスにチェックが付いていることを確認する必要があります。このオプションは System Configuration ユーティリティの [ターミナル] タブにあります。このオプションを有効にするには、Caché を再起動する必要があります。これにより、ユーザ・ログインを許可する指定されたポート上で待ち受ける、指定されたポート上の COM ポート・リスナ・ルーチンが起動されます。
MSM とは異なり、Caché デバイスは動的に使用でき、システム・セットアップであらかじめ定義される必要はありません。
MSM ターミナル・デバイスの特性の変換
以下のテーブルに、MSM ターミナル・デバイスの特性と同等の Caché OPEN/USE プロトコルをリストします。
Bit Pos | 10 進数値 | MSM 名 | Cache での機能 (名前) |
---|---|---|---|
31-28 | N/A | Reserved | ***N/A*** |
27 | 1.3E+08 | Pass-All Flow | デバイスでサポートされている場合はイメージ・モードで有効です。 |
26 | 6.7E+07 | Prompted Read | /FLUSH または "F" プロトコル (フラッシュ) の一部です。 |
25 | 3.4E+07 | Type Ahead | /FLUSH または "F" プロトコル (フラッシュ) を参照してください。 |
24 | 1.7E+07 | ZUSE | Cache では ZUSE は利用できません。 |
23 | 8388608 | Pass All | /IMAGE または "I" プロトコル (イメージ・モード) を参照してください。 |
22 | 4194304 | No <XOFF> | Cache では OS 設定を使用します。 |
21 | 2097152 | <CTRL_O> | OS で制御されます。 |
20 | 1048576 | Control Character | 直接の相互関係はありません。 |
19 | 524288 | Empty Line Delete | Cache ではサポートされません。 |
18 | 262144 | Data Length | OS で制御されます。 |
17 | 131072 | $X および $Y Update | /XYTABLE または "Y\name\" プロトコル ($X/$Y アクション・モード) で制御されます。 |
16 | 65536 | Type of CRT | /CRT または "C" プロトコルと "P" プロトコル (CRT ターミナル/プリンタ・デバイス) を参照してください。 |
15 | 32768 | Interrupt | Cache ではサポートされません。 |
14 | 16384 | Lowercase | /TRANSLATE または "K" プロトコル (入出力変換モード) で制御されます。 |
13 | 8192 | Line Feed | デバイス・サブタイプの構成内で制御されます。 |
12 | 4096 | <TAB> Control | デバイス・サブタイプの構成内で制御されます。 |
11 | 2048 | Line Carrier | Windows でのみサポートされます。$ZA および COMMCTRL を参照してください。 |
10 | 1024 | Printer | /CRT または "C" プロトコルと "P" プロトコル (CRT ターミナル/プリンタ・デバイス) を参照してください。 |
9 | 512 | Connect | Windows でのみサポートされます。COMMCTRL を参照してください。 |
8 | 256 | Logon | Windows でのみサポートされます。COMMCTRL を参照してください。 |
7 | 128 | Cursor Position | Cache ではサポートされません。 |
6 | 64 | Escape | Cache ではサポートされません。 |
5 | 32 | <CTRL_S> | OS で制御されます。 |
4 | 16 | <CTRL_O> | OS で制御されます。 |
3 | 8 | Modem Control | Windows でのみサポートされます。COMMCTRL を参照してください。 |
2 | 4 | CRT | /CRT または "C" プロトコルと "P" プロトコル (CRT ターミナル/プリンタ・デバイス) を参照してください。 |
1 | 2 | Output Only | Cache では直接サポートされません。Windows では COMMCTRL を参照してください。 |
0 | 1 | Echo | /ECHO または "S" プロトコル (Secret Input) を参照してください。 |