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This is documentation for Caché & Ensemble. See the InterSystems IRIS version of this content.Opens in a new tab

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Caché パラメータ・ファイルの概要

Caché の起動時には、Caché パラメータ・ファイル (CPF ファイル) cache.cpf というテキスト・ファイルから構成値が読み取られます。このファイルは、特定の Caché 構成を記録したものです。この章では、以下について説明します。

  • CPF ファイルにおける各行のテキストの構文と目的

  • CPF ファイルのパラメータの値を選択する方法

  • CPF ファイルのすべてのパラメータのシステム既定値

  • 特定の CPF ファイルを使用した Caché の起動方法

  • 管理ポータル、Config クラス API、またはテキスト・エディタを使用した CPF ファイルの変更方法

ファイル名と場所

Caché パラメータ・ファイル名には、任意の有効なファイル名を使用できます。拡張子は .cpf です。Caché を新規インストールするたびに、cache.cpf という既定のパラメータ・ファイルが作成されます。

Caché パラメータ・ファイルは、Caché のインストール・ディレクトリに存在する必要があります。これは、Caché のインストール先ディレクトリです。正確なパス名はプラットフォームによって異なり、Caché のインストール時に選択するディレクトリ名によって決まります。以下のテーブルに例を示します。

既定の Caché パラメータ・ファイルの一般的な場所
プラットフォーム パス名
Windows C:\install-dir\cache.cpf 。既定では、C:\Intersystems\Cache\cache.cpf
OpenVMS _$1$dka100:[install-dir]cache.cpf
UNIX® および Linux /bin/install-dir/cache.cpf
Mac /bin/install-dir/cache.cpf

Caché の構成

Caché のインストール・ディレクトリに保存できるパラメータ・ファイルの数に制限はありません。パラメータ・ファイルは、それぞれが異なる Caché 構成を表します。新しい機能の開発とテスト、問題のトラブルシューティング、プロダクション・システムの実行など、さまざまな必要性に応じて異なる構成で Caché を起動できます。例えば、Windows で、Caché インストール・ディレクトリが C:\MyCache の場合、各 CPF ファイルは以下のようになります。

C:\MyCache\cache_original.cpf
C:\MyCache\production.cpf
C:\MyCache\development.cpf
C:\MyCache\testapps.cpf
C:\MyCache\cache_customerbug.cpf

システムのシャットダウン時に、最後の既知のエラーなし構成が、インストール・ディレクトリ内の _LastGood_.cpf というファイルに自動的に保存されます。このファイルは、必要に応じてリカバリに利用できます。

CPF ファイルの指定

Caché をインストールした各環境は、インスタンスと呼ばれます。各インスタンスには名前がありますが、これは Caché のインストール時に指定した名前です。インスタンスの既定名は CACHE です。

インストール・ディレクトリに置いた任意の CPF ファイルを使用して Caché を起動できます。cache.cpf 以外の CPF ファイルを使用して Caché を起動するには、コマンド行でファイル名を指定します。

以下のコマンドは、mycache.cpf という CPF ファイルを指定して Caché を起動します。

ccontrol start SPECIALCONFIG mycache.cpf 

以下は、この指定の説明です。

  • ccontrol start は Caché インスタンスをコマンド行から起動します。

  • SPECIALCONFIG は Caché インスタンスの名前です。

  • mycache.cpf は使用するパラメータ・ファイル (つまり構成) です。

この Caché インスタンスに対して別の構成を使用するには、Caché を停止してから、別のパラメータ・ファイルを指定して再起動する必要があります。

その他の ccontrol コマンド行オプションなど、Caché コマンド行の詳細は、"Caché システム管理ガイド" の “Caché 複数インスタンスの使用法” の章を参照してください。

アクティブな CPF ファイルの編集

管理ポータルを使用して構成設定を編集して保存すると、その Caché インスタンスを起動したときに使用した CPF ファイルに設定が保存されます。そのファイルにある既存の値は、ポータルでの変更内容によって上書きされます。

テキスト・エディタを使用して、CPF ファイルを編集して保存することもできます。CPF ファイルのバックアップ・コピーを保存してから編集することをお勧めします。

構成のセキュリティ

Caché の起動時に、前回の起動時以降、テキスト・エディタによって Caché パラメータ・ファイルが変更されたことが検出され、構成セキュリティが有効になっている場合は、その変更の検証のために、Caché の起動ユーティリティによってユーザ名とパスワードの入力が要求されます。指定するユーザ名には、%Admin_Manage:Use 特権が付与されている必要があります。適切なユーザ名とパスワードを指定できない場合、オペレータは、以下のいずれかを選択する必要があります。

  1. ユーザ名とパスワードを再入力する。

  2. 最新の既知の正しい構成を使用して起動する。

  3. 起動を中止する。

オペレータが 2 番目のオプションを選択した場合は、起動時に呼び出したパラメータ・ファイルの名前 (file.cpf) が変更され、_rejected という接尾語が付加されます (file.cpf_rejected)。次に、最新の既知の正しい構成 (_LastGood_.cpf) によって file.cpf が上書きされ、この構成を使用して Caché が起動します。

システム全体に適用されるその他のセキュリティ・パラメータの詳細は、"Caché セキュリティ管理ガイド" の “システム管理およびセキュリティ” の章を参照してください。

パラメータ・ファイルの形式

Caché パラメータ・ファイルは、行単位の表記の UTF-8 テキスト・ファイルです。各行の終わりには、キャリッジ・リターンと改行文字を置きます。長い項目を次の行に続けることはできません。ファイル内の各行は、以下のいずれかになります。

  • 0 個以上のスペースとタブから成る空の行

  • 角括弧 ([ ]) で囲まれたファイル・セクション名

  • 1 個の Caché 構成パラメータとその値

コメント

コメントを追加するには、行をセミコロンで始めます。

スペース

一般的に、行の先頭や行の終わりにあるスペースは無視されます。行の途中にあるスペースは、通常は意味があるものと見なされます。行の途中のスペースは、文字列内で意味を持つ要素である場合を除いて、使用しないことをお勧めします。

セクション

互いに関連する設定は同じセクションに集められています。セクションの開始を示す行では、セクションの名前が角括弧で囲まれています。以下はその例です。

[Devices]

セクション名以降、次のセクション名 (またはファイルの終わり) までの行はすべて、現在のセクションに属します。

パラメータ

セクション名以外の行はそれぞれ、1 つのパラメータの定義です。パラメータ行の構文は以下のとおりです。keyword はパラメータ名、value は文字列です。

keyword=value

これと類似の構成項目では、keyword_# は項目名、value は文字列です。例えば、ネームスペース、データベース、デバイスなど、類似の項目または項目のグループを構成する場合は、1 行に 1 項目ずつ指定します。構文は、通常以下のとおりです。

keyword_1=value
keyword_2=value
keyword_3=value
.
.
.

value 文字列の構文は、パラメータによって大きく異なります。パラメータに応じて、True または False を表す 1 または 0、バイト数やMB 数などを指定します。また、値が 1 つのみの場合もあれば、複数の値を区切り文字で区切って指定する場合もあります。 文字列の中の区切り文字も、コンマ、セミコロン、チルダ (~)、スラッシュ (/)、コロン、およびこれらの組み合わせなど、パラメータによって異なります。

このドキュメントは、ファイル内に出現するセクションやパラメータの一般的な順序に従って構成されています。

パラメータの説明

このドキュメントの各パラメータの説明には、以下の情報が含まれています。

  • 構文 — このパラメータが有効である CPF ファイル・セクション名、パラメータの名前、および構文の説明です。

  • 説明 — パラメータおよび指定可能な値についての正式な説明。

  • — 各種 CPF ファイルに記述するパラメータ行の例。

  • 値の範囲 — パラメータの最小値、最大値、および既定値。

  • 管理ポータル — ブラウザベースの管理ポータルを使用して、このパラメータの値の変更を行う方法。同等の機能がポータルにない場合は、そのことが記述されます。

新しいパラメータと廃止されたパラメータ

Caché のリリースのたびに、.cpf ファイルのパラメータのいくつかが追加または削除されます。 このドキュメントには、最新リリースのパラメータのみが記載されています。Caché の利用経験が豊富なユーザであれば、このドキュメントのパラメータの中には初めて目にするものもあり、.cpf ファイルにある、よく知っているパラメータがこのドキュメントでは削除されている場合も考えられます。

以下のような理由でパラメータは追加または削除されます。

  • 新しい機能によって、新しい構成設定が必要になる。

  • 廃止された機能の設定が削除された。

セクションおよびパラメータの一覧

Caché パラメータ・ファイルに記述する一般的な順序で、すべてのパラメータおよびセクションの一覧を参照するには、このドキュメントの先頭にある “目次” を参照してください。

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