%MATCHES

Synopsis

scalar-expression %MATCHES pattern [ESCAPE char]

説明

%MATCHES 述語は、値とパターン文字列とをマッチングするための Caché の拡張機能です。%MATCHES は、マッチング演算に対して True または False を返します。pattern 文字列は、リテラル文字列、ワイルドカード文字、およびマッチング・リテラルのリストまたは範囲で構成できます。

パターン・マッチでは大文字と小文字が区別されます。パターン・マッチは、照合値でなく、scalar-expression の EXACT 値に基づいています。したがって、scalar-expression の照合タイプで大文字と小文字が区別されない場合でも、%MATCHES 処理では大文字と小文字が常に区別されます。

%MATCHES は、次の pattern ワイルドカードをサポートします。

ほとんどの述語と同様に、%MATCHES は NOT 演算子を使用して反転できます。例えば、item NOT %MATCHES pattern のようにします。%MATCHES も NOT %MATCHES も、NULL フィールドを返すために使用することはできません。NULL フィールドを返すには、IS NULL を使用します。

円記号 (\) 文字が既定のエスケープ文字です。このエスケープ文字を使用して、指定されたパターンの位置でワイルドカード文字をリテラル・マッチとして使用するように指定できます。例えば、疑問符を文字列の最初の文字としてマッチさせるには、'\?*' と指定します。疑問符を文字列の 4 番目の文字としてマッチさせるには、'???\?*' と指定します。文字列の任意の場所にある疑問符をマッチさせるには、'*\?*' と指定します。アスタリスク文字のみで構成される文字列をマッチさせるには、'\*' と指定します。少なくとも 1 つのアスタリスク文字を含む文字列をマッチさせるには、'*\**' と指定します。文字列の任意の場所にある円記号をマッチさせるには、'*\\*'と指定します。

述語条件を指定できる場所であればどこでも、%MATCHES を使用できます。詳細は、このドキュメントの "述語の概要" ページを参照してください。

%MATCHES は、Informix SQL との互換性を保つためにサポートされています。

%SelectMode

%MATCHES 述語は、現在の %SelectMode 設定を使用しません。pattern は、%SelectMode 設定に関係なく、論理形式で指定する必要があります。pattern を ODBC 形式または表示形式で指定しようとすると、通常は、データが一致しないか、意図していないデータと一致することになります。

%EXTERNAL または %ODBCOUT 形式変換関数を使用すると、述語による操作対象となる scalar-expression フィールドを変換できます。これにより、表示形式または ODBC 形式で pattern を指定できるようになります。ただし、形式変換関数を使用すると、そのフィールドのためのインデックスを使用できなくなり、それによってパフォーマンスに大きな影響を与える可能性があります。

以下のダイナミック SQL の例では、%MATCHES 述語で、%SelectMode=1 (ODBC) の形式ではなく論理形式で日付の pattern を指定します。41 で始まる DOB 論理値がある行 (1953 年 4 月 4 日 ($HOROLOG 41000) から 1955 年 12 月 28 日 ($HOROLOG 41999) までの日付) が選択されます。

  ZNSPACE "SAMPLES"
  SET q1 = "SELECT Name,DOB FROM Sample.Person "
  SET q2 = "WHERE DOB %MATCHES '41*'"
  SET myquery = q1_q2
  SET tStatement = ##class(%SQL.Statement).%New()
  SET tStatement.%SelectMode=1
  SET qStatus = tStatement.%Prepare(myquery)
    IF qStatus'=1 {WRITE "%Prepare failed:" DO $System.Status.DisplayError(qStatus) QUIT}
  SET rset = tStatement.%Execute()
  DO rset.%Display()
  WRITE !,"End of data"

以下のダイナミック SQL の例では、%ODBCOUT 形式変換関数を使用して、述語によって、一致した DOB フィールドを変換します。これにより、ODBC 形式で %MATCHES pattern を指定できるようになります。それにより、 DOB フィールドの ODBC 値が 195 で始まる行 (1950 年から 1959 年の範囲内の日付) が選択されます。ただし、形式変換関数を指定すると、DOB フィールド値のためのインデックスを使用できなくなります。

  ZNSPACE "SAMPLES"
  SET q1 = "SELECT Name,DOB FROM Sample.Person "
  SET q2 = "WHERE %ODBCOUT(DOB) %MATCHES '195*'"
  SET myquery = q1_q2
  SET tStatement = ##class(%SQL.Statement).%New()
  SET tStatement.%SelectMode=1
  SET qStatus = tStatement.%Prepare(myquery)
    IF qStatus'=1 {WRITE "%Prepare failed:" DO $System.Status.DisplayError(qStatus) QUIT}
  SET rset = tStatement.%Execute()
  DO rset.%Display()
  WRITE !,"End of data"

例

以下の例は、“A” で始まる姓をすべて返します。

SELECT Name FROM Sample.Person 
WHERE Name %MATCHES 'A*'

以下の例は、“A” で始まる名前をすべて返します。

SELECT Name FROM Sample.Person 
WHERE Name %MATCHES '*,A*'

以下の例は、“A” という文字を含むフルネーム (姓、名前、ミドルネーム) をすべて返します。

SELECT Name FROM Sample.Person 
WHERE Name %MATCHES '*A*'

以下の例は、“A”、“a”、“E”、“e” を含まないフルネームをすべて返します。

SELECT Name FROM Sample.Person 
WHERE Name NOT %MATCHES '*[AaEe]*'

以下の例は、“A” ～ “D”　で始まる名前を持つ 5 文字の姓をすべて返します。

SELECT Name FROM Sample.Person 
WHERE Name %MATCHES '?????,[A-D]*'

関連項目

• SELECT 文、HAVING 節、WHERE 節

• LIKE 述語

• %PATTERN 述語

• 述語の概要