Ensemble 2010.1
Ensemble 2010.1 の新機能
Ensemble 2010.1 では、次の新機能が導入されました。
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既定の構成設定
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EDIFACT のサポート
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Caché 2010.1 の機能
Ensemble 2010.1 にアップグレードする際の互換性の問題
2010.1 リリースの以下の変更によって、既存のシステムの動作が影響を受ける可能性があります。Ensemble のインスタンスをアップグレードする前に、以下の問題を確認してください。
"Caché リリース・ノートおよびアップグレード・チェックリスト・アーカイブ" も参照してください。
RemoveItem() 構成メソッドの再配置
このリリースでは、RemoveItem() メソッドを CSPX.EnsConfigProperty クラスから Ens.Config.ProductionOpens in a new tab クラスに移動しています。つまり、Ensemble 管理ポータルの構成ページのほか、プロダクション全体でこのメソッドを使用できるようになりました。
ドキュメント化されていない CSPX.EnsConfigProperty.RemoveItem() メソッドをコードで呼び出すと、<METHOD NOT FOUND> エラーが発生します。このメソッドを誤って使用している場合は、Ens.Config.Production.RemoveItem() メソッドを使用するようにコードを変更します。この新しいメソッドは、プロダクション・オブジェクトを引数として渡すのではなく、プロダクション・オブジェクトのインスタンス・メソッドになります。
TCP カウント送信アダプタの構成設定の追加
このリリースでは、新しい FlushBeforeSend 構成設定が TCP カウント送信アダプタに追加されています。このオプションを true に設定すると、SendMessageStream() アダプタ・メソッドでは、送信データを出力する前に (さらにそれ以降の返されたデータを必要に応じて読み取る前に)、受信 TCP バッファにあるすべての保留データを、タイムアウトを設定せずに読み取ります。
Ensemble の以前のリリースで、TCP カウント送信アダプタを使用してブロック・プロトコルを実装している場合は、その既定の設定を上書きする必要があります。
HL7 シーケンス・マネージャ・グローバルでのノード・タイプの修正
以前のリリースでは、タイプの添え字 ^EnsHL7.SM("output",type) で PerformOutputTransformationOn が誤って使用されていました。EnsLib.HL7.SM.RuntimeData クラスのドキュメントは更新されています。詳細は、"クラス・リファレンス" のエントリを参照してください。
PerformOutputTransformationOn を SequenceNumberOnly に設定している既存のアプリケーションでは問題が発生します。そのような設定をしている場合に、既存の出力シーケンス番号を維持するには以下のコマンドを実行します。
Merge ^EnsLib.SM("output","Sender")=^EnsLib.SM("output","SequenceNumberOnly")
また、PerformOutputTransformationOn と OutputSequenceNumberIndexField との間に整合性があることを確認します。
HL7 構成のフレーミング設定の動作の修正
今回のリリースでは、Framing を None の値に設定したときの HL7 ビジネス・サービスおよびビジネス・オペレーションの動作が修正されました。この値に設定すると、HL7 メッセージ間でフレーミング文字が生成されなくなります。従来は、関連するコンテキストで既定として宣言されたフレーミングが使用されていました。
さまざまな構成項目に対して Framing=None と設定されたプロダクションでは、コンテキストで機能する不正なフレーミングの動作が発生する場合があります。この変更により、プロダクションの機能を停止する可能性のある動作が修正されます。例えば、メッセージ間に何も挿入しないようにファイル操作が構成されているにもかかわらず、メッセージ間に ASCII の LF を必要とするエンティティにファイルを送信する動作が挙げられます。これは以前、メッセージ間に誤って LF が生成されていたためです。
FTP アダプタへのレガシ FTPS プロトコルのサポートの追加
Caché のリリース 2009.1 では、セキュアな FTP 転送を作成する RFC4217 標準のメソッドを実装しており、コマンド・チャンネルで TLS を使用することが想定されていたため従来のレガシ・モードは削除されていました。ただし、FTP アダプタを使用する一部の Ensemble の実装は、このモードを使用していました。今回のリリースでは、FTP アダプタ構成にその使用方法を示すという特別な方法で、このレガシ接続モードを再導入しました。
%Net.FtpSessionOpens in a new tab クラスで最初に実装された、標準以外の従来の FTPS プロトコルを使用している場合、FTP アダプタと、その接続先であった FTP サーバが連携していない場合があります。アダプタの正しい機能をリストアするには、アスタリスク (*) を適切な EnsLib.FTP.InboundAdapterOpens in a new tab または EnsLib.FTP.OutboundAdapterOpens in a new tab クラスの SSLConfig プロパティに追加します。
詳細は、"クラス・リファレンス" の EnsLib.FTP.CommonOpens in a new tab エントリにある SSLConfig プロパティの説明を参照してください。
カスタム・スキーマのマッピングの変更
以前のリリースでは、カスタム HL7 スキーマおよびカスタム EDI スキーマは ENSLIB ネームスペースに保存されていました。したがって、これらのスキーマはネームスペースごとにマップされていました。しかし、Ensemble のアップグレード手順では、ENSLIB ネームスペース内のすべてが置き換えられます。したがって、アップグレード時に定義済みのスキーマをエクスポートしてからインポートして保存する必要がありました。
Ensemble 2007.1 以降、標準スキーマのみがすべてのネームスペースで使用できるようになりました。現在 Ensemble では、すべてのカスタム HL7 スキーマおよびカスタム EDI スキーマが、それらを定義したネームスペースに保存されます。以前のバージョンの Ensemble で中央に配置されたスキーマのみを使用している場合は、ユーザ定義スキーマを、それらを使用する各ネームスペースでコンパイルする必要があります。