概要
この章では、Ensemble による HL7 バージョン 2 のサポートについて説明します。この章は以下の節で構成されています。
Ensemble による HL7 バージョン 2 のサポート
Ensemble は、HL7 バージョン 2 メッセージを仮想ドキュメントとしてサポートします。仮想ドキュメントはメッセージの一種で、Ensemble では部分的にのみ解釈されます。この種のメッセージは、標準の Ensemble メッセージ・ヘッダと標準のメッセージ・プロパティ (ID、Priority、SessionId など) で構成されています。しかし、メッセージ内のデータはメッセージ・プロパティとして提供されず、代わりに、処理速度を向上させるために内部使用のグローバルに直接格納されます。
Ensemble は、仮想ドキュメント内のデータにアクセスしてデータ変換、ビジネス・ルール、およびメッセージの検索とフィルタリングに使用するためのツールを提供しています。基礎的な情報は、"Ensemble 仮想ドキュメント" を参照してください。
HL7 バージョン 2 のルーティング・プロダクション
以下の図に、HL7 インタフェースのルーティング・エンジンとして機能する Ensemble プロダクションにおける HL7 バージョン 2 メッセージのフローを示します。この図が示す要素は、構成項目自体ではなく、構成項目によって参照される要素です。この要素には、ルーティング・ルール・セット、データ変換、仮想ドキュメント、スキーマ定義などがあります。このドキュメントの指示に従って、これらの項目を作成します。
プロダクションにおける HL7 バージョン 2 メッセージ・フローは以下のとおりです。
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HL7 ビジネス・サービスは、メッセージが受け入れられるよう設定されている特定のソース・アプリケーションからの受信メッセージを受け取ります。
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ビジネス・サービスは、メッセージを特定の HL7 ルーティング・プロセスに渡します。これが、HL7 ビジネス・サービスからの受信メッセージを、特定の HL7 ビジネス・オペレーションを介して Ensemble 外部に配信するために準備する Ensemble ビジネス・プロセスです。
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ルーティング・プロセスでは、必要とする HL7 スキーマ定義に対してメッセージを検証することができます。これは、標準の HL7 スキーマの場合も、カスタム・スキーマの場合もあります。
(非表示) 検証に失敗した場合、HL7 ルーティング・プロセスは設定した不正メッセージ・ハンドラにメッセージを渡します。これが、通常メッセージをファイルに保存することにより、検証に失敗した受信 HL7 メッセージを廃棄する HL7 ビジネス・オペレーションです。イベント・ログにエラーを入力したり、オペレータに警告する場合もあります。
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HL7 ルーティング・プロセスは、ルーティング・ルール・セットをメッセージに適用します。ルーティング・ルール・セットは、1 つ以上のターゲット・ビジネス・オペレーションを選択し、そのターゲット・アプリケーションに対するメッセージの準備に必要なデータ変換を適用します。
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通常のケースでは、ターゲットに対してメッセージを準備するにはデータ変換が必要です。ルーティング・ルール・セットは、カスタムでコード化された変換を呼び出す場合がありますが、一般的に変換は Ensemble データ変換言語 (DTL) を使用して作成されます。DTL は、複雑な計算の場合には、ユーティリティ関数または独自のクラス・メソッドを呼び出すことができます。
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送信メッセージの準備が整うと、ルーティング・プロセスはこれを HL7 ビジネス・オペレーションに渡します。 ビジネス・オペレーションは、HL7 メッセージをターゲット・アプリケーションに送信するために必要なアドレスおよびフレーミング情報を提供します。
(非表示) デフォルトでは、プロダクションを通過するすべての HL7 メッセージが、必要な限り Ensemble メッセージ・ウェアハウスに保持されます。メッセージ・ウェアハウス内で、HL7 メッセージのコンテンツは、HL7 メッセージ・ビューア、メッセージ・ブラウザ、ビジュアル・トレースなど管理ポータル機能を使用するか SQL クエリを発行することにより、追跡および表示に利用できます。古いメッセージを自動的または管理者の判断でパージするようにプロダクションを構成できます。