Zen の概要
Zen へようこそ。
Zen アプリケーション・フレームワークには、事前に構築済みのオブジェクト・コンポーネントを組み合わせることで、さまざまなデータを扱う複雑な Web アプリケーションを短時間で容易に作成できる方法が用意されています。これらのコンポーネントにより、複雑な Web アプリケーションの作成に必要となる標準的な HTML や JavaScript が自動的に作成されます。さらに、ユーザのブラウザと、サーバで実行するアプリケーション・ロジックの間で共有する共通オブジェクト・モデルも提供されます。
Zen は、インターシステムズの実績のある Caché Server Page (CSP) と Caché オブジェクト・データベース・テクノロジを基礎として開発されています。これらのテクノロジは、Web アプリケーションをホストするための堅牢でスケーラブルな、移植性の高いプラットフォームを提供します。どのような形でも、Zen が Caché Server Page に取って代わることはありません。Zen の特徴は、パフォーマンス、データ・アクセス、セキュリティ、ローカライズ、構成など CSP が提供する基本機能を土台として、Web ベースのアプリケーションを容易に開発できるようにする点にあります。
Zen デモ
Zen にはサンプル・アプリケーションが用意されています。これは次の手順で試すことができます。
-
ブラウザを起動します。Firefox または Internet Explorer を使用できます。
-
次の URI を入力します。
http://localhost:57772/csp/samples/ZENDemo.Home.clsOpens in a new tab
ここで、57772 は、Caché に割り当てた Web サーバのポート番号です。
ポート番号がわからない場合は、管理ポータルを開始します。ページの一番上にある [概要] をクリックします。[ウェブサーバ・ポート] の設定を確認します。
サポートされているブラウザ
サポートされているブラウザの正式なリストは、このリリース用のオンライン・ドキュメント "インターシステムズでサポートされるプラットフォームOpens in a new tab" を参照してください。
インターシステムでは、複数のブラウザ間の互換性を確保するための業界標準に Zen を確実に準拠させるように努めています。このような標準には、XML、HTML、JavaScript、および Cascading Style Sheets (CSS) があります。これらの標準がサポートされているレベルがブラウザごとに異なっている限り、ブラウザ間でのレイアウトの相違は避けられません。想定外のレイアウトを避けるには、設計を完成させる前に、複数のブラウザでレイアウト結果をテストしてください。
Zen コミュニティ
Zen コミュニティは、Zen に関する情報の検索、質疑応答、Zen ユーザどうしでのコードの相互利用や情報交換などができるオンライン・フォーラムです。インターシステムズ製品のユーザおよびインターシステムズの社員がメンバになることができます。Zen コミュニティは、再利用可能な Zen コンポーネントやコード例のライブラリ、およびメンバが提出した質問と回答のアーカイブを備えています。
Zen コミュニティは Google グループを使用します。コミュニティへの参加希望者は Google グループのアカウントを作成する必要があります。Zen コミュニティにアクセスするには、以下の URL を使用します。
Zen の利点
Zen の使用には次のような利点があります。
-
開発期間の短縮 — ユーザ・インタフェースを短期間で開発するためには、事前に構築済みのコンポーネントを使用してアプリケーションを組み立てる方法が最適です。Zen では、Web ベース・アプリケーションの開発で、この方法を使用できます。
-
簡潔性 — Zen は標準の HTML クライアントを使用しているので、別途クライアント・コンポーネントが必要になることはありません。サーバとクライアントの間に “中間“ 層がないので、Zen アプリケーションの開発、配置、およびサポートが容易です。
-
多彩なコンポーネント・ライブラリ — Zen ライブラリには、事前に構築済みのコンポーネントが多数用意されています。これにはすべての標準的なコントロール・タイプのほか、データ認識コンボ・ボックス、テーブル、グリッド、タブ、ツリー・コントロール、メニュー、グループ化などのコンポーネントがあります。
-
オブジェクト・データベースの統合 — Zen は、その基礎となる Caché オブジェクト・データベースと密接に統合されています。Zen のクライアントとサーバは、オブジェクトを送受信することで通信します。暗号化やデータのマーシャリングなどの基本的な詳細機能は、実績のある Caché テクノロジを使用して自動的に処理されます。
-
コード生成 — コードやビジネス・ロジックの多くは、上位の階層にあるモデルから自動的に生成されるので、高い一貫性が実現し、開発期間の短縮化が可能になります。
-
拡張性 — Zen アプリケーションの外観や使用感は、容易に変更できます。これは、標準の CSS 機能の使用、Zen コンポーネントの多様なプロパティ値の指定、または独自のカスタム・コンポーネントの作成により可能になります。
-
SVG の統合的な活用 — Zen では、SVG (Scalable Vector Graphics) コンポーネント・セットを使用して、Web アプリケーションに対話型グラフィックを追加できます。このようなコンポーネントとしては、事前に組み込まれたグラフやメータなどがあります。また、グラフィカル・コンポーネントを新規に作成することもできます。
-
クライアントの独立性 — Zen アプリケーションは、ほとんどの主要なブラウザで稼動します。“サポートされているブラウザ” のセクションを参照してください。Zen コンポーネントは、これらのブラウザの動作上の相違によって発生する影響からアプリケーションを保護します。
-
セキュリティ — Zen は、Caché オブジェクト・データベースが提供するセキュリティ・モデルとの密接な統合を提供します。
-
フォームの処理 — Zen フレームワークを使用することで、データの表示や編集に使用できるさまざまなコントロールを持つフォームを定義できます。このフレームワークには、フォームへのデータのロード、フォームのコンテンツの検証、およびフォームのコンテンツの保存のための拡張サポートが用意されています。
-
ページ・レイアウト — Zen には、Web ページ上のコンポーネントのグループ化やレイアウトを指定するための拡張フレームワークがあります。
-
イベント管理 — Zen アプリケーションでは、ユーザ・イベントに対するコンポーネントの応答を簡単に定義できます。すべてのイベントの処理は、クライアント・ブラウザまたはデータ・サーバで実行するように定義できるメソッドを呼び出すことにより行われます。
-
多言語サポート — 複数の言語をサポートする必要のあるアプリケーションのために、Zen は、ローカライズすべきタイトルやキャプションを追跡するメカニズムを持ち、これらの値をデータベースとして自動的に構築します。このデータベースを XML としてエクスポートし、翻訳者が別の言語に翻訳することもできます。これらのページは実行時に自動的にユーザの指定した言語で表示されます。
-
ドキュメントの出力 — Zen には、XHTML 形式または PDF 形式でレポートのデータ・コンテンツや表示レイアウトを指定するための拡張フレームワークがあります。
背景知識に関する資料
Zen を使用する前に、次のトピックを十分に理解しておく必要があります。
-
ハイパーテキスト・マークアップ言語 (HTML)、拡張マークアップ言語 (XML)、JavaScript、およびカスケーディング・スタイル・シート (CSS)。多数の優れた文献を、インターネット書店や一般書店で購入できます。
-
Caché、ObjectScript、Caché Server Pages、および Caché SQL。インターシステムのドキュメント・セットから、習熟度に応じて次の文献を参照してください。