演算子と式
この章では、Caché Basic での式と演算子に関する概要を説明します。
式
式は、文字列、数、またはオブジェクトを生成するキーワード、演算子、変数、および定数の組み合わせです。式は、計算、文字の操作、またはデータのテストを実行します。
演算子
Caché Basic には、多くの組み込み演算子があります。
演算子の優先順位
1 つの式に複数の演算が含まれる場合、演算子の優先順位という既定の順序に従って、各部分を評価し、演算を実行します。括弧は優先順位の順序をオーバーライドし、式の特定の部分を他の部分より先に評価するために使用します。括弧内の演算は常に、括弧外の演算子より先に実行します。括弧内でも通常の演算子の優先順位が維持されます。
式が 1 つ以上のカテゴリの演算子を含むとき、算術演算が最初に評価され、次に比較演算、最後に論理演算が評価されます。すべての比較演算子の優先順位は同等なので、比較演算子は左から右の順に評価されます。算術演算子と論理演算子は、以下の優先順位で評価されます。
算術演算子 | 比較演算子 | 論理演算子 |
---|---|---|
べき乗 (^) | 等しい (=) | Not |
否定 (-) | 不等式 (<>) | And |
乗算、および除算 (*, /) | より小さい (<) | Or |
整数除算 (\) | より大きい (>) | Xor |
剰余算術 (Mod) | 以下 (<=) | Eqv |
加算、および減算 (+, -) | 以上 (>=) | Imp |
文字列連結 (&) | Is | & |
乗算、および除算が 1 つの式に同時に含まれる場合、各演算は左から右の順で評価されます。同様に、加算と減算が 1 つの式に同時に含まれる場合、各演算は左から右の順で評価されます。
文字列結合演算 (&) は算術演算子ではありませんが、優先順位はすべての算術演算子の後、およびすべての比較演算子の前になります。Is 演算子は、オブジェクト参照比較演算子です。これは、オブジェクトやその値を比較するものではなく、2 つのオブジェクト参照が同じオブジェクトを参照しているかを確認する演算子です。
比較演算子
Is 演算子には、以下のテーブルの演算子とは異なる、特定の比較機能があります。以下のテーブルは比較演算子と、結果が True か False かを判断する条件の一覧です。
演算子 | 概要 | True の条件 | False の条件 |
---|---|---|---|
< | より小さい | 式 1 < 式 2 | 式 1 >= 式 2 |
<= | 以下 | 式 1 <= 式 2 | 式 1 > 式 2 |
> | より大きい | 式 1 > 式 2 | 式 1 <= 式 2 |
>= | 以上 | 式 1 >= 式 2 | 式 1 < 式 2 |
= | 等しい | 式 1 = 式 2 | 式 1 <> 式 2 |
<> | 等しくない | 式 1 <> 式 2 | 式 1 = 式 2 |
2 つの式を比較する際、その 2 つの式が数として、または文字列として比較されているかを簡単に判断することができない場合があります。
以下のテーブルは基本のサブタイプを基にして、式が評価される方法、または比較の結果を示しています。
If | Then |
---|---|
両方の式が数値 | 数値比較を実行する |
両方の式が文字列 | 文字列比較を実行する |
片方の式が数値で、片方が文字列 | 文字列式より数値式が小さい |