文字列
第 1 章では ObjectScript の例を参照し、変数を利用したコードの記述方法を学習してきました。また、変数に文字列と数値を割り当てる方法も学習してきました。ObjectScript には宣言文は必要ありません。ObjectScript は、動的な型指定、弱い型指定の言語です。すべてのデータ (値と変数) は、プログラムの内容により適切に解釈され、使用されます。
ObjectScript は、数式内の文字列を数値として評価します。変数に数値が割り当てられた場合、文字と異なり引用符は必要ありません。例えば “fred” では、この文字列に 3 を加算する場合、ObjectScript は “fred” を 0 と解釈します。これは、“fred” には先頭から連続する数字が含まれていないからです。一方、文字列 “32hut” を 4 で除算する場合、“32hut” は 32 と解釈されます。これは、“32hut” という文字列が先頭から 32 という数字を含むからです。文字列がどのように数値として解釈されるかは、プラスの算術演算子で確認できます。また、算術演算子 (ここでは +) が引用符で囲まれていない場合、演算対象値が引用符に囲まれているかどうかにかかわらず、数値として解釈します。
変数では大文字と小文字が区別されますが、コマンドでは大文字/小文字は区別されません。
SAMPLES>set x = 4 write x + 2
6
SAMPLES>set x = "5" write x * 2
10
SAMPLES>set x = "fred" write x + 3
3
SAMPLES>set x = "32hut" write x / 4
8
SAMPLES>write +x
32
SAMPLES>write 5 + 2, ?10, "5" + "2" , ?20, "5 + 2"
7 7 5 + 2
SAMPLES>