<sync>

<call> 要素の一意名

別の <call> 要素と同じ name で <call> 要素を定義しようとすると、BPL エディタにエラー・メッセージが表示されます。この場合、一意の名前を指定する必要があります。

calls 属性の間接指定

calls 属性の値は文字列です。この文字列は、<call> 要素名のカンマ区切りリストとして指定する必要があります。以下のように、この文字列はリテラル値でもかまいません。

calls="BankUS,BankSoprano,BankManana" 

また、次のように @ 間接演算子を使用して、適切な文字列を含むコンテキスト変数の値にアクセスすることもできます。

calls="@context.myListOfCalls" 

syncresponses

<call> 要素の結果として受け取る応答を処理するための、さらに別のしくみが用意されています。

このしくみでは、<sync> 要素を使用すると、受信したさまざまな応答がコレクションに追加されます。このコレクションはビジネス・プロセスの実行コンテキストの変数であり、syncresponses と呼ばれます。実行コンテキストには、synctimedout という整数の変数もあります。2 つの変数 synctimedout と syncresponses は、次のように連動して機能します。

<sync> アクティビティを実行するとすぐに、新しい応答に備えて syncresponses コレクションが消去されます。呼び出しから制御が戻ると、それらの応答が syncresponses コレクションに追加されます。<sync> アクティビティが完了した時点で、待機していた応答の一部または全部が syncresponses に格納されます。

例えば、以下の構文を使用して、Call1 と Call2 に <sync> を実行した場合を考えてみます。

<sync type="all" timeout="60">

ここで、Call1 は 60 秒以内に返り、Call2 は 60 秒経過後も返らないものと仮定します。この時点の syncresponses には、Call1 に対する応答のみが含まれ、Call2 への応答は含まれません。synctimedout の値をテストして、該当する値が syncresponses に格納されているかどうかを確認できます。

<sync> アクティビティを実行した後、返された応答にアクセスするには、<call> アクティビティの名前をキーとして使用します。例えば、呼び出しが以下のように定義されているとします。

<call name="nameOfCall">

この場合、次の構文を使用して、応答にアクセスします。

syncresponses.GetAt("nameOfCall")

以下の <sequence> 要素を実行するとします。

<sequence>
  <call name="A" async="1" />
  <call name="B" async="1" />
  <call name="C" async="1" />
  <sync calls="A,B,C" type="all" />
</sequence>

<sync> 要素が完了すると、syncresponses コレクションには、以下のように 3 つの応答オブジェクトへの参照が追加されます。

• syncresponses.GetAt("A") = A からの応答 (存在する場合)

• syncresponses.GetAt("B") = B からの応答 (存在する場合)

• syncresponses.GetAt("C") = C からの応答 (存在する場合)

応答がない場合、syncresponses コレクションは空になります。

マルチ・スレッドの syncresponses

<sync> 要素を <flow> と共に使用する場合、<process> 自体を実行するプライマリ・スレッドを含め、スレッドごとに別個の syncresponses コレクションが作成されます。そのため、ビジネス・プロセスの実行中、さまざまな syncresponses コレクションがスコープ内またはスコープ外になる可能性があります。各コレクションは、その直近の <sequence> にのみ関連し、その他の <sequence> とは関連性がありません。

以下の例は、3 つのスレッドにおける synctimedout と syncresponses の使用法を示しています。3 つのスレッドとは、プライマリ・ビジネス・プロセスのスレッドと、<flow> によって作成された 2 つのスレッドです。

XData BPL
{
<process>
  <context>
    <property name="ResultsFromNorth" type="%String"/>
    <property name="ResultsFromSouth" type="%String"/>
    <property name="ResultsFromEast" type="%String"/>
    <property name="ResultsFromWest" type="%String"/>
  </context>
  <sequence>
  // In this context, syncresponses refers to the primary process thread
    <flow>
    // This flow runs two sequences (two threads) in parallel

      <sequence name="thread1">
      // In this context, syncresponses refers to results in thread1
        <call name="A" />
        <call name="B"  />
        <sync calls="A,B" type="all" timeout="10" />
        // Did the synchronization time out before it finished?
        <if condition='synctimedout="1"'>
          <true>
            <trace value='"thread1 timeout: Call A or B did not return."' />
          </true>
          // If not, then the calls came back, so assign the results.
          <false>
            <assign property="context.ResultsFromEast"
                    value='syncresponses.GetAt("A")'
                    action="append"/>
            <assign property="context.ResultsFromWest"
                    value='syncresponses.GetAt("B")'
                    action="append"/>
          </false>
        </if>
        </sequence>

        <sequence name="thread2">
        // In this context, syncresponses refers to results in thread2
          <call name="C" />
          <call name="A" />
          <sync calls="C,A" type="all"/>
          // Assign the results
          <assign property="context.ResultsFromNorth"
                  value='syncresponses.GetAt("C")'
                  action="append"/>
          <assign property="context.ResultsFromSouth"
                  value='syncresponses.GetAt("A")'
                  action="append"/>
        </sequence>
      </flow>

    // In this context, syncresponses refers to the primary process thread
    <call name="E" />
  </sequence>
</process>
}

この例の <if> アクティビティでは synctimedout が整数値 1 であるかどうかをテストする条件が指定されています。<call>に関するドキュメントで説明しているように、synctimedout の値は、0、1、または 2 となります。2 つの値が等しい場合、この <if> 条件は整数値 1 を受け取り、<true> 要素内の文が実行されます。それ以外の場合は、<false> 要素内の文が実行されます。

allowresync

BPL ビジネス・プロセスでは、<call> を実行した後、その呼び出しに対して、タイムアウトを指定または指定せずに <sync> を複数回実行できます。<sync> の allowresync 属性は、この動作を制御します。allowresync を 1 (真) に設定した場合、同じ <call> に対して引き続き <sync> を実行できます。その呼び出しが完了するまで、繰り返し実行できます。<sync> の allowresync を値 0 (偽) に設定した場合、同じ呼び出しに対してさらに <sync> を実行できません。デフォルトの allowresync 値は 0 です。

実行に長時間かかり、いつまでも応答がない可能性のある <call> A を非同期で実行するとします。A に対する <sync> の timeout を 5 にします。この <sync> は、A が完了した時点で即座に制御を返します。また、A が完了しなくても、タイムアウト時間 (5 秒) が経過した時点で制御を返します。ここで、A の所要時間が不明確であるものの、エラーが発生する可能性は低いとします。つまり、通常は 5 秒以内に完了しますが、ときには 1 時間かかる可能性もあり、その場合の遅延は許容可能だとします。この場合、通常の時間に完了するが、同じ <call> に対してさらに <sync> アクティビティを実行できるケース、または完了に長時間かかるケースに備えて、A が完了したかどうかを頻繁にチェックする必要があります。

一般的な使用法は以下のとおりです。

<sequence>
  <call name="A" async="1" />
  <sync call="A" timeout="5" allowresync="1" />
  <while condition='synctimedout=1'>
    <alert value="Waiting for call A to complete."/>
    <sync call="A" timeout="5" allowresync="1" />
  </while>
</sequence>

<sync> でタイムアウトを指定しない場合は、各 <sync> の前に synctimedout 変数をチェックすることが重要です。この変数をチェックしないと、既に完了している呼び出しを待機し続ける可能性があります。

連続する <sync> タイムアウト

同じ <call> 要素を参照する複数の <sync> 要素を連続して指定し、各 <sync> に timeout 値を設定したとします。<call> が返されるか、または <sync> の timeout 時間が経過したため、最初の <sync> が満たされると、2 番目の <sync> 要素は待機せずに即座に完了します。

<sequence>
  <call name="A" async="1" />
  <sync name="Sync1" calls="A" type="all" timeout="60" />
  <sync name="Sync2" calls="A" type="all" timeout="300" />
</sequence>