Ensemble 2017.2
Ensemble 2017.2 の新機能
Ensemble が提供する新機能と拡張機能は次のとおりです。
XML のパフォーマンス向上
XML 仮想ドキュメントを作成する場合に、XML ドキュメントの内容のほとんどが仮想ドキュメントに含まれているときは、XML 仮想ドキュメントを XML 対応の永続オブジェクトに変換することによって、多くの場合、パフォーマンスを大幅に向上させられます。このリリースには、EnsLib.XML.Object パッケージが含まれていて、XML ドキュメントを XML 対応の永続オブジェクトに変換し、このオブジェクトを XML ドキュメントに変換して戻すユーティリティ・ルーチンが用意されています。詳細は、"Ensemble XML 仮想ドキュメント開発ガイド" の “XML 対応オブジェクトと XML 仮想ドキュメントの比較” を参照してください。
DICOM の拡張機能
このリリースでは、Ensemble に DICOM の以下の拡張機能が導入されています。
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新しい AsyncRouter DICOM サンプル・プロダクション。このプロダクションは、Ensemble 経由で DICOM ドキュメントを非同期でルーティングする方法を示します。このプロダクションには、DICOM メッセージを非同期でルーティングするカスタム・プロダクションをビルドするテンプレートが用意されています。このプロダクションは、ENSDEMO ネームスペースのクラス Demo.DICOM.Production.AsyncRouterOpens in a new tab で定義されています。
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DICOM ディクショナリが DICOM 規格 2016E に準拠するようになりました。存在しないタグが削除されました。この変更には、新しいタグ、新しい列挙値を含むタグ、新しい 2 つの値表現、UC (無制限文字) および OL (その他の Long) が含まれています。
BPL の XSLT2 アクティビティ
このリリースでは、BPL に XSLT2 アクティビティを含めることができます。XSLT2 を使用できるようにするには、アクティビティ属性を 2.0 に設定します。Ensemble 管理ポータルで XSLT2 ゲートウェイを構成する必要があります。
Ensemble が Caché グローバル削除の無効化に対応
環境によっては、セキュリティ上の理由で上位レベルの Caché グローバル削除を無効にする必要があります。以前のリリースでは、この変更は Ensemble のインストールおよび実行と互換性がありませんでした。このリリースでは、上位レベルの Caché グローバル削除を無効化した状態で Ensemble をインストールおよび実行できます。
マイナーな拡張機能
このリリースでは、以下のマイナーな拡張機能が導入されています。
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プロダクションを配置するとき、Ensemble は、レコード・マップおよび複雑なレコード・マップ用に生成されたクラスを自動的に組み込みます。以前のリリースでは、これらのクラスを手動で追加する必要がありました。
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区切りのあるレコード・マップで、フィールドにセパレータ文字が含まれているかどうかに関係なく、すべてのフィールドが引用符文字で囲まれているレコードを出力する新しいオプションを利用できるようになりました。
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HTTP 送信アダプタが、トンネルを使用してプロキシ経由で接続できるようになりました。以前のリリースでは、この機能は、SOAP 送信アダプタで使用できましたが、HTTP 送信アダプタでは使用できませんでした。
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HL7 HTTP ビジネス・サービスが、CSP ポートまたは特別なポートを使用できるようになりました。以前のリリースでは、特別なポートしか使用できませんでした。
Caché 2017.2 の機能
Ensemble 2017.2 は Caché 2017.2 上で動作します。これは、新しい Ensemble のリリースには、Ensemble の 2017.1 から 2017.2 までの変更に加えて、基盤になる Caché テクノロジにも多数の更新内容が取り入れられているということです。
Caché 2017.2 には、"Caché リリース・ノートおよびアップグレード・チェックリスト" で説明されている以下のような重要な新機能が含まれています。
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ミラーリングの並列デジャーナリングとジャーナル・リストア
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DeepSee フォルダ・マネージャ、およびダッシュボード・フィルタの機能向上
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iKnow 同時検索機能の向上と iKnow のパフォーマンスの向上
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SQL の機能向上 : クエリ監査、POSIX タイムスタンプ、クエリ最適化、ANSI SQL 演算子の優先順位 (オプション)、および凍結プランの進化
これらの機能、および Ensemble 環境に関連する可能性のあるその他の Caché の変更点の詳細は、"Caché リリース・ノートおよびアップグレード・チェックリスト" の “Caché 2017.2 の新機能と強化機能” を参照してください。
Ensemble 2017.2 にアップグレードする際の互換性の問題
Ensemble のアップグレード前に、このリリースの製品変更の内容を確認し、既存のシステムの動作に対する影響を検証してください。ここでは、Ensemble の今回のリリースとこれまでのリリースとの互換性に関する問題を取り上げます。このリリースの問題のほか、前回のインストール後に追加された各リリースの問題も確認してください。
このリリースの以下の変更によって、既存のシステムの動作が影響を受ける可能性があります。Ensemble のインスタンスをアップグレードする前に、以下の問題を確認してください。
メッセージ・リスナとして JMS ゲートウェイを使用しない
このリリースでは、JMSGateway クラスが Java ゲートウェイから削除されました。このクラスは、Ensemble で JMS リスナを使用する方法の例を示すために提供されていました。このクラスを使用して JMS リスナを実装していた場合、これを EnsLib.JavaGateway.JMSTest クラスで示されているメカニズムに置き換える必要があります。
フィックスを取得するには、カスタム RecordMap バッチ・クラスの変更が必要な場合がある
このリリースでは、特定のエラー状況において Ensemble が一時ファイルを削除しない問題を解決しています。EnsLib.RecordMap.Batcher または EnsLib.RecordMap.Operation.BatchStandard のカスタム・サブクラスがあり、OnFailureTimeout() メソッドを実装している場合、そのメソッドに ##super() の呼び出しを追加してこのフィックスを取得できます。
BPL xslt アクティビティではエラー・メッセージでより多くの情報が提供される
BPL アクティビティが XSLT 2.0 変換を処理できるようになりました。XSLT 1.0 を使用している場合、エラー・メッセージにより多くの情報が存在する可能性があります。
ビジネス・サービスの待機時間の変更
Ensemble ビジネス・サービスの次の呼び出し間隔までの待機時間の計算で、1/10 秒以下の小数点以下の部分を切り捨てるようになりました。これは、次の呼び出し間隔までの正の待機時間が次の秒に切り上げられるためです。例えば、0.000001 では 1 秒待機するということにはなりません。
Ensemble インクルード・ファイルに %sySystem の定義が含まれる
インクルード・ファイル Ensemble.inc に %sySystem が含まれるようになりました。マクロ・カスタム・コードを定義する場合、マクロ名の衝突がないかチェックする必要があります。
PassthroughService サブクラスで変更が必要な場合がある
CONTAINERCLASS のオーバーライドまたはアダプタのオーバーライドを含む EnsLib.File.PassthroughServiceOpens in a new tab のカスタム・サブクラスがある場合、そのサブクラス内で新しい removeStreamFromInput() メソッドをオーバーライドする必要があります。