InterSystems IRIS® プロダクションには、Managed File Transfer (MFT) サービスと直接通信するビジネス・ホストを含めることができます。これらのビジネス・ホストを追加する前に、次の前提条件を実行してください。
MFT サービス・アカウントの準備
InterSystems IRIS で MFT サービスを使用する前に、次のタスクを実行する必要があります。
以下のサブセクションで詳細を説明します。
アカウントの設定
使用する MFT サービスごとに、2 種類のアカウントを作成する必要があります。
エンド・ユーザ・アカウントは、ファイルを送受信すると予想される各個人 (または組織) に必要です。これらのエンド・ユーザは、自分のフォルダ内のファイル、または実際の所有者や管理者によってアクセス権を明示的に付与されているフォルダ内のファイルにのみアクセスできます。これらのサブアカウントを作成する方法、および権限を設定および確認する方法については、MFT サービスのドキュメントを参照してください。
メイン・アカウントを作成するときに、(このアカウントの) ファイルの転送に使用するルート URL を書き留めます。この情報は後で必要になります (アカウントへの接続のベース URL として使用するため)。
また、アカウントの管理者を選択し、その人の電子メール・アドレスを書き留めます。
カスタム・アプリケーションの作成
MFT サービスでアカウントを作成した後、InterSystems IRIS プロダクションで使用するために、メイン・アカウント内にカスタム・アプリケーションを作成する必要があります。このカスタム・アプリケーション内で、以下の詳細情報を指定します。
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一意の名前。
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InterSystems IRIS サーバのリダイレクト URL。この URL は以下の形式をとります。
http://hostname:port/prefix/csp/sys/oauth2/OAuth2.Response.cls
説明 :
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hostname は、プロダクションが実行されている InterSystems IRIS サーバの完全修飾ドメイン名 (FQDN) または IP アドレスです。
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port は、Web ゲートウェイ構成で指定されている Web サーバ・ポートです (ある場合)。URL にポート番号が含まれていない場合、ホスト名の後のコロンはありません。
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prefix は、オプションの接頭語です (Web ゲートウェイ構成で必要な場合)。
この章で後述する、“Managed File Transfer 接続の作成” を参照してください。
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接続の許可に使用する、生成された値のペア (OAuth 2.0 クライアント ID/クライアント秘密鍵のペア)。MFT サービスは、それぞれ次の値に対して異なる名前を使用します。
MFT サービス |
OAuth 2.0 クライアント ID の名前 |
OAuth 2.0 クライアント秘密鍵の名前 |
Box |
クライアント ID |
クライアント秘密鍵 |
Dropbox |
アプリ・キー |
アプリ秘密鍵 |
kiteworks |
クライアント・アプリケーション ID |
クライアント秘密鍵 |
Important:
転送サービスによってこの情報が生成されたら、直ちに記録し、安全な場所に保管してください。特に、クライアント秘密鍵は、非公開で保持するようにしてください。
ディレクトリ構造の設定
各サブアカウントがファイルを送受信するための指定された領域を持つように、ディレクトリ構造を設定することも必要です。
インターシステムズでは、アカウントの最上位レベルで 1 つの親 “受信” ディレクトリと 1 つの親 "送信" ディレクトリ、およびこれらのディレクトリ内のサブアカウントに対する個別の受信サブディレクトリと送信サブディレクトリを使用することをお勧めします。この構造により、InterSystems IRIS プロダクションでは、いずれの方向についても転送する必要があるすべてのファイルを簡単に見つけることができます。
既に MFT サービスを使用している場合は、既に別のディレクトリ構造を使用している可能性があります。その場合、ディレクトリ構造を変更したくないときは、複数の MFT ビジネス・サービスとオペレーションをプロダクションに追加し、異なるディレクトリでファイルを検索または配置するようにそれぞれ構成することが必要になる可能性があります。