Java クライアントの動作は、その構成で指定されているプロパティの値により異なります。この構成ではこれらの値を “構成ファイル” というファイルから取得します。具体的な値は、構成ファイルの既定値またはその構成固有の値のいずれかです。以下のセクションでは、構成ファイルの機能について説明します。
構成ファイル、構成、プロパティ、値、および既定
各構成ファイルでは、1 つ以上の構成で使用するプロパティの値を指定します。このファイルには、名前と値のペアの形式で、既定値と構成固有の値の両方が記述されています。一般的にこのペアでは、バージョン管理していないプロパティの名前に対しては既定値を指定し、バージョン管理しているプロパティの名前に対しては構成固有の値を指定します。
構成ファイルに記述されている構成定義が 1 つのみの場合、構成側ではバージョン管理していないプロパティを使用できます。ただし、関連付けられた name プロパティを持つことはできません。名前付き構成を使用しない場合は、名前を指定せずに構成を呼び出します (“クライアント構成の使用の指定” および “名前なしでの構成の指定” を参照)。
構成ファイルに複数の構成がある場合は、構成のバージョン番号 n を付加して name.n の形式とした name プロパティを指定することで各構成を定義します。構成のその他のプロパティ名では、name プロパティと同じバージョン番号が使用されます。したがって、名前の形式は propertyname.n となります。ここで、propertyname にはプロパティの名前、n には構成の番号が入ります。
構成ファイル内の定義では、大文字と小文字は区別されます。スペースは自由に使用できます。また、プロパティ定義の順番も自由です。
すべての構成で使用されるプロパティの既定値を指定するには、バージョン管理されていないプロパティ名とその値を次の形式で指定します。
propertyName = propertyValue
例えば、keyStoreType プロパティの既定値を pkcs12 に指定するには、以下の形式とします。
keyStoreType = pkcs12
このプロパティの既定値より優先する値を使用するには、次のようにバージョン管理しているプロパティ名を指定します。
keyStoreType.1 = jceks
1 つの構成ファイルに複数の構成定義がある場合は、そのバージョン番号順に構成を使用する必要があります。クライアント・アプリケーション・コードで参照する構成番号が連続していない場合はエラーになります。例えば、ある構成ファイルにバージョン管理された 3 つの name プロパティ、name.1、name.2、および name.4 があるとします。この場合、name.4 プロパティに関連付けられている構成は作成されず、このプロパティへの参照は失敗し、エラーが表示されます。