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UNIX®、Linux、および macOS への Caché のインストール

この章では、UNIX® システム、Linux システム、および macOS システムに Caché をインストールする方法を説明します。この章は、ユーザが UNIX®、Linux、および macOS のディレクトリ構造、ユーティリティおよびコマンドに精通していることを前提に記述されています。このインストールを開始する前に、“Caché のインストールの準備” の章に記載された、このプラットフォームに該当するすべての情報を確認しておいてください。

この章には、以下が含まれます。

インストールを開始する前に、"UNIX®、Linux、および macOS 用のシステム・パラメータの計算" に関するセクションを参照して、パラメータの設定を検証および調整してください。

Caché のインストール

UNIX® のプラットフォームでは、Caché を手動でインストールする方法が 4 種類あります。以下のセクションでは、それぞれの詳細を説明します。

標準の Caché インストールの実行

Caché の標準インストールは、複数のモジュール・パッケージ・スクリプトから構成されます。これらのスクリプトでは、それまでの手順に対する入力、システム環境、および既存のインスタンスをアップグレードしているかどうかなどの条件に応じて、情報の入力が求められます。インストールの第 1 段階では、このインストールについて収集された情報がすべてパラメータ・ファイルに保存されます。その後、実際のインストールが開始される前に、インストールの詳細を確認します。最終段階では、インスタンスのセットアップなど、正常終了したインストールに付随する操作を実行します。

Caché サーバをインストールするには、root というユーザ ID でログインします。root 以外のアカウントでログインしているときでも、su (スーパーユーザ) コマンドで root に変更できます。

オペレーティング・システムにログインしたら、以下の各セクションの手順を実行します。

  1. インストール・キットの解凍 (必要な場合)。

  2. インストール・ディレクトリの決定

  3. 所有者およびグループの決定

  4. インストール・スクリプトの実行

インストール・キットの解凍

インストール・キットが .tar ファイルの形式 (cache-2015.2.0.600.0-lnxrhx64.tar.gz など) の場合、以下の例に示すようにファイルを一時ディレクトリに解凍し、許可の問題を回避します。

Important:

/home ディレクトリ (またはこのディレクトリのサブディレクトリ) にファイルを解凍したり、Caché インストールをこれらのディレクトリから実行したりしないでください。

# mkdir /tmp/cachekit 
# chmod og+rx /tmp/cachekit 
# gunzip -c /download/cache-2016.2.0.600.0-lnxrhx64.tar.gz | ( cd /tmp/cachekit ; tar xf - )

インストール・ファイルは、.tar ファイルと同じ名前のディレクトリに解凍されます。例えば、前述の例では、/tmp/cachekit/cache-2016.2.0.600.0-lnxrhx64 になります。

Note:

一時ディレクトリのパス名にスペースを含めることはできません。

従来の tar コマンドは、長いパス名に遭遇すると通知なしで失敗する場合があるため、GNU tar を使用してこのファイルを untar することをお勧めします。tar コマンドが GNU tar かどうかを判定するには、tar --version を実行します。

インストール・ディレクトリの決定

Caché インストール・ディレクトリには、シンボリック・リンクを含まない、完全に解決された物理パスを選択する必要があります。既定の場所はありません。

Note:

Caché レジストリ・ディレクトリ (/usr/local/etc/cachesys) が常に Caché インストール・ディレクトリと共に作成されます。

所有者およびグループの決定

インストール・プロセスでは、以下のユーザおよびグループ情報を求められます ("Caché システム管理ガイド" の “UNIX®、Linux、および macOS での Caché 使用法” の章にある "UNIX® ユーザとグループの識別" のセクションを参照してください)。

  • インスタンスの所有者

  • Caché スーパーサーバの実効ユーザとそのジョブ

  • Caché プロセスの実効グループ

  • インスタンスの開始および停止を許可されたグループ

Important:

インストール処理時にインスタンスの所有者として認識したユーザには、インストール・キットへの読み取りおよび実行アクセスが必要です。

また、インストール時には、Caché によって、インストール対象のファイルに対するユーザやグループなどのアクセス許可が設定されます。したがって、インストール時に umask の既定値を変更しないでください。

インスタンスの所有者として認識したユーザ・アカウントおよびインスタンスが開始および停止するグループとして認識したグループは、インストールを開始する前に存在する必要があります。これらのプロンプトの 1 つで指定したエントリが存在しない場合、そのプロンプトが再表示されるため、指定しようとしているユーザおよびグループがインストール開始前に存在することを確認してください。

使用しているオペレーティング・システムに useradd ユーティリティおよび groupadd ユーティリティが含まれている場合には、システムは、指定したエントリが存在しない場合、Caché スーパーサーバ用の実効ユーザのアカウントおよび Caché プロセスの実効グループを作成します。ただし、これらのユーティリティがなく、指定したエントリが存在しない場合、該当のプロンプトが再表示されます。システムにこれらのユーティリティがあるかどうか不明な場合は、インストールを開始する前に、指定しようとしているユーザおよびグループが存在するかどうかを確認します。

Note:

オペレーティング・システムで Network Information Services (NIS) やその他のネットワーク・ベースのユーザまたはグループのデータベースを使用している場合は、groupadd ユーティリティと useradd ユーティリティによりローカル・ユーザおよびグループが作成され、ネットワーク・データベースに既に存在するエントリと競合する可能性があります。この問題を回避するには、ユーティリティに Caché 実効グループおよび実効ユーザを作成させるのではなく、インストールを開始する前に適切な管理ツールを使用して、これらをネットワーク・データベースに作成することをお勧めします。

プロセスの所有権を表示するために UNIX® のオペレーティング・システムで使用するツールでは、実際の所有権と実効所有権との対応が必ずしも表示できるとは限りません。Caché による許可の割り当ての詳細は、"Caché システム管理ガイド" の “UNIX®、Linux、および macOS での Caché 使用法” の章を参照してください。

インストール・スクリプトの実行

インストール・スクリプト (cinstall) は root 特権を持つユーザが実行する必要があります。このスクリプトは自動的に以下を実行します。

  • Caché システム・マネージャ・データベースをインストールします。

  • インストール・モードで Caché を起動します。

  • Caché システム・マネージャ・グローバルとルーチンをインストールします。

  • Caché を終了し、既定の構成ファイル (cache.cpf) を使用して再起動します。アップグレード・インストールの場合は、更新後の構成ファイルを使用して再起動されます。

Note:

cinstall を実行しているユーザのプロファイルに CDPATH 変数の値セットがある場合、インストールは失敗します。

root 特権を持っていないユーザは、Caché の非標準の制限付きインストールを実行できます。詳細は、"Caché の非 root ユーザとしてのインストール" を参照してください。

インストール手順

Caché サーバの標準インストールを実行するには、以下の手順に従って操作します。

  1. root 特権を持つユーザとして、インストール・ファイルの最上位にある cinstall スクリプトを実行し、インストール手順を開始します。

    # /<pathname>/cinstall
    
    

    ここで、pathname はインストール・キットの場所で、"インストール・キットの解凍" で説明されているように、通常はキットの抽出先の一時ディレクトリです。

  2. インストール・スクリプトは、ご使用のシステム・タイプを識別し、インストール・タイプあるいは配布メディアに対する検証を行います。ご使用のシステムが、例えば 32 ビットと 64 ビットなど、複数のタイプをサポートしている場合、あるいは、インストール・スクリプトがシステム・タイプを識別できない場合は、別の質問が表示されます。目的のシステム・タイプが配布メディア上のものと適合しない場合、インストールが停止します。この問題を解決するには、インターシステムズのサポート窓口Opens in a new tabにお問い合わせください。

  3. スクリプトにより、ホスト上の既存の Caché インスタンスが一覧表示されます。

  4. [インスタンス名の入力] プロンプトで、アルファベット文字のみを使用してインスタンス名を入力します。入力した名前を持つインスタンスが既に存在する場合、現在のインスタンスを更新するかどうかを尋ねられます。入力した名前を持つインスタンスが存在しない場合は、新しいインスタンスを作成するかどうか、作成するのであればインストール・ディレクトリを指定するように指示されます。指定したディレクトリが存在しない場合は、ディレクトリを作成するかどうかを尋ねられます。それぞれの質問に対する既定の応答は Yes です。Enter を押してインストールを続行します。

    Note:

    インストール・キットと同じ Caché バージョンの既存のインスタンスを選択する場合、インストールはアップグレードと見なされます。また、次のステップで説明されているように、Custom 選択を使用して、インストールされたクライアント・コンポーネントと特定の設定を変更できます。

  5. 次に、セットアップ方法を選択します。

    機能している Caché インスタンスの核となる部分は、Caché サーバです。サーバおよび CSP Web サーバ・ゲートウェイに加えて、開発作業に必要なツール (スタジオ、ODBC および JDBC ドライバ、サポートされるすべての言語バインディングなど) のインストールを実行できます。また、開発ツールをインストールせずに、サーバおよび CSP ゲートウェイのみをインストールすることもできます。最後に、インストールするコンポーネントを選択し、追加のインストール・オプションを指定するカスタム・インストールを実行できます。以下に、これらの選択肢を示します。

    Select installation type.
        1) Development - Install Cache server and all language bindings
        2) Server only - Install Cache server
        3) Custom - Choose components to install
    Setup type <1>? 
    

    新しいインスタンスの既定は Development です。既存のインスタンスをアップグレードしている場合、既定は元々インスタンスをインストールするために使用されたオプションです。Custom オプションの詳細については、"Caché カスタム・インストール" のセクションを参照してください。

  6. 次に、8 ビット文字サポートまたは Unicode 文字サポートのどちらを使用して Caché をインストールするかを指定します。アップグレード時に、8 ビットから Unicode に変換できますが、逆は行えません。

  7. 新規インスタンスの場合、次にセキュリティ設定を指定する必要があります。(アップグレード時には、セキュリティ設定を変更できません。)

    最初に、 初期の Caché セキュリティ設定の制限を指定します。[最小] (1)、[通常] (2)、[ロック・ダウン] (3) から選択できます。既定は [Minimal] です。これを選択した場合は、インスタンスの所有者が root になり、そのまま次のインストール手順に進みます。

    2 または 3 を入力した場合は、その他の情報を入力するよう求められます。

    1. インスタンス所有者 — Caché プロセスの実行に使用するアカウントのユーザ名を入力します。Caché のインストールが完了すると、インスタンスの所有者は変更できなくなります。このアカウントに関する詳細は、"所有者およびグループの決定" を参照してください。このユーザ名と次のプロンプトで入力するパスワードで、Caché ユーザ・アカウントが作成されます。

    2. インスタンス所有者のパスワード — 前のプロンプトで入力したユーザ名のパスワードを入力し、確認のために再度入力します。

      このパスワードは、インスタンス所有者のユーザ名用に作成された Caché ユーザ・アカウントだけでなく、_SYSTEM、Admin、および SuperUser の事前定義の各ユーザ・アカウントにも使用されます。事前定義されたこれらのユーザの詳細は、"Caché セキュリティ管理ガイド" の “ユーザ” の章にある "事前定義のユーザ・アカウント" のセクションを参照してください。

    3. CSPSystem 事前定義のユーザのパスワード。

    Note:

    この手順で入力したパスワードには、スペース、タブ、またはバックスラッシュの各文字は使用できません。インストーラはそのようなパスワードを受け付けません(ただし、Oracle Solaris プラットフォームでは、インストーラは 1 つのバックスラッシュ文字の入力を検出できません)。

    これらの設定の詳細は、このドキュメントの “Caché セキュリティの準備” の章にある "初期の Caché セキュリティ設定" のセクションを参照してください。

    Important:

    カスタム・インストールでなければ選択できないセキュリティ設定もあります。詳細は、"Caché カスタム・インストール" を参照してください。

  8. インストールのこの時点で、Caché を起動および停止できるグループを指定するように求められます。これらの特権を持つことができるのは 1 グループのみで、このマシンで有効なグループでなければなりません。詳細は、"所有者およびグループの決定" を参照してください。既存のグループ名またはグループ ID を入力します。Caché は、処理を続行する前にそのグループが実際に存在するかを確認します。

  9. 最後に、新しいインスタンスの場合、またはアップグレード時に既存のインスタンスの mgr ディレクトリにある cache.key ファイルをスクリプトが検出しない場合、ライセンス・キー・ファイルの入力を求めるプロンプトが表示されます。有効なキーを指定する場合、インストール中にライセンスは自動的に有効化されて、ライセンス・キーはインスタンスの mgr ディレクトリにコピーされるので、これ以上の有効化手順は不要です。ライセンス・キーを指定しない場合、インストールに続いて、ライセンス・キーを有効化できます。ライセンス、ライセンス・キーおよび有効化についての詳細は、"Caché システム管理ガイド" の “Caché ライセンスの管理” の章にある "ライセンス・キーの有効化" を参照してください。

  10. インストール・オプションを確認し、Enter キーを押してインストールを続行します。[Yes] を選択すると、ファイルのコピーが開始されます。

    標準インストールでは、Caché インスタンスに対して以下のポート番号が設定されます。

    • スーパーサーバのポート番号1972、または 56773 以降の使用可能な最初のポート番号

    • Web サーバのポート番号57772、またはこれ以降の使用可能な最初のポート番号

    新規インストール中に、異なるポート番号を割り当てたい場合は、カスタム・オプションを選択する必要があります。詳細は、"Caché カスタム・インストール" のセクションを参照してください。

    インストールの完了後、管理ポータルの システム, 構成, メモリと開始設定 ページでスーパーサーバのポート番号を変更できます。

    インストールの完了後、管理ポータルの システム, 構成, 開始設定 で Web サーバ・ポート番号を変更できます。

インストールが完了すると、Caché システムを管理する管理ポータルの URL が示されます。詳細は、"Caché システム管理ガイド" の “管理ポータルの使用” の章を参照してください。

Caché カスタム・インストール

カスタム・インストールを選択した場合、いくつかのコンポーネントのインストールに関する追加の質問に回答する必要があります。既定値は角かっこで囲まれ、これに続いて疑問符 (?) が表示されます。既定値をそのまま使用するには、Enter を押します。

  • [SuperServer port number] と [WebServer port number] — 標準インストール手順で説明したポート番号が自動的に割り当てられるようにするか、または独自のポート番号を入力できます。アップグレード・インストールではこの選択肢は表示されず、元のインスタンスのポート番号がそのまま使用されます。

  • [CSP ゲートウェイおよび外部 Web サーバ] — サポートされている外部 Web サーバを使用するように CSP ゲートウェイを構成できます。Caché のインストールが完了したら、[Yes] を選択します。次に、Web サーバの構成に関する追加の質問に回答して CSP ゲートウェイを構成します。

  • [追加のセキュリティ・オプション] — 初期のセキュリティ設定として [通常] または [ロック・ダウン] を選択した場合は、追加のセキュリティ・オプションを構成できます (最小のインストールでは、既定の ID が使用されています)。

    • [effective group for Caché processes] — Caché 内部の実効グループ ID。また、インストール環境にあるすべてのファイルと実行可能ファイルに対する特権をすべて保持しています。最大限のセキュリティ対策として、このグループには実際のユーザは含めないでください。(既定値は cacheusr です。)

    • [effective user for the Caché SuperServer] — スーパーサーバとジョブ・サーバによって開始されたプロセスの実効ユーザ ID です。ここでも最大限のセキュリティを実現するために、実際のユーザにはこのユーザ ID を使用しないようにします。(既定値は cacheusr です。)

    追加情報は、"所有者およびグループの決定" を参照してください。

  • [クライアント・コンポーネント] — 1 つまたは複数のクライアント・コンポーネントをインストールできます。選択できるコンポーネントのリストはプラットフォームによって異なります。下図に、選択可能なコンポーネントをすべて示します。一部のプラットフォームでサポートされないコンポーネントもあります。

    Client component selection
    
       [*]    1) ODBC client
       [*]    2) C++ binding
       [*]    3) C++ SDK
       [*]    4) Perl binding
       [*]    5) Python binding
       [*]    6) Cache engine link libraries (callin)
       [*]    7) Light C++ binding
              +) Select all
    
    Enter the number of each component you wish to install.
    Enter the number of an already selected component to deselect it.
    Multiple selections can be separated by spaces.
    Enter a blank line to continue.
    

    すべてのコンポーネントを選択するには、プラス記号 (+) を使用します。これがアップグレードで、以前インストールしたコンポーネントをクリアする場合、このコンポーネントはアップグレードもアンインストールもされません。

選択リスト内の具体的なクライアント・コンポーネントに関する詳細は、"Caché 言語バインディング" セットの以下のガイドを参照してください。

Linux RPM での Caché コンポーネントのインストール

Linux プラットフォームに限り、InterSystems はコンポーネントのインストール用に RPM インストール・キットを提供しています。これらのキットを使用して、以下のタイプの Caché インストールを実行できます。

RPM インストールについて、以下のことに注意してください。

  • RPM インストールでは、各ホストに 1 つの Caché インスタンスのみインストールでき、インストール・オプションはありません。

  • インスタンス名は常に CACHE、インストール・ディレクトリは常に /usr/cachesys です。

  • Caché の Unicode バージョンが常にインストールされます。

  • セキュリティの初期設定では、常に [最小] が使用されます。

  • インストールでは、ライセンス・キーの入力を求めるプロンプトは表示されません。

  • サーバ・コンポーネントをインストールしたら、他のパッケージ・ファイルを使用して他のコンポーネントを追加できます。

以下のコマンドを使用して、適切な RPM パッケージ・ファイルからインストールします。

# rpm -ivh cache-development-2016.2.0.569.0-1.rh.x86_64.rpm

RPM パッケージ・ファイルからアップグレードするには、以下のコマンドを使用します。

# rpm -U cache-development-2016.2.0.569.0-1.rh.x86_64.rpm

Note:

Caché は、パッケージ・ファイルの複雑さのため、rpm コマンドの --relocate オプションをサポートしていません。

Important:

新規の Caché インスタンスの RPM インストールでは、インストールに続いてインスタンスを開始することはありません。インストール後、初めて Caché を起動すると、データベースの初期化や構成ファイルの作成など、必要な初期化処理が実行されます。インストール後の Caché の起動方法の詳細は、"Caché の起動" のセクションを参照してください。

Caché インスタンスがアップグレード前に実行されている場合、RPM アップグレード・インストールは、ファイルを置き換える前に、そのインスタンスを停止し、その後、再開します。

Caché の 非 root ユーザとしてのインストール

Caché は一般的に root としてインストールしますが、root が使用不可能なシステムでは、別のユーザがインスタンスをインストールして実行することもできます。そのような環境での Caché の操作は、標準の Caché インスタンスの操作と同じですが、以下については例外となります。

  • CACHESYS 環境変数は、インストールするユーザによって書き込み可能な既存ディレクトリとして定義する必要があり、インストール中およびすべてのインスタンス操作中 (cstartcstopcsession) に存在している必要があります。

  • インスタンスはインストールするユーザによってのみ操作可能です。

  • Caché の実行可能ファイルおよびプロセスはすべて、インストールするユーザとして実行されます。

  • レジストリを含むすべてのインスタンス・ファイルはインストールするユーザの所有となり、このユーザによってのみ読み込み、書き込み、および実行が可能となります。グループ・アクセスは存在しません。

    例えば、標準インスタンスが以下であるとします。

    -rws--x--- 5 root develop 43282 Aug 28 07:52 cmgr
    -r-x--s--x 1 <nonroot-user> cacheusr 23058 Aug 28 07:52 cuxsession
    

    非 root インスタンスは以下のようになります。

    -rwx------ 5 <installing-user> develop 43282 Aug 28 07:52 cmgr
    -r-x------ 1 <installing-user> develop 23058 Aug 28 07:52 cuxsession
    

レジストリは CACHESYS で指定するディレクトリに配置され、そのレジストリに非 root インスタンスがあります (ccontrol および csession 実行可能ファイルもこのディレクトリに置かれます。)。CACHESYS を root にインストールされたインスタンスのレジストリ場所として使用するユーザには影響ありません。ただし、この非 root レジストリには、非 root のインスタンスのみが存在することになる点に注意してください。非 root レジストリから標準インスタンスへのアクセスはいずれも失敗します。反対に、非 root のインスタンスを root レジストリに定義することはできますが、所有者以外のユーザによるこのインスタンスへのアクセスはいずれも失敗します。

Note:

レジストリは、NFS ディレクトリではなく、インスタンスがインストールされたマシンのローカル・ディレクトリに配置することをお勧めします。標準の場所 /usr/local/etc がそのようなディレクトリとなります。

非 root インストールは以下の方式において標準インストールと異なります。

  • 外部 Web サーバを使用するために CSP ゲートウェイを構成するオプションはありません。

  • ISCAgent ("Caché 高可用性ガイド" の “ミラーリング” の章の "ISCAgent" および "ISCAgent の構成" を参照) は、CACHESYS で指定されたディレクトリにインストールされます。

    Note:

    非 root インスタンスの ISCAgent の開始の詳細は、"Caché 高可用性ガイド" の “ミラーリング” の章にある "UNIX®/Linux および macOS システムでの非 root インスタンス用 ISCAgent の開始" を参照してください。

    “ミラーリング” の章の "ミラー仮想 IP (VIP) の計画" で説明されているようなミラー仮想 IP の使用は、非 root インスタンスでは不可能です。

  • Caché の起動と停止ができるインスタンス所有者およびグループは指定されません。

  • 高度なセキュリティの構成はありません。

クライアントのみの Caché のインストール

Caché ディストリビューションには、Caché のクライアントのみバージョンをインストールするためのスクリプトが用意されています。インストール手順は極めてシンプルです。root としてインストールする必要はありません。このインストールからのファイルは、インストールしているユーザのユーザ許可とグループ許可を持ちます。Caché クライアントのインストールを実行するには、以下の操作を実行します。

  1. インストール・ファイルの最上位にある cinstall_client スクリプトを実行し、インストール手順を開始します。

    # /pathname/cinstall_client
    
    
  2. 使用可能なクライアント・コンポーネント・オプションから選択します。同じマシンに Caché サーバを必要とするコンポーネントは、このリストには表示されません。以下はその例です。

    Client component selection
    
       [*]    1) ODBC client
       [*]    2) C++ binding
       [*]    3) C++ SDK
       [*]    4) Perl binding
       [*]    5) Python binding
              +) Select all
    
    Enter the number of each component you wish to install.
    Enter the number of an already selected component to deselect it.
    Multiple selections can be separated by spaces.
    Enter a blank line to continue.
    

    すべてのコンポーネントを選択するには、プラス記号 (+) を使用します。これがアップグレードで、以前インストールしたコンポーネントをクリアする場合、このコンポーネントはアップグレードもアンインストールもされません。

エンジン・リンク・ライブラリや Light C++ バインディングはサーバのインストールを必要とするため、クライアントのみコンポーネントのリストには含まれません。

サーバ環境でクライアント・コンポーネントを更新するには、このスクリプトは使用できません。代わりに、cinstall スクリプトを使用してください。

選択リスト内の具体的なクライアント・コンポーネントに関する詳細は、"Caché 言語バインディング" セットの以下のガイドを参照してください。

Caché の自動インストール

cinstall_silent スクリプトを使用すると、Caché インスタンスの自動インストールおよびアップグレードを各自のシステムで実行できます。標準のインストール操作では、必要となる仕様や選択肢をプロンプトでのユーザ応答形式で取得するのに対し、自動操作では、cinstall_silent コマンド行で指定された構成パラメータやパッケージからこの情報を取得します。各指定パッケージは Caché コンポーネントを表しています。各コンポーネントのインストール・スクリプトは、cinstall_silent スクリプトを含むディレクトリの下の packages ディレクトリにあります。

コマンド行 cinstall_silent の一般的な形式は、以下のように、環境変数の設定によるインストール・パラメータの定義の後にコマンド自体が続きます。

sudo ISC_PACKAGE_INSTANCENAME="<instancename>"
 ISC_PACKAGE_INSTALLDIR="<installdir>"
 ISC_PACKAGE_PLATFORM="<platform>" ISC_PACKAGE_UNICODE="Y"|"N"
 ISC_PACKAGE_INITIAL_SECURITY="Minimal"|"Normal"|"Locked Down"
 ISC_PACKAGE_MGRUSER="<instanceowner>" ISC_PACKAGE_MGRGROUP="<group>"
 ISC_PACKAGE_USER_PASSWORD="<pwd>"  ISC_PACKAGE_CSPSYSTEM_PASSWORD="<pwd>"
 ISC_PACKAGE_CACHEUSER="<user>" ISC_PACKAGE_CACHEGROUP="<group>"
 ISC_PACKAGE_CLIENT_COMPONENTS="<component1> <component2> ..."
 ISC_PACKAGE_STARTCACHE="Y"|"N"
 ./cinstall_silent [<pkg> ...]]

このセクションには、以下のサブセクションがあります。

自動インストール・パラメータ

以下のテーブルでは、自動インストールの cinstall_silent スクリプトで使用するパラメータについて説明しています。

自動インストール・パラメータ
パラメータ 説明

ISC_PACKAGE_INSTANCENAME="<instancename>"

(必須)

インストールまたはアップグレードするインスタンスの名前を指定します。インスタンスが存在しない場合は、新規インストールとなります。インスタンスが存在する場合は、アップグレードとなります。以下に例を示します。ISC_PACKAGE_INSTANCENAME="MyCache"

Note:

新規インストールの場合は ISC_PACKAGE_INSTALLDIR パラメータが必要です。

ISC_PACKAGE_INSTALLDIR="<installdir>"

(新規インスタンスで必要)

新しいインスタンスをインストールするインストール・ディレクトリを指定します。以下に例を示します。ISC_PACKAGE_INSTALLDIR="/opt/MyCache"

指定されたディレクトリが存在しない場合、インストールによりそのディレクトリの作成が試行されます。インストールをアップグレードする場合、このパラメータは無視されます。

Note:

新規インストールで、このパラメータを指定しない場合、インストールは失敗し、エラーがスローされます。

ISC_PACKAGE_PLATFORM="<platform>"

(オプション)

同一ハードウェアで複数のプラットフォームをサポートするシステムに Caché をインストールする場合にプラットフォームを指定します。

Important:

現在、この機能をサポートする ISC サポート・プラットフォームは IBM AIX® のみです。有効値は、ppc (32 ビット・システム) および ppc64 (64 ビット・システム) です。以下はその例です。

ISC_PACKAGE_PLATFORM="ppc"

Note:

既定では、プラットフォームが自動検出されます。このパラメータが省略され、サポートされているプラットフォームが検出されない場合、自動インストールはエラーにより終了します。

ISC_PACKAGE_UNICODE="Y"|"N"

(オプション)

UNICODE インストールかどうかを指定します。有効値は、Y または N です。

Note:

既定では、これは N (8ビット) に設定されます。詳細は、"Caché の文字幅" を参照してください。

ISC_PACKAGE_INITIAL_SECURITY="Minimal"|"Normal"|"Locked Down"

(オプション)

インストールの初期セキュリティ設定を指定します。有効値は、"Minimal"、"Normal"、または "Locked Down" です。

Note:

既定では、セキュリティ・レベルが "Minimal" に設定されます。

"Normal"、または "Locked Down" に設定する場合、ISC_PACKAGE_USER_PASSWORD が必要です。

ISC_PACKAGE_MGRUSER="<user>"

(オプション)

インストールの所有者のログイン名を指定します。以下はその例です。ISC_PACKAGE_MGRUSER="jcsmith"

Note:

既定では、インスタンスをインストールするユーザのユーザ名に設定されます。

セキュリティ・レベルが "Minimal" の場合、このパラメータは無視され、ISC_PACKAGE_MGRUSER は "root" に設定されます。

ISC_PACKAGE_MGRGROUP="<group>"

(オプション)

インスタンスの開始および停止を許可されるグループを指定します。以下はその例です。ISC_PACKAGE_INITIAL_MGRGROUP="cacheusr"

Note:

既定では、インスタンスをインストールするユーザのグループが設定されます。

ISC_PACKAGE_USER_PASSWORD="<password>"

(安全なインスタンスのインストールの場合、必須)

インスタンスに必要なパスワードを、通常のセキュリティまたはロック・ダウン・セキュリティで指定します。

Note:

セキュリティ・レベルが "Minimal" の場合、このパラメータは無視されます。

セキュリティ・レベルが "Normal"、または "Locked Down" で、このパラメータを指定しない場合、インストールは失敗し、エラーがスローされます。

ISC_PACKAGE_CSPSYSTEM_PASSWORD="<password>" CSPSystem ユーザのパスワードを指定します。
Note:

セキュリティ・レベルが "Minimal" の場合、このパラメータは無視されます。

セキュリティ・レベルが "Normal" または "Locked Down" で、このパラメータを指定しない場合、ISC_PACKAGE_USER_PASSWORD の値が使用されます。

ISC_PACKAGE_CACHEUSER="<user>"

(オプション)

Caché スーパーサーバの実効ユーザを指定します。

Note:

既定では、cacheusr に設定されます。

セキュリティ・レベルが "Minimal" の場合、このパラメータは無視され、既定の設定となります。

ISC_PACKAGE_CACHEGROUP="<group>"

(オプション)

Caché プロセスの実効ユーザを指定します。

Note:

既定では、cacheusr に設定されます。

セキュリティ・レベルが "Minimal" の場合、このパラメータは無視され、既定の設定となります。

ISC_PACKAGE_CLIENT_COMPONENTS="<component1> <component2> ..."

(オプション)

client_components パッケージからインストールされるクライアント・バインディングを指定します ("自動インストール・パッケージ" を参照)。
Note:

既定では、すべてのクライアント・バインディングがインストールされます。指定するコンポーネント (バインディング) はスペースで区切る必要があります。使用可能なコンポーネントの一覧は package/client_components/manifest.isc にあります。インストールでは指定したコンポーネントを検証して、個々のシステムに存在しない、またはサポートされていないコンポーネントを削除します。

ISC_PACKAGE_CSP_CONFIGURE="Y"|"N"

(オプション)

外部 Web サーバ用に CSP ゲートウェイを構成するかどうかを指定します。
Note:

既定では、これは N に設定されます (外部 Web サーバ用にゲートウェイを構成しません)。

ISC_PACKAGE_CSP_SERVERTYPE="Apache"|"SunOne"|"None"

(オプション)

CSP ゲートウェイで使用する既存の Web サーバのタイプ。例 : ISC_PACKAGE_CSP_SERVERTYPE="Apache"
Note:

既定では、これは None に設定されます。

ISC_PACKAGE_CSP_APACHE_VERSION=2.2|2.4

(オプション、ISC_PACKAGE_CSP_SERVERTYPE="Apache" と共に使用)

Apache Web サーバのバージョン。
Note:

既定では、バージョンは自動検出されます。

ISC_PACKAGE_CSP_APACHE_USER="<username>"

(オプション、ISC_PACKAGE_CSP_SERVERTYPE="Apache" と共に使用)

Apache Web サーバのユーザ名。
Note:

既定では、ユーザ名は自動検出されます。

ISC_PACKAGE_CSP_APACHE_CONF="<path_to_httpd.conf>"

(オプション、ISC_PACKAGE_CSP_SERVERTYPE="Apache" と共に使用)

Apache Web サーバの構成ファイルの場所 (例 : /etc/httpd/conf/httpd.conf)
Note:

既定では、インストールにより、複数ある標準の場所のいずれかのファイルの自動検出が試行されます。ISC_PACKAGE_CSP_SERVERTYPE="Apache" および httpd.conf の場所が特定されない場合、インストールはエラーで終了します。

ISC_PACKAGE_CSP_SUNONE_DIR="<sunone_installation_dir>"

(オプション、ISC_PACKAGE_CSP_SERVERTYPE="SunOne" と共に使用)

SunOne Web サーバのインストール・ディレクトリ。以下に例を示します。

/usr/netscape/server4/httpd-production

Note:

既定では、インストール・ディレクトリは自動検出されます。

ISC_PACKAGE_CSP_SUNONE_NUMBER="<number>"

(オプション、ISC_PACKAGE_CSP_SERVERTYPE="SunOne" と共に使用)

構成する SunOne Web サーバの数 (複数のサーバがインストールされている場合)。
Note:

既定値は 1 です。

ISC_PACKAGE_CSP_GATEWAY_DIR=”<csp_gateway_directory>”

(オプション、CSP Gateway の新規インストールでのみ)

CSP ゲートウェイ・ファイルが保存されるディレクトリ。
Note:

既定のディレクトリは /opt/cspgateway_ です。

ISC_PACKAGE_STARTCACHE="Y"|"N"

(オプション)

インストールに続いてインストールした Caché インスタンスを開始するかどうかを指定します。
Note:

既定では、Y に設定されていて、インスタンスを開始します。

ISC_INSTALLER_MANIFEST="<location>" インストール・マニフェストでインストールする際、エクスポートされたマニフェスト・クラスの場所を指定します。
Note:

詳細は、“インストール・マニフェストの作成および使用” の章の "マニフェストの使用" を参照してください。

ISC_INSTALLER_PARAMETERS="<var>=<value>,<var>=<value> ..." インストール・マニフェストでインストールする際、変数の名前と値の組み合わせを指定します。
ISC_INSTALLER_LOGFILE="<filename>" インストール・マニフェストでインストールする際、ログ・ファイル名を指定します。
ISC_INSTALLER_LOGLEVEL="<level>" インストール・マニフェストでインストールする際、0 (“なし”) から 3 (“詳細”) までの数値でログ・レベルを指定します。

自動インストール・パッケージ

各コンポーネントのインストール・スクリプトは、cinstall_silent スクリプトを含んでいるディレクトリの配下の packages ディレクトリに含まれています。各パッケージは、それぞれのディレクトリ内に配置され、各パッケージのディレクトリには、そのディレクトリ内パッケージの前提条件となるパッケージが定義された manifest.isc ファイルが含まれています。

standard_install パッケージは、すべてのパッケージがインストールされるサーバ・インストールの開始ポイントです。カスタム・パッケージを定義するには、以下のように standard_install パッケージの manifest.isc ファイルをテンプレートとして使用します。

  1. standard_install ディレクトリを新しいディレクトリにコピーします。

    例えば、custom_install という名前のディレクトリにコピーします。新しいディレクトリにコピーされた manifest.isc ファイルの初期の状態は次のようになります。

    #This is the target for a standard (non-client-only) install
    package: standard_install
    prerequisite: install_mode
    prerequisite: database_server
    prerequisite: databases
    prerequisite: gadget
    prerequisite: fop
    prerequisite: renderserver
    prerequisite: printserver
    prerequisite: excelexporter
    prerequisite: callin_components
    prerequisite: client_components
    prerequisite: addenda
    prerequisite: install_confirmation
    prerequisite: copyright
    
  2. 新しいディレクトリで、以下のように manifest.isc ファイルを変更します。

    • パッケージ・キーをディレクトリ名と一致するように変更します (必須)。

    • カスタム・インストールの前提条件ファイルを追加または削除します。

    例えば、以下のmanifest.isc ファイルでは、パッケージ・キーがディレクトリ名 (custom_install) に合わせて変更され、前提条件ファイルの databases が削除されています。これにより、インストールから SamplesDocbook データベースが除外されます。

    #This is the target for a custom (non-client-only) install
    package: custom_install
    prerequisite: install_mode
    prerequisite: database_server
    prerequisite: gadget
    prerequisite: fop
    prerequisite: renderserver
    prerequisite: printserver
    prerequisite: excelexporter
    prerequisite: callin_components
    prerequisite: client_components
    prerequisite: addenda
    prerequisite: install_confirmation
    prerequisite: copyright
    

次に、自動インストールを実行するときに新しいカスタム・パッケージを指定できます。例えば、sudo ISC_PACKAGE_INSTANCENAME="MyCache" ./cinstall_silent custom_install のように指定します。

Note:

独自の UNIX® インストール・パッケージの作成方法、およびそれらの Caché ディストリビューションへの追加方法の詳細は、"Caché ディストリビューションへの UNIX® インストール・パッケージの追加" を参照してください。

自動インストールの例

以下の例は、cinstall_silent スクリプトを使用して、Caché を UNIX® プラットフォームに自動インストールする方法について示しています。

例 1

この例では、8 ビット・バージョンのすべてのパッケージが最低限のセキュリティでインストールされます。

sudo ISC_PACKAGE_INSTANCENAME="MyCache" ISC_PACKAGE_INSTALLDIR="/opt/mycache1" ./cinstall_silent

MyCache インスタンスが既に存在する場合は、これがアップグレードされます。存在しない場合は、/opt/mycache1 ディレクトリにインストールされます。

例 2

この例では、MyCache という名のインスタンスが存在しない場合に、インストールが中止され、エラーがスローされます。

sudo ISC_PACKAGE_INSTANCENAME="MyCache" ./cinstall_silent
例 3

この例では、8 ビット・バージョンの database_server パッケージ、odbc パッケージおよび odbc クライアント・バインディングのみが最低限のセキュリティでインストールされます。

sudo ISC_PACKAGE_INSTANCENAME="MyCache" ISC_PACKAGE_INSTALLDIR="/opt/mycache2"
ISC_PACKAGE_CLIENT_COMPONENTS="odbc" ./cinstall_silent database_server odbc

インストール後のタスク

インストール手順の実行が完了したら、以下のタスクを実行します。

Caché の開始

評価用の RPM Linux インストールの場合、インストールが完了しても Caché は起動しません。標準の Linux メソッドを使用して、Caché を起動および停止します。以下はその例です。

/etc/init.d/cache start

Red Hat Linux では、次のコマンドも使用できます。

service <instname> start

instname は、インストール時に指定したインスタンス名です。

その他のインストールではすべて、Caché は実行されたままになります。Caché を起動する必要がある場合は、最初にオペレーティング・システムにログインし、ccontrol コマンドを使用して Caché を起動する必要があります。

ccontrol start <instname>

instname は、インストール時に指定したインスタンス名です。

Caché の起動および停止には、ccontrol コマンドを使用します。この詳細は、"Caché システム管理ガイド" の "Caché インスタンスの制御" のセクションを参照してください。

Note:

mgr サブディレクトリへのパスを構成するすべての要素に対する許可を、(少なくとも) cacheusr グループに読み取りアクセスできるように設定する必要があります。このような許可を設定しないと、インスタンスは完全には起動せず、「パス manager_subdirectory の要素を読み取りできませんでした (errno 2)」というメッセージが cconsole.log に記録されます。

Caché を起動したら、csession コマンドを使用して Caché セッションを開始します。

csession <instname> [parameters]

instname は、インストール時に指定したインスタンス名です。

詳細は、"Caché システム管理ガイド" の “UNIX®、Linux、および macOS での Caché 使用法” の章を参照してください。

開発用の Caché クライアントのWindows へのインストール

Caché では、管理ポータルにアクセスできるようにプライベート Apache Web サーバがインストールされます。したがって、UNIX® システムでは、Windows マシン上で稼動する Caché クライアントがなくても、システム構成と管理タスクを実行できます。

ただし、スタジオ開発ツールを使用するには Windows クライアントが必要になります。Windows クライアントのみのインストールの詳細は、このガイドの “Microsoft Windows への Caché のインストール” の章の "Caché クライアント・コンポーネントのみのインストール " を参照してください。インストールしたら、Windows クライアントの Caché キューブから以下の操作を行います。

  • [優先接続サーバ] にカーソルを当て、[追加/編集] をクリックして、先ほどインストールした Caché インスタンスへのリモート・サーバ接続を追加します。この接続に適切なポート番号を指定するように注意してください。

  • [リモート システム アクセス]、[スタジオ] の順にポイントし、前の手順で入力した該当する接続名をクリックします。

Mac への Caché のインストール

この章では、macOS システムに Caché をインストールする方法を説明します。ここでの内容は、ユーザが Mac のディレクトリ構造、ユーティリティ、およびコマンドに精通していることを前提にしています。この章には、以下が含まれます。

インストール要件

このセクションでは、Caché のインストールに必要なハードウェアとソフトウェアの要件について説明します。

必要なディスク容量

Caché Server Pages (CSP) のサポートを含む標準的な Caché インストールでは、選択するインストールの種類によって約 1 GB (ギガバイト) のディスク容量が必要です。

サポート対象プラットフォームと Web サーバ

Caché の最新バージョンは Intel で動作する macOS オペレーティング・システムでサポートされています。macOS では、Apache および Nginx の各 Web サーバ上で Caché Server Pages (CSP) テクノロジがサポートされます。最新情報については、このリリース用のオンライン・ドキュメント "インターシステムズでサポートされるプラットフォームOpens in a new tab" の “サポート対象テクノロジ” の章を参照してください。

Note:

Caché および Ensemble をインストールする際に、Apache のプライベート・バージョンをインストールすると、以下のことが可能になります。

  1. 管理ポータルをすぐに使用できます。

  2. 開発環境用にすぐに使用可能なテスト機能が用意されています。

プライベート Apache Web サーバでは、この他の用途はサポートされていません。

HTTP ベースのアプリケーション (CSP、Zen、HTTP または HTTPS 経由の SOAP など) を配置する際には、管理ポータル以外のアプリケーションにプライベート Web サーバを使用しないでください。代わりに、サポートされる Web サーバのいずれかをインストールおよび配置してください (詳細は、このリリース用のオンライン・ドキュメント "インターシステムズでサポートされるプラットフォームOpens in a new tab" の “サポート対象テクノロジ” の章にある “サポート対象 Web サーバ” を参照)。

CSP を使用する場合は、最初に Web サーバをインストールしておく必要があります。これにより、Caché インストールが Web サーバを構成するようになります。各オペレーティング・システムのサポートは、オペレーティング・システム・ベンダに依存し、変更になる場合もあります。詳細は、"Caché Server Pages の使用法" の “CSP 構成” の章にある "Web サーバ構成" のセクションを参照してください。

Important:

オペレーティング・システムごとにサポートされているプラットフォーム、バージョン、および機能に関する最新の情報は、このリリース用のオンライン・ドキュメント "インターシステムズでサポートされるプラットフォームOpens in a new tab" の “サポート対象テクノロジ” の章を参照してください。

Caché の UNIX® インストール

macOS に Caché をインストールする方法は、UNIX® プラットフォームにインストールする方法とほぼ同じです。

Caché をインストールするには、以下の操作を実行します。

  1. インターシステムズからインストール・キットを入手して、デスクトップ上にインストールします。

  2. ユーザ ID root としてログインします。root 以外のアカウントでログインしているときでも、su (スーパーユーザ) コマンドで root に変更できます。

  3. "多数の同時プロセスの調整" を参照して、必要に応じて調整を行います。

  4. このドキュメントの “UNIX および Linux への Caché のインストール” の章にある "インストール・スクリプトの実行" のセクション、およびそれに続くセクションの指示に従って操作します。

  5. macOS への Caché のインストール後のタスクなどに関する詳細は、このドキュメントの “UNIX および Linux への Caché のインストール” の章にある "UNIX® または Linux への Caché のインストール" を参照してください。

多数の同時プロセスの調整

多数のプロセスまたは Telnet ログインを必要とするシステムを実行する場合は、以下の調整を行う必要があります。

  1. リモート接続 — pty (擬似ターミナル) 接続の数はシステム全体で 128 までに制限されています。アプリケーションがユーザ・アクセスを Telnet などの pty 使用接続に依存している場合は、この点に注意してください。

  2. プロセス数 — 多数のプロセスの実行が必要な場合は、pty 制限に該当しなくても、プロセス数自体に制限があります。

    • システム全体でのプロセス制限kern.maxproc および kern.maxprocperuid パラメータの既定値はそれぞれ 532100 に設定されています。これらのパラメータは、次のコマンドを使用して変更できます。

      administrator$ sudo sysctl -w kern.maxproc=2500
      kern.maxproc: 2065 -> 2500
      administrator$ sudo sysctl -w kern.maxprocperuid=2500
      kern.maxprocperuid: 2000 -> 2500
      
      administrator$ sysctl -a | grep maxproc
      kern.maxproc = 2500
      kern.maxprocperuid = 2500
      
      

      ただし、2500 が変更不能な絶対上限であることに注意してください。

Caché ディストリビューションへの UNIX® インストール・パッケージの追加

このセクションでは、既存の Caché ディストリビューションに新しい UNIX® インストール・パッケージを追加する方法を説明します。この追加方法はチュートリアル形式で示し、Caché インスタンス・ディレクトリに追加ファイルをコピーする単純なパッケージを作成する場合について解説します。

Note:

インストール・パッケージは UNIX® シェル・スクリプトを使用して実装するため、これよりはるかに複雑な操作を実行するパッケージも作成できます。

Foo9000 という名前のイメージング・デバイスに接続する Caché コールアウト共有ライブラリ ("Caché コールアウト・ゲートウェイの使用法" の “Caché コールアウト・ライブラリの作成” の章を参照) を記述したとします。このライブラリを libfoo9000.so としてコンパイルします。このライブラリが Caché と共にインストールされるようにしたいとします。また、インストール時に、このライブラリの接続先デバイス (Foo9000) のネットワーク・サーバ名を入力するようにユーザに求めるプロンプトが表示されるようにする必要もあります。この情報は Caché インスタンス・マネージャのディレクトリ (install-dir\mgr) 内の構成ファイルに保存されるようにします。

既存の Caché キットから開始します。

~/kit:>ls
cinstall   cplatname docs  lgpl.txt NOTICE
copyright.pdf dist   kitlist LICENSE package

また、コンパイルしたライブラリ (libfoo9000.so) を使用します。

~/lib:>ls
libfoo9000.so

まず、ライブラリを保存するキット内の場所を選択し、その場所にライブラリをコピーする必要があります。規約により、プラットフォーム別のライブラリは dist/package/platform ディレクトリ (~/kit/dist/foo9000/lnxsusex64 など) に保存します。

~/kit:>cd dist
~/kit/dist:>mkdir foo9000
~/kit/dist:>cd foo9000
~/kit/dist/foo9000:>mkdir lnxsusex64
~/kit/dist/foo9000:>cd lnxsusex64
~/kit/dist/foo9000/lnxsusex64:>cp ~/lib/libfoo9000.so .

次に、インストール・パッケージのディレクトリを作成し、パッケージについて記述する manifest.isc ファイルをこのディレクトリに追加します。最も単純な形式の manifest.isc ファイルでは、パッケージ名のみを記述します。この名前はパッケージ・ディレクトリの名前 (foo9000) と一致させる必要があります。

~/kit/package:>mkdir foo9000
~/kit/package:>cd foo9000
~/kit/package/foo9000:>emacs manifest.isc
package: foo9000

パッケージ内が空だと処理は何も実行されませんが、このチュートリアルでは、次の処理を実行する必要があります。

  1. Foo9000 をホストするサーバ名の入力をユーザに求めるプロンプトを表示する。

  2. マネージャのディレクトリ (install-dir\mgr) 内の構成ファイルにこの情報を保存する。

  3. インスタンス・バイナリ・ディレクトリにライブラリ (libfoo9000.so) をコピーする。

パッケージ・インストーラは複数のフェーズで処理を実行します。そのうち重要なフェーズは次のフェーズです。

  • “parameters” フェーズ

  • “install” フェーズ

Note:

パッケージには、フェーズごとに、それぞれのフェーズの名前を持つ Bourne シェル・スクリプトを格納することができます。パッケージ・インストーラは、フェーズ内の適切な時点で、各パッケージのスクリプトを実行します。パッケージのスクリプトで所定のフェーズの実行が正常に終了すると、最終コマンドによって明示的または暗黙的にエラー・コード 0 が返されます。正常に終了しなかった場合は、0 以外のエラー・コードが返されます。

“parameters” フェーズでは、パッケージのインストールに必要な情報を (通常ユーザに入力を求めることによって) 収集します。このフェーズでは、システムへの永続的な変更は行いません。通常、“parameters” フェーズ後に、ユーザがインストールの取り消しを必要に応じて選択できるようにします。取り消しが選択された場合、システムがインストール・プロセスによる影響を何も受けていない状態になっていなければなりません。

“install” フェーズでは、システムを変更します。無人インストールや自動インストールが実行される場合があるため、install フェーズ中はユーザに情報の入力を求めないようにします。

パッケージによっては、ユーザからの情報の入力が不要、つまり “parameters” スクリプトが不要な場合があります。特定のフェーズのスクリプトがパッケージに含まれていない場合、そのフェーズ中、そのパッケージの処理は何も実行されません。

まず、foo9000 パッケージ用の “parameters” スクリプトとして、以下のようなスクリプトを作成したとします。

~/kit/package/foo9000:>emacs parameters
#!/bin/sh
echo "Please enter host name of the Foo9000 imaging server: "
read host
echo "Host $host entered."

このスクリプトを実行すると、以下のように、ホスト名の入力を求めるプロンプトが実際に表示されます。この情報は host 変数に記録されます。

~/kit/package/foo9000:>sh parameters
Please enter host name of the Foo9000 imaging server:
cupertino
Host cupertino entered.

しかし、host 値を取得した後、この値をどう処理したらいいでしょうか。スクリプトの実行が終了すると、この情報は失われるため、“install” フェーズでこの情報を構成ファイルに書き込む必要が生じたときに利用できません。

Note:

“parameters” フェーズではユーザのシステムに何の影響も及ぼさないようにするため、この時点ではまだ構成ファイルを作成しません。

パッケージ・インストーラは、複数のフェーズや複数のパッケージで情報を共有できるようにする便利な関数のペア ImportExport を備えています。通常のシェル・スクリプトのメカニズムによって、これらの関数を parameters.include ファイルに組み込んで使用できます。

#!/bin/sh
. parameters.include
echo "Please enter host name of the Foo9000 imaging server: "
read host
echo "Host $host entered."
Export foo9000.host $host

Export 関数は、エクスポートする (通常、スクリプトのローカル変数から) パラメータ変数の名前とその値を取ります。Import 関数ではこの逆になります。最初の引数には、あらかじめエクスポートされている値のインポート先のローカル変数を指定し、2 番目の引数には、エクスポート先のパラメータ変数の名前を指定します。

Note:

規約により、パラメータ関数の名前は、package name.local variable name 形式の名前 (foo9000.host など) にします。

これで、インストール・プロセスに必要なすべての Foo9000 情報が “parameters” スクリプトで収集されるようになったため、次は “install”スクリプトを作成します。

~/kit/package/foo9000:>emacs parameters
#!/bin/sh
. parameters.include 
Import host foo9000.host
echo host=$host > ????/mgr/foo9000.cfg
cp ????/dist/foo9000/????/libfoo9000.so ????/bin

以下の詳細を指定する必要があります (上記スクリプトの ???? の部分)。

  • インストールを作成するインスタンス・ディレクトリの場所。

  • インストール元のキットの場所。

  • インストールするプラットフォームの種類。

これらの質問は “parameters” スクリプトに組み込むこともできますが、ユーザはこれらの情報をインストールの初期段階で既に入力しているため、混乱を招く可能性があります。代わりに、必要な情報を提供する他のパッケージからパラメータ変数をインポートします。これが可能なのは、cinstallcinstall_client または cinstall_silent スクリプトを使用したインストールが成功すると ("Caché のインストール" を参照)、これらの変数と値を含んだ parameters.isc ファイルがインストール・ディレクトリに作成されるためです。parameters.isc ファイルの変数の一覧は、この章の最後にある "Caché インストール・パラメータ・ファイルの変数" のテーブルに掲載しています。

Note:

セキュリティ上の理由により、parameters.isc ファイルには root ユーザのみがアクセスできます。

特定のパッケージのパラメータ変数を使用するためには、現在のパッケージ (foo9000) が別のパッケージに依存すること、したがって各フェーズで別のパッケージの後に処理する必要があることを、パッケージ・インストーラに認識させる必要があります。それには、以下に示すように、現在のパッケージの manifest.isc ファイルに “prerequisite” の各値を追加します。

~/kit/package/foo9000:>emacs manifest.isc
package: foo9000
prerequisite: server_location
prerequisite: legacy_dist
prerequisite: platform_selection

これで、指定したパッケージからパラメータ変数をインポートし、現在のパッケージのインストール・スクリプトの実行に使用できるようになります。

~/kit/package/foo9000:>emacs install
#!/bin/sh                                    
. parameters.include
Import host foo9000.host
Import tgtdir "server_location.target_dir"
Import srcdir "legacy_dist.source_dir"
Import platform_family "platform_selection.platform_family"
echo host=$host > $tgtdir/mgr/foo9000.cfg
cp $srcdir/dist/foo9000/$platform_family/libfoo9000.so $tgtdir/bin

パッケージ foo9000 はほぼ完成しました。最後の作業として、関連する既存のパッケージの prerequisite リストにこのパッケージを追加します。それにより、パッケージ・インストーラは、その関連パッケージのインストールを完了するために、今回作成したパッケージを処理するようになります。この場合、Caché サーバのインストール時に必ずこのライブラリのインストールと構成が行われるようにする必要があるため、“database_server” パッケージの manifest.isc ファイルで、このパッケージの prerequisite リストに新しいパッケージ foo9000 を追加します。

~/kit/package/database_server:>emacs manifest.isc
package: database_server
prerequisite: legacy_dist
prerequisite: platform_selection
prerequisite: server
prerequisite: server_location
prerequisite: upgrade
prerequisite: available_disk_space
prerequisite: posix_tools
...
prerequisite: isql
prerequisite: zlib
prerequisite: udp
prerequisite: bi
prerequisite: foo9000

上のリストから明らかなように、サーバ・インストールの作成には多くのパッケージが必要ですが、これで、cinstall をインストールすると、パッケージ foo9000 の構成とインストールが実行されるようになりました。

~/kit:>sudo ./cinstall
Your system type is 'SuSE Linux Enterprise Server 10 (x64)'.
Currently defined instances:
Cache instance 'TRWTURBO'
directory: /home/woodfin/TRWTURBO
versionid: 2008.2.0.456.0
conf file: cache.cpf (SuperServer port = 1972, WebServer = 57785)
status:  crashed, last used Sat Sep 13 08:37:32 2008
Enter instance name: TRWPACK1
Do you want to create Cache instance 'TRWPACK1' ? Y
...
Please enter host name of the Foo9000 imaging server:
cupertino
Host cupertino entered.
...
Do you want to proceed with the installation ? Y
...
Installation completed successfully
~/TRWPACK1/bin:>ls libfoo*
libfoo9000.so
~/TRWPACK1/mgr:>cat foo9000.cfg 
host=cupertino
parameters.isc ファイルの内容

以下の表は、parameters.isc ファイルに記載されている変数とその説明、およびサンプル値、または有効な値の一覧です。

Caché インストール・パラメータ・ファイルの変数
変数名 説明

(有効な値) または例

dist.source_dir インストール媒体のソース・ディレクトリ。

/cachekit

legacy_dist.source_dir 従来の目的では、インストール媒体のソース・ディレクトリ。

/cachekit

product_info.version インターシステムズ社製品のバージョン番号。

2012.2.0.100.0

product_info.name インターシステムズ社製品の名前。

(Cache/Ensemble/HealthShare)

platform_selection.platform インストール先プラットフォームに対するインターシステムズ社の略称。

lnxrhx64

platform_selection.platform_family インストール先プラットフォーム・ファミリに対するインターシステムズ社の略称。

lnxrhx64

platform_selection.endianness プラットフォームのエンディアン・バイト・オーダー。

(big/little)

platform_selection.os プラットフォームのオペレーティング・システム。uname コマンドの値。

Linux

posix_tools.user_add Portable Operating System Interface (POSIX) 準拠のユーザ追加ツール。

/usr/sbin/useradd

posix_tools.group_add POSIX 準拠のグループ追加ツール。

/usr/sbin/groupadd

posix_tools.grep POSIX 準拠の grep ユーティリティ。

grep

posix_tools.id POSIX 準拠の id ユーティリティ。

id

posix_tools.ps_opt プロセスのリスト表示ですべて展開するオプション。

-ef

posix_tools.gzip Gnu 準拠の zip ユーティリティ。

gzip

posix_tools.shared_ext 共有ライブラリ・ファイルの拡張子。

so

posix_tools.symbolic_copy POSIX 準拠のシンボル・コピー・コマンド。

cp -Rfp

posix_tools.tr POSIX 準拠の変換ユーティリティ。

tr

posix_tools.shared_ext1 共有ライブラリ・ファイルの代替の拡張子。

so

posix_tools.permission 選択されたファイルに適用される POSIX 準拠の特権。

755

posix_tools.dir_permission 選択されたディレクトリに適用される POSIX 準拠の特権。

775

server_location.target_dir サーバ・インストールのターゲット・ディレクトリ。

/test/CACHE

server_location.is_server_install これがサーバ・インストールであるかどうかを示す。

(N/Y)

server_location.instance_name インスタンス名。

CACHE

server_location.is_new_install これが新規インストールであるかどうかを示す。

(N=アップグレード/Y=新規)

server_location.registry_dir Caché レジストリ・ディレクトリの場所 (ローカルのファイル・システム上に配置する必要がある)。

/usr/local/etc/cachesys

server_location.ensemble_registry_dir N/A
server_location.convert_ensemble_registry 4.0 以前の Ensemble インスタンスをアップグレードしている場合に、古い Ensemble レジストリと Caché レジストリを統合するかどうかを示す。

(N/Y)

server_location.ccontrol インストール中に、ccontrol が存在するディレクトリ。

/cachekit/dist/lnxrhx64/bin/shared/ccontrol

server_location.enscontrol (n/a) N/A
postinstall* パラメータ・ファイル・フェーズの後で実行するパッケージを指定。

upgrade

install_mode.setup_type インストールのタイプ。

(Development/Server/Custom)

unicode_selection.binary_type インストールするバイナリのタイプ。

(unicode/eightbit)

unicode_selection.install_unicode この製品の Unicode 版をインストールするかどうかを示す。

(N/Y)

security_settings.cache_user Caché スーパーサーバの実効ユーザ。

cacheusr

security_settings.cache_group Caché の実効グループ。

cacheusr

security_settings.manager_user インスタンスの所有者。

root

security_settings.manager_group インスタンスの開始および停止を許可されたグループ。

develop

security_settings.personal_database パーソナル・データベース機能を使用するかどうかを示す。

(N/Y)

security_settings.initial_level 初期のセキュリティ設定。

(Minimal/Normal/Locked Down)

security_settings.already_secured 5.1 以前のインスタンスからアップグレードしている場合に、セキュリティ設定が必要かどうかを示す。

(N/Y)

security_settings.password cinstall から実行している場合は、パラメータ・ファイルの格納前にパスワード・フィールドがクリアされる。
manager_source_code.available マネージャ・ユーティリティ・ソース・コードをインストールするかどうかを示す。

(N/Y)

port_selection.superserver_port スーパーサーバ・ポート番号。

1972

port_selection.webserver_port Web サーバのポート番号。

57772

port_selection.jdbcgateway_port Java Database Connectivity (JDBC) ゲートウェイ・ポート番号。

62972

csp_gateway.configure 外部 Web サーバ用に CSP ゲートウェイを構成するかどうかを示す。

(N/Y)

csp_gateway.web_server_type CSP ゲートウェイで使用する既存の Web サーバのタイプ。

(Apache/SunOne/None)

csp_gateway.apache_version Apache Web サーバのバージョン
csp_gateway.apache_user Apache Web サーバのユーザ名
csp_gateway.apache_conf_file Apache Web サーバ構成ファイルの場所。

/etc/httpd/conf/httpd.conf

csp_gateway.apache_pid_file Apache Web サーバ・デーモンのプロセス ID を記録するファイル。

/usr/local/apache/logs/httpd.pid

csp_gateway.apache_use32bit Apache Web サーバで 32 ビット・アーキテクチャを使用するかどうかを示す。

Y/N

csp_gateway.sunone_server CSP ゲートウェイで使用する Sun ONE サーバの場所。

/usr/netscape/server4/httpd-production

csp_gateway.directory CSP ゲートウェイ・ファイルが保存されるディレクトリ。
license_key.enter_key インストール中にキーをインストールするかどうかを示す。

N/Y

license_key.license_file enter_key の値が Y の場合、キー・ファイル情報の場所。
agent.user_account ISCAgent のユーザ名。

iscagent

agent.user_group ISCAgent のグループ名。

iscagent

agent.install ISCAgent がインストールされているかどうかを示す。

(N/Y)

install*

database_server

postinstall*

database_server

install* SAMPLES データベースのインストールを開始するために使用。

samples

samples.install SAMPLES データベースをインストールするかどうかを示す。

(N/Y)

japanese_docs.install 日本語ドキュメント・ソースをインストールするかどうかを示す。

(N/Y)

install* オンライン・ドキュメントのインストールを開始するために使用。

docbook

docbook.install オンライン・ドキュメント用の DOCBOOK データベースをインストールするかどうかを示す。

(N/Y)

client_location.target_dir クライアントのみのインストールのターゲット・ディレクトリ。

test/CACHE

client_location.is_client_install これがクライアント・インストールであるかどうかを示す。

(N/Y)

install* インストールするコンポーネント名。
installer.manifest DefaultInstallerClass.xml (エクスポートされた %Installer クラス) の場所。以下はその例です。

/home/user/Downloads/DefaultInstallerClass.xml

installer.manifest_parameters インストーラ・マニフェストのプロパティの場所。以下はその例です。

SourceDir=/home/user/Downloads

* このインストール変数は、インストールするコンポーネント 1 つにつき 1 回ずつ、パラメータ・ファイルに登場します。カスタム・インストール、またはクライアントのみのインストールでは、条件に応じて、以下のいずれか、またはすべてが生成されます。

  • dev_kit

  • odbc

  • cpp_binding

  • cpp_sdk

  • perl_binding

  • python_binding

  • engine_link_libraries

  • light_cpp_binding

  • addenda

  • install_confirmation

  • copyright

特別な考慮事項

このセクションでは、以下のトピックについて説明します。

複数の Caché インスタンス

1 台のマシンに、Caché 4.0 およびそれ以降のバージョンのインスタンスを複数インストールして、同時に実行できます。その場合は、Caché の各インスタンスに一意の名前を付け、別々のディレクトリにインストールし、それぞれに異なるポート番号を割り当てます。

詳細は、"Caché システム管理ガイド" の "複数の Caché インスタンスの構成" のセクションを参照してください。

Caché のアンインストール

Caché を安全にアンインストールするには、以下の操作を実行します。

  1. ccontrol コマンドを使用して、対象のマシンにあるインスタンスをすべて一覧表示し、削除したい Caché インスタンスの名前を見つけます。

    ccontrol list
    
  2. 目的のインスタンスが停止していることを確認します。停止していない場合、次のコマンドを使用して、このインスタンスを停止します。

    ccontrol stop <instname>
    

    instname は、インストール時に指定したインスタンス名です。このインスタンスがハングアップした場合は、次のコマンドを使用して強制終了します。

    ccontrol force <instname>
    
  3. 次のコマンドを使用して、インスタンスを削除します。

    ccontrol delete <instname>
    
  4. 以下のオペレーティング・システム・コマンドを使用して、インストール・ディレクトリを削除します。

    rm -r <directory>
    
    Important:

    この操作では、保持する必要のあるファイルも削除されます。例えば、ライセンス・キー (cache.key)、構成ファイル (cache.cpf)、ユーザ・データベース・ファイル (cache.dat) などです。

RPM のアンインストール

RPM パッケージを使用して Caché をインストールした場合は、以下のオプションを使用してアンインストールします。

# rpm -e cache-server

このアンインストール手順では、ジャーナルや一時データベース・ファイルを含め、通常の Caché 処理中にインストールおよび作成されたファイルがすべて削除されます。

Important:

SUSE Linux Enterprise Server 9 プラットフォームでは非同期スクリプトレットが使用されるので、アンインストール処理でファイルを削除する前に Caché が停止していることを保証できません。RPM のアンインストール・コマンドを実行する前に、このプラットフォームの Caché を停止することをお勧めします。

インストール・マニフェストの使用

特定の Caché 構成を記述するインストール・マニフェストを定義して、cinstall または cinstall_silent コマンドのいずれかでそれを使用することができます。インストール・マニフェストの詳細は、このドキュメントの “インストール・マニフェストの作成および使用” の章を参照してください。

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