InterSystems IRIS ミラーリング
InterSystems IRIS ミラーリング
自動的なフェイルオーバーを組み合わせた InterSystems IRIS データベースのミラーリングでは、計画上の中断と計画外の中断に対応できる効果的で低コストの高可用性ソリューションを実現できます。ミラーリングはデータのレプリケーションに基づいており、共有ストレージに依存していないので、ストレージの障害に起因する深刻なサービスの中断を回避できます。
InterSystems IRIS ミラーは、フェイルオーバー・メンバと呼ばれる物理的に独立した 2 つの InterSystems IRIS システムで構成されます。各フェイルオーバー・メンバは、各ミラーされたデータベースのコピーをミラーに維持します。アプリケーションの更新はプライマリ・フェイルオーバー・メンバ上で実行され、バックアップ・フェイルオーバー・メンバのデータベースは、プライマリのジャーナル・ファイルを適用することでプライマリとの同期状態を維持します (ジャーナリングの詳細は、"ジャーナリングの概要" を参照してください)。
ミラーでは、2 つのフェイルオーバー・メンバの一方にプライマリのロールが自動的に割り当てられます。これにより、もう一方のフェイルオーバー・メンバは自動的にバックアップ・システムになります。プライマリ InterSystems IRIS インスタンスに障害が発生するか、使用不可になると、バックアップ・インスタンスが短時間で自動的に引き継いでプライマリ・インスタンスとなります。
アービターと呼ばれる第 3 のシステムは、フェイルオーバー・メンバとの継続的な通信を維持し、メンバ間で直接通信できない場合にフェイルオーバーの決定を安全に下すために必要なコンテキストを提供します。各フェイルオーバー・システムのホストで動作しているエージェント・プロセス (ISCAgents) も自動フェイルオーバー・ロジックを支援します。プライマリが実際に停止しているか、使用不可になっていることが確認できない限り、バックアップは引き継ぐことができず、プライマリとして動作しません。アービターと ISCAgents 間では、ほぼすべての障害シナリオでこの確認を行うことができます。
別の方法として、ハイブリッド仮想化とミラーリング HA の手法 (このセクションの後半で説明) を使用している場合は、障害が発生したホスト・システムを仮想化プラットフォームから再起動できます。これにより、ミラーリング機能でプライマリ・インスタンスの以前のステータスを判断でき、その判断に応じて処理を続行できます。
仮想 IP アドレス (VIP) を使用するようにミラーを構成している場合は、アプリケーションの接続が新しいプライマリに透過的にリダイレクトされます。ECP による接続の場合は、自動的に新しいプライマリに再設定されます。アプリケーションの接続をリダイレクトする機能は、これらのほかにも用意されています。
プライマリ・インスタンスの動作が復帰した場合、このインスタンスは自動的にバックアップとなります。また、メンテナンスやアップグレードのための計画的な中断状態で、オペレータによるフェイルオーバーを使用して可用性を維持することもできます。

仮想化環境でミラーリング使用すると、その両方の利点を兼ね備えたハイブリッド高可用性ソリューションが作成されます。ミラーは計画的または計画外の停止に自動フェイルオーバーで即座に対応し、仮想 HA ソフトウェアは計画外のマシンの停止や OS の停止後にミラー・メンバをホストする仮想マシンを自動的に再起動します。これにより、障害が発生したメンバは、すぐにミラーに再参加できるようになり、バックアップとして動作します (必要であればプライマリを引き継ぎます)。
InterSystems IRIS ミラーリングの詳細は、"ミラーリングの概要" を参照してください。