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InterSystems IRIS Business Intelligence モデルの概要

この章では、InterSystems IRIS Business Intelligence モデルの概要を示します。

Business Intelligence のシステム要件に関する情報については、このリリース向けのオンライン・ドキュメント "インターシステムズのサポート対象プラットフォーム" を参照してください。

Business Intelligence の目的

InterSystems Business Intelligence は、ビジネス・インテリジェンス (BI) をアプリケーションに埋め込むことを可能にすることで、ユーザがデータに関する高度な質問をし、回答できるようにします。次の例のようなダッシュボードをアプリケーションに組み込むことができます。

A dashboard, Basic Dashboard Demo, with two widgets: 1. Patient Counts and Allergy Counts, 2. Patients by Favorite Color.

ダッシュボードのウィジェットは、ピボット・テーブルおよび KPI (重要業績評価指標) に従って動作します。ピボット・テーブルでは、ソース値を表示するリストを表示できます。

ピボット・テーブル、KPI およびリストはクエリで、実行時に実行されます。

  • ピボット・テーブルは、ユーザが行うフィルタ選択など、実行時の入力に応答できます。内部的には、キューブと通信を行う MDX (多次元式) クエリが使用されます。

    キューブは、ファクト・テーブルとインデックスで構成されます。ファクト・テーブルは、一連のファクト (行) で構成され、各ファクトは、ベース・レコードに対応します。例えば、ファクトを患者や診療科に対応させることができます。

    構成および実装に応じて、システムはトランザクション・テーブルの変更を検出し、必要に応じてファクト・テーブルに反映させます。

    ユーザがアナライザでピボット・テーブルを作成すると、システムは、MDX クエリを自動生成します。

  • KPI も実行時のユーザ入力に反応させることができます。内部的には、MDX クエリ (キューブの場合)、または SQL クエリ (任意のテーブルの場合) を使用します。

    いずれの場合も、クエリは手動で作成することも、別の場所からコピーすることもできます。

  • リストには、ユーザが選択したピボット・テーブルの行に使用されたソース・レコードから選択された値が表示されます。内部的には、リストは SQL クエリです。

    使用するフィールドを指定して、システムに実際のクエリを生成させることができます。また、クエリ全体を指定することもできます。

Business Intelligence モデルの概要

モデルには、以下の要素のいくつか、またはすべてを含めることができます。

  • 1 つ以上のキューブ定義。キューブは、特定のベース要素のセット (患者、トランザクションなど) のクエリを実行する方法を記述します。キューブには、ベース・セットのレコードのグループ化を可能にするレベルと、これらのレコードの集約値を表示するメジャーが組み込まれています。また、リストおよびその他の項目も定義されます。

    ピボット・テーブルの作成時は、レベルとメジャーを使用します。次のようなピボット・テーブルがあるとします。

    A pivot table with rows for the Patient Groups (Group A, Group B, and None) and a column for Average Test Score.

    このピボット・テーブルで、行は Patient Group レベルのメンバに対応します。メンバのそれぞれが 1 行に表示されます。データ列には、メンバそれぞれの Avg Test Score メジャーの集約値が表示されます。このメジャーに対する平均値はシステムで計算されています。None 患者グループに対する Avg Test Score が NULL であることがわかります。

  • 任意の数のサブジェクト領域。サブジェクト領域は、複数のキューブを必要とせずに、より小さなデータセットに焦点を当てることのできるサブキューブです。また、サブジェクト領域を使用すると、キューブのキャプションおよび既定値をカスタマイズできます。

  • 任意の数の KPI。

    Business Intelligence の KPI は、ダッシュボードに表示できるインタラクティブなデータ・セットです。KPI では、ユーザが起動でき、ユーザのカスタム・コードを実行するアクションを定義できます。(アクションについては、"InterSystems Business Intelligence の実装" の "カスタム・アクションの定義" を参照してください。)

これらの要素を使用して、以下のようにダッシュボードを作成できます。

  • アナライザ内でピボット・テーブルを作成します。

    各ピボット・テーブルは、ドラッグ・アンド・ドロップ操作で作成可能なクエリです。このクエリは、キューブまたはサブジェクト領域に対して実行されます。

  • ダッシュボード・デザイナー内では、ダッシュボードにピボット・テーブルおよび KPI を、フィルタ・コントロールおよびその他の必要なコントロールと共に追加します。

"基本概念" では、キューブおよびサブジェクト領域の概要について説明します。モデルには、多数の追加要素を含めることができます。オプションの完全な比較は、"モデル・オプションの概要" を参照してください。

モデル開発プロセスの概要

一般的なモデル開発プロセスは、以下のとおりです。

  1. 数項目のみの基本キューブを作成、コンパイルおよび構築します。

  2. アナライザまたは Business Intelligence シェルを使用して、結果を検証し、必要な変更を特定します。

    アナライザの詳細は、"アナライザの使用法" を参照してください。

    シェルの詳細は、"InterSystems Business Intelligence の概要" を参照してください。

  3. 必要に応じて前述の手順を繰り返します。

  4. キューブが完成したら、または完成に近づいたら、キューブに基づいてサブジェクト領域を定義します。

複数のキューブが必要な場合もあります。

アーキテクトの概要

アーキテクトは、キューブおよびサブジェクト領域の作成に使用します。

アーキテクトにアクセスする手順は以下のとおりです。

  1. [InterSystems ランチャー] をクリックし、[管理ポータル] をクリックします。

    セキュリティの設定によっては、InterSystems IRIS® ユーザ名とパスワードを使用してログインするように求められます。

  2. 以下のように、適切なネームスペースに切り替えます。

    1. [変更] をクリックします。

    2. ネームスペースをクリックします。

    3. [OK] をクリックします。

    Note:

    特定のインターシステムズ製品では、HealthShare 製品と共に提供されている HSCUSTOM ネームスペースなど、カスタマイズされたクラス向けのすぐに使用可能なネームスペースが用意されています。このようなネームスペースにはキューブを導入しないことを強くお勧めします。

  3. [Analytics] をクリックしてから [アーキテクト] をクリックします。

    アーキテクトの最初の表示は、以下のようになります。

    The Architect screen, prompting the user to click the Open button to select a model definition.

  4. [開く][キューブ] をクリックして、キューブの名前をクリックしから [OK] をクリックします。

    これで以下のように表示されます。

    The Architect screen after a cube has been opened, where the source class is called BI.Study.Patient.

上部領域には、ナビゲーション・リンクと各種のタスクを実行するボタンがあります。

その下の部分のページは、アーキテクトでキューブを表示している場合、以下の領域で構成されます。

クラス・ビューワ

左の領域はクラス・ビューワです。ここにはキューブで使用されるベース・クラスのプロパティが表示されます。サブジェクト領域にはこの領域が表示されません。以下はその例です。

The left panel of the Architect screen, showing that this class has properties including %ID, Age, Allergies, and BirthDate.

この領域はサイズ変更できます。そのためには、この領域の右端にある縦方向の区切りをドラッグします。

アーキテクトのクラスの表示は、以下の規則によって制御されます。

  • リレーションシップ・プロパティ、プライベート・プロパティ、および一時プロパティを除くすべてのプロパティが表示されます。

  • この表示は再帰的に使用されます。すなわち、プロパティのプロパティが表示されます。

  • プロパティがコレクション (リストまたは配列) またはリレーションシップの場合は、コレクションまたはリレーションシップで使用されるクラスのプロパティを示すフォルダとして表示されます。

  • プロパティが %ListOpens in a new tab タイプ ($LISTBUILD と同等のオブジェクト) の場合、そのプロパティはフォルダとしては表示されません。

    これを示す例については、Patients サンプルに組み込まれている DiagnosesAsLB プロパティを参照してください。

  • カスケード・ドット構文を使用してベース・クラスからクラスにアクセスできない場合、そのクラスは表示されません。

  • アーキテクトでは、スーパークラスから継承されたプロパティが表示されます (これは、このサンプルには含まれていません)。

主要なキューブ要素はすべて、任意のクラスのプロパティを使用できるソース・プロパティまたはソース式 (ObjectScript 式) のいずれかに基づきます。

Important:

アーキテクトは、クラス・プロパティの役に立つ表示を提供します。このことにより、Business Intelligence 要素をこれらのプロパティに基づいて作成するのが非常に簡単になります。ただし、この表示によって一部のプロパティにアクセスする便利な方法が提供されるとしても、ソース式を使用して任意のデータにアクセスすることも可能であるということを認識しておくことは重要です。これらのソース式は、キューブの構築時に評価されるため、実行時のパフォーマンスに影響しません。

モデル・ビューワ

中央の領域はモデル・ビューワで、キューブの現在のコンテンツが表示されます。以下はその例です。

The Model Viewer area of the screen, showing several measures (including Age and Avg Age) and a dimension called AgeD.

この領域はサイズ変更できます。そのためには、この領域の左端にある縦方向の区切りをドラッグします。

上部にある [要素の追加] リンクを使用すると、メジャーやディメンジョンなどの項目をキューブに追加できます。リンクの下の領域では編集対象の項目を選択できます。1 行目のキューブ自体も選択できます。また、項目の行内の [X] ボタンをクリックして、項目を削除することもできます。

詳細領域

右の領域は、詳細領域で、モデル・ビューワで現在選択されている要素の詳細 (選択されている場合)、またはキューブの詳細 (選択されていない場合) が表示されます。

以下はその例です。

The right panel of the screen, showing the Details tab open an element with display name Patients in the Patients cube.

この領域を非表示にするには詳細を隠すボタン をクリックします。詳細を非表示にすると、モデル・ビューワの領域が拡大します。

この領域を再表示するには詳細ボタン をクリックします。

この領域では、主に [詳細] タブを使用します。

サンプルのアクセス方法

このドキュメントのほとんどの例は、Samples-BI サンプル (https://github.com/intersystems/Samples-BIOpens in a new tab) または Samples-Aviation サンプル (https://github.com/intersystems/Samples-AviationOpens in a new tab) の一部です。

サンプルは、専用のネームスペース (SAMPLES など) を作成して、そのネームスペースにロードすることをお勧めします。一般的な手順は、"InterSystems IRIS で使用するサンプルのダウンロード" を参照してください。

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