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X12 の概要

この章では、X12 標準と InterSystems IRIS® による X12 のサポートについて簡単に紹介します。

米国規格協会 (ANSI) は、世界規模での使用を目的とした電子データ交換標準とそれに関連するドキュメントや製品を構築およびサポートする業界間フォーラムとして、Accredited Standards Committee (ASC) X12 を設立しました。したがって、X12 は Electronic Data Interchange (EDI) に関する ANSI 標準です。これには、300 以上のドキュメント・タイプが定義されています。どの X12 ドキュメント・タイプも InterSystems IRIS のサポート対象に含まれますが、InterSystems では、Health Insurance Portability and Accountability Act (HIPAA : 医療保険の積算と責任に関する法律) に関するドキュメントに主な重点を置いてきました。

X12 エンベロープの構造

X12 エンベロープ構造のルールにより、データの整合性および情報交換の効率性が確保されます。実際の X12 メッセージ構造のプライマリ・レベルは階層的です。上位から下位の順で、以下のようになっています。

  • インターチェンジ・エンベロープ

  • 機能グループ

  • トランザクション・セット

X12 envelope structure, which includes one interchange, two functional groups, and three transaction sets

X12 と HIPAA

HIPAA の第 2 編、管理の簡略化に関する規定 (AS : Administrative Simplification) では、医療情報の電子的なトランザクションに関する国家標準の構築と、医療サービス提供者、健康保険プラン、および雇用者に関する国家的な ID の構築が義務付けられています。AS 規定では、また、医療データのセキュリティとプライバシー保護についても定められています。これらの標準の目的は、米国の医療システムで電子データ交換の普及を促進することにより、その医療システムの効果と効率を向上させることです。

X12 ドキュメントの中で、HIPPA を明確にサポートしているものは以下のとおりです。

  • 270_X092: Eligibility, Coverage or Benefit Inquiry

  • 271_X092: Eligibility, Coverage or Benefit Information

  • 276_X093: Healthcare Claim Status Request

  • 277_X093: Healthcare Claim Status Notification

  • 278_X094Request: Healthcare Service Review (Request)

  • 278_X094Response: Healthcare Service Review (Response)

  • 820_X061: Payment Order/Remittance Advice

  • 834_X095: Benefit Enrollment and Maintenance

  • 835_X091: Healthcare Claim Payment/Advice

  • 837_X096: Healthcare Claim: Institutional

  • 837_X097: Healthcare Claim: Dental

  • 837_X098: Healthcare Claim: Professional

InterSystems IRIS には、HIPAA 4010 と HIPAA 5010 のスキーマがあらかじめインストールされています。HIPAA 5010 では、277CA、820hix、837apD、837apI、837apP、999 などの医療保険取引所に関する追加のドキュメントが提供されます。

X12 スキーマ配布ファイル

X12 標準では、ドキュメントの構文とセマンティクスを詳細に説明しています。この説明は、公式の発行元である Washington Publishing Company の以下の URL から PDF ファイル形式で入手できます。

http://www.wpc-edi.comOpens in a new tab

有益であっても、ドキュメントはコンピュータで読み取り可能ではありません。コンピュータで読み取り可能な X12 スキーマは、SEF または XSD ファイル形式で入手できます。SEF ファイルは EDI ドキュメントの構文とセマンティクスの大半をエンコードします。例えば、フィールドのサイズと種類や使用可能なあらゆるコード値を指定するだけでなく、ドキュメント内のフィールド間の依存関係やセグメント間の依存関係も定義します。SEF 標準は、EDI 仕様 (X12 以外も) をエンコードし、パブリック・ドメインに入れることを目的として、Foresight Corporation によって開発されました。次の URL から標準形式の印刷バージョンを入手できます。

http://www.edidev.com/articles/sef16.pdfOpens in a new tab

この情報をよく調べると、EDI の適用範囲と複雑さを理解するのに役立ちます。多くの組織がさまざまな EDI 標準をエンコードし、一般に公開してきました。また、米国国防総省も、収集システムに関する SEF ファイルを多数発行しています。

XSD ファイル内の情報は、SEF ファイル内の情報とほとんど同じですが、主な省略がいくつかあります。

  • XSD ファイルには、セグメントの位置も欠落しています。これは、実装ガイドにも存在する概念ですが、InterSystems IRIS のドキュメントの処理には影響ありません。

  • さらに、XSD ファイルには、セグメントの順序も欠落しています。これは、検証スタイル・スキーマの表現でセグメントの特定の出現を識別するため、実際に必要となります。 ただし、順序値は実装ガイドには記載されておらず、これらはデフォルトで 1 ずつ増加する (このパターンに従わない場合にのみ SEF ファイルに表示される) ため、各セグメント間で順序を 1 増加させるというデフォルトに従うことにより、ドキュメントを適切に処理することが可能になり、スキーマが不正確に表現されることはありません。

  • 最後に、XSD ファイルには、関係条件は含まれません。

InterSystems IRIS による X12 ドキュメントのサポート

InterSystems IRIS では、処理を高速化するために、X12 ドキュメントは仮想ドキュメントと呼ばれる InterSystems IRIS オブジェクトのタイプとして保管されます。具体的には、X12 ドキュメントは EnsLib.EDI.X12.Document として保管され、この X12 ドキュメントの各セグメントは EnsLib.EDI.X12.Segment として保管されます。X12 インターチェンジも EnsLib.EDI.X12.Document として保管され、この中に格納されている他の X12 ドキュメントへのポインタが付随します。トランザクション・セットのセグメントと要素にアクセスするには、仮想プロパティ・パスを使用します。例えば、指定されたトランザクション・セットの識別子コードにアクセスするには、“ST:TransactionSetIdentifierCode” という仮想プロパティ・パスを使用します。詳細は、"ドキュメントの解析" を参照してください。

InterSystems IRIS で提供されている各種のツールでは、仮想ドキュメント内の値にアクセスして、データ変換、ビジネス・ルール、およびメッセージの検索とフィルタリングに使用できます。基礎的な情報は、"プロダクション内での仮想ドキュメントの使用法" を参照してください。

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