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InterSystems IRIS 2022.2 の新機能

このページでは、InterSystems IRIS® の 2022.2 リリースの新機能と機能強化について説明します。このリリースは、継続配布 (CD) リリースです。

分析と AI の強化

列指向ストレージ (試験的機能)

列指向ストレージは、IRIS の従来の行指向ストレージと比べて桁違いに速い分析クエリを提供する、IRIS SQL テーブルの新しいストレージ・オプションです。こうしたクエリでは通常、非常に大きいテーブルのデータを集計し、1 つ以上の列に対してフィルタ処理およびグループ化を行います。行ごと (一度に少数の行に対してトランザクションを行う場合にはこれが最適です) ではなく列ごとにテーブル・データを並べることで、こうしたクエリの実行に必要な I/O 量を大幅に減らすことができます。また、SIMD (Single Instruction Multiple Data) という最新のチップセットレベルの最適化を活用して、さらにパフォーマンスを向上させることができます。つまり、正味のパフォーマンスの向上は、IRIS を実行しているチップセットにも左右されます。

Important:

列指向ストレージは、リリース 2022.2 では試験的機能として利用できます。つまり、実稼働環境ではサポートされません。この機能は十分にテストされており、分析クエリに対しては非常に大きなパフォーマンス上のメリットがあることが確認されています。ただし、パフォーマンスはクエリの構造、実際のデータ、実行しているプラットフォーム (チップセット) によって変化します。

インターシステムズでは、お客様がテスト環境で実際に使用しているシステムで見られる、パフォーマンス上のメリットとスペースの節約の可能性に関するフィードバックをお待ちしています。ご自分の体験を共有したい場合、または質問がある場合は、インターシステムズのサポート窓口 (WRC) までお問い合わせください。

詳細は、"SQL テーブルのストレージ レイアウトの選択" を参照してください。

スピード、スケール、セキュリティの強化

SQL の機能強化

2022.2 リリースには、SQL の機能強化が数多く含まれています。

SQL プロセス・ビュー

SQL プロセス・ビューは、システム上で現在実行されているすべての SQL 文を参照するために、システム管理ポータルで、SQL にアクセス可能なシンプルなビューと対応するページを提供します。これにより、管理者は文インデックスで取得した情報に基づいて、異常に長い時間実行されている可能性のあるクエリを迅速に識別し、この実行時間を同じクエリの履歴実行時統計と直ちに比較できます。

この変更は、同じ内部インフラストラクチャを利用して対応するメトリックを公開する、弊社の System Alerting and Monitoring (SAM)Opens in a new tab 製品と完全に統合されています。

シャード・クラスタ全体での負荷を分散

このリリースで、シャード・クラスタでのオブジェクト・データ・モデルに対して完全にサポートされるようになりました。以前より、個別のオブジェクトスタイルのアクセスは既にサポートされており、そのようなコード (本質的にプロシージャ) は呼び出されたノードで実行されていました。このリリースでは、シャード・クラスタのすべてのノードでプロシージャ・コードを呼び出すための、2 つの使いやすい API メソッドを導入しています。

Broadcast() メソッドは、各データまたは計算ノードでルーチンまたはメソッドを 1 回呼び出すメソッドで、クラスタ全体で複雑な ObjectScript コードを開始するために使用できます (フィードから新しいデータを取り出してローカルに挿入するためなど)。別個の Map() メソッドは、そのインスタンスが物理的に格納されているデータ・ノードで、シャード・クラスのインスタンスごとにルーチンまたはメソッドを 1 回呼び出します。これらのメソッドは、単一サーバ上のプロセス全体に作業を分散する作業キュー・マネージャと同じシグニチャ・スタイルに従います。

(%SYSTEM.ShardWorkMgrOpens in a new tab 内の) これらの 2 つのメソッドにより、シャード・クラスタを利用するのに必要な柔軟性が開発者に提供されます。

ラテラル結合のサポート

このリリースでは、ラテラル結合のサポートが導入されています。これは、テーブルまたはサブクエリを結合する方法で、結合されたそれぞれのストリームが別個に評価されることはありません。典型的なユース・ケースとして、サブクエリに、結合されている別のテーブルへの参照、または結合されている別のテーブルの列値を入力として取るテーブル値関数が含まれる場合などがあります。LATERAL JOIN は、標準の ANSI SQL 構文です。

その他

  • スキーマ管理の向上 — このリリースでは、テーブルやビュー用の CREATE IF NOT EXISTS、およびプロシージャや関数などのコード・アーティファクト用の CREATE OR REPLACE など、数多くの便利な拡張機能を IRIS DDL に導入しています。また、DDL エクスポート・ユーティリティは、DDL として表現できるより多くのクラス定義機能をカバーするようになりました。%SYSTEM.SQL.SchemaOpens in a new tabExportDDL() メソッドを参照してください。

  • リスト・コレクションの投影 — 以前に Array of コレクション・プロパティが投影されていたのと同じような方法で、List of スタイル・コレクション・プロパティを子テーブルに投影できるようになりました。つまり、物理ストレージ・オプションと SQL プロジェクションは完全に独立しています。

  • パフォーマンスの向上 — SQL クエリの実行時に、JOIN、GROUP BY、ORDER BY およびその他の構文を使用することは、クエリ・プランのある部分で一時的なデータ構造 (内部的に "tempfile" と呼ばれます) が構築された後、クエリ・プランの別の部分によってそれが読み取られることを意味します。この変更は、内部構文を使用してこれらの一時的なデータ構造を格納し、利用可能なメモリを適切に活用して、全体的なクエリ・パフォーマンスを向上させる方法に関するいくつかの変更をまとめています。これらの変更では、プロセス・プライベート・メモリの新しい既定値を利用します (新しい既定の bbsiz 設定により、既定で無制限になります)。

プラットフォームの更新

RedHat Enterprise Linux の更新 : 2022.2 リリースでは、RHEL 9 のサポートが追加され、RHEL 7 のサポートは終了しました。

Ubuntu の更新 : 2022.2 リリースでは、Ubuntu 22.04 のサポートが追加され、Ubuntu 18.04 のサポートは終了しました。

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