インターシステムズ製品に格納されているデータの Power BI への接続
このページでは、InterSystems® Health Insight コネクタを使用して、Power BI で InterSystems® 製品に格納されているデータにアクセスする方法について説明します。
コネクタの概要
Power BI 向け InterSystems Health Insight コネクタは、インターシステムズ製品のカスタム・コネクタです。これにより、Microsoft Power BI を使用して、通常のリレーショナル・テーブルや InterSystems IRIS Business Intelligence キューブ・データにアクセスし、レポートを作成できます。どちらのデータ・タイプのクエリでも、DirectQuery が完全にサポートされています。このコネクタは Power BI Desktop に含まれています。
2024 年 7 月以前は、InterSystems Health Insight コネクタは InterSystems IRIS (ベータ) コネクタとして配布されていました。ご使用の Power BI Desktop のバージョンで、[データを取得] メニューに両方のコネクタがオプションとして表示される場合は、新しい方のコネクタ ([InterSystems Health Insight]) を選択します。
ベータ・コネクタを使用して作成されたレポートやダッシュボードを引き続き使用するには、代わりに InterSystems Health Insight コネクタを使用するように更新する必要があります。"更新後、既存のレポートやダッシュボードのデータ・ソースに接続できない" を参照してください。
InterSystems IRIS への接続
Power BI Desktop から InterSystems IRIS に接続する前に、InterSystems IRIS ODBC ドライバがシステムにインストールされていることを確認する必要があります。
以下に留意してください。
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Health Insight コネクタを操作するために DSN を設定する必要はありません。必要なのはドライバのみです。
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InterSystems IRIS ODBC35 ドライバがインストールされていることを確認してください。ダウンロードするドライバが不明な場合は、インターシステムズのサポート窓口までお問い合わせください。
Power BI Desktop から InterSystems IRIS に接続するには、以下の手順に従います。
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Power BI Desktop を開き、[データを取得]→[詳細...]→[InterSystems Health Insight] をクリックします。
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[接続] を選択します。
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InterSystems IRIS インスタンスの接続情報を入力します。ここで、[Host (IP Address)] は InterSystems IRIS インスタンスのホストの IP アドレス、[ポート] はインスタンスのスーパーサーバ・ポート、[ネームスペース] は Business Intelligence データの配置先のネームスペースです。その他のオプションはすべて既定値を使用します。
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InterSystems IRIS のインスタンスに初めて接続した際に、認証ダイアログが表示されます。[基本] を選択して、InterSystems IRIS の資格情報を入力します。
データの参照
InterSystems IRIS に正常に接続すると、Power BI にデータベースの [ナビゲーター] ダイアログが表示されます。[テーブル] を選択して、リレーショナル・テーブルを参照できます。左側のペインでパッケージを展開し、Power BI レポートに含めるテーブルまたはビュー、あるいはその両方を選択できます。
あるいは、左側のペインで [キューブ] を選択して、使用可能な InterSystems IRIS BI キューブを表示することもできます。[キューブ] オプションを展開すると、現在のネームスペース内の使用可能な InterSystems IRIS Business Intelligence キューブがすべてリストされます。プログラムによるフィルタなど、SQL アクセスを介してサポートできない特定の機能を持つキューブまたはサブジェクト領域はこのリストから除外されていることに注意してください。
キューブを展開すると、通常のディメンジョン、およびキューブの通常メジャーすべてが格納されているファクト・テーブルが含まれた、キューブのスター・スキーマ表現を確認できます。内部識別子が含まれる一部の列は削除されていることに留意してください。
データを使用したレポートおよびダッシュボードの公開
Power BI クラウド・サービスを使用して、InterSystems IRIS キューブおよびテーブルからデータを組み込むレポートやダッシュボードを共有できます。それには、Microsoft のドキュメントOpens in a new tabの手順に従ってデータ・ゲートウェイをインストールして構成します。データ・ゲートウェイとデータ・ソース (InterSystems IRIS を含む) を、Power BI サービスの [接続とゲートウェイの管理] ページで登録する必要があります。
Power BI デスクトップを使用してレポートまたはダッシュボードを公開した後、Power BI サービス内の関連するデータセットの [ゲートウェイ接続] 設定にアクセスして、InterSystems IRIS データ・ソースへのマッピングを手動で追加します。
コネクタのトラブルシューティング
ここでは、Power BI 向け InterSystems Health Insight コネクタの使用時に発生する可能性のある、いくつかの一般的な問題に関するガイダンスを示します。
更新後、既存のレポートやダッシュボードのデータ・ソースに接続できない
InterSystems IRIS (ベータ) コネクタを使用して InterSystems IRIS インスタンスのデータにアクセスするレポートやダッシュボードを作成した場合、Power BI の 2024 年 7 月リリースへの更新後にそのレポートやダッシュボードにアクセスしようとするとエラーが発生します。これは、ベータ・コネクタが削除されているため、Power BI が InterSystems IRIS データ・ソースに接続できず、レポートやダッシュボードのモデルをロードできないためです。
ベータ・コネクタを使用して作成したレポートやダッシュボードへのアクセスをリストアするには、以下の手順を実行して、InterSystems Health Insight コネクタを使用するように更新します。
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"InterSystems IRIS への接続" で説明する手順に従って、InterSystems Health Insight コネクタを使用してデータ・ソースを追加します。
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レポートまたはダッシュボードのクエリごとに、以下を実行します。
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クエリのソースを更新し、IRIS.Database ではなく IntersystemsHealthInsight.Database にします。
Note:ソース名では大文字と小文字が区別されます。
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必要に応じて、コネクタの接続詳細パラメータを更新し、接続の認証情報を入力します。
クエリの編集については、https://learn.microsoft.com/ja-jp/power-bi/transform-model/desktop-query-overviewOpens in a new tab にある Microsoft Power BI のドキュメントを参照してください。
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ナビゲータにテーブルが表示されない
Power BI 向け InterSystems Health Insight コネクタでは、システム・テーブル、および InterSystems IRIS Business Intelligence キューブに関連付けられているテーブルは、通常の [テーブル] メニューから除外されます。後者のスクラブされアノテーションが付けられたバージョンには、[キューブ] メニューからアクセスできます。[ナビゲーター] にリストされていないテーブルまたはフィールドにアクセスする必要がある場合は、カスタム・クエリOpens in a new tabを使用してそれを手動で追加するか、または Power BI の汎用 ODBC コネクタを使用できます。
ナビゲータにキューブが表示されない
Power BI 向け InterSystems Health Insight コネクタは、InterSystems Business Intelligence キューブのリレーショナル・プロジェクトを利用して、Power BI でそれらのキューブを使用できるようにします。プログラムによるフィルタなど、キューブの一部の機能は、こういったプロジェクションを介してサポートされないため、リストから除外されます。この動作が適切ではないキューブがある場合は、インターシステムズのサポート窓口までお問い合わせください。
レポート・デザイナーにディメンジョン階層が表示されない
現在、Power BI ではコネクタからディメンジョン情報をシードすることはできません。
複数レベルのディメンジョン階層が正常に機能しない
ディメンジョンにレベルが複数ある場合、これらのレベルは通常、個別のディメンジョン・テーブルで表されます (スノーフレーク・スキーマ)。ファクト・テーブルと各ディメンジョン・レベルとの間、および異なるレベルのディメンジョン間で、外部キーのリレーションシップが存在する場合、Power BI ではファクト・テーブルから上位のディメンジョン・レベルへの 1 つのパスのみを "アクティブなリレーションシップ" として選択でき、間違ったパスが選択された場合、予期しないクエリ結果を招くことがあります。このアクティブなリレーションシップを修正するには、Power BI Desktop で [リレーションシップの管理] をクリックして、ファクト・テーブルと上位のディメンジョン・テーブルとの間の直接リンクを非アクティブにします。そのうえで、適切なリレーションシップを 1 つずつアクティブにします。詳細は、Microsoft のドキュメントOpens in a new tabを参照してください。
日付/時間ディメンジョン・テーブルが [ナビゲーター] ダイアログに表示されない
Power BI には、InterSystems IRIS の日付/時間ディメンジョン・テーブルのインデックスと互換性のない日/時の値を操作するためのさまざまな機能が含まれています。そのため、InterSystems IRIS の日付/時間ディメンジョン・テーブルは、キューブの対応するファクト・テーブルの日/時列に変換されます。
InterSystems IRIS に接続しようとすると「アクセスが拒否されました」というエラーが表示される
Power BI Desktop から InterSystems IRIS に接続するには、以下のストアド・プロシージャに対する EXECUTE 権限が必要です。
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%DeepSee_SQL.GetCubes
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%DeepSee_SQL.GetDimensionTables
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%DeepSee_SQL.GetDimensionColumns
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%DeepSee_SQL.GetUnsupportedFeatures
管理者が GRANT コマンドを使用して権限を付与することができます。
Power BI サービスでレポートまたはダッシュボード用のデータを取得できない
現時点では、公開されているレポートまたはダッシュボードに Power BI 向け InterSystems Health Insight コネクタからデータを移入するには、"データを使用したレポートおよびダッシュボードの公開" の説明に従って、関連するデータセットと InterSystems IRIS データ・ソースの間のマッピングを手動で作成する必要があります。Power BI サービス内で既に InterSystems IRIS をデータ・ソースとして登録している場合、この操作によって、InterSystems IRIS データ・ソースに重複するエントリが作成される可能性があります。データセット内に含まれる InterSystems IRIS データへのアクセスが正常に確立されたら、いずれかのエントリを指定して、重複を削除できます。