InterSystems IRIS 2024.2 の新機能
このページでは、InterSystems IRIS® データ・プラットフォームの 2024.2 リリースの新機能、機能強化、およびその他の重要な更新について説明します。このリリースは、継続配布 (CD) リリースです。
このリリースに含まれる変更点に関して考慮すべきその他の情報は、"既知の問題と注意" を参照してください。このリリースに含まれる変更点の完全なリストは、"Upgrade ChecklistOpens in a new tab" を参照してください。
2024.2 のリリース情報
現在のリリースは 2024.2 です。2024.2 のポストはビルド 2024.2.0.247.0 です。
AIX OpenSSL 1.x を実行している場合、ポストはビルド 2024.2.0.247.1 です。
開発者エクスペリエンスの強化
スタジオの削除
この 2024.2 リリースの Windows インストールにはスタジオ IDE は含まれておらず、既存のインスタンスをこのバージョンにアップグレードすると、スタジオはインスタンスの bin ディレクトリから削除されます。スタジオを引き続き使用したい開発者は、スタジオ・コンポーネントの 2024.1 バージョンを WRC のコンポーネント配布ページOpens in a new tabから個別にダウンロードする必要があります。
スタジオをコンポーネントとして再インストールしても、既存のレジストリ設定は破棄または変更されず、スタジオの構成データ間の連続性は確保されます。スタジオ・コンポーネントの 2024.1 バージョンは上位互換性があるため、2024.1 以降のバージョンと接続することができます。
スタジオ・コンポーネントの 2024.1 バージョンは、2024.2 リリース以降、最低 24 か月間、WRC の配布ページから入手できます。
外部テーブルの完全サポート
インターシステムズは、2023.1 リリースで外部テーブルを試験的機能として導入し、早期アクセス・プログラムを通じて早期導入者と密接に連携し、正式版に向けて、重要な機能に関するフィードバックを募りました。2024.2 リリースでは、メタデータ管理の改善、述語プッシュダウンの改善、外部データを SQL テーブルに取り込む (投影するのではなく) LOAD DATA コマンドとのさらなる連携を含め、大部分のフィードバックに応えました。試験的な状態からの移行の一環として、このリリースでは外部テーブルとサーバを管理し、これらに対して文を実行する特権モデルも完成させました。
現在、通常の特権を持つユーザ (具体的には、%All 特権を持たないユーザ) で外部テーブルを使用している場合、外部テーブルに対してクエリを実行するには、既存の外部サーバに USE オブジェクト特権を付与する必要がある可能性があります。また、外部サーバを管理するために、新しい %Manage_Foreign_Server 管理特権を、適切なユーザまたはロールに付与する必要がある可能性もあります。
このリリースで導入されたもう 1 つの新機能は、外部サーバに SQL 文を直接送信する、新しい THROUGH コマンドです。この新しいコマンドは、返された結果が期待どおりであることを確認した後で、新しい外部テーブルを作成する前の探索的なシナリオで使用できます。
現在、外部テーブルは実稼働環境での使用が完全にサポートされており、文書化された API はすべて最終版と見なすことができます。インターシステムズは引き続きこの機能を強化していきますが、この 2024.2 リリースで利用可能なインタフェースとの互換性は維持します。
Microsoft Windows 用の柔軟な Python ランタイム
Windows 上で実行しているユーザは、組み込み Python に使用する Python ランタイムを選択できるようになりました。組織のニーズに合わせて、Anaconda を含め、Python 3.9 以降を選択できます。Linux ユーザは、既に 2024.1 リリースから Python ランタイムを選択できるようになっています。
分析と AI の強化
ビジネス・インテリジェンス
2024.2 リリースには、ビジネス・インテリジェンスの機能強化がいくつか含まれています。特に以下の機能強化があります。
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ファクト・テーブルのメジャーに基づいて標準偏差と分散を計算するための、標準 KPI プラグインが追加されています。
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PowerBI コネクタの特権との統合を強化することで、PowerBI ユーザはリソースによって制約されないすべてのキューブ、またはパブリック・キューブにアクセスできるようになりました。
レポート
2024.2 リリースには、PDF エクスポートの機能強化を含む、Logi Report 2024.1 SP2 の新しいバージョンが含まれます。その他の詳細は、Logi Report のリリース・ノートOpens in a new tabを参照してください。
インターシステムズの Power BI 向けコネクタ
Microsoft Power BI の 2024 年 7 月リリース以降、インターシステムズが Power BI 向けに提供するコネクタの名前が、InterSystems IRIS (ベータ) コネクタから InterSystems Health Insight コネクタに変更されています。 InterSystems IRIS (ベータ) コネクタを使用してレポートまたはダッシュボードを構築したお客様は、"更新後、既存のレポートやダッシュボードのデータ・ソースに接続できない" に示す手順に従って、接続を更新してください。
クラウドと操作の向上
InterSystems IRIS の 2024.2 リリースのコンテナは、Ubuntu 24.04 に基づいています。
スピード、スケール、セキュリティの強化
SQL パフォーマンス
2024.2 リリースには、SQL クエリのパフォーマンスを向上させるいくつかの機能強化が含まれています。
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列指向ストレージを使用するテーブルに大量のデータを取り込む際、新しい JDBC ドライバの最適化によって、取り込み速度が桁違いに向上します。
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SQL クエリで YEAR、ISNULL、NVL、COALESCE 関数を使用すると、さらなる最適化がトリガされ、より効率的なクエリ実行戦略が実現します。
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クエリ処理で、グローバル一時テーブル (複数のワーカ・プロセスで共有される) やアダプティブ並列実行 (%FIND 演算子を使用する場合など) をより広く使用するようになり、全体的なパフォーマンスが向上しています。
JobServers
JobServers パラメータの動作が更新されました。以前は、使用されていたジョブ・サーバを置き換えるための新しいジョブ・サーバは作成されませんでした。また、合計数と起動時に作成される数はどちらもこのパラメータによって設定されていました。
更新後、JobServers パラメータは引き続き、起動時に作成されるジョブ・サーバの数を設定しますが、システムが維持する利用可能なジョブ・サーバの目標数も決定するようになります。ジョブ・サーバが利用されると、より多くのジョブ・サーバが作成されるため、常に利用可能なジョブ・サーバが確保されます。
プラットフォームの更新
Ubuntu バージョンのサポート
2024.2 リリースでは、Ubuntu 24.04 のプラットフォーム・サポートが追加されました。
以前のバージョンでサポートされていた Ubuntu 20.04 は、サポート対象プラットフォームではなくなりました。