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分散キャッシュ・クラスタの導入

このページでは、自動導入方法または管理ポータルを使用して、分散キャッシュ・クラスタを導入する手順を示します。導入後のクラスタのセキュリティについては、"分散キャッシュ・クラスタのセキュリティ" を参照してください。

概要

InterSystems IRIS 分散キャッシュ・クラスタは、1 つ以上のアプリケーション・サーバ・インスタンスにデータを提供するデータ・サーバ・インスタンスで構成され、これらのアプリケーション・サーバ・インスタンスから、アプリケーションにデータが提供されます。

Important:

一般に、分散キャッシュ・クラスタでの InterSystems IRIS インスタンスは、どのアプリケーション・サーバもデータ・サーバより後のバージョンでない限り、さまざまなバージョンがあり得ます。バージョンの互換性に関する重要な要件および制限事項は、"ECP の相互運用性" を参照してください。

データ・サーバとアプリケーション・サーバのホストは異なるオペレーティング・システムまたはエンディアン (またはその両方) とすることができますが、分散キャッシュ・クラスタ内の InterSystems IRIS インスタンスはすべて同じロケールを使用する必要があります。ロケールの構成の詳細は、"管理ポータルの NLS 設定ページの使用法" を参照してください。

Note:

複数のアプリケーション・サーバにわたってアプリケーション接続を分散する Web サーバ層の負荷分散に関する重要な説明は、"負荷分散、フェイルオーバー、ミラー構成" を参照してください。

メモリ管理および拡張、CPU サイジングおよび拡張、その他の考慮事項を含む、パフォーマンス計画の重要な説明は、"システム・リソースの計画と管理" を参照してください。

最も一般的な分散キャッシュ・クラスタ構成では、ホストごとに 1 つの InterSystems IRIS インスタンスと、インスタンスごとに 1 つのクラスタ・ロールがあります (つまり、データ・サーバまたはアプリケーション・サーバのいずれか)。次のセクションで説明する自動導入方法の 1 つを使用する場合、この構成が唯一のオプションです。管理ポータルの使用について記載されている手順も、この構成を前提としています。

HealthShare Health Connect では分散キャッシュはサポートされません。

クラスタの自動導入方法

InterSystems IRIS データ・プラットフォームでは、導入後に完全に機能する分散キャッシュ・クラスタの自動導入方法が 2 つ提供されています。

InterSystems Kubernetes Operator (IKO) を使用した分散キャッシュ・クラスタの導入

KubernetesOpens in a new tab は、コンテナ化されたワークロードとサービスの導入、拡張、および管理を自動化するためのオープンソースのオーケストレーション・エンジンです。導入するコンテナ化されたサービスと、そのサービスを管理するポリシーを定義すると、Kubernetes は、必要なリソースを可能な限り効率的な方法で透過的に提供します。また、導入が指定値から外れた場合は導入を修復またはリストアするほか、拡張を自動またはオンデマンドで行います。InterSystems Kubernetes Operator (IKO) は、IrisCluster カスタム・リソースで Kubernetes API を拡張します。このリソースは、InterSystems IRIS のシャード・クラスタ、分散キャッシュ・クラスタ、またはスタンドアロン・インスタンスとして、すべて任意でミラーリングした状態で、Kubernetes プラットフォームに導入できます。

Kubernetes で InterSystems IRIS を導入するのに IKO は必須ではありませんが、プロセスが大幅に簡易化され、InterSystems IRIS 固有のクラスタ管理機能が Kubernetes に追加され、クラスタにノードを追加するなどのタスクが可能になります。このようなタスクは、IKO を使わなければインスタンスを直接操作して手動で行わなければなりません。

IKO の使用法の詳細は、"InterSystems Kubernetes Operator の使用Opens in a new tab" を参照してください。

構成マージを使用した分散キャッシュ・クラスタの導入

Linux および UNIX® システムで利用可能な構成マージ機能を使用すると、宣言型構成マージ・ファイルを導入内の各インスタンスに適用することにより、同じイメージから導入した InterSystems IRIS コンテナや、同じキットからインストールしたローカル・インスタンスの構成を変更することができます。

このマージ・ファイルは、既存のインスタンスを再起動したときに適用することもでき、インスタンスの構成パラメータ・ファイル (CPF) を更新します。CPF にはインスタンスのほとんどの構成設定が含まれており、これらの設定は開始時に毎回、インスタンス導入後の最初の設定を含めて CPF から読み取られます。導入時に構成マージを適用すると、インスタンスと共に提供された既定の CPF が実質的に独自の更新バージョンに置き換えられます。

構成マージを使用すると、データ・サーバとアプリケーション・サーバに対して別個のマージ・ファイルを呼び出して順番に導入することによって、分散キャッシュ・クラスタを導入できます。

前述のように、IKO には構成マージ機能が組み込まれています。

一般的な構成マージの使用法および具体的な分散キャッシュ・クラスタの導入方法の詳細は、"構成マージを使用した InterSystems IRIS の自動構成" を参照してください。

^ECP を使用したクラスタの導入

^ECP ルーチンを使用して導入する場合は、最初に、クラスタをホストするインフラストラクチャを特定またはプロビジョニングしてから、ホスト上で InterSystems IRIS インスタンスを特定または導入し、最後に、導入したインスタンスをクラスタとして構成する必要があります。追加する InterSystems IRIS インスタンスを導入または特定し、ホスト間に十分な帯域幅のネットワーク・アクセスを設定した後、以下の 2 段階のプロセスでクラスタを導入できます。

^ECP を使用したデータ・サーバの準備

インスタンスをデータ・サーバとして準備するには、そのインスタンスで ObjectScript シェルを開き、以下を実行します。

  1. %SYS ネームスペースに切り替えます。

  2. ^ECP ルーチンを開始します。

    %SYS>do ^ECP
    

    その後、以下のようなメニューが表示されます。

     
    1) The system as a data server
    2) The system as an application server
     
    Option?
    
  3. 「1」と入力して、Enter キーを押します。

    サービス %Service_ECP が有効化され、以下のメニューが表示されます。

    1) List ECP application servers connected to this server
    2) Manage authorized SSL/TLS Computer Names for this server
    3) Authorize/Reject pending ECP SSL/TLS connection requests
    4) Edit ECP settings
    5) Manage ECP service
     
    Option?
    
  4. 「4」と入力して、Enter キーを押します。

    構成オプションの一連のプロンプトが提供されます。これらのプロンプトは、以下のとおりです。

    • アプリケーション・サーバの最大数 — このオプションは、複数のアプリケーション・サーバがデータ・サーバに同時に接続できるようにします。

      Note:

      アプリケーション・サーバの最大数は、UNIX® および Linux プラットフォームの構成マージ・ファイルに含まれる構成パラメータ・ファイル (CPF) の MaxServerConn 設定を使用して設定することもできます。

    • トラブル状態の時間間隔 — このオプションは、アプリケーション・サーバとデータ・サーバ間で中断された接続のリカバリを管理する際の、タイムアウト (秒単位) を指定します。長期的なクラスタの動作に関するデータを取得するまでは、このタイムアウトは既定の 60 のままとします。ECP リカバリ・タイムアウトの詳細は、"ECP リカバリ・プロトコル" を参照してください。

    • ECP SSL/TLS サポート — このオプションは、アプリケーション・サーバからの接続をセキュリティ保護するための、TLS の使用を制御します。以下のように整数を入力します。

      • 1 (無効) — アプリケーション・サーバは、このデータ・サーバに対して [SSL/TLS 使用] が選択されている場合 (既定)、接続できません。

      • 2 (有効) — アプリケーション・サーバは、このデータ・サーバに対して [SSL/TLS 使用] が選択されているかどうかに関係なく接続できます。

      • 3 (必須) — アプリケーション・サーバは、このデータ・サーバに対して [SSL/TLS 使用] が選択されている場合にのみ接続できます。

      "分散キャッシュ・クラスタのセキュリティ" で説明しているとおり、TLS は ECP 通信をセキュリティ保護するためのいくつかのオプションのうちの 1 つです。ただし、TLS を有効にすると、パフォーマンスに重大な悪影響を及ぼす場合があります。クラスタのアプリケーション・サーバとデータ・サーバが同じデータ・センターに配置されることにより、最適なパフォーマンスが提供されている場合、データ・センター単独での物理的なセキュリティにより、クラスタに十分なセキュリティが提供される可能性があります。

      データ・サーバでのセキュリティで保護されたアプリケーション・サーバ接続の承認を含む、分散キャッシュ・クラスタでの TLS の有効化および使用に関する重要な情報は、"アプリケーション・サーバのデータ・サーバへの接続の TLS によるセキュリティ保護" を参照してください。

      「2」または「3」を入力すると、このサーバ上で SSL/TLS サーバ構成を構成するための詳細を入力するよう求められます。

  5. 次に、確認を求められます。「Y」または「YES」を入力します (大文字と小文字の区別なし)。

Note:

ECP は、データ・サーバ上のデータベース・キャッシュの一部を使用して、さまざまな制御構造を格納します。これに対応するために、データベース・キャッシュのサイズを増やすことが必要になる場合があります。詳細は、"ECP 制御構造用のデータ・サーバ・データベース・キャッシュの増大" を参照してください。

これで、データ・サーバは、有効なアプリケーション・サーバから接続できるようになります。

^ECP を使用したアプリケーション・サーバの構成

インスタンスをアプリケーション・サーバとして準備するには、そのインスタンスで ObjectScript シェルを開き、以下を実行します。

  1. %SYS ネームスペースに切り替えます。

  2. ^ECP ルーチンを開始します。

    %SYS>do ^ECP
    
  3. 「2」と入力して、Enter キーを押します。

    以下のメニューが表示されます。

     
    The following is a list of ECP data servers that this system can connect to:
     
     
    Server Name           Host Name/Port            Status
    -----------           --------------            ------
    No results
     
    1) Add data server
    2) Edit data server
    3) List data servers
    4) Detailed list data servers
    5) Delete data server
    6) Configure remote databases
    7) Edit ECP settings
    8) Change connection status of data server
    
    Option?
    
  4. 「1」と入力して、Enter キーを押します。以下のように、データ・サーバに関する情報を入力するよう求められます。

    • サーバ名 — データ・サーバを識別する説明的な名前 (この名前は 64 文字に制限されます)。

    • ホストDNS名またはIPアドレス — データ・サーバのホストまたはその IP アドレスの DNS 名を指定します (ドットで区切った十進数形式。IPv6 を有効にしている場合は、コロン区切りの形式)。DNS 名で指定した場合、アプリケーション・サーバがそのデータ・サーバ・ホストに接続するたびに、実際の IP アドレスに解決されます。詳細は、"IPv6 のサポート" を参照してください。

      Important:

      ミラー・プライマリをデータ・サーバとして追加する場合 ([ミラー接続] 設定を参照)、ミラーの仮想 IP アドレス (VIP) を入力するのではなく、現在のプライマリ・フェイルオーバー・メンバの DNS 名または IP アドレスを入力します。

    • IP ポート番号 — このポート番号の既定は 1972 (既定の InterSystems IRIS スーパーサーバ (IP) ポート) です。必要に応じてデータ・サーバの InterSystems IRIS インスタンスのスーパーサーバ・ポートに変更します。

    • ミラー接続 — 以下のいずれかの値を入力します。

      • 1 — ミラー以外の接続

      • 2 — ミラー接続

      • 3 — 指定されたメンバとしてのミラー接続

      データ・サーバとしてのミラー・プライマリの構成に関する重要な情報は、"ミラーへのアプリケーション・サーバ接続の構成" を参照してください。

    • バッチモード — このデータ・サーバのサーバ・プロセスをバッチ・モードで実行する必要がある場合は、「Y」と入力します。バッチ・モードでは、データ・サーバは常にブロックをロードして、それらをバッチ・レベルでキャッシュします。ただし、ブロックがアプリケーション・サーバに戻されると、そのブロックは定期的にキャッシュされます。

    • SSL/TLS 使用? — このデータ・サーバへの接続に TLS を使用するには、「Y」と入力します。

      Y」と入力すると、このサーバ上で SSL/TLS クライアント構成を構成するための詳細を入力するよう求められます。

  5. 次に、確認を求められます。「Y」または「YES」を入力します (大文字と小文字の区別なし)。

これで、アプリケーション・サーバ上のリモート・データベースとして、データ・サーバ上に目的の各データベースを追加できます。そのためには、アプリケーション・サーバ上にネームスペースを作成し、それをリモート・データベースにマップする必要があります。"リモート・データベースにアクセスするためのネームスペースの作成" を参照してください。

管理ポータルを使用したクラスタの導入

手動で導入する場合は、最初に、クラスタをホストするインフラストラクチャを特定またはプロビジョニングしてから、ホスト上で InterSystems IRIS インスタンスを特定または導入し、最後に、導入したインスタンスをクラスタとして構成する必要があります。追加する InterSystems IRIS インスタンスを導入または特定し、ホスト間に十分な帯域幅のネットワーク・アクセスを設定した後、管理ポータルを使用して、以下の 2 段階のプロセスでクラスタを導入できます。

これらの手順は、管理ポータルの [ECP設定] ページで実行します ([システム管理][構成][接続性][ECP設定])。

データ・サーバの準備

InterSystems IRIS インスタンスは、アプリケーション・サーバ上で構成されるまで、分散キャッシュ・クラスタ内のデータ・サーバとして実際に動作させることはできません。ただし、インスタンスをデータ・サーバとして準備する手順には、1 つの必須アクションと 2 つのオプション・アクションが含まれています。

インスタンスをデータ・サーバとして準備するには、[ECP設定] ページに移動し (管理ポータルのホーム・ページで [システム管理][構成][接続性][ECP設定] の順に選択)、以下を実行します。

  • 右側の [このシステムをECPデータサーバとする] ボックスで、ECP サービスの [有効] リンクをクリックすることにより、このサービスを有効にします。これにより %Service_ECP の [サービス編集] ダイアログが開きます。[サービス有効] を選択し、[保存] をクリックしてサービスを有効にします (サービスが既に有効になっている場合 (ボックス内に [無効] リンクが存在することによって示されます)、次の手順に進みます)。

    Note:

    InterSystems サービスの詳細な説明は、"サービス" を参照してください。

  • 複数のアプリケーション・サーバを同時にデータ・サーバに接続できるようにする場合は、[このシステムを ECP データサーバとする] ボックスで、[アプリケーションサーバの最大数] 設定を、構成するアプリケーション・サーバの数に変更して、[保存] をクリックし、その後、インスタンスを再起動します (アプリケーション・サーバの同時接続の数が、この設定用に入力した数よりも大きくなると、データ・サーバ・インスタンスが自動的に再起動します)。

    Note:

    アプリケーション・サーバの最大数は、UNIX® および Linux プラットフォームの構成マージ・ファイルに含まれる構成パラメータ・ファイル (CPF) の MaxServerConn 設定を使用して設定することもできます。

  • [トラブル状態の時間間隔] 設定は、アプリケーション・サーバとデータ・サーバ間で中断された接続の回復を管理するために使用される 3 つのタイムアウトのうちのいずれかを決定します。長期的なクラスタの動作に関するデータを取得するまでは、既定の 60 のままとします。ECP リカバリ・タイムアウトの詳細は、"ECP リカバリ・プロトコル" を参照してください。

  • TLS の使用を有効にしてアプリケーション・サーバからの接続をセキュリティ保護するには、[SSL/TLS ‘%ECPServer’ を設定] リンクをクリックしてデータ・サーバの ECP TLS 構成を作成し、[ECP SSL/TLS サポート] 設定を次のように指定します。

    • [無効] — アプリケーション・サーバは、このデータ・サーバに対して [SSL/TLS 使用] が選択されている場合 (既定)、接続できません。

    • [有効] — アプリケーション・サーバは、このデータ・サーバに対して [SSL/TLS 使用] が選択されているかどうかに関係なく接続できます。

    • [必須] — アプリケーション・サーバは、このデータ・サーバに対して [SSL/TLS 使用] が選択されている場合にのみ接続できます。

    "分散キャッシュ・クラスタのセキュリティ" で説明しているとおり、TLS は ECP 通信をセキュリティ保護するためのいくつかのオプションのうちの 1 つです。ただし、TLS を有効にすると、パフォーマンスに重大な悪影響を及ぼす場合があります。クラスタのアプリケーション・サーバとデータ・サーバが同じデータ・センターに配置されることにより、最適なパフォーマンスが提供されている場合、データ・センター単独での物理的なセキュリティにより、クラスタに十分なセキュリティが提供される可能性があります。

    データ・サーバでのセキュリティで保護されたアプリケーション・サーバ接続の承認を含む、分散キャッシュ・クラスタでの TLS の有効化および使用に関する重要な情報は、"アプリケーション・サーバのデータ・サーバへの接続の TLS によるセキュリティ保護" を参照してください。

Note:

ECP は、データ・サーバ上のデータベース・キャッシュの一部を使用して、さまざまな制御構造を格納します。これに対応するために、データベース・キャッシュのサイズを増やすことが必要になる場合があります。詳細は、"ECP 制御構造用のデータ・サーバ・データベース・キャッシュの増大" を参照してください。

これで、データ・サーバは、有効なアプリケーション・サーバから接続できるようになります。

アプリケーション・サーバの構成

InterSystems IRIS インスタンスを分散キャッシュ・クラスタ内のアプリケーション・サーバとして構成するには、次の 2 つの手順が必要です。

  • アプリケーション・サーバ・インスタンス上のデータ・サーバとして、データ・サーバ・インスタンスを追加します。

  • アプリケーション・サーバ上のリモート・データベースとして、データ・サーバ上に目的のデータベースを追加します。

データ・サーバを表示するためのアプリケーション・サーバの構成

アプリケーション・サーバにデータ・サーバを追加するには、次の手順を実行します。

  1. "データ・サーバの準備" のデータ・サーバに関する説明に従い、[ECP設定] ページに移動して、[このシステムをECPアプリケーションサーバとする] 側の設定を既定のままとします。

  2. 追加しているデータ・サーバの [ECP SSL/TLS サポート] 設定が [有効] または [必須] の場合は、[SSL/TLS ‘%ECPClient’ を設定] リンクをクリックして、アプリケーション・サーバの ECP TLS 構成を作成します (これは、後で [ECPデータサーバ] ダイアログでも実行できます)。詳細は、次の手順の [SSL/TLS 使用] 設定を参照してください。

  3. [データサーバ] をクリックして [ECP データサーバ] ページを表示し、[サーバ追加] をクリックします。[ECPデータサーバ] ダイアログに、データ・サーバについて次の情報を入力します。

    • サーバ名 — データ・サーバを識別する説明的な名前 (この名前は 64 文字に制限されます)。

    • ホストDNS名またはIPアドレス — データ・サーバのホストまたはその IP アドレスの DNS 名を指定します (ドットで区切った十進数形式。IPv6 を有効にしている場合は、コロン区切りの形式)。DNS 名で指定した場合、アプリケーション・サーバがそのデータ・サーバ・ホストに接続するたびに、実際の IP アドレスに解決されます。詳細は、"IPv6 のサポート" を参照してください。

      Important:

      ミラー・プライマリをデータ・サーバとして追加する場合 ([ミラー接続] 設定を参照)、ミラーの仮想 IP アドレス (VIP) を入力するのではなく、現在のプライマリ・フェイルオーバー・メンバの DNS 名または IP アドレスを入力します。

    • [IP ポート] — このポート番号の既定は 1972 (既定の InterSystems IRIS スーパーサーバ (IP) ポート) です。必要に応じてデータ・サーバの InterSystems IRIS インスタンスのスーパーサーバ・ポートに変更します。

    • [ミラー接続] — データ・サーバがミラー内のプライマリ・フェイルオーバー・メンバである場合は、このチェック・ボックスにチェックを付けます (データ・サーバとしてのミラー・プライマリの構成に関する重要な情報は、"ミラーへのアプリケーション・サーバ接続の構成" を参照してください)。

    • [バッチモード] — このデータ・サーバのサーバ・プロセスをバッチ・モードで実行する必要がある場合はこのチェック・ボックスにチェックを付けます。バッチ・モードでは、データ・サーバは常にブロックをロードして、それらをバッチ・レベルでキャッシュします。ただし、ブロックがアプリケーション・サーバに戻されると、そのブロックは定期的にキャッシュされます。

    • [SSL/TLS 使用] — このチェック・ボックスは、以下のように使用します。

      • 追加しているデータ・サーバの [ECP SSL/TLS サポート] 設定が [無効] の場合、このチェック・ボックスにチェックを付けても付けなくても問題ありません。データ・サーバへの接続をセキュリティ保護するために TLS は使用されません。

      • 追加しているデータ・サーバの [ECP SSL/TLS サポート] 設定が [有効] のとき、このデータ・サーバへの接続をセキュリティ保護するのに TLS を使用する場合はこのチェック・ボックスにチェックを付け、TLS を使用しない場合はチェックを外します。

      • 追加しているデータ・サーバの [ECP SSL/TLS サポート] 設定が [必須] の場合は、このチェック・ボックスにチェックを付ける必要があります。

      追加しているデータ・サーバの [ECP SSL/TLS サポート] 設定が [有効] または [必須] で、アプリケーション・サーバに対してまだ TLS 構成を作成していない場合は、[SSL/TLS ‘%ECPClient’ を設定] リンクをクリックしてこれを行います。データ・サーバでのセキュリティで保護されたアプリケーション・サーバ接続の承認を含む、分散キャッシュ・クラスタでの TLS の使用の詳細は、"アプリケーション・サーバのデータ・サーバへの接続の TLS によるセキュリティ保護" を参照してください。

  4. [保存] をクリックします。データ・サーバはデータ・サーバ・リストに表示されます。利用可能なリンクを使用して、データ・サーバ定義を削除または編集したり、その状態を変更したりすることができます ("分散アプリケーションの監視" を参照)。データ・サーバ上の [ECP設定] ページに進み、[アプリケーションサーバ] ボタンをクリックすることで、データ・サーバへのすべてのアプリケーション・サーバ接続のリストを表示することもできます。

リモート・データベースにアクセスするためのネームスペースの作成

アプリケーション・サーバ上のリモート・データベースとしてデータ・サーバ上にそれぞれ必要なデータベースを追加するには、アプリケーション・サーバ上にネームスペースを作成し、次のようにそのデータベースにマッピングする必要があります。

  1. 管理ポータルのホーム・ページで [システム管理][構成][システム構成][ネームスペース] の順に選択して、[ネームスペース] ページに移動します。[新規ネームスペース作成] をクリックして、[新規ネームスペース] ページを表示します。

  2. 新規ネームスペースの名前を入力します。通常は、マッピングされるリモート・データベースの名前が反映されます。

  3. [このネームスペースでグローバルのデフォルト・データベースは] で、[リモートデータベース][新規データベース作成] の順に選択して、[リモートデータベースを作成] ダイアログを開きます。このダイアログで、

    • [リモートサーバ] ドロップダウンからデータ・サーバを選択します。

    • [リモートディレクトリ][リストからディレクトリを選択] に設定し、データ・サーバ上のすべてのデータベース・ディレクトリを一覧表示する [ディレクトリ] ドロップダウンを使用して、ネームスペースにマッピングするデータ・サーバ・データベースを選択します。

    • リモート・データベースのローカル名を入力します。これは、通常、データ・サーバ上のデータベースの名前、前の手順で指定されたデータ・サーバのローカル名、またはその両方を反映します。

    • [完了] をクリックしてリモート・データベースを追加し、新しいネームスペースにマッピングします。

  4. [このネームスペースでルーチンのデフォルト・データベースは] で、[リモートデータベース] を選択し、次に、ドロップダウンから作成したデータベースを選択します。

  5. ネームスペースは相互運用対応である必要はありません。時間を節約するために、[相互運用プロダクション用にネームスペースを有効化] チェック・ボックスのチェックを外すことができます。

  6. [保存] を選択します。[ネームスペース] リストに新規ネームスペースが一覧表示されます。

アプリケーション・サーバ上のリモート・データベースとしてデータ・サーバ・データベースを追加すると、アプリケーションは、アプリケーション・サーバにマッピングされているネーム・スペースを介してそのデータベースをクエリすることができます。

Note:

アプリケーション・サーバ上のネームスペースが、データ・サーバ上のデータベースにマッピングされていても、データ・サーバ上のそのデータベースにマッピングされているネームスペースへの変更は、アプリケーション・サーバにとっては不明であることに留意してください。(マッピングの詳細は、"グローバル・マッピング" を参照してください。)例えば、データ・サーバ上のネームスペース DATA に、既定のグローバル・データベース DATA があるとします。アプリケーション・サーバでは、REMOTEDATA というネームスペースは、同じ (リモート) データベース DATA にマッピングされます。データ・サーバ上の DATA ネームスペースでマッピングを作成して、グローバル ^DATA2DATA2 データベースにマッピングしても、このマッピングはアプリケーション・サーバに伝播されません。このため、アプリケーション・サーバ上のリモート・データベースとして DATA2 を追加しないで、REMOTEDATA ネームスペースに同じマッピングを作成しても、アプリケーション・サーバが受信するクエリでは、^DATA2 グローバルを読み取ることができません。

関連項目

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