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Windows での InterSystems IRIS の管理

Microsoft Windows プラットフォームでの InterSystems IRIS® データ・プラットフォーム・インスタンスの管理は簡単です。大部分のタスクは、管理ポータルと InterSystems IRIS ランチャー (キューブとも呼ばれる) を使用して実行できます。コマンド・プロンプトから InterSystems IRIS インスタンスを制御することもできます。

このトピックでは、install-dir を使用して InterSystems IRIS のインストール・ディレクトリを表しています。既定のディレクトリは、"インストール・ガイド" の "既定のインストール・ディレクトリ" のセクションを参照してください。

Caution:

InterSystems IRIS IRIS.DAT データベース・ファイルに対して Windows のファイル圧縮機能を使用しないでください。次に、Windows エクスプローラでファイルまたはフォルダを右クリックし、[プロパティ][詳細][内容を圧縮してディスク領域を節約する] の順に選択して、ファイルを圧縮します。圧縮後、Windows エクスプローラでフォルダ名またはファイル名が青で表示されます。IRIS.DAT ファイルを圧縮した場合、このファイルが属するインスタンスは開始できません。これは誤解を招きやすいエラーです。

InterSystems IRIS インスタンスへのアクセスの管理

このセクションでは、InterSystems IRIS へのアクセスの管理に関する以下のトピックについて説明します。

InterSystems サービス

すべての InterSystems IRIS ジョブおよびプロセスは、InterSystems サービス InterSystems IRIS Controller for <instance-name> から実行されます。InterSystems サービスが有する権限は、関連する Windows ユーザ・アカウントによって決定されます。これがローカルの SYSTEM アカウントの場合、InterSystems IRIS は、Windows システム上のすべてのファイルと権限への広範なアクセスが可能です。より安全で限定的な環境を維持するには、必要な特権とアクセス権のみを持つ InterSystems サービスの Windows アカウントを選択する必要があります。詳細は、"Windows ユーザ・アカウント" を参照してください。

通常のインストールやロック・ダウンのインストールでは、InterSystems IRIS は、このインスタンスへのアクセス権を付与する 2 つのローカル・ユーザ・グループを作成します。既定のローカルな SYSTEM アカウント以外に InterSystems サービスの Windows ユーザ・アカウントを指定する場合、InterSystems IRIS は、その Windows ユーザ・アカウントを各グループに追加します。これらのグループは、以下のとおりです。

  • IRISServices。InterSystems IRIS インスタンスを開始、停止、および制御する権限を付与します。

  • IRIS_Instance_instancename。インストール・ツリー (つまり、InterSystems IRIS がインストールされているディレクトリおよびそのすべてのサブディレクトリ) へのアクセス権限を付与します。

Note:

これらのグループとその特権に関して、次の点に留意してください。

  • IRISServices グループには、その作成時に、Replace a process level token 特権と Adjust memory quotas for a process 特権が付与されます。これらの特権を削除しないでください。

  • IRISServices および IRIS_Instance_instancename グループは、特定のアクションを実行するために InterSystems IRIS が必要とするすべての権限を付与するとは限りません。インストール・ツリーの外部にあるすべてのインスタンス、ジャーナル、およびログ・ファイルに必要なアクセス権を InterSystems IRIS に確実に付与するには、これらのファイルおよびそれらの格納ディレクトリへのフル・アクセス権限を IRIS_Instance_instancename グループに付与します。必要に応じてこのグループに追加の権限を付与することもできます。

一般に、InterSystems IRIS Controller for <instance-name> の Windows アカウントはインストール時に選択します。"Windows ユーザ・アカウント" を参照してください。インストール後にサービス・アカウントを変更するには、以下の "InterSystems IRIS サービス・アカウントの変更" を参照してください。

インストール・ツリーへのアクセスの制限

既定では、認証されたすべての Windows ユーザがインストール・ツリーにアクセスできますが、これが望ましくない場合もあります。認証されたユーザの Windows アクセス制御エントリ (ACE) を削除するには、Windows のコマンド・プロンプトを開き、インスタンスのインストール・ディレクトリに移動して、次の手順を実行します。

  1. Windows 10 などの一部の Windows プラットフォームでは、継承された権限を最初に削除することが必要な場合があります。この操作には、以下のコマンドを使用します。

    icacls <install-dir> /inheritance:d
    
  2. 次に以下のように、認証されたユーザの ACE を削除します。

    icacls <install-dir> /remove "NT AUTHORITY\Authenticated Users" /t
    

    /t フラグは、インストール・ツリーのすべてのサブディレクトリとファイルに対し、権限の変更を再帰的に適用します。

  3. 最後に、以下のコマンドを使用して、"認証されたユーザ" への参照が存在しないことを確認します。

    icacls <install-dir>
    

    このコマンドは、インストール・ディレクトリに対するアクセス権をリストします。

他のグループや権限 (BUILTIN\Users など) が残っていないと仮定すると、これで、インストール・ツリーにアクセスできるのは、管理者ユーザか、IRIS_Instance_instancename グループのユーザだけになります。ディレクトリの権限をレビューして、アクセスが適切に制限されていることを確認します。

Important:

これを実行しない場合、ホスト Windows システムにログインできるユーザであれば誰でも容易にファイルや設定を変更したり、InterSystems IRIS インスタンス全体を無効にしたりすることができます。

場合によっては、InterSystems IRIS Controller for <instance-name> サービスで使用するアカウントに加え、別の Windows アカウントにインストール・ツリーへのアクセス権を付与することができます。これには、例えば自動化タスクを実行するアカウント、あるいは Windows サーバに直接ログインし、(ローカルのターミナル・セッションを使用するか、またはカスタム・コールイン実行可能プログラムを呼び出して) InterSystems IRIS にアクセスするアカウントが含まれます。そのようなアカウントに必要なアクセス権限を付与するには、そのアカウントを IRIS_Instance_instancename グループに追加します。

InterSystems IRIS サービス・アカウントの変更

コマンド行に以下を入力し、InterSystems サービス InterSystems IRIS Controller for <instance-name> で使用する Windows ユーザ・アカウントを変更します。

<install-dir>\bin\IRISinstall.exe setserviceusername <instance-name> <username> <password>

このコマンドは、Windows ユーザ・アカウントを、指定したアカウントに変更します。また、必要に応じて IRISServices グループと IRIS_Instance_instancename グループを作成し、そのユーザをこれらのグループに追加します。このコマンドを実行して InterSystems IRIS インスタンスを再起動すると、インスタンスは新たに指定された Windows ユーザ・アカウントで実行されます。

InterSystems IRIS ランチャー

Microsoft Windows プラットフォームでの InterSystems IRIS の主要なインタフェースは、InterSystems IRIS ランチャーです。InterSystems IRIS ランチャーからすべての InterSystems IRIS 構成および管理ツールを起動できます。また、ショートカットやコマンド行から各ランチャー・オプションを起動することもできます。

同様に、Windows のプログラム・メニューから多くの InterSystems IRIS ツールを開始できます。この場合は、[IRIS] フォルダをポイントして、該当する InterSystems IRIS インスタンス名の [InterSystems IRIS の開始] をポイントします。

Windows ベースのシステムで InterSystems IRIS を起動すると、タスクバーのシステム・トレイに InterSystems IRIS ランチャー アイコン が表示されます。

InterSystems IRIS ランチャーをクリックすると、ObjectScript ユーティリティとプログラミング環境を使用するためのオプションが並んだメニューが表示されます。

以下の表に、InterSystems IRIS ランチャー・メニューから使用できるオプションを示します。

InterSystems IRIS のランチャー・オプション 概要
はじめに チュートリアル、リリース・ノート、ドキュメント、およびその他の関連情報へのリンクが表示されます。
InterSystems IRIS の開始

メニュー項目の後の角括弧内に指定されている既定のインスタンス (例えば [ii2081]) を開始します。InterSystems IRIS サーバが既に開始されている場合は、このオプションは淡色で表示され、選択できません。

Note:

インスタンスが自動的に起動されないようにする方法の詳細は、"メモリと開始設定" を参照してください。

InterSystems IRIS の停止 ローカルの InterSystems IRIS インスタンスをシャットダウンまたは再起動します。InterSystems IRIS サーバが停止している場合は、このオプションは淡色で表示され、選択できません。
ターミナル InterSystems IRIS のコマンド行インタープリタを呼び出します。詳細は、"ObjectScript シェルの使用法" を参照してください。
管理ポータル 一般的なシステム管理タスクを構成します。データベースとネームスペースを作成し、すべての InterSystems IRIS 構成設定を調整します。クラス、グローバル、ルーチン、および機能を表示し、それぞれを管理します。テーブルとビューを表示し、クエリと SQL 管理関数を構成します。"管理ポータルの使用" を参照してください。
ドキュメント InterSystems IRIS オンライン・ドキュメントを表示します。
優先接続サーバ [server name] リモート・サーバのリストを表示し、サブメニューの [追加/編集] コマンドでサーバ接続を維持管理します。優先接続サーバは括弧で囲まれており、サーバ・リストでは横にチェック・マークが付いています。"リモート・サーバ接続の定義" を参照してください。
Caché バージョン情報 InterSystems IRIS のバージョンおよびビルドの情報を表示します。
終了 [InterSystems IRIS ランチャー] アイコンをシステム・トレイから削除します。これによって InterSystems IRIS が停止することはありません。インスタンスが再起動されるとランチャーが再度表示されます。

InterSystems IRIS の開始

InterSystems IRIS を開始するには、システム・レベルでスタートアップ・プロシージャを実行します。このプロシージャは、既定の構成ファイル、または指定した構成ファイルのいずれかを使用して実行します。

Note:

InterSystems IRIS の開始で問題が発生した場合は、"ログ・ファイルの監視" の説明に従って、messages.log ファイルを表示してください。

Windows プラットフォームで InterSystems IRIS を開始するには、InterSystems IRIS ランチャーの [InterSystems IRIS の開始] を選択します。これにより、指定された構成ファイルを使用して InterSystems IRIS インスタンスが起動します。InterSystems IRIS が起動していないときは、[InterSystems IRIS ランチャー] アイコンが淡色表示になっています。

InterSystems IRIS ランチャーがシステム・トレイにない場合は、Windows のプログラム・メニューから [IRIS] フォルダを選択して、対象のインスタンスの [InterSystems IRIS の開始] を選択します。ランチャーをシステム・トレイに表示するには、install-dir/bin ディレクトリに移動し、iristray.exe ファイルをダブルクリックします。

あるいは、[スタート] メニューで [ファイル名を指定して実行] をクリックし、[名前] フィールドで install-dir/bin ディレクトリから上記オプションを入力することもできます。例えば、MyIris\bin ディレクトリから MyIris というインスタンスを起動する場合、以下のコマンドを入力します。

c:\MyIris\bin\iris start iris

InterSystems IRIS を起動するこれらのメソッドは、iris start コマンドを呼び出します。iris コマンドのオプションと情報の詳細は、"コマンド・プロンプトでの InterSystems IRIS の制御" を参照してください。

InterSystems IRIS の停止

通常は、InterSystems IRIS システムを実行したままの状態にしておきます。しかし、オペレーティング・システムに再起動が必要であれば、システムをシャットダウンする前に InterSystems IRIS を停止します。バックアップやデータベースの修復ユーティリティなどのメンテナンス・タスクの場合は、InterSystems IRIS を停止させる必要はありません。

InterSystems IRIS ランチャー・メニューから [InterSystems IRIS の停止] をクリックして、ローカル InterSystems IRIS インスタンスの終了や再起動を行います。このオプションの既定では、既定の停止ルーチンを使用して、直ちに InterSystems IRIS を終了 (または再起動) します。遅延シャットダウンのタイマ設定、ユーザ定義のシャットダウン・ルーチンの実行、サーバ上のユーザへの警告メッセージ発行、およびフェイルオーバーなしのシャットダウンといったオプションも用意しています。Windows のプログラム・メニューからこの同じプロセスを実行できます。[IRIS] フォルダを選択して、対象のインスタンス名の [InterSystems IRIS の停止] を選択します。カウントダウンが 0 になって終了のプロシージャが開始されると、終了処理の中止はできません。

Important:

ランチャーで [InterSystems IRIS の停止] を選択し、InterSystems IRIS をシャットダウンすることをお勧めします。

InterSystems IRIS を停止するこれらのメソッドは、iris stop コマンドを呼び出します。iris コマンドのオプションと情報の詳細は、"InterSystems IRIS インスタンスの制御" を参照してください。

iris force コマンドの使用

インスタンスが [InterSystems IRIS の停止] オプション、iris stop コマンドに応答しない場合、または応答しなくなった場合は、iris force コマンドを使用して強制終了します。

コマンドを実行するには、Windows のコマンド・プロンプトを開き、インスタンスのインストール・ディレクトリの bin フォルダに移動して、以下を実行します。

iris force <instance-name>

インスタンス名が不明な場合は、iris list コマンドを使用して、インストールされたすべての InterSystems IRIS インスタンスを名前別に表示します。

Caution:

iris force コマンドは、システム・クラッシュと同様に、インスタンスを強制的に停止します。InterSystems IRIS には、データ整合性を維持するためのリカバリ・メカニズムが含まれていますが、制御された安全なシャットダウンのために iris stop または [InterSystems IRIS の停止] オプションを使用することを強くお勧めします。iris force は、インスタンスが応答しない場合の最終的な手段としてのみ使用してください。

どのようなときに iris force を使用するか

  • システムが応答しないかハングしている。

  • 通常のシャットダウンが失敗する。

  • 緊急事態のため、迅速な措置が必要である。

InterSystems IRIS インスタンスがハングしているかどうかを判断する 1 つの方法として、iris console <instance-name> を使用して ObjectScript シェルにアクセスを試みることが挙げられます。これが失敗する場合、インスタンスが応答していないことを示します。

iris force を使用する前と使用した後に、インスタンスのインストール・ディレクトリの mgr フォルダにある messages.logalerts.log などのシステム・ログを確認して、診断情報を入手します。さらに、管理ポータル ([システムオペレーション][シャドウサーバ][エラーログ]) を使用して、またはターミナルで do ^%ER と入力して、データ・ソース・エラーを調査します。

[InterSystems IRIS の停止] オプションの削除

[InterSystems IRIS の停止] オプションを誤って実行してしまうことを防ぐために、対応する InterSystems IRIS インスタンスの install-dir/bin ディレクトリから irisstop.exe ファイルを削除することにより、InterSystems IRIS ランチャーからこのオプションを削除できます。[スタート] メニューの該当する InterSystems IRIS インスタンスから [InterSystems IRIS の停止] ショートカットを削除することもできます。[プログラム] から対象の InterSystems IRIS インスタンス名をポイントして、[InterSystems IRIS の停止] を右クリックし、[削除] をクリックします。

コマンド・プロンプトからのヘルプ情報

install-dir\bin ディレクトリで iris.exe プログラムを実行することによって、Windows のコマンド・プロンプトから InterSystems IRIS インスタンスを制御することができます。iris コマンドの詳細は、"InterSystems IRIS インスタンスの制御" を参照してください。

このコマンドの最新のヘルプ情報を表示するには、install-dir\bin ディレクトリから iris help を呼び出します。以下に例を示します。

C:\MyIris\bin>iris help

iris help コマンドによって、ターミナルに最新のヘルプ情報が表示されます。>outputfilenameiris help コマンドに追加することによって、ヘルプ情報を intsall-dir\bin ディレクトリ内のファイルに保存することもできます。次に、例を示します。

C:\MyIris\bin>iris help>helpinformation

コマンド行での InterSystems IRIS への接続

iris terminal コマンドを使用して、コマンド行で InterSystems IRIS インスタンスにログインできます。iris terminal の詳細は、"InterSystems IRIS インスタンスの接続" を参照してください。

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