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システム・デフォルト設定の定義

このページでは、システム・デフォルト設定と、その定義方法について説明します。

システム・デフォルト設定の概要

システム・デフォルト設定の目的は、環境間でプロダクション定義をコピーするプロセスを簡略化することです。どのプロダクションでも、一部の設定値がプロダクション設計の一部として決定されます、これらの設定値の多くはすべての環境で共通しているはずです。ただし、その他の設定は環境に合わせて調整する必要があります。このような設定にはファイル・パスやポート番号などが含まれます。

システム・デフォルト設定では、InterSystems IRIS® データ・プラットフォームがインストールされた環境に固有の値のみを指定する必要があります。対照的に、プロダクション定義では、すべての環境で同じにすべき設定値を指定する必要があります。システム・デフォルト設定は、どのプロダクションからも独立しているシステムのデフォルト・テーブルに保存されます。

システム・デフォルト設定は、それが定義されているネームスペースに固有です。この設定は、すべてのプロダクション、ビジネス・ホスト、およびビジネス・ホスト・クラス、またはそれらのサブセットに適用できます。InterSystems IRIS では、その設定名に対して最も具体的に一致する設定を使用します。例えば、1 つのプロダクション内のすべてのビジネス・ホストに対して、またはすべてのプロダクション内の 1 つのビジネス・ホストに対して、システムのデフォルト設定を作成できます。すべてのプロダクションに対して設定 A のシステム・デフォルト (値 A1) を定義し、さらに単一のビジネス・ホストに対して設定 A のシステム・デフォルト (値 A2) を定義することもできます。この場合、そのビジネス・ホスト (デフォルトで A2 を使用) を除くすべての場所で、A1 がデフォルトとなります。

リリース 2023.3 では、特殊なシステム・デフォルト設定、つまりシステム・オーバーライドが導入されました。これらは、特定の設定名のグループに対して使用できます。これらの設定に対してシステムのデフォルト・テーブル内に値がある場合、その値はプロダクション定義内で指定される値よりも優先されます。InterSystems IRIS では、システムのデフォルト・テーブル内でその設定名に対して最も具体的に一致する設定を使用します。

全体として、設定の値を見つけるために、InterSystems IRIS では以下のように確認を行います。

  1. この特定の設定がシステム・オーバーライドになるかどうかを確認します。オーバーライドになり、かつシステムのデフォルト・テーブルにその設定の値 (空文字列であっても) が含まれる場合、InterSystems IRIS はその値を使用し、それ以上の確認を停止します。

  2. オーバーライドにならない場合は、プロダクション定義で値 (空文字列であっても) が指定されているかどうかを確認します。その場合、InterSystems IRIS は、その設定に最も具体的に一致する値を使用し、それ以降の確認を停止します。

  3. それ以外の場合は、システムのデフォルト・テーブルで値 (空文字列であっても) が指定されているかどうかを確認します。その場合、InterSystems IRIS は、その設定に最も具体的に一致する値を使用し、それ以降の確認を停止します。

  4. 最後に、他に値が見つからない場合に、デフォルトがあれば、該当するクラス定義で指定される設定値を使用します。

[プロダクション構成] ページでは、値がどのように設定されているかを示すために、設定が色分けされます。

システム・オーバーライドとして機能する設定

プロダクションで、システム・オーバーライドとして機能する設定を以下に示します。

  • ActorPoolSize

  • LogGeneralTraceEvents

  • TestingEnabled

ビジネス・ホストで、システム・オーバーライドとして機能する設定を以下に示します。

  • Enabled

  • LogTraceEvents

  • PoolSize

  • Schedule

システムのデフォルト・テーブル内でこれらの設定の値を定義する場合、その値が優先され、プロダクション内で変更することはできません。さらに、指定のネームスペース内のいずれのプロダクションも、オーバーライド値を使用するように自動的に更新されます。

システム・デフォルト設定の表示

[システム・デフォルト設定] ページにアクセスするには、[Interoperability][構成する][システム・デフォルト設定] を選択します。このページには、現在のネームスペースのシステム・デフォルト・テーブルが表示されます。

ここでは次の操作を実行できます。

Note:

セキュリティ特権によって、一部のシステム・デフォルト設定の作成、編集、または削除が制限されることがあります。"システムのデフォルト設定のセキュリティ" を参照してください。

システム・デフォルト設定の作成または編集

新しい設定を作成する場合や既存の設定を編集する場合、InterSystems IRIS では、以下の情報を入力または編集するページが表示されます。

  • [プロダクション] — オプションで、このデフォルトが適用されるプロダクションを指定します。* に設定すると、このデフォルトがこのネームスペース内のすべてのプロダクションに適用されます。

  • [アイテム名] — オプションで、このデフォルトが適用されるビジネス・ホストを指定します。* に設定すると、このデフォルトが特定のプロダクションまたはすべてのプロダクション内のすべてのホストに適用されます。

  • [ホストクラス名] — オプションで、このデフォルトが適用されるビジネス・ホストのクラスを指定します。* に設定すると、このデフォルトが特定のプロダクションまたはすべてのプロダクション内のすべてのホストに適用されます。

  • [設定名] — 設定するプロパティの名前を指定します。プロパティ名にはスペースが含まれていないことに注意してください。ほとんどの場合、プロパティ名と、スペースが削除された設定名は似ています。例えば、設定の [トレース・イベントを記録]LogTraceEvents という名前のプロパティに基づいています。

    Tip:

    設定に関する説明文が表示されたポップアップ・ウィンドウ内でプロパティ名を確認できます。

  • [設定値] — プロパティに割り当てる値を指定します。このフィールドを空白にした場合は、デフォルトが空の文字列に設定されます。

  • [説明] — オプションでデフォルトの説明を指定します。

  • [デプロイ可能] — 設定した場合は、設定を別のプロダクションに導入できます。導入の詳細は、"プロダクションの配置" を参照してください。

このページには、プロダクションのツリーやその他のクラスも表示されます。このため、既存の設定を見つけて、フォームに名前や値をドラッグできます。[ツリーの拡張] および [ツリーの縮小] ボタンと、プラスおよびマイナス・アイコンを使用して、ツリーを探索し、目的のプロパティを見つけることができます。

[プロダクション][アイテム名]、および [ホストクラス名] の各フィールドでは、ネームスペース内のすべてのプロダクションに設定を適用するためにアスタリスク (*) を使用できますが、EnsLib* のようなその他のワイルドカード入力は使用できません。また、これらの各フィールドに指定できる値は 1 つのみです。

Note:

セキュリティ特権によって、ツリーに表示されるシステム・デフォルト設定が決まります。これらのセキュリティ特権の詳細は、"システムのデフォルト設定のセキュリティ" を参照してください。

設定の定義または更新を完了したら、[保存] をクリックします。[キャンセル] ボタンは、変更を破棄し、設定を作成または更新することなく設定のリストに戻します。[リストア] ボタンはフィールドを初期の値に戻し、値の編集を可能にします。

システム・デフォルト設定の使用

ウィザードを使用してビジネス・サービスまたはビジネス・オペレーションを作成する際、使用可能な場合にシステム・デフォルト設定を使用するように指定するには、[値がない場合はデフォルトを適用] チェック・ボックスを使用します。このオプションはデフォルトで選択されています。

[値がない場合はデフォルトを適用] オプションを選択しない場合、ビジネス・ホストは、システム・デフォルトではなく空白の値で作成されます。この場合、設定の値を手動でデフォルトに変更する必要があります。"設定のデフォルト値への復元" を参照してください。

関連項目

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