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分散キャッシュ・アプリケーションの監視

実行中の分散キャッシュ・クラスタは、1 つ以上のアプリケーション・サーバ・システム (データ・コンシューマ) に接続されたデータ・サーバ・インスタンス (データ・プロバイダ) で構成されます。各アプリケーション・サーバとデータ・サーバ間では、ECP 接続が確立されています。つまり、ECP がデータとコマンドの送信に使用する TCP/IP 接続です。

[ECP設定] ページ ([システム管理][構成][接続性][ECP設定]) で、分散キャッシュ・クラスタ内のサーバと接続の状態を監視できます。

[ECP設定] ページには、次の 2 つのサブセクションがあります。

  1. [このシステムをECPデータサーバとする] では、データ・サーバの設定と、ECP サービスの状態が表示されます。

  2. [このシステムをECPアプリケーションサーバとする] には、アプリケーション・サーバの設定が表示されます。

ECP 接続情報

[ECPデータサーバの設定] ページ ([システム管理][構成][接続性][ECP設定]) で [データサーバ] ボタンをクリックすると、アプリケーション・サーバ上の現在のデータ・サーバ接続を一覧表示する [ECPデータサーバ] ページが表示されます。[ECP設定] ページの [アプリケーションサーバ] ボタンをクリックすると表示される [ECPアプリケーションサーバ] ページには、データ・サーバ上の現在のアプリケーション・サーバ接続のリストが表示されます。

データ・サーバ接続

[ECPデータサーバ] ページに、各データ・サーバ接続について次の情報が表示されます。

サーバ名

アプリケーション・サーバ構成にサーバが追加されたときに入力された、この接続のデータ・サーバ・システムの論理名。

ホスト名

アプリケーション・サーバ構成にサーバが追加されたときに入力された、データ・サーバ・システムのホスト名。

IPポート

データ・サーバへの接続に使用する IP ポート番号。

ステータス

現在の接続の状態。接続状態については、"ECP 接続の状態" で説明します。

編集

この接続の現在の状態が未接続または無効である場合は、データ・サーバのポートおよびホスト情報を編集できます。

状態の変更

各データ・サーバ行から、そのデータ・サーバとの間に存在する ECP 接続の状態を変更できます。詳細は、"ECP 接続処理" を参照してください。

削除

アプリケーション・サーバからデータ・サーバの情報を削除できます。

アプリケーション・サーバ接続

[ECP設定]ページ ([システム管理][構成][接続性][ECP設定]) で [ECP アプリケーションサーバ] をクリックして、このデータ・サーバ上のアプリケーション・サーバ接続のリストを含む [ECP アプリケーションサーバ] ページを表示します。

クライアント名

この接続上のアプリケーション・サーバの論理名。

ステータス

現在の接続の状態。接続状態については、"ECP 接続の状態" で説明します。

クライアントIP

アプリケーション・サーバのホスト名または IP アドレス

IPポート

アプリケーション・サーバへの接続に使用するポート番号。

ECP 接続の状態

稼働中のクラスタでは、ECP 接続は以下のいずれかの状態になります。

ECP 接続の状態
状態 説明
未接続 接続は定義済みですが、未使用です。
接続中 接続中です。接続されるまで表示される一時的な状態です。
通常 接続は正常に動作し、現在使用されています。
障害 接続に障害が発生しました。可能な場合、接続は自動的に修正されます。
無効 接続は、システム管理者によって手動で無効にされました。接続中のアプリケーションは <NETWORK> エラーを受け取ります。

以下のセクションでは、アプリケーション・サーバとデータ・サーバの接続状態を説明します。

アプリケーション・サーバの接続状態

以下のエントリは、アプリケーション・サーバ側のそれぞれの接続状態を示します。提示される数値によって、ログ・メッセージに示された接続状態を判断できます。例えば、以下のメッセージは、アプリケーション・サーバの障害状態 : jojo96HABER を表します。

01/28/24-00:00:11:859 (6552) 2 [SYSTEM MONITOR] ECPClientState Alert: ECP reports Clients state 6
アプリケーション・サーバは初期化されていない (0)

ノードは、初期化中の状態 (きわめてまれ) か、まだ初期化されていません。

アプリケーション・サーバの未接続状態 (1)

アプリケーション・サーバ側の ECP 接続は、最初は未接続状態になっています。この状態の場合、接続のための ECP デーモンは存在しません。アプリケーション・サーバ・プロセスがネットワーク要求を送信すると、接続のためのデーモンが作成され、接続は接続中状態に入ります。

アプリケーション・サーバの接続中状態 (2)

接続中状態では、接続のためのネットワーク・デーモンが存在し、データ・サーバへの接続の確立を試行します。接続が確立されたら、正常状態に入ります。接続が接続中状態にある場合、ユーザ・プロセスは、接続が確立されるまで最大 20 秒待機します。接続がその時間内に確立されなかった場合、ユーザ・プロセスは <NETWORK> エラーを受け取ります。

アプリケーション・サーバ ECP デーモンは、バックグラウンドでデータ・サーバへの新しい接続を試行します。接続が 20 分以内に確立されなかった場合は、接続は未接続状態に戻り、接続のデーモンは削除されます。

アプリケーション・サーバの接続失敗状態 (3)

接続中の状態で行われた接続試行が失敗しました。この状態が数秒間続いた後、アプリケーション・サーバの未接続状態に移行します。

アプリケーション・サーバの無効状態 (4)

ECP 接続が無効としてマークされるのは、管理者が無効にすると判断した場合です。この状態では、デーモンは存在せず、その接続を使用するすべてのネットワーク要求はすぐに <NETWORK> エラーを受け取ります。

アプリケーション・サーバの正常状態 (5)

接続が完了した後、正常な (データ転送) 状態に入ります。この状態では、アプリケーション・サーバ側のデーモンが存在し、ネットワークを介して要求を送信し、応答を受信します。接続の正常状態は、接続が継続不可能になるか、アプリケーション・サーバかデータ・サーバから接続のシャットダウンが要求されるまで維持されます。

アプリケーション・サーバの障害状態 (6)

アプリケーション・サーバからデータ・サーバへの接続で問題が発生した場合、アプリケーション・サーバの ECP 接続は、障害状態に入ります。この状態では、アプリケーション・サーバの ECP デーモンが存在し、接続のリストアを試行します。基本の TCP 接続は、確立されている場合も確立されていない場合もあります。基本の TCP 接続がリセットされ、再現の必要があるかどうかによってリカバリ方法が異なることはありません。つまり、TCP 接続が一時的に機能を停止した場合でもリカバリ方法は同じです。

アプリケーション・サーバの [リカバリまでの待機時間] のタイムアウト期間中 (既定は 20 分)、アプリケーション・サーバは ECP 接続をリカバリするために、データ・サーバへの再接続を試行します。この間、既存のネットワーク要求は保持されますが、アプリケーション・サーバ側のユーザ・プロセスは、新しいネットワーク要求の送信を中止して、接続が再開されるのを待ちます。接続が [リカバリまでの待機時間] のタイムアウト期間内に回復した場合は、正常状態に戻り、中止されていたネットワーク要求は送信されます。

例えば、データ・サーバがオフラインになった場合、データ・サーバが使用可能になるまで、接続中のすべてのアプリケーション・サーバの状態は障害に設定されます。障害が適切に修正されると、接続状態は正常に戻ります。一方、障害状態をリカバリできない場合、未接続となります。

アプリケーションは、ネットワーク・アクセスが必要となるまで、継続して稼働します。サーバが応答していない間は、ローカルにキャッシュされたデータすべてをアプリケーションで使用できます。

アプリケーション・サーバのリカバリ中状態 (7)

リカバリ中状態は、障害状態の一部です。現在データ・サーバに TCP 接続がなく、新しい接続が確立された場合、アプリケーション・サーバとデータ・サーバはリカバリ・プロトコルに従って、アプリケーション・サーバのキャッシュをフラッシュし、トランザクションおよびロックを回復し、正常状態に戻ります。

同様に、データ・サーバのシャットダウンや、クラッシュの結果としてのシャットダウン後の再起動の場合、その後アプリケーション・サーバには再接続と既存のセッションを回復するための短い時間 (約 30 秒) が与えられます。そしてここでも、アプリケーション・サーバとデータ・サーバはリカバリ・プロトコルに従います。

接続のリカバリが、[リカバリまでの待機時間] のタイムアウト期間内に完了しなかった場合、アプリケーション・サーバは接続のリカバリを終了します。具体的には、アプリケーション・サーバは、すべての未実行のネットワーク要求にエラーを返し、接続状態を未接続に変更します。この作業がアプリケーション・サーバ側で行われなかった場合は、次にこのアプリケーション・サーバからデータ・サーバに接続されたときに、すべてのトランザクションはロールバックされ、このアプリケーション・サーバからのすべてのロックが解除されます。

リカバリに成功した場合、接続は正常状態に戻り、中止されていたネットワーク要求が送信されます。

データ・サーバの接続状態

以下のセクションでは、データ・サーバ側の各接続状態について説明します。

データ・サーバの解放状態

ECP サーバ・インスタンスが起動されたとき、ECP サーバに対するすべての接続は、初期の “割り当てのない” 解放の状態にあり、接続アクセス・コントロール・リストにあるすべてのアプリケーション・サーバから接続できる状態になっています。アプリケーション・サーバからの接続が既にあり、その後切断されたが、リカバリ手順を行う必要がない場合、その接続は、“アイドル” 状態である解放状態になります。この 2 つの状態の唯一の違いは、アイドル状態の場合は、その接続ブロックが既に特定のアプリケーション・サーバに割り当てられており、アクセス・コントロール・リストにある他のアプリケーション・サーバでは利用できない点です。

データ・サーバの正常状態

データ・サーバの正常状態では、アプリケーション・サーバの接続は正常です。接続を受け入れる側の処理ではどの時点でも、アプリケーション・サーバがデータ・サーバとの接続を切断した場合 (データ・サーバ自体のシャットダウン・シーケンスの場合は除く)、データ・サーバは未実行のトランザクションをロールバックし、そのアプリケーション・サーバからのロックを解除し、そのアプリケーション・サーバとの接続を “アイドル” 状態である解放状態にします。

データ・サーバの障害状態

アプリケーション・サーバが応答していない場合、データ・サーバは、障害状態を示します。データ・サーバがクラッシュまたはシャットダウンした場合、サーバはクラッシュやシャットダウン時点でアクティブであった接続を記憶しています。再起動後、データ・サーバは、アプリケーション・サーバがセッション (ロックおよび開いているトランザクション) を再要求するまで、短時間待機します (通常は 30 秒)。このリカバリ待機時間中に、アプリケーション・サーバが完全にリカバリできなかった場合、その接続にある未実行の作業はすべてロールバックされ、接続は “アイドル” 状態に置かれます。

データ・サーバのリカバリ状態

データ・サーバの接続は、アプリケーション・サーバがそのセッションの再要求プロセスにある間、ごく短時間、リカバリ状態となります。データ・サーバは、接続を再要求できるようにアプリケーション・サーバを [トラブル状態の時間間隔] のタイムアウト期間の間 (既定値は 60 秒) 障害状態に保ちます。接続が再要求されない場合、データ・サーバはアプリケーション・リソースを解放 (開いているトランザクションすべてをロールバックし、ロックを解放) し、状態を解放に設定します。

ECP 接続処理

アプリケーション・サーバ上の [ECPデータサーバ] ページ ([システム管理][構成][接続性][ECP設定] の順に選択して、[データサーバ] ボタンをクリック) で、ECP 接続のステータスを変更できます。各データ・サーバの行で、[状態の変更] をクリックし、接続情報を表示して、以下の中から適切な操作を実行します。

「無効」に変更

接続の状態を「無効」に設定します。これにより、アプリケーション・サーバに設定されているロックを解放し、接続に関連するオープン・トランザクションをロールバックし、データ・サーバからキャッシュされたブロックを消去します。これがアクティブな接続である場合、状態の変更によって、データ・サーバからのネットワーク応答を待機しているすべてのアプリケーションにエラーが送信されます。

「正常」に変更

接続の状態を「正常」に設定します。

「未接続」に変更

接続の状態を「未接続」に設定します。状態を [無効] に変更する場合と同様に、これにより、アプリケーション・サーバに設定されているロックが解放され、接続に関連するオープン・トランザクションがロールバックされ、データ・サーバからキャッシュされたブロックが消去されます。これがアクティブな接続である場合、状態の変更によって、データ・サーバからのネットワーク応答を待機しているすべてのアプリケーションにエラーが送信されます。

関連項目

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