ピボット・テーブルのカスタマイズ
ここでは、Business Intelligence ピボット・テーブルをさらにカスタマイズする方法を説明します。
"BI サンプルのアクセス方法" も参照してください。
ピボットのオプションの指定
[ピボット・オプション] ダイアログ・ボックスには、ピボット・テーブルをカスタマイズするためのさまざまな方法が用意されています。このダイアログ・ボックスにアクセスするには、ピボット・オプション・ボタン をクリックします。アナライザには以下のように表示されます。
ここでは次の操作を実行できます。
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ピボット・テーブルを縞模様でフォーマットします。[縞模様] を選択すると、テーブルは以下のように、行が交互に別々の色でフォーマットされます。
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行のキャプションを削除します。そのためには、[行キャプション] をクリアします。
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そのピボット・テーブルに使用するリストを指定します。そのためには、[リスト] ドロップダウン・メニューからリストを選択します。
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このピボット・テーブルのリストに含めるレコードの最大数を指定します。そのためには、[リストの最大行数] の値を指定します。既定値は 1000 です。
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カスタムの色とフォント・スタイルを適用します。そのためには、[行オプション]、[列オプション]、または [セル・オプション] のドロップダウンを使用します。以下はその例です。
このスタイル定義では、フォントに 12 ポイントの青色 Verdana、背景色に薄緑が指定されています。また、テキストは太字で、中央揃えに配置されます。
セルの背景に対するカスタムの色を [セル・オプション] で指定すると、[縞模様] オプションは無視されます。
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ラベルを結合するかどうかを制御するには、[ラベルの結合] オプションを使用します。
テーブルを入れ子形式で表示すると、ラベルは既定で結合されます。以下はその例です。
代わりに関連ラベルを以下のように繰り返すことができます。
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空の行と列を表示するかどうかを制御するには、[空の表示] オプションを使用します。
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データ・セルのサイズを制御します。そのためには、幅をピクセル単位で [幅] に、高さをピクセル単位で [高さ] に入力します。
変更を行うと、[プレビュー] 領域が更新され、変更が反映されます。以下はその例です。
キューブに対して %SQLRESTRICT ディメンジョンを有効にしている場合、[SQL 制限] フィールドが表示されます。現在のピボット・テーブルに対して SQL 制限を適用したい場合は、有効な SQL SELECT 文または WHERE 節を入力します。詳細は、"InterSystems MDX リファレンス" の "%FILTER 節" のセクションを参照してください。
ピボット・テーブルの項目のカスタマイズ
アナライザでは、[行]、[列] および [メジャー] ボックス内の各項目の横に詳細オプションのボタン が表示されます。[行] および [列] ボックスにも同じボタンが用意されています。
以下はその例です。
これらのボタンのいずれかをクリックすると、以下のようなダイアログ・ボックス (ここでは上部のみ示します) やそのバリエーションが表示されます (メジャーの場合は詳細が異なります)。
以下のセクションでは、可能な変更について説明します。
フォーマットは、複数の場所で指定することができます。さまざまなフォーマットを指定する場合、使用されるフォーマット・オプションは以下の規則によって制御されます。
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可能な限り、すべてのフィーマットが使用されます。例えば、行に使用する書体と列に使用する色を指定する場合、フォーマット・オプションはどちらも適用されます。
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ピボット・テーブルのメジャーに指定されたフォーマットは、他の場所に指定されたフォーマットより優先されます。
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列に指定されたフォーマットは、行またはピボット・テーブル全体に指定されたフォーマットより優先されます。
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行に指定されたフォーマットは、ピボット・テーブル全体に指定されたフォーマットより優先されます。
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ピボット・テーブルで指定されたフォーマットは、メジャー定義で指定されたフォーマットより優先されます (他のモデル要素にはフォーマット・オプションはありません)。
定数の行または列の表示
選択されている項目ではなく定数値を表示できます。そのためには、以下の操作を実行します。
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項目の横の詳細オプションのボタン をクリックします。
"ピボット・テーブルの項目のカスタマイズ" を参照してください。
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[値] をクリックします。
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[値] に値を入力します。以下はその例です。
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[OK] をクリックします。
また、別のキャプションを指定する場合は、このページで後述する "新しいキャプションの指定" を参照してください。
スペースの行または列の指定
選択されている項目ではなくスペースの行または列を表示できます。そのためには、以下の操作を実行します。
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項目の横の詳細オプションのボタン をクリックします。
"ピボット・テーブルの項目のカスタマイズ" を参照してください。
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[スペース] をクリックします。
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[OK] をクリックします。
以下に例を示します。
このピボット・テーブルでは、[行] 定義は以下のようになります。
行または列の別のセットの表示
選択されている項目ではなく別のセットの要素を表示できます。そのためには、以下の操作を実行します。
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項目の横の詳細オプションのボタン をクリックします。
"ピボット・テーブルの項目のカスタマイズ" を参照してください。
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[詳細] をクリックします。
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[MDX 式] に、MDX セット式を入力します。
詳細は、"InterSystems MDX の使用法" を参照してください。
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[OK] をクリックします。
新しいキャプションの指定
新しいキャプションを指定する手順は以下のとおりです。
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[行] または [列] ボックスの項目の横またはヘッダ内にある詳細オプションのボタン を目的に応じてクリックします。
"ピボット・テーブルの項目のカスタマイズ" を参照してください。
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[キャプション] に値を入力します。
このキャプション内に元の名前を含める場合は、適切な位置にアスタリスク (*) を使用します。
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[OK] をクリックします。
以下はその例です。
この場合、[キャプション] は Group: * になります。
セルおよびヘッダのスタイルの指定
項目のセルおよびヘッダのスタイルを指定する手順は以下のとおりです。
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[行] または [列] ボックスの項目の横またはヘッダ内にある詳細オプションのボタン を目的に応じてクリックします。
"ピボット・テーブルの項目のカスタマイズ" を参照してください。
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[セルのスタイル] および [ヘッダのスタイル] グループの値を選択します。以下のように、これらのオプションによってセルおよびヘッダのスタイルを個々に指定できます。
これらのオプションを使用するには、各ドロップダウンをクリックして値を選択します。以下はその例です。
このスタイル定義では、ヘッダに 12 ポイントの青色 Verdana、背景色に薄緑が指定されています。また、ヘッダは太字で、中央揃えに配置されます。
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[OK] をクリックします。
メンバの並べ替えとフィルタ処理
レベルまたは名前付きセットのメンバは、さまざまな方法でフィルタ処理および並べ替えできます。そのためには、以下の操作を実行します。
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[行] または [列] ボックスのレベルまたは名前付きセットの横またはヘッダ内にある詳細オプションのボタン を目的に応じてクリックします。
"ピボット・テーブルの項目のカスタマイズ" を参照してください。
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以下のオプションを必要に応じて指定します。
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[メンバのフィルタ処理] — メジャー値によりメンバをフィルタ処理する場合に選択します。次に、メジャーと比較演算子を選択し、値を入力します。
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[メンバの並べ替え] — メンバを並べ替える場合に選択します。次に、並べ替えのキーとなるメジャーを選択します。[昇順] または [降順] をクリックして、メンバの並べ替え方法を制御します。
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[メンバの最初の n 個を返す] — セットの先頭からサブセットを選択する場合に選択します。次に、[カウント] に整数を入力します。
このオプションを使用すると、[メンバのフィルタ処理] オプションと [メンバの並べ替え] オプションで指定した設定が最初に使用されます。
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[OK] をクリックします。
メジャーの別の集約メソッドの指定
ピボット・テーブルの任意のセルで、各メジャーが最下位レベルのデータから集約されます。集約メソッドには、合計、平均、最大値などがあります。既定では、システムはメジャー定義で指定されている集約メソッドを使用します。また、別のメソッドを指定することもできます。
同様に、集計行または集計列を追加する場合は、表示されている値をその集計行または集計列の 1 つの数値に集約する方法を指定します。また、この場合も別のメソッドを指定することができます。
メジャーの別の集約メソッドを指定する手順は以下のとおりです。
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メジャーの横の詳細オプションのボタン をクリックします。
"ピボット・テーブルの項目のカスタマイズ" を参照してください。
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以下のオプションのいずれかまたは両方を指定します。
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[メジャー集計] では、データ内の一連の値からこのメジャーを集約する方法を指定します。
選択肢は、[合計]、[平均]、[最小]、[最大]、および [カウント] です。
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[オーバーライドの合計] では、集計行または集計列の表示されているメジャー値の集約方法を指定します。
選択肢は、[合計]、[カウント]、[最小]、[最大]、[平均]、[合計の %]、および [なし] です。
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[OK] をクリックします。
このドキュメント内で前述の "集計行または集計列の追加" も参照してください。
ダブルクリック・ドリルダウンのカスタマイズ
既定では、ピボット・テーブルで行をダブルクリックすると、階層内の最下位の直上レベルがある場合はそこにドリルダウンできます (このドキュメントで後述の "ダブルクリックによるドリルダウン" を参照)。この動作をカスタマイズできます。そのためには、以下の操作を実行します。
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[行] ボックスのヘッダにある詳細オプションのボタン をクリックします。
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[ドリルダウン・オプション] グループが非表示になっている場合は、これを展開して表示します。
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[ドリルダウン式] に、1 つ以上の MDX セット式を 1 行につき 1 つ指定します。以下はその例です。
colord.h1.[favorite color].members
gend.h1.gender.members
MDX セット式を指定するには、以下のいずれかの操作を行います。
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[ドリルダウン式] に式を直接入力します。改行を使用して、項目間に必要な改行を確立します。
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Expression Builder を使用します。このツールにアクセスするには、[ドリルダウン式] の横にあるプラス記号 をクリックします。左側の領域には、すべてのメジャーおよびレベルを含むキューブのコンテンツがリストされます。右側の領域には、作成している式が表示されます。項目を式に追加するには、項目を左側の領域から式にドラッグ・アンド・ドロップします。項目は、式の最後に追加されますが、式の別の部分に移動することも可能です。
式に項目を追加するたびにプラス記号をクリックします。プラス記号 (改行ではなく) を使用すると、表現ビルダにより、項目間に必要な改行が確立されて保持されます。
通常は [dimension].[hierarchy].[level].MEMBERS の形式のセット式を使用します。この場合の dimension はディメンジョンの論理名、hierarchy は階層の論理名、level はレベルの論理名になります。この式は、所定のレベルのメンバを表します。
これらの識別子にスペースが含まれていない場合は、角括弧を省略できます。また、式では、大文字と小文字は区別されません。
最初のセット式は、ユーザが最初にダブルクリックしたときに何が起きるかを制御します。具体的には、ユーザが最初にダブルクリックすると、システムは、このセット式を行に使用して所定のコンテキストにフィルタされる新しいクエリを作成します。
さらに、2 番目の式は、ユーザが 2 回目にダブルクリックしたときに何が起こるかを制御します。3 番目以降の式も同様になります。
[ドリルダウン式] オプションは、このピボット・テーブルの他のすべてのドリルダウン動作をオーバーライドします。つまり、レベルが階層にある場合、このピボット・テーブルでは階層ドリルダウン動作は起こりません。
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[OK] をクリックします。
[Disable drilldown] : このドリルダウン表現を無効にする (ただし保持する) 場合は、[Disable drilldown] チェック・ボックスにチェックを付けます。[OK] をクリックします。これにより、このピボット・テーブルで行をダブルクリックしたときに、このドリルダウン表現が使われなくなります。また、ドリルダウン表現が変更されることも防ぎます。ドリルダウン表現を再度有効化するには、[Disable drilldown] チェック・ボックスのチェックを外します。
ドリルダウン表現の例は、このドキュメントで後述する "カスタムのダブルクリック・ドリルダウン" を参照してください。
Note:
[列] ボックスのヘッダの詳細オプションのボタン でも、同じオプションを使用できます。このオプションは既定では無視されますが、(転置ボタン を使用して) テーブルをピボット (回転) させてから、ダブルクリック・ドリルダウンを実行すると使用されます。
印刷設定の指定
指定されたピボット・テーブルの印刷オプションを指定する手順は以下のとおりです。
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アナライザでそのピボット・テーブルを表示します。
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印刷オプション・ボタン をクリックします。
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[印刷設定] をクリックします。
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"ダッシュボードの作成" の "ウィジェットの印刷設定のカスタマイズ" の説明に従ってオプションを指定します。
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[OK] をクリックします。
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このピボット・テーブルを保存します。
印刷のコメントについては、このドキュメントで後述の "ピボット・テーブルの印刷" を参照してください。
ダッシュボードを作成するとき、ダッシュボードで印刷設定も指定できます。"ダッシュボードの作成" の "ウィジェットの印刷設定のカスタマイズ" を参照してください。
MDX クエリの手動指定
場合によっては、システムがピボット・テーブルに生成する MDX クエリを確認してから修正すると便利です。そのためには、以下の操作を実行します。
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クエリ文字列ボタン をクリックします。
システムによってダイアログが表示され、このピボット・テーブルで使用されるクエリが表示されます。
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異なるクエリを使用する場合、[手動モード] をクリックします。
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クエリを編集します。次のサブセクションの例を参照してください。
詳細リストを既に表示している場合は、以下に示すように、このダイアログ・ボックスの下部領域にシステムが使用したリスト・クエリも表示されます。
-
[OK] をクリックします。
手動で編集または手動で入力した MDX クエリで定義されたピボット・テーブルをアナライザで表示すると、クエリ文字列ボタンは のように変更されます。また、[行]、[列]、および [メジャー] のボックスはグレー表示されます。ローカルで定義された計算メンバは使用できません。ただし、適切な WITH 節もクエリに追加した場合を除きます。ただし、項目を [フィルタ] ボックスにドラッグできます。システムは、これらのフィルタを適用しますが、手動クエリ・テキストは変更しません。つまり、ベース・クエリとそのフィルタはピボット・テーブル定義内に別々に格納されます。
Tip:
また、クエリ文字列オプションを使用して、このクエリをコピーして貼り付けることができます (例えば、MDX シェルで使用するため)。
80/20 抑制オプションの詳細の変更
80/20 抑制オプションを使用した場合の MDX クエリの例を以下に示します (見やすくするために改行を追加してあります)。
SELECT
NON EMPTY {[Measures].[Amount Sold],[Measures].[Units Sold],[Measures].[%COUNT]}
ON 0,
NON EMPTY
{TOPPERCENT([Product].[P1].[Product Name].Members,80),
%LABEL(SUM(BOTTOMPERCENT([Product].[P1].[Product Name].Members,20)),"Other",,,,"font-style:italic;")}
ON 1
FROM [HoleFoods]
TOPPERCENT および BOTTOMPERCENT 関数について以下に説明します。
-
最初の引数は、使用するメンバのセットを指定します。
-
2 番目の引数は、パーセンテージを指定します。
-
3 番目の引数 (前述の例では省略) は、メンバのランキングに使用するメジャーを指定します。
パーセンテージを変更するには、TOPPERCENT と BOTTOMPERCENT の 2 番目の引数を変更します。以下はその例です。
SELECT
NON EMPTY {[Measures].[Amount Sold],[Measures].[Units Sold],[Measures].[%COUNT]} ON 0,
NON EMPTY
{TOPPERCENT([Product].[P1].[Product Name].Members,90),
%LABEL(SUM(BOTTOMPERCENT([Product].[P1].[Product Name].Members,10)),"Other",,,,"font-style:italic;")}
ON 1
FROM [HoleFoods]
MDX の詳細は、"InterSystems MDX の使用法" および "InterSystems MDX リファレンス" を参照してください。