PDF 出力向け InterSystems IRIS の構成
Business Intelligence から PDF 出力する場合、InterSystems IRIS® は Java を使用してサードパーティの PDF レンダリング・ツールを呼び出します。このレンダリング・ツールは XSLT スタイルシートを XML データに適用して、XML を XSL-FO に変換します。最終的に、XSL-FO を PDF に変換します。
InterSystems IRIS のインストールには、既定の PDF レンダリング・エンジンとして Apache FOP のバージョンが付属しています。また、RenderX の XEP PDF など、別のレンダリング・エンジンを使用することも、Apache から FOP をダウンロードすることも可能です。
組み込みの PDF レンダリング・エンジンの使用法
PDF のレンダリング・プロセスは、規定の構成手順を実行している場合にのみ機能します。このセクションでは、組み込みの FOP の構成について説明します。代替の PDF レンダラの構成の詳細は、"他のレンダリング・エンジンの使用法" のセクションを参照してください。
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Java 仮想マシン (JVM) がまだインストールされていない場合は、このツールをダウンロードしてシステムにインストールします。JVM は、このバージョンの InterSystems IRIS でサポートされる Java ランタイム環境 (JRE) および Java Developers Kit (JDK) に含まれているため、これらのツールのいずれかを使用している場合、JVM は既にインストールされています。あるいは、いずれかのサポート対象バージョンの OpenJDK をインストールして使用することもできます。
InterSystems IRIS が Java を検出できるようにするために、JAVA_HOME 環境変数を定義して、この環境変数に、Java をインストールした場所を設定する必要があります。JAVA_HOME については、Java ドキュメントを参照してください。
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ユーザ特権が正しく設定されていることを確認する必要があります。PDF 出力を生成するには、ユーザは、%System_CallOut:USE 特権を持つユーザ・アカウントにログインしている必要があります。
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以下の Apache FOP Web サイトの資料で説明されているように、組み込みの FOP 用にカスタム構成ファイルを作成できます。
http://xmlgraphics.apache.org/fopOpens in a new tab
カスタム構成ファイルを使用するために、InterSystems IRIS から FOP を呼び出す場合は、グローバル ^%SYS("zenreport","transformerconfig") を、この構成ファイルへのパスに設定します。FOP にフォントを追加するには、構成ファイルが重要です。まず、フォント・メトリックを作成し、これを FOP に登録する必要があります。この手順は、Apache FOP Web サイトで説明されています。
FOP 構成ファイル fop.xconf を変更すると、InterSystems IRIS は、そのファイルの上書きコピーを実行しません。InterSystems IRIS ディストリビューションに付属の FOP 構成ファイル名は fop.xconf_dist です。fop.xconf ファイルが何らかの理由で破損した場合には (パラメータ USEINSTALLEDFOP が 0 に設定されていない状態で RenderX を実行し、ファイルが削除された場合など)、fop.xconf_dist を fop.xconf にコピーすることで、InterSystems IRIS と共に配布されたものと同じ状態にファイルを戻すことができます。
Note:
PDF レンダリングは大量のメモリを使用する場合があります。問題が発生した場合は、FOP.bat ファイルまたは XEP.bat ファイルを編集して、Java 仮想マシンで使用できるメモリの量を増やします。この方法については、使用している製品に付属のドキュメントを参照してください。
他のレンダリング・エンジンの使用法
Apache FOP の特定バージョンが、InterSystems IRIS と共にインストールされます。別の PDF レンダリング・ツールを使用する場合は、以下の追加の構成手順を実行する必要があります。
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XSL-FO を PDF としてレンダリングするツールをインストールします。次の 2 種類のツールが使用できます。
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レンダリング・ツールを起動するコマンド・ファイルのフルパス名を使用して、InterSystems IRIS を構成します。Windows または UNIX® の XEP または FOP については、手順 1 の説明に従ってツールをインストールしていると、このコマンド・ファイルがシステム上のツールのインストール・ディレクトリの下 (例えば、Windows の場合は C:\fop-0.95\fop.bat、UNIX® の場合は /fop-0.95/fop) に存在することでわかります。
この構成を実行するには、[システム管理]→[構成]→[レポート・サーバ]→[設定] に移動して、以下の変更を加えます。
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[PDF生成に使用されるパスとファイル名:] — 実行可能ファイルのパスを入力します。[参照] をクリックし、コマンド・ファイルを見つけて選択します。
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[Pdfprint の Foxit / Adobe のパス:] — このフィールドは無視してください。
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[PDF レンダリング・エンジンの構成ファイル:] — このフィールドはオプションです。[使用] または [なし] を選択します。[使用] を選択する場合は、FOP 構成ファイルのパスを入力します。FOP 構成ファイルを指定しない場合、FOP レンダリング・ツールは、組み込みの FOP に付属の構成ファイルを使用します。
XEP レンダリング・ツールを使用している場合は、このフィールドにパスを入力しないでください。XEP レンダリング・ツールは、ここで指定されているファイルを長さ 0 に切り捨てます。[参照] をクリックし、構成ファイルを見つけて選択します。
ツール・プロバイダの Web サイトで説明されているとおり、カスタム構成ファイルを作成できます。XEP にカスタム構成ファイルを指定するには、XEP のマニュアルに従う必要があります。
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[既定の HotJVM レンダリング・サーバ・ポート] — HotJVM レンダリング・サーバを実行しているポート番号を入力します。
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[検証する] — レンダリング・ツールが正しく構成されているかどうかをテストするには、このボタンをクリックします。
または、ターミナルを起動し、対応するグローバル・ノードを設定することもできます。例えば、レンダリング・ツールの実行可能ファイルを設定するには、以下を入力します。
Set ^%SYS("zenreport","transformerpath")="/Applications/fop-0.95/fop.bat"
同様に、構成ファイルを設定するには、^%SYS("zenreport","transformerconfig") を構成ファイルのパスに設定します。
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既定の動作では、管理ポータルの [レポート設定] ページで代替レンダリング・ツールを設定していない限り、インストールされている FOP が使用されます。
Note:
FOP バージョン 0.94 以前を使用している場合、古いバージョンの FOP がレンダリング・ツールであることを指定するために、フラグを設定する必要があります。そのためには、ターミナルで以下のコマンドを入力します。
set $namespace = "%SYS"
set ^%SYS("zenreport","oldfop")=1