計画的メンテナンスを実施するには、フェイルオーバー・メンバのいずれかで InterSystems IRIS インスタンスをシャットダウンするか、もしくはそのインスタンスをホストしているシステム全体をシャットダウンする必要がある場合があります。これを実行する状況としては、以下のようなものがあります。
計画的または計画外のフェイルオーバー・メンバの停止により、どのバックアップ・フェイルオーバー・メンバも使用できない場合、必要に応じて、DR 非同期メンバをフェイルオーバー・メンバに昇格させて、プライマリ障害時に発生するデータベース・アクセスの中断やデータ損失の可能性から保護できます。DR 非同期メンバのバックアップ・フェイルオーバー・メンバへの一時的昇格に関する詳細は、"昇格した DR 非同期によるフェイルオーバー・メンバの一時的置き換え" を参照してください。
バックアップ・フェイルオーバー・メンバのメンテナンス
バックアップ・フェイルオーバー・メンバの InterSystems IRIS インスタンスを停止する必要がある場合、バックアップのインスタンスで適切なシャットダウンを実行できます。これによって、プライマリの機能が影響を受けることはありません。 バックアップ・インスタンスが再起動すると、このインスタンスは自動的にバックアップとして再びミラーに加わります。
ただし、バックアップのホストがシャットダウンされていて、そのためにバックアップの ISCAgent に通信できないときに、プライマリの InterSystems IRIS インスタンスが (何らかの理由で) 再起動された場合、そのプライマリは、再起動後にプライマリになることはできません。自身が最新プライマリだったかどうかを判断できないからです。バックアップのホスト・システムをシャットダウンする必要がある場合は、以下の手順を使用して、このリスクをなくすことができます。
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"DR 非同期へのバックアップの降格" で説明しているように、バックアップ上で、バックアップを DR 非同期に降格します。
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前のバックアップ・インスタンスとそのホスト・システムをシャットダウンし、メンテナンス作業を完了して、そのメンバを DR 非同期として再起動します。
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"DR 非同期メンバのフェイルオーバー・メンバへの昇格" の説明に従って、以前のバックアップを DR 非同期からフェイルオーバー・メンバに昇格し、元のロールにリストアします。
バックアップが降格された後でプライマリを再起動すると、それは自動的にプライマリになります (プライマリの状態を維持します)。
バックアップをシャットダウン前に降格せず、バックアップのエージェントが利用できない間にプライマリの InterSystems IRIS インスタンスを再起動する必要が生じた場合、"両方のフェイルオーバー・メンバの計画外停止" の手順に従います。
プライマリ・フェイルオーバー・メンバのメンテナンス
プライマリ・フェイルオーバー・メンバの InterSystems IRIS インスタンス、またはホスト・システムを停止する必要がある場合、最初にバックアップへの適切なフェイルオーバーを行うことができます。バックアップがアクティブなときに ("ミラー同期" を参照してください)、プライマリの InterSystems IRIS インスタンスで適切なシャットダウンを実行します。自動フェイルオーバーがトリガされ、バックアップはプライマリとして引き継ぎをします。
メンテナンスが完了したら、旧プライマリの InterSystems IRIS インスタンス、またはホスト・システムを再起動します。InterSystems IRIS インスタンスが再起動すると、このインスタンスは自動的にバックアップとしてミラーに加わります。旧プライマリを元のロールに戻す場合、この手順 (バックアップの InterSystems IRIS インスタンスでの適切なシャットダウン実行によりフェイルオーバーをトリガした後、このインスタンスを再起動する) を繰り返すことができます。