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システム情報の構成

InterSystems IRIS では、構成パラメータ・ファイル (CPF) と呼ばれるファイルにシステム全体の構成情報を格納します。このファイルは、InterSystems IRIS インスタンスの構成可能なほとんどの設定を含んでいるため、重要なツールです。既定の CPF はすべてのインスタンスで導入され、インストール・ディレクトリに配置されます。CPF は、テキスト・エディタで直接変更することも、管理ポータルまたはターミナルから間接的に変更することもできます。UNIX® および Linux では、構成マージ・ファイルを指定することにより、導入時に CPF をカスタマイズすることもできます。InterSystems IRIS は、最初にインスタンスを起動する前に、このファイルを使用して既定の CPF を更新します。CPF とそのパラメータの詳細は、"構成パラメータ・ファイル・リファレンス" の “構成パラメータ・ファイルの概要” の章を参照してください。構成マージ機能の詳細は、"構成マージを使用した InterSystems IRIS の自動構成Opens in a new tab" を参照してください。

新たにインストールしたインスタンスでは、いくつかの開始設定を変更する必要があります。その他の設定については再確認してください。このセクションでは、最初に検討する以下の設定について説明します。

メモリと開始設定

初めて InterSystems IRIS をインストールした場合は、さまざまな構成設定の中でも特に、メモリ割り当てを確認し、調整する必要があります。InterSystems IRIS インスタンスのメモリの使用方法を決定する際に必要になるアクションは主に次の 3 つです。

Important:

データベースおよびルーチンのキャッシュ・メモリの割り当ては、InterSystems IRIS の最初のインストール時に [自動] に設定されます。この設定では、InterSystems IRIS は物理メモリ合計の 25% をデータベース・キャッシュ (グローバル・バッファ) に割り当てます。

この設定は、実稼働環境での使用には適していません。InterSystems IRIS のインスタンスのルーチン・キャッシュとデータベース・キャッシュおよび共有メモリ・ヒープへのメモリ割り当てのガイドラインは、"InterSystems IRIS 共有メモリの構成" を参照してください。

[メモリと開始設定] ページには、メモリ設定の他に以下の設定が含まれています。

  • システム開始時に自動開始 — Windowsシステムの場合、InterSystems IRIS インスタンスは、既定で、ホスト・システムの開始時に自動的に開始されるように構成されています。このチェック・ボックスのチェックを外すことにより、この動作を変更し、システムの開始時にこのインスタンスが自動的に開始されないようにすることができます。

    UNIX® システムの場合、InterSystems IRIS はこのオプションを提供していないので、ホスト・システムが再起動しても InterSystems IRIS は再起動しません。ホスト・システムの再起動に伴って InterSystems IRIS も再起動できるようにするには、使用している環境に合わせて OS レベルのスクリプトを使用します。

    Note:

    ホスト・システムがダウンしているとき、ホスト・システムと共に IRIS が起動しないようにすることが必要な場合もあります (例えば、リストア中である場合)。これは、OS レベルでのみ設定でき、手順は構成によって異なります。

  • スーパーサーバポート番号 — スーパーサーバ・ポートは、InterSystems IRIS インスタンスが着信するクライアント要求を受け入れるために使用する TCP ポートです。この設定の変更 (多くのクライアントがこのポートを使用してこのインスタンスに接続するよう構成している可能性があるため、この変更は慎重に行う必要があります) は、インスタンスを再起動するまで適用されません。

  • システムモード — 管理ポータルのヘッダに表示されるラベルを入力するか、ドロップダウン・リストからいずれかを選択することができます。

[保存] をクリックして、これらの設定に対する変更を保存します。

Important:

このページで実行する変更には、InterSystems IRIS の再起動が必要なものと、必要でないものがあります。再起動が必要な設定を変更し、それを含めた複数の変更を保存した場合、それらはすべて (それ自体、再起動が必要でない変更であっても)、InterSystems IRIS を再起動するまで適用されません。再起動が必要な場合は、「変更が保存されました。新しい値を有効にするにはシステムを再起動する必要があります。」というメッセージが表示されます。ページを閉じると再起動が必要であることを知らせる警告メッセージは再表示されないため、直ちにインスタンスを再起動することをお勧めします。

データベース・キャッシュおよびルーチン・キャッシュへのメモリの割り当て

データベース・キャッシュは、データをバッファリングする目的で割り当てるシステム・メモリであり、グローバル・バッファ・プールと呼ばれることもあります。ルーチン・キャッシュは、ルーチンをバッファリングする目的で割り当てるシステム・メモリです。

InterSystems IRIS を初めてインストールすると、データベース・キャッシュの構成は [初期] に設定されます。この設定では、全システム物理メモリの 25% がデーベース・キャッシュ (グローバル・バッファ) に割り当てられます。この設定は、実稼働環境での使用には適していません。実稼働環境での使用にシステムをデプロイする前、または実稼働環境での使用のシミュレーションを目的としたテストやベンチマーキングを実行する前に、以下の手順に従って、データベース・キャッシュに適したメモリ割り当てを手動で作成する必要があります。

ルーチン・キャッシュの構成は既定で [自動] に設定されています。この設定では、バッファ・サイズを既定の 8 KB としたデータベース・キャッシュの 10% に等しいメモリ量がルーチン・キャッシュに割り当てられます。ただし、80 MB を最小値、1020 MB を最大値とします。一般的な実稼働環境でのインスタンスでは、データベース・キャッシュを適切に構成していれば、ルーチン・キャッシュへの割り当ては自動割り当てで十分です。しかし、個々の用途に理想的な割り当ては多くの要因に左右されるので、最適なパフォーマンスを実現するには割り当ての調整が必要になることもあります。

InterSystems IRIS のインスタンスでデータベース・キャッシュやルーチン・キャッシュなどにメモリを割り当てるためのガイドラインは、"メモリ要件の見積もりOpens in a new tab" を参照してください。

データベース・キャッシュとルーチン・キャッシュにメモリを割り当てるには以下の手順に従います。

  1. 管理ポータルで、[メモリと開始設定] ページ ([システム管理][構成][システム構成][メモリと開始設定]) に移動します。

  2. [データベースキャッシュ(グローバルバッファ)を構成] で、[量の指定] を選択してデータベース・キャッシュへのメモリ割り当て量 (MB) を入力します。

    [開始設定] ページ ([システム管理][追加設定][開始]) の DBSizesAllowed 設定を使用してデータベースのブロック・サイズに既定の 8 KB 以外を有効にしている場合は、有効にしているブロック・サイズごとの割り当て量を入力します。ブロック・サイズごとのメモリ範囲がページに表示されます。ブロック・サイズと利用可能なバッファの最大数は、どちらもパフォーマンスに影響します。特定のブロック・サイズで InterSystems IRIS によって作成されるグローバル・バッファの数を判断するには、ブロック・サイズへの割り当て量をブロック・サイズで除算します。アプリケーションに適したブロック・サイズ選択のガイドラインについては、"ラージ・ブロック・サイズに関する考慮事項" を参照してください。

    Important:

    大規模な ECP システムを構成する場合、ECP 経由で 8 KB ブロックを提供する 8 KB バッファに加え、この構造に最低でも 50 MB の 8 KB バッファを割り当ててください。詳細は、"スケーラビリティ・ガイド" の “InterSystems 分散キャッシュによるユーザ数に応じたシステムの水平方向の拡張” の章にある "ECP 制御構造用のデータ・サーバ・データベース・キャッシュの増大" を参照してください。

  3. [ルーチンキャッシュを構成] では、バッファ・サイズを既定値の 8 KB としたデータベース・キャッシュの 10% に等しいメモリ量が割り当てられる既定の設定である [自動] をそのまま使用できるほか、[量の指定] を選択してルーチン・キャッシュの割り当てを MB 単位で入力することもできます。

データベース・キャッシュとルーチン・キャッシュの指定方法の詳細は、"構成パラメータ・ファイル・リファレンス" の "globals" と "routines" を参照してください。

プロセス当たりの最大メモリの設定

[メモリと開始設定] ページの [プロセスあたりの最大メモリ (KB)] 設定は、この InterSystems IRIS インスタンスで実行される新規プロセスに割り当てることのできる最大メモリを指定します。有効値の範囲は、256 KB から 2,147,483,647 KB です。既定値は、bbsiz パラメータの初期値です。ほとんどの状況で、これは -1 (これは最大値に解決されます) に設定することをお勧めします。

Note:

この値は、既定値未満に設定していない限り、設定し直す必要はありません。<STORE> エラーが報告された場合は、サイズを増やして、エラーが発生したプロセスを再起動します。

シンボル・テーブル割り当ておよびその他メモリ要件 (I/O デバイス・アクセス構造体やバッファなど) で使用するプロセス・プライベート・メモリは、アプリケーションにおける必要性に応じて指定された最大値に達するまで増加します。一度プライベート・メモリがプロセスに割り当てられると、プロセスが終了するまで、その割り当ては解除されません。

プログラムによって設定を変更する方法を含め、この設定の詳細は "bbsiz" を参照してください。InterSystems IRIS のプロセス・メモリの詳細は、"インターシステムズ製品のプロセス・メモリ" を参照してください。

共有メモリ・ヒープ (gmheap) の構成

共有メモリ・ヒープは、ルーチン・キャッシュとデータベース・キャッシュ以外の目的で InterSystems IRIS によって使用されるメモリです。この設定は、[メモリと開始設定] ページにはありません。gmheap の構成は、[メモリ詳細] ページ ([システム管理][構成][追加の設定][メモリ詳細]) またはプログラムで実行できます。詳細は、"構成パラメータ・ファイル・リファレンス" の "gmheap" を参照してください。

gmheap で使用されているメモリと使用できるメモリの詳細を確認するには、[共有メモリヒープ使用状況] ページ ([システムオペレーション][システム使用]) に移動し、[共有メモリヒープ] リンクをクリックします。詳細は、"監視ガイド" の “管理ポータルを使用した InterSystems IRIS の監視” の章で "共有メモリ・ヒープ使用状況" を参照してください。

アプリケーションで多数の SQL クエリを使用する場合、または並列デジャーナリングを有効にすることを計画している場合は、追加メモリを gmheap に割り当てる必要があります。詳細は、"並列クエリ処理の構成" の "共有メモリの考慮事項"、および "並列デジャーナリングのシステム要件" を参照してください。

IPv6 のサポート

[開始設定] ページ ([システム管理][構成][追加設定][開始]) に移動し、[IPv6] 行で [編集] をクリックすることで、InterSystems IRIS での IPv6 アドレスの使用を有効または無効にできます。[IPv6] を選択すると、このオプションが有効になります。

Note:

このオプションは、この InterSystems IRIS インスタンスが接続されているネットワークが IPv6 アドレスを許可している場合にのみ表示されます。

IPv6 を有効にすると、InterSystems IRIS で、IPv6 アドレス、IPv4 アドレス、および DNS 形式のアドレス (ホスト名、ドメイン修飾子ありおよびなし) が受け入れられ、IPv6 を無効にすると、InterSystems IRIS で受け入れられるアドレスが IPv4 アドレス、および DNS 形式のアドレスのみになります。

ドットで区切られた十進数形式の IPv4 アドレス (例 : 192.29.233.19) が指定されている場合は IPv4 接続が試行され、コロンで区切られた IPv6 アドレス (例 : 2001:fecd:ba23:cd1f:dcb1:1010:9234:4085) が指定されている場合は IPv6 接続が試行されます。DNS 名 (例 : mycomputer.myorg.com) が指定されている場合は、実際の IP アドレスに解決されます。初めに IPv4 接続が試行され、IPv4 接続が確立できない場合は IPv6 接続が試行されます。

InterSystems IRIS では DNS、IPv4、および IPv6 形式でインターネット・アドレスを指定できます。例えば、“localhost”、127.0.0.1、::1 は、ループバック・アドレスのそれぞれの形式の表現です。IPv6 アドレスの詳細は、以下の Internet Engineering Task Force ドキュメントを参照してください。

IPv6 アドレスも、(現在のプロセスの場合は) %SYSTEM.ProcessOpens in a new tab クラスの IPv6FormatOpens in a new tab メソッド、(システム全般の場合は) Config.StartupOpens in a new tab クラスの IPv6Opens in a new tab メソッドを使用して確認し、制御できます。

InterSystems IRIS インスタンスが IPv4 ネットワークを使用していても、指定された IPv6 アドレスに有効な IPv4 の等価なアドレスがあれば、さまざまなサービスの入力として IPv6 アドレスを使用することもできます。このセクションの冒頭で使用したループバック・アドレスなどがその例です。"RFC 4291" では、さらにいくつかの形式について説明しています。そのため、接続されているネットワークで使用できるように指定されたアドレス形式を正しく変換できれば、各種 InterSystems IRIS サービスはエラーが発生することなく IPv4 または IPv6 アドレスのいずれかを受理できます。以下のすべての形式 (とその他いくつかの形式) は受理されます。

  • localhost (DNS)

  • 127.0.0.1 (IPv4)

  • ::FFFF:127.0.0.1 (IPv4 射影 IPv6 形式)

  • 0:0:0:0:0:0:0:1 (完全な IPv6)

  • ::1 (圧縮 IPv6)

これらはすべてループバック・アドレスの有効な表現です。

一般に、従来の InterSystems IRIS サービスに指定されたインターネット・アドレスを求められても、InterSystems IRIS はアドレス形式を変更しません。IPv4 または IPv6 形式で指定されたアドレスは、それぞれ IPv4 または IPv6 として返されます。唯一の例外として、ホスト名として指定され、ドメイン・ネーム・サーバ (DNS) で変換されたアドレスは、DNS が返す形式で返されます。

Note:

InterSystems IRIS では、IPv6 アドレスの指定にワイルドカード文字は使用できず、範囲による指定もできません。

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