Skip to main content

概要と前提条件

組み込み Python により、InterSystems IRIS アプリケーションをプログラミングするネイティブ・オプションとして Python を使用できるようになります。組み込み Python を使用するのが初めてである場合は、まず "組み込み Python の概要" を参照し、その後組み込み Python のより詳細な説明として、このドキュメントをお読みください。

このドキュメントは組み込み Python について学習する人すべてに役立ちますが、理解するうえで ObjectScript についてのある程度の知識を持っていることが望ましいでしょう。InterSystems IRIS および ObjectScript に不慣れな Python 開発者の場合、"サーバ側プログラミングの入門ガイド" も参照してください。

推奨される Python バージョン

組み込み Python の使用時に推奨される Python のバージョンは、実行しているプラットフォームによって異なります。ほとんどの場合は、お使いのオペレーティング・システムの Python の既定バージョンです。オペレーティング・システムと対応する Python のサポート対象バージョンの完全なリストは、"その他のサポート対象機能" を参照してください。

Note:

一部のオペレーティング・システムでは、フレキシブル Python ランタイム機能を使用して、推奨される Python バージョンをオーバーライドできます。

Microsoft Windows では、InterSystems IRIS インストール・キットによって、組み込み Python 専用の正しいバージョンの Python (現在は 3.9.5) がインストールされます。開発マシンを使用していて、Python を一般用途に使用したい場合は、この同じバージョンを https://www.python.org/downloads/Opens in a new tab からダウンロードしてインストールすることをお勧めします。

多くの UNIX ベースのオペレーティング・システムでは、既に Python がインストールされています。インストールする必要がある場合は、パッケージ・マネージャによりご使用のオペレーティング・システムに推奨されるバージョンを使用してください。以下に例を示します。

  • Ubuntu : apt install python3

  • Red Hat Enterprise Linux または Oracle Linux : yum install python3

  • SUSE : zypper install python3

  • macOS : HomebrewOpens in a new tab を使用して Python 3.11 をインストールします。

    brew install python@3.11

    また、OpenSSL の最新バージョンを使用していることも確認してください。

    brew unlink openssl
    brew install openssl@3
    brew link --force openssl@3
    
  • AIX : AIX Toolbox for Open Source SoftwareOpens in a new tab から dnf (dandified yum) を使用して Python 3.9.18 以降をインストールします。

“Python をロードできませんでした” というエラーが表示された場合は、システムに Python がインストールされていないか、Python の予期しないバージョンが検出されたかのどちらかです。"その他のサポート対象機能" を調べて、必要なバージョンの Python がインストールされていることを確認し、必要に応じて、上記のいずれの方法で Python をインストールまたは再インストールしてください。または、フレキシブル Python ランタイム機能を使用して、推奨される Python バージョンをオーバーライドします。(すべてのプラットフォームで利用できるわけではありません。)

フレキシブル Python ランタイム機能をサポートしていないプラットフォームを使用していて、コンピュータに複数のバージョンの Python がインストールされている場合、コマンド行から組み込み Python の実行を試行すると、irispython は最初に検出された python3 実行可能ファイル (PATH 環境変数よって決まる) を実行します。必要なバージョンの実行可能ファイルが最初に検出されるように、パスのフォルダが適切に設定されていることを確認してください。irispython コマンドの使用の詳細は、"コマンド行からの Python シェルの開始" を参照してください。

必要なサービス

組み込み Python の実行時に IRIS_ACCESSDENIED エラーが発生しないようにするには、%Service_Callin を有効にします。管理ポータルで、[システム管理][セキュリティ][サービス] に移動し、[%Service_CallIn] を選択し、[サービス有効] ボックスにチェックを付けます。

フレキシブル Python ランタイム機能

一部のオペレーティング・システムでは、フレキシブル Python ランタイム機能を使用して、組み込み Python に推奨される Python のバージョンをオーバーライドできます。これは、コードを記述する場合や、推奨されるバージョン以外の Python に依存するパッケージを使用している場合に便利です。オペレーティング・システムの既定のバージョン以降の Python バージョンを使用する必要があります。例えば、Red Hat Enterprise Linux 9 には Python 3.9 が付属しているため、このオペレーティング・システムではバージョン 3.9 以降を使用する必要があります。

構成設定 PythonRuntimeLibrary は、組み込み Python を実行する際に使用する Python ランタイム・ライブラリの場所を指定します。このバージョンのライブラリは、組み込み Python の起動時に使用される既定のバージョンのライブラリをオーバーライドします。

Python ランタイム・ライブラリを指定するには、以下の手順に従います。

  1. 管理ポータルで、[システム管理][構成][追加の設定][メモリ詳細] に移動します。

  2. [PythonRuntimeLibrary] の行で、[編集] をクリックします。

  3. 使用する Python ランタイム・ライブラリの場所を入力します。

    例 : /usr/lib/x86_64-linux-gnu/libpython3.11.so.1

    この場所は、オペレーティング・システム、Python バージョン、およびその他の要素によって異なります。ここに示す例は、x86 アーキテクチャでの Ubuntu 22.04 上の Python 3.11 の場合です。

  4. [保存] をクリックします。

詳細は、"PythonRuntimeLibrary" を参照してください。

Note:

フレキシブル Python ランタイム機能は、すべてのオペレーティング・システムでサポートされるわけではありません。この機能をサポートするプラットフォームの完全なリストは、"その他のサポート対象機能" を参照してください。

Python の新しいバージョンをインストールしたが、Python ランタイム・ライブラリが見つからない場合、別個にインストールしなければならない可能性があります。例えば、Ubuntu 22.04 に Python 3.11 ランタイム・ライブラリをインストールする場合は、apt install libpython3.11 を実行します。

この機能の構成方法の詳細は、"フレキシブル Python ランタイム機能の使用" を参照してください。

FeedbackOpens in a new tab