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問題の管理

InterSystems Supply Chain Orchestrator™ では、問題とは、サプライ・チェーンに影響を与える可能性のあるリスク、懸念、事柄を取得するために使用される InterSystems IRIS® オブジェクトです。ほとんどの問題では、影響を最小限に抑えるためにある種のアクションが必要になる場合もあります。問題の例としては、出荷の遅れ、在庫切れ、人材不足などがあります。問題は、注文、出荷、在庫など、サプライ・チェーン・オブジェクトの特定のインスタンスにリンクできますが、リレーションシップは常に必要なわけではありません。問題は、カテゴリ、関連するデータ・オブジェクト、期間、ステータスなどにより追跡できます。

以下の図は、Supply Chain Orchestrator でサプライ・チェーン・データがどのように処理されるのかと、使用される関連テクノロジを示しています。図内のリスクは、問題オブジェクトを使用してモデル化され、関連する影響とアクションも、問題オブジェクトにリンクされています (つまり、問題 API は、関連付けられた影響とアクションのデータが存在する場合、それらも返します)。

データ取り込みから実用的な洞察までのフローを示しています

問題分析の例

問題管理は、Supply Chain Orchestrator の中核を成します。問題管理には、問題分析と解決が含まれます。以下は、デモ UI に示されている問題解決の例です。

問題分析には、ユーザが選択できる、あらかじめ準備されたオプションが表示されています

上記の例に示すように、問題分析では以下の側面を扱うことができますが、これらに限定されるわけではありません。

  • 根本原因の分析

  • 影響の分析

  • 重大度と緊急度による問題の評価

  • 問題の解決/推奨

  • 通知の送信や ERP システムでの発注など、解決に関連したアクション

ビジネス・ロジック向けに設計されたグラフィカル UI を使用して、InterSystems IRIS ビジネス・プロセスに分析を実装できます。

問題のライフ・サイクル

以下の図は、Supply Chain Orchestrator における問題のライフ・サイクルを示しています。

問題の特定、生成、分析、解決、報告

問題の特定および生成には、さまざまな方法があります。一般的な方法の 1 つとして、KPI を使用した問題の自動生成があります。つまり、KPI の条件を満たすあらゆるレコードについて問題が生成されます。例えば、販売注文の納期遅延の KPI は、納期が遅れる各注文に対して問題を生成できます。

KPI は問題を生成するための 1 つの方法にすぎません。問題を生成するための他の方法としては、以下のものがあります。

  • Supply Chain Orchestrator の BPL/DTL プロセス経由。任意のデータ統合またはビジネス・プロセスを使用して、特定の条件について問題を生成できます。

  • Smart Data Service (SDS) を使用。例えば、SDS を実装して、外部イベントをサブスクライブし、現在のサプライ・チェーンに対する影響を判断できます。そのような影響は、問題の形で捕捉され、InterSystems IRIS で保持できます。

  • 外部システムから送信。サプライ・チェーンのリスクは、Supply Chain Orchestrator の外部で特定できます。例えば、製造アプリケーションが工場における特定の製品の部品の不足を特定し、問題解決と報告のため、API を介してその情報を問題として Supply Chain Orchestrator に送信することができます。

各問題には、影響分析と問題解決ロジックのために、ビジネス・プロセスを関連付けることができます。ビジネス上の影響には、重大度と緊急度のレベルの設定、推定される時間と金銭的な影響、および問題によるその他の影響が含まれます。

同じビジネス・プロセスを、解決ロジックの実装にも使用できます。問題は、プロセスを通じて自動的に解決できる場合もありますが、ビジネス・ユーザがオプションを確認して最終決定を行うことが必要な場合もあります (その場合 InterSystems IRIS の相互運用ワークフローが使用されます)。

KPI からの問題の生成

KPI により問題を生成できます。KPI の問題の生成を有効にするには、KPI の定義で以下を指定します。

   "issueKpi": true,  

この値が true に設定されている場合、以下のオプションの属性も KPI 定義に追加できます。

  • defaultIssueSeverity は、この KPI から生成されたすべての問題に既定の重大度レベルを指定します。

  • analysisService は、問題の分析および解決ロジックの実行のための BPL 名を指定します。

問題生成が有効なすべての KPI で問題を更新するために、自動的に実行される以下のシステム・タスクがあります。

  • SC.Core.Tasks.UpdateKPIIssues は KPI で必要に応じて問題を生成します。具体的には、このタスクは問題生成が有効な KPI ごとに以下を実行します。

    1. KPI 条件をトリガしたレコード (注文の遅れなど) を特定します。

    2. この KPI と組み合わせて、これらのレコードに対応する問題がデータベースにあるかどうかを確認します。問題がまだ存在しない場合、タスクは KPI 定義に含まれる情報 (既定でこの種の問題を分析するビジネス・プロセスの名前など) を使用して問題を作成します。新規の問題のステータスは open です。

    3. データベースにこの KPI に関連付けられた追加のレコード (現在は条件をトリガしていないが以前はトリガしていたレコード) が含まれているかどうかを確認します。含まれる場合、タスクはこれらの問題を更新して閉じます。具体的には、そのステータスを closed に設定し、resolutionTypenoLongerValid に設定します。

  • SC.Core.Tasks.AnalyzeAllNewIssues は問題分析を開始します。このタスクは、閉じられていない問題で、まだ問題分析レコードがないものをすべて探します。このような問題に対して、タスクは新しい問題分析を作成します。プロダクションのビジュアル・トレースでは、SC.Core.BP.Service.SingleIssueSS が問題分析の要求メッセージを受信しているのがわかります。その後、SC.Core.BP.Service.SingleIssueSS は問題によって指定されたビジネス・プロセスにメッセージを送信します。

    ビジネス・プロセスにワークフローが含まれる場合、ビジュアル・トレースには該当するこれらのコンポーネントも表示されます。

KPI の問題更新ロジックを実行する API 呼び出しもあります。

問題管理 API の概要

Supply Chain Orchestrator は、問題を処理するためのオプションを含むデータ APIOpens in a new tab を提供します。

問題の作成
POST {{IRIS-SERVER}}/api/scbi/v1/issues

問題の値は JSON 形式で要求の本文に追加されます。

問題の取得
GET {{IRIS-SERVER}}/api/scbi/v1/issues

任意の問題属性に基づいた追加のクエリ・パラメータを HTTP パラメータの形式で追加できます (`status=open` など)。

KPI の問題の更新
POST {{IRIS-SERVER}}/api/scbi/v1/kpiissues

指定された KPI の問題を強制的に更新します。これは、問題生成が有効な KPI に適用されます。この場合、以下のように JSON 本文データで KPI 情報を指定します。

{
    "kpi": "SalesOrderLateShipVsCommitted"
}
問題の新規分析の強制
POST {{IRIS-SERVER}}/api/scbi/v1/analyzeissue/[ISSUE-ID]

このオプションは、プロセスが問題に関連付けられている場合に適用されます。この場合、以下の JSON 本文データを含めることで使用するプロセスを指定します。

{
    "processName": "YourProcessName"
}

関連項目

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