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InterSystems Supply Chain Orchestrator の KPI の構成

このページでは、主要業績評価指数 (KPI) の定義を構成する方法について説明します。

KPI の目的

KPI とは、一連の目標、目的、同業他社などに照らして企業のパフォーマンスを測定するための定量化可能な指標です。KPI は、関係者が企業の業績やサプライ・チェーン全体でどのようなリスクが存在しているかを理解できるようにするために、サプライ・チェーンで広く使用されています。以下のスクリーンショットは、いくつかのサプライ・チェーンの KPI を示しています。画像内の各数値が KPI です。

収益、注文の問題の数、リスクにさらされている収益、注文の遅れなどの KPI を示すダッシュボード

Supply Chain Orchestrator™ では、KPI は自動的に問題を生成するという、もう 1 つの重要な役割も果たします。これは、KPI で修正が必要な条件が特定された場合に適しています。

構成プロセス

KPI を定義するには、以下の一般的なプロセスを使用します。

  1. 特定の条件を使用して、ビジネス用語で KPI ロジックを概念的に定義します。通常これは、この KPI を使用してどのように業績を測定するかについてビジネス・ユーザから収集する情報です。

  2. "KPI の構成例" に示すように、KPI ロジックを Supply Chain Orchestrator のデータ・モデルと分析キューブにマップします。

    • データ・モデルは必要なビジネス・エンティティに対応しているか、または対応するデータ・モデル・オブジェクトに必須の属性すべてがあるか確認します。

      そうでない場合は、必要に応じてデータ・モデルを拡張します。詳細は、データ・モデルのドキュメントを参照してください。

    • 関連するキューブが KPI の要件を満たしているか確認します。このプロセスには、Business Intelligence アナライザを使用します (アナライザが使用できない場合は、ネームスペースが分析対応であることを確認してください)。

      KPI にカスタム属性が必要な場合は、そのキューブの独自のコピーを作成し、その属性をディメンジョンまたはメジャーとして含めることが必要な場合もあります。また、KPI に新しいオブジェクトが作成される場合、そのオブジェクトに新しいキューブが必要です。これらのトピックの詳細は、"InterSystems IRIS Business Intelligence のモデルの定義" および関連するトレーニング資料Opens in a new tabを参照してください。

  3. KPI 仕様を KPI 定義の JSON 構造にマップします。"KPI の構成例" を参照してください。

  4. API を使用して KPI 定義を作成し、作成された KPI 定義を別の API 呼び出しで検証します。

  5. KPI 値 API または KPI リスト API を介して、アプリケーションで新規に作成した KPI 定義の使用を開始します。

KPI ビジネス・ロジック

KPI ビジネス・ロジックの情報を収集する際は、以下を考慮してください。

  • KPI の測定対象。目標は、トランザクションの数を測定することでしょうか。それとも、影響を受ける収益、または特定のタスクの平均時間を測定することでしょうか。メトリックが定義されたら、それがキューブのメジャーとして表されていることを確認します。キューブのメジャーがマップされると、メジャーには 2 つのバリエーションが考えられます。

    • 未加工のデータ。KPI 値は、カウント、収益、平均時間など、キューブのメジャーが定義する値です。

    • パーセンテージ。KPI 値は、2 つの数値の割合で定義されるパーセンテージです。この場合、ビジネス・ロジックは分子と分母の両方に必要です。例えば、分子は遅延することが予想される出荷数で、分母はすべての輸送中の出荷品のようになります。

  • KPI が測定する主なビジネス・エンティティ。KPI では、販売注文に基づいて注文の出荷遅延を測定したり、供給出荷に基づいて出荷遅延を測定することができます。そのようなビジネス・エンティティは、Supply Chain Orchestrator データ・モデル内のオブジェクトにマップする必要があります。

  • KPI 条件。KPI 条件は、対象の条件を定義するビジネス・ロジックを指します。例えば、出荷遅延 KPI の KPI 条件は、要求された到着時間よりも遅い到着が予想される輸送中の出荷品のようになります。チュートリアルでは、そのような条件を KPI 定義の技術用語で捉える方法を示します。以下に追加の考慮事項を示します。

    • KPI 条件は空にできます。この場合、KPI ですべてのレコードが考慮されます。例えば、総注文利益はすべての注文からの収益の合計であるため、KPI 条件は空にできます。

    • KPI メジャーのタイプがパーセンテージである場合、分子用と分母用の 2 つの条件セットが必要です。

  • KPI データをさらに処理する方法。KPI はさまざまな方法で細分化できます。具体的には、KPI を細分化するためのディメンジョンを構成できます。例えば、出荷遅延 KPI の、サプライヤ、運送業者、出荷先所在地ごとの内訳を確認するとします。この場合、サプライヤ、運送業者、および出荷先所在地の KPI ディメンジョンを定義できます。各 KPI ディメンジョンには対応するキューブのディメンジョンが必要ですが、すべてのキューブ・ディメンジョンを KPI ディメンジョンにマップする必要はありません。すなわち、KPI ディメンジョンはキューブ・ディメンジョンのサブセットです。

  • KPI のしきい値。測定された側面がユーザのビジネスにとってどれほど良い/悪いかを示すために、しきい値を定義できます。しきい値を使用して、通知をトリガしたり、UI の視覚表現 (緑/黄/赤の配色など) を設計したりできます。各 KPI で、監視しきい値 (緑~黄色) と警告しきい値 (黄~赤色) の 2 つのしきい値がサポートされます。

  • KPI についてのその他の説明的な情報。各 KPI に一意の名前 (API でキーとして使用)、ラベル (UI で表示される名前)、説明、およびステータス (アクティブであるかどうか) を指定できます。

"KPI の構成例" を参照してください。

KPI がサプライ・チェーンのリスクや懸念事項の捕捉を意図している場合、KPI 定義を利用して自動的に問題を生成し、それをプラットフォームで追跡できます。例えば、納期遅延 KPI を使用して、納期遅延 KPI により定義される条件を満たす出荷に対して自動的に問題を作成できます。そのような場合、KPI 条件で追加の一連のパラメータを考慮する必要があります。

  • 問題生成のインジケータ

  • 既定の問題の緊急度レベル

  • 問題分析のためのビジネス・プロセス名

関連項目

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