システム・デフォルト設定の定義
この節では、システム・デフォルト設定について説明します。この章は以下の節で構成されています。
システム・デフォルト設定の目的
システム・デフォルト設定の目的は、環境間でプロダクション定義をコピーするプロセスを簡略化することです。どのプロダクションでも、一部の設定値がプロダクション設計の一部として決定されます、これらの設定値の多くはすべての環境で共通しているはずです。ただし、その他の設定は環境に合わせて調整する必要があります。このような設定にはファイル・パスやポート番号などが含まれます。
システムの既定の設定では、InterSystems IRIS がインストールされた環境に固有の値を指定する必要があります。対照的に、プロダクション定義では、すべての環境で同じにすべき設定値を指定する必要があります。
システムのデフォルト設定は、1 つのネームスペース内のみで適用されます。この設定は、すべてのプロダクション、ビジネス・ホスト、およびビジネス・ホスト・クラス、またはそれらのサブセットに適用できます。例えば、1 つのプロダクション内のすべてのビジネス・ホストに対して、またはすべてのプロダクション内の 1 つのビジネス・ホストに対して、システムのデフォルト設定を作成できます。
プロダクション、ビジネス・ホスト、またはアダプタに関する設定値を見つけるために、InterSystems IRIS は以下の場所をこの順序で検索します。
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プロダクション定義。ここで設定値が見つかると (その値が空の文字列であっても)、システムのデフォルト設定でオーバーライドされない限り、その値が使用されます。
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プロダクション定義の外部に保存されたシステム・デフォルト設定。
ここで設定値が見つかると (その値が空の文字列であっても)、その値が使用されます。
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プロダクション、ビジネス・ホスト、またはアダプタが基づいているクラスの定義内で指定された設定値。
設定のシステム・デフォルトが存在しない場合にのみ、この値が使用されます。
デフォルト値のない設定もあります。
プロダクションの構成時には、プロダクション、システム・デフォルト設定、またはクラス定義のいずれで値が設定されているかを示すようラベルが色分けされます。詳細は、"設定の色分けの意味" を参照してください。
システム・デフォルト設定へのアクセス
[システム・デフォルト設定] ページにアクセスするには、[Interoperability]→[構成する]→[システム・デフォルト設定] を選択します。[システム・デフォルト設定] ページには、ネームスペースで定義された設定が表示されます。
新規のシステム・デフォルト設定を作成するには、[新規作成] をクリックします。既存の設定を編集するには、その設定を選択して [編集] をクリックします。設定を削除するには、その設定を選択して [削除] をクリックします。
セキュリティ特権によって、一部のシステム・デフォルト設定の作成、編集、または削除が制限されることがあります。これらのセキュリティ特権の詳細は、"システムのデフォルト設定のセキュリティ" を参照してください。
以下の要素は、システム・デフォルト設定を定義します。
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[プロダクション名] — オプションで、このデフォルトが適用されるプロダクションを指定します。* に設定すると、このデフォルトがこのネームスペース内のすべてのプロダクションに適用されます。
Note:デフォルトを保存した後は、このフィールドの値を変更することはできません。デフォルトを削除して新しいデフォルトを作成する必要があります。
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[アイテム名] — オプションで、このデフォルトが適用されるビジネス・ホストを指定します。* に設定すると、このデフォルトが特定のプロダクションまたはすべてのプロダクション内のすべてのホストに適用されます。
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[ホストクラス名] — オプションで、このデフォルトが適用されるビジネス・ホストのクラスを指定します。* に設定すると、このデフォルトが特定のプロダクションまたはすべてのプロダクション内のすべてのホストに適用されます。
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[設定名] — 設定するプロパティの名前を指定します。プロパティ名にはスペースが含まれていないことに注意してください。ほとんどの場合、プロパティ名と、スペースが削除された設定名は似ています。例えば、設定の [トレース・イベントを記録] は LogTraceEvents という名前のプロパティに基づいています。
Tip:設定に関する説明文が表示されたポップアップ・ウィンドウ内でプロパティ名を確認できます。
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[設定値] — プロパティに割り当てる値を指定します。このフィールドを空白にした場合は、デフォルトが空の文字列に設定されます。
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[説明] — オプションで、デフォルトの説明を指定します。
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[デプロイ可能] — 設定した場合は、システムの既定の設定を別のプロダクションに導入できます。導入の詳細は、"プロダクションの配置" を参照してください。
システム・デフォルト設定の作成または編集
新しいシステム・デフォルト設定を作成するか、既存のものを編集する場合には、以下のフォームが表示されます。
[システム・デフォルト設定] ページでは、新しいシステム・デフォルト設定を作成するか、既存のものを編集できます。便宜のために、プロダクションのツリーやその他のクラスが表示されます。このため、既存の設定を見つけて、フォームに名前や値をドラッグできます。[ツリーの拡張] および [ツリーの縮小] ボタンと、プラスおよびマイナス・アイコンを使用して、ツリーを探索し、目的のプロパティを見つけることができます。
[プロダクション]、[アイテム名]、および [ホストクラス名] の各フィールドでは、ネームスペース内のすべてのプロダクションに設定を適用するためにアスタリスク (*) を使用できますが、EnsLib* のようなその他のワイルドカード入力は使用できません。また、これらの各フィールドに指定できる値は 1 つのみです。
システム・デフォルト設定の定義または更新を完了したら、[保存] をクリックします。[キャンセル] ボタンは、変更を破棄し、設定を作成または更新することなくシステム・デフォルト設定のリストに戻します。[リストア] ボタンはフィールドを初期の値に戻し、値の編集を可能にします。
システム・デフォルト設定の使用
ウィザードを使用してビジネス・サービスまたはビジネス・オペレーションを作成する際、使用可能な場合にシステム・デフォルト設定を使用するように指定するには、[値がない場合はデフォルトを適用] チェック・ボックスを使用します。このオプションはデフォルトで選択されています。
[値がない場合はデフォルトを適用] オプションを選択しない場合、ビジネス・ホストは、システム・デフォルトではなく空白の値で作成されます。この場合、[プロダクション構成] ウィンドウの [設定] タブで設定の値を手動でデフォルトに変更する必要があります。手順については、"設定のデフォルト値への復元" を参照してください。
システムのデフォルト設定を使用したプロダクション値のオーバーライド
一部のシステムのデフォルト設定は、対応するプロダクション・クラスおよびビジネス・ホスト・クラスの値をオーバーライドできます。これらのシステムのデフォルト設定に値が指定されていると、指定された環境内のすべてのプロダクションにその値が使用されます。ユーザが個々のプロダクションまたはビジネス・ホストの値を変更することはできません。個々のプロダクション内の値を変更するには、システムのデフォルト設定を削除するか変更する必要があります。ユーザはプロダクション内のこれらの値を変更できない代わりに、システムのデフォルト設定の更新が必要なことを示すプロンプトが表示されます。また、指定された環境内で、これらの設定と異なる値を持つプロダクションはすべて、設定がシステムのデフォルト設定と一致するように更新されます。
このようにして値が指定された設定はすべて青色で表示されます (値がシステムのデフォルト設定によって決定されていることを示すため)。詳細は、"設定の色分けの意味" を参照してください。
プロダクションの場合、プロダクション・クラスの値をオーバーライドする設定には次のものがあります。
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ActorPoolSize
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TestingEnabled
ビジネス・ホストの場合、ビジネス・ホスト・クラスの値をオーバーライドする設定には次のものがあります。
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Enabled
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PoolSize