InterSystems IRIS プロセスの管理
InterSystems IRIS システムは多くのプロセスを実行します。アプリケーション・コードと InterSystems IRIS システム・コードは、プロセス内で実行されます。InterSystems IRIS プロセスは、以下の 3 つのカテゴリに分けられています。
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ユーザ・プロセス:ユーザが InterSystems IRIS に接続したときに作成される
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バックグラウンド・プロセス:ユーザが ObjectScript Job コマンドを発行したときに作成される、または管理ポータルやユーティリティ ("[バックグラウンド・タスク] ページの使用" を参照) で作成される
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InterSystems IRIS システム・プロセス
このページでは、ユーザ・プロセスとバックグラウンド・プロセスの両方の意味でプロセスという用語を使用します。
使用可能なオプション
プロセスは以下のように管理ポータルを使用して管理および制御できます。
機能 | ポータルから機能にアクセスする方法 |
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プロセス情報の表示 |
[プロセス] ページ ([システム処理]→[プロセス]) が表示されます。 |
プロセスの詳細の表示 |
[プロセス] ページを表示し、選択したプロセスの右側の列で、[詳細] をクリックして、[プロセス詳細] ページを表示します。 |
プロセスの一時停止または再開 |
[プロセス] ページを表示し、選択したプロセスの右側の列で、[詳細] をクリックして、[プロセス詳細] ページを表示します。次に、必要に応じて操作バーの [一時停止] または [再開] をクリックします。 |
プロセスの終了 |
[プロセス] ページを表示し、選択したプロセスの右側の列で、[詳細] をクリックして、[プロセス詳細] ページを表示します。次に、必要に応じて操作バーの [終了] または [<RESJOB> エラーで終了] をクリックします。 |
プロセス変数の表示 |
[プロセス] ページを表示し、選択したプロセスの右側の列で、[詳細] をクリックして、[プロセス詳細] ページを表示します。次に、[変数] タブをクリックしてプロセス変数を表示します。 |
ターミナルへのメッセージの送信 |
[プロセス] ページが表示されるので、[ブロードキャスト] ボタンをクリックして [ブロードキャスト] ダイアログを開きます。 |
プロセス情報の表示
システム上のアクティブな全プロセス、および各プロセスの基本情報を表示するには、[プロセス] ページ ([システム処理]→[プロセス]) に移動します。ページには、列内に各プロセスとその統計のテーブルが表示されます。
以下の表は、ディスプレイで利用できるプロセス情報を説明しています。
列名 | 定義 |
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ジョブ番号 | プロセス・テーブルのインデックス。 |
プロセスID | オペレーティング・システム・プロセス識別番号 (PID)。* |
合計CPU時間 ミリ秒 | プロセスの実行で使用されている、システムとユーザの CPU 時間の合計値 (ミリ秒)。 |
ユーザ | プロセスを所有しているユーザの名前 |
デバイス | プロセスが使用している現在のデバイス以下のように指定できます。
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ネームスペース | プロセスが実行している場所のネームスペース |
ルーチン | プロセスが現在実行しているルーチンの名前 |
コマンド | 実行したコマンドの数。 |
グローバル | InterSystems IRIS の開始以降、更新を含めて、実行されたグローバル参照の数 (データベースの読み取りと書き込み)。 |
状態 | プロセス状態。各状態の説明については、"%SYS.ProcessQueryOpens in a new tab" クラスの "StateOpens in a new tab" プロパティを参照してください。 |
クライアント名 | プロセスに接続した、またはプロセスへの接続を開始したクライアント・システムの名前 |
クライアント EXE | プロセスを呼び出した実行可能プログラムの名前 |
クライアント IP | プロセスを開始したシステムの IP アドレス |
O/S Username | オペレーティング・システムによりプロセスに割り当てられるユーザ名。 |
詳細 | このプロセスを管理する権限を持っている場合に表示されるボタン。"プロセスの詳細の表示" を参照してください。 |
* ユーザがプログラマ・モードで InterSystems IRIS を使用する場合、アスタリスク (*) はプロセス id に表示されます。プラス記号またはマイナス記号は、コールイン・プロセスの隣に表示されます。
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+ プロセスは InterSystems IRIS にあります。
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– プロセスは InterSystems IRIS にありません。
コールイン API は、InterSystems IRIS 機能です。これを使用すると、C プログラム内から ObjectScript のコマンドや式を実行したり、評価できるようになります。
プロセスの詳細の表示
[プロセス詳細] ページに、プロセスの詳細情報が表示されます。管理ポータルからこの情報にアクセスする手順は以下のとおりです。
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[プロセス] ページ ([システム処理]→[プロセス]) が表示されます。
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該当するプロセスの行で [詳細] をクリックします(このオプションは、ユーザにプロセスを管理する権限がある場合にのみ表示されます)。
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必要に応じて、[SQL table & statement info] チェック・ボックスにチェックを付けます。このオプションを選択すると、SQL 関連情報が追加表示されます。
このページには、選択したプロセスに固有の情報も含まれています。これらは [一般情報] テーブル、[クライアントアプリケーションの詳細] テーブル、および [実行詳細] テーブルにまとめられています。
フィールド | 定義 |
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Process ID | このプロセスのプロセス ID (PID) 番号。 |
ユーザ名 | このプロセスに現在ログインしているユーザの名前。 |
ログインロール | プロセスのログイン・ロール。 |
エスカレーションしたロール | プロセスに付与される追加ロール。これらのロールにログイン・ロールを加えたものが、プロセスに付与されるすべてのロール・セットとなります。 |
OS ユーザ名 | オペレーティング・システムによりプロセスに割り当てられるユーザ名。 |
ネームスペース | プロセスを実行中のネームスペース。 |
プロセスの優先度 | このプロセスの優先度レベル。 |
グローバル参照 | このプロセスのグローバル参照数。 |
プライベート・グローバル参照 | このプロセスのプライベート・グローバル参照数。 |
実行されたコマンド | このプロセスで実行したコマンドの数。 |
メモリ制限 | このプロセスで使用できるように割り当てられたメモリ量 (KB)。 |
メモリ・ピーク | このプロセスで使用されるメモリ量のピーク値 (KB)。 |
使用メモリ | このプロセスで現在使用しているメモリ量 (KB)。 |
合計CPU時間 | プロセスの実行で使用されている、システムとユーザの CPU 時間の合計値 (ミリ秒)。 |
プライベートグローバルブロック | このプロセスで使用されるプライベート・グローバル・データ・ブロックの数。 |
現在のデバイス | このプロセスで現在使用している I/O デバイス名。 |
開かれたデバイス | このプロセスで現在開かれているデバイスのリスト。 |
ロック | このプロセスのロック情報。詳細 (モード、カウント、完全参照) を表示するには、詳細ボックス上部のリンクをクリックします。 |
フィールド | 定義 |
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クライアント名 | このプロセスに接続した、またはプロセスへの接続を開始したクライアントのノード名 (存在する場合)。 |
EXE 名 | このプロセスに接続された実行可能クライアント・アプリケーションのクライアント名 (存在する場合)。 |
クライアント IP アドレス | このプロセスに接続された実行可能クライアント・アプリケーションのクライアントの IP アドレス (存在する場合)。 |
情報 | ユーザ定義の情報 (存在する場合)。 |
フィールド | 定義 |
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プロセス状態 | このプロセスの現在の実行状態。 |
トランザクション中 | このプロセスが現在トランザクションで処理されているかどうかを示します。 |
最終グローバル参照 | このプロセスで参照された最後のグローバル。 |
最後に行ったSQLテーブル参照 | このプロセスで最後に参照された SQL テーブル (ある場合) (このデータを表示するには、[SQL table & statement info] チェック・ボックスにチェックを付けます)。 |
ルーチン | このプロセスが現在実行しているルーチンの名前。 |
ソースの場所 | このプロセスで最後にレポートされたソースの場所 (ルーチン名とオフセット)。 |
ソース行 | 最後にレポートされたこのプロセスでの実行ソース・コードの行数 (取得可能な場合)。 |
このページから、プロセスを停止または再開することもできます。プロセスは、以下のいずれかの方法で停止できます。
プロセスの一時停止または再開
プロセスの実行内容が不明で確認を要する場合や、より重要なプロセスを実行するために CPU サイクルが必要な場合にプロセスの一時停止が必要になることがあります。管理ポータルからこのオプションにアクセスする手順は以下のとおりです。
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[プロセス] ページ ([システム処理]→[プロセス]) が表示されます。
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該当するプロセスの行で [詳細] をクリックしますこのオプションは、ユーザにプロセスを管理する権限がある場合にのみ表示されます。
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オプション・バーで [一時停止] をクリックします。
同じページの [再開] をクリックすれば、いつでも一時停止のプロセスを再開できます。
プロセスの終了
プロセスが応答しなくなったり、他のプロセスやユーザに影響を及ぼす場合は、終了できます。管理ポータルからこのオプションにアクセスする手順は以下のとおりです。
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[プロセス] ページ ([システム処理]→[プロセス]) が表示されます。
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該当するプロセスの行で [詳細] をクリックします(このオプションは、ユーザにプロセスを管理する権限がある場合にのみ表示されます)。ポータルに、選択したプロセスの [プロセスの詳細] ページが表示されます。
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オプション・バーで [終了] をクリックします。
必要に応じてプロセスの終了時の状態をログに記録するには、[RES JOB エラーで終了] チェック・ボックスにチェックを付けます。
Note:このオプションは既定で有効となります。
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選択したプロセスを終了するために [はい] をクリックします。終了したプロセスは、二度と再開できません。
プロセス変数の表示
[プロセス変数] ページには、選択したプロセスで使用されているすべての変数が、グローバルの名前と値と共に表示されます。管理ポータルからこの情報にアクセスする手順は以下のとおりです。
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[プロセス] ページ ([システム処理]→[プロセス]) が表示されます。
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該当するプロセスの行で [詳細] をクリックします(このオプションは、ユーザにプロセスを管理する権限がある場合にのみ表示されます)。ポータルに、選択したプロセスの [プロセスの詳細] ページが表示されます。
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オプション・バーで [変数] をクリックします。
[SQL table & statement info] チェック・ボックスにチェックを付けた場合、このテーブルにはクエリ・キャッシュ (ある場合) を直接表示できる列が含まれます。
ターミナルへのメッセージの送信
選択したプロセス、あるいはすべてのプロセスに関連付けられているターミナルにメッセージを送信できます。このユーティリティは、例えばユーザにシステムからのサイン・オフを依頼する場合などに便利です。しかし、メッセージがその時点で印刷中のレポートの中央に表示されることがあるため、使用には注意を要します。
このユーティリティは、メッセージを送信する際に各ターミナルの制御を一時的に占有します。メッセージの受信後、ターミナルは継続してプロセスを実行します。メッセージはターミナル画面に表示されます。したがって画面の表示が中断されることがありますが、ユーザの入力には影響しません。メッセージは、実行中の ObjectScript ユーティリティ・ウィンドウには表示されません。
選択したプロセスに関連するターミナルにメッセージを同報通信するには、管理ポータルで以下のように実行します。
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[プロセス] ページ ([システム処理]→[プロセス]) が表示されます。
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[ブロードキャスト] (操作バー上) をクリックし、[ブロードキャスト] ウィンドウを開きます。
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テキスト・ボックスに同報通信するメッセージを入力します
(メッセージを受信するアクティブなプロセスがない場合は、それを示すダイアログ・ボックスが表示されます。メッセージ・テキスト・ボックスやプロセスのリストは表示されません。[閉じる] をクリックします)。
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ブロードキャスト・メッセージを受け取るプロセス (PID) のチェック・ボックスにチェックを付けます。必要に応じて、[全て選択] または [すべて解除] を使用すると便利です。
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[ブロードキャスト] をクリックします。
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完成したメッセージが表示されたら、[閉じる] をクリックします。