XSLT 変換の実行
XSLT (Extensible Stylesheet Language Transformations) は XML ベースの言語であり、これを使用して指定の XML ドキュメントを別の XML ドキュメントまたは人間が読める別の形式のドキュメントに変換する方法を記述します。%XML.XSLT および %XML.XSLT2 パッケージ内のクラスを使用すると、XSLT 1.0 および 2.0 の変換を実行できます。
使用する任意の XML ドキュメントの XML 宣言にはそのドキュメントの文字エンコードを明記する必要があり、明記しておけば、ドキュメントは宣言どおりにエンコードされるようになります。文字エンコードが宣言されていない場合、InterSystems IRIS® データ・プラットフォームでは、"入出力の文字エンコード" で説明されている既定値が使用されます。これらの既定値が正しくない場合は、XML 宣言を修正して、実際に使用されている文字セットを指定するようにします。
InterSystems IRIS における XSLT 変換の実行の概要
InterSystems IRIS は、それぞれ独自の API を備えた以下の 2 つの XSLT プロセッサを提供します。
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Xalan プロセッサは XSLT 1.0 をサポートします。%XML.XSLT パッケージは、このプロセッサの API を提供します。
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Saxon プロセッサは XSLT 2.0 をサポートします。%XML.XSLT2 パッケージは、このプロセッサの API を提供します。
%XML.XSLT2 の API は、XSLT 2.0 ゲートウェイへの接続を介して Saxon に要求を送信します。ゲートウェイは複数の接続を可能にします。つまり、それぞれ独自の一連のコンパイル済みスタイル・シートを備えた 2 つの異なる InterSystems IRIS プロセスをゲートウェイに接続して、複数の変換要求を同時に送信したりすることができます。
Saxon プロセッサでは、コンパイル済みスタイル・シートと isc:evaluate キャッシュは接続固有です。つまり、独自の接続を管理して、いずれかの機能を利用する必要があります。接続を開いてコンパイル済みスタイル・シートを作成した場合、または isc:evaluate キャッシュに生成する変換を評価した場合、その接続で評価されるその他の変換は、コンパイル済みスタイル・シートおよび isc:evaluate キャッシュ・エントリにアクセスできるようになります。新しい接続を開いた場合、その他の接続 (およびそれらのコンパイル済みスタイル・シートやキャッシュ) は無視されます。
2 つのプロセッサの API は類似していますが、%XML.XSLT2 のメソッドでは追加の引数を用いて、使用するゲートウェイ接続を指定します。
XSLT 変換を実行するには、以下の手順に従います。
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Saxon プロセッサを使用する場合、次のセクションで説明するように、XSLT ゲートウェイ・サーバを構成します。または、既定の構成を使用します。
Xalan プロセッサを使用する場合、ゲートウェイは必要ありません。
必要に応じて、システムは自動的にゲートウェイを起動します。ゲートウェイは手動で起動することもできます。
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Saxon プロセッサを使用する場合、必要に応じて、XSLT ゲートウェイへの単一接続を示す %Net.Remote.GatewayOpens in a new tab のインスタンスを作成します。
Saxon プロセッサを使用する際、コンパイル済みスタイル・シートや isc:evaluate キャッシュを利用するには、この手順を実行する必要があります。
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必要に応じて、コンパイル済みスタイル・シートを作成して、メモリにロードします。"コンパイル済みスタイル・シートの作成" を参照してください。Saxon プロセッサを使用する場合、コンパイル済みスタイル・シートの作成時に gateway 引数を必ず指定してください。
この手順は同じスタイル・シートを繰り返して使用する場合に役立ちます。ただし、この手順ではメモリも消費します。コンパイル済みスタイル・シートは不要になったら必ず削除してください。
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該当する API の変換メソッドのいずれかを呼び出します。Saxon プロセッサを使用する場合、変換メソッドを呼び出す際、必要に応じて gateway 引数を指定します。
"XSLT 変換の実行" を参照してください。
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必要に応じて、他の変換メソッドを呼び出します。Saxon プロセッサを使用する場合、変換メソッドを呼び出す際、必要に応じて gateway 引数を指定します。これにより、同じ接続を使用して他の変換を評価できます。この変換は、この接続に関連付けられているすべてのコンパイル済みスタイル・シートおよび isc:evaluate キャッシュ・エントリにアクセスできるようになります。新しい接続を開いた場合、その他の接続 (およびそれらのコンパイル済みスタイル・シートやキャッシュ) は無視されます。
スタジオには、XSLT 変換のテストに使用できるウィザードも用意されています。
XSLT 2.0 ゲートウェイの開始、停止、および構成
Saxon プロセッサを (XSLT 2.0 変換を実行するために) 使用する場合、InterSystems IRIS は、XSLT 2.0 ゲートウェイ (%XSLT Server) を自動的に起動し、使用します。このゲートウェイは、他の外部サーバ接続と同様に構成されます。詳細は、"外部サーバ接続の管理" を参照してください。XSLT 2.0 ゲートウェイは、%XSLT Server としてリストされます。
XSLT ゲートウェイ・サーバ接続の再使用 (XSLT 2.0)
Saxon プロセッサを使用する場合、InterSystems IRIS は、構成済みの XSLT 2.0 ゲートウェイを使用します。このゲートウェイと通信するために、InterSystems IRIS は XSLT ゲートウェイ接続 (%Net.Remote.GatewayOpens in a new tab のインスタンス) を内部で作成します。既定では、システムは接続を作成し、変換でそれを使用した後、その接続を破棄します。新しい接続を開くと、それに伴ってオーバーヘッドが発生するため、単一接続を維持して複数の変換を行うことで最高のパフォーマンスが実現されます。また、コンパイル済みスタイル・シートや isc:evaluate キャッシュを利用するには、独自の接続を維持する必要があります。
XSLT ゲートウェイ接続を再使用するには、以下の手順を実行します。
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%XML.XSLT2.TransformerOpens in a new tab の StartGateway() メソッドを呼び出します。
set status=##class(%XML.XSLT2.Transformer).StartGateway(.gateway)
このメソッドは、XSLT 2.0 ゲートウェイを開始し (まだ実行されていない場合)、出力として %Net.Remote.GatewayOpens in a new tab のインスタンスを返します。このメソッドはステータスも返します。
%Net.Remote.GatewayOpens in a new tab のインスタンスは、ゲートウェイへの接続を示します。
StartGateway() には、オプションの 2 つ目の引数 useSharedMemory があります。この引数が true (既定値) の場合、可能であれば、localhost または 127.0.0.1 への接続に共有メモリが使用されます。接続に TCP/IP のみを強制的に使用するには、この引数を false に設定します。
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前の手順で返されたステータスを確認します。
if $$$ISERR(status) { quit }
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任意のコンパイル済みスタイル・シートを作成します。これを行う際、手順 1 で作成した %Net.Remote.GatewayOpens in a new tab のインスタンスのインスタンスとして gateway 引数を指定します。
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必要に応じて、%XML.XSLT2.TransformerOpens in a new tab の変換メソッド (TransformFile()、TransformFileWithCompiledXSL()、TransformStream()、および TransformStreamWithCompiledXSL()) を呼び出します。これを行う際、手順 1 で作成した %Net.Remote.GatewayOpens in a new tab のインスタンスとして gateway 引数を指定します。
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指定されたコンパイル済みスタイル・シートが不要になった場合、%XML.XSLT2.CompiledStyleSheetOpens in a new tab の ReleaseFromServer() メソッドを呼び出します。
Set status=##class(%XML.XSLT2.CompiledStyleSheet).ReleaseFromServer(compiledStyleSheet,,gateway)
Important:コンパイル済みスタイル・シートが不要になった場合、必ずこのメソッドを使用してください。
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XSLT ゲートウェイ接続が不要になった場合、%XML.XSLT2.TransformerOpens in a new tab の StopGateway() メソッドを呼び出し、引数としてゲートウェイ接続を渡します。
set status=##class(%XML.XSLT2.Transformer).StopGateway(gateway)
このメソッドは接続を破棄し、現在のデバイスをリセットします。これは XSLT 2.0 ゲートウェイを停止しません。
Important:接続が不要になった場合、必ずこのメソッドを使用してください。
XSLT 2.0 ゲートウェイ・サーバ接続のトラブルシューティング
XSLT 2.0 ゲートウェイが開いている間に、InterSystems IRIS とゲートウェイ・サーバの間の接続が無効になることがあります。例えば、ネットワーク・エラーが発生した場合や、InterSystems IRIS がゲートウェイ・サーバに接続した後にこのサーバが再起動された場合、接続が正しく閉じられないことがあります。その結果、エラーが発生する場合があります。
XSLT ゲートウェイ接続オブジェクトOpens in a new tabの %LostConnectionCleanup() メソッドと %Reconnect メソッドを連続して呼び出すことによって、InterSystems IRIS のゲートウェイ・サーバへの再接続を試みることができます。詳細は、XSLT ゲートウェイ接続オブジェクトの継承元のクラスである "%Net.Remote.GatewayOpens in a new tabOpens in a new tab" を参照してください。
切断時におけるゲートウェイ・サーバへの再接続プロセスを自動化する場合は、ゲートウェイ接続オブジェクトの AttemptReconnect プロパティを true に設定します。
コンパイル済みスタイル・シートの作成
同じスタイル・シートを繰り返し使用する場合は、スタイル・シートをコンパイルして速度を向上させることができます。この手順はメモリを消費することに注意してください。コンパイル済みスタイル・シートは不要になったら必ず削除してください。
コンパイル済みスタイル・シートを作成するには、以下の手順を実行します。
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Xalan プロセッサ (XSLT 1.0 用) を使用する場合、%XML.XSLT.CompiledStyleSheetOpens in a new tab の以下のクラス・メソッドのいずれかを使用します。
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CreateFromFile()
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CreateFromStream()
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Saxon プロセッサ (XSLT 2.0 用) を使用する場合、%XML.XSLT2.CompiledStyleSheetOpens in a new tab の以下のクラス・メソッドのいずれかを使用します。
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CreateFromFile()
-
CreateFromStream()
また、XSLT ゲートウェイ接続を作成する必要があります。"XSLT ゲートウェイ・サーバ接続の再使用 (XSLT 2.0)" を参照してください。
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これらのメソッドすべてについて、完全な引数のリストを以下に順番に示します。
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source — スタイル・シート。
CreateFromFile() の場合は、この引数はファイル名です。CreateFromStream() の場合は、この引数はストリームです。
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compiledStyleSheet — 出力パラメータとして返される、コンパイル済みスタイル・シート。
これは、スタイル・シート・クラス (場合に応じて、%XML.XSLT.CompiledStyleSheetOpens in a new tab または %XML.XSLT2.CompiledStyleSheetOpens in a new tab) のインスタンスです。
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errorHandler — スタイル・シートのコンパイル時に使用するオプションのカスタム・エラー・ハンドラ。"エラー処理のカスタマイズ" を参照してください。
これは、どちらのクラスのメソッドの場合も、%XML.XSLT.ErrorHandlerOpens in a new tab のインスタンスになります。
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(%XML.XSLT2.CompiledStyleSheetOpens in a new tab のみ) gateway — %Net.Remote.GatewayOpens in a new tab のインスタンス。"XSLT ゲートウェイ・サーバ接続の再使用 (XSLT 2.0)" を参照してください。
CreateFromFile() メソッドと CreateFromStream() メソッドではステータスが返されます。これはチェックする必要があります。
以下はその例です。
//set tXSL equal to the OREF of a suitable stream
Set tSC=##class(%XML.XSLT.CompiledStyleSheet).CreateFromStream(tXSL,.tCompiledStyleSheet)
If $$$ISERR(tSC) Quit
XSLT 変換の実行
XSLT 変換を実行するには、以下の手順に従います。
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Xalan プロセッサ (XSLT 1.0 用) を使用する場合、%XML.XSLT.TransformerOpens in a new tab の以下のクラス・メソッドのいずれかを使用します。
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TransformFile() — XSLT スタイル・シートを指定して、ファイルを変換します。
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TransformFileWithCompiledXSL() — コンパイル済み XSLT スタイル・シートを指定して、ファイルを変換します。
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TransformStream() — XSLT スタイル・シートを指定して、ストリームを変換します。
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TransformStreamWithCompiledXSL() — コンパイル済み XSLT スタイル・シートを指定して、ストリームを変換します。
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TransformStringWithCompiledXSL() — コンパイル済み XSLT スタイル・シートを指定して、文字列を変換します。
これらのメソッドには、コンパイル済みスタイル・シートとして、%XML.XSLT.CompiledStyleSheetOpens in a new tab のインスタンスを使用します。"コンパイル済みスタイル・シートの作成" を参照してください。
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Saxon プロセッサ (XSLT 2.0 用) を使用する場合、%XML.XSLT2.TransformerOpens in a new tab の以下のクラス・メソッドのいずれかを使用します。
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TransformFile() — XSLT スタイル・シートを指定して、ファイルを変換します。
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TransformFileWithCompiledXSL() — コンパイル済み XSLT スタイル・シートを指定して、ファイルを変換します。
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TransformStream() — XSLT スタイル・シートを指定して、ストリームを変換します。
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TransformStreamWithCompiledXSL() — コンパイル済み XSLT スタイル・シートを指定して、ストリームを変換します。
これらのメソッドには、コンパイル済みスタイル・シートとして、%XML.XSLT2.CompiledStyleSheetOpens in a new tab のインスタンスを使用します。"コンパイル済みスタイル・シートの作成" を参照してください。
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これらのメソッドは、同様のシグニチャを持ちます。以下に、これらのメソッドの引数リストを順番に記載します。
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pSource — 変換されるソース XML。このリストの後に示すテーブルを参照してください。
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pXSL — スタイル・シートまたはコンパイル済みスタイル・シート。このリストの後に示すテーブルを参照してください。
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pOutput — 出力パラメータとして返される結果の XML。このリストの後に示すテーブルを参照してください。
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pErrorHandler — オプションのカスタム・エラー・ハンドラ。"エラー処理のカスタマイズ" を参照してください。カスタム・エラー・ハンドラを指定しない場合は、メソッドは %XML.XSLT.ErrorHandlerOpens in a new tab の新しいインスタンスを使用します (どちらのクラスの場合でも)。
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pParms — スタイル・シートに渡されるパラメータを含む、オプションの InterSystems IRIS 多次元配列。"スタイル・シートで使用するためのパラメータの指定" を参照してください。
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pCallbackHandler — XSLT 拡張関数を定義する、オプションのコールバック・ハンドラ。"XSLT 拡張関数の追加と使用" を参照してください。
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pResolver — オプションのエンティティ・リゾルバ。"カスタム・エンティティの解析実行" を参照してください。
(%XML.XSLT2.TransformerOpens in a new tab のみ) gateway — %Net.Remote.GatewayOpens in a new tab のオプションのインスタンス。パフォーマンス向上のために XSLT ゲートウェイ接続を再使用する場合にこの引数を指定します。"XSLT ゲートウェイ・サーバ接続の再使用 (XSLT 2.0)" を参照してください。
参考のため、以下のテーブルにこれらのメソッドの最初の 3 つの引数を並べて比較表示します。
メソッド | pSource (入力 XML) | pXSL (スタイル・シート) | pOutput (出力 XML) |
---|---|---|---|
TransformFile() | ファイル・ネームを提供する文字列 | ファイル・ネームを提供する文字列 | ファイル・ネームを提供する文字列 |
TransformFileWithCompiledXSL() | ファイル・ネームを提供する文字列 | コンパイル済みスタイル・シート | ファイル・ネームを提供する文字列 |
TransformStream() | ストリーム | ストリーム | 参照によって返されるストリーム |
TransformStreamWithCompiledXSL() | ストリーム | コンパイル済みスタイル・シート | 参照によって返されるストリーム |
TransformStringWithCompiledXSL() | 文字列 | コンパイル済みスタイル・シート | ファイル・ネームを提供する文字列 |
例
ここでは、以下のコードを使用する 2 つの変換を紹介します (ただし、入力ファイルは異なります)。
Set in="c:\0test\xslt-example-input.xml"
Set xsl="c:\0test\xslt-example-stylesheet.xsl"
Set out="c:\0test\xslt-example-output.xml"
Set tSC=##class(%XML.XSLT.Transformer).TransformFile(in,xsl,.out)
Write tSC
例 1 : 単純な置換
この例では、以下の入力 XML から始めます。
<?xml version="1.0" ?>
<s1 title="s1 title attr">
<s2 title="s2 title attr">
<s3 title="s3 title attr">Content</s3>
</s2>
</s1>
また、以下のスタイル・シートを使用します。
<?xml version="1.0"?>
<xsl:stylesheet xmlns:xsl="http://www.w3.org/1999/XSL/Transform" version="1.0">
<xsl:output method="xml" indent="yes"/>
<xsl:template match="//@* | //node()">
<xsl:copy>
<xsl:apply-templates select="@*"/>
<xsl:apply-templates select="node()"/>
</xsl:copy>
</xsl:template>
<xsl:template match="/s1/s2/s3">
<xsl:apply-templates select="@*"/>
<xsl:copy>
Content Replaced
</xsl:copy>
</xsl:template>
</xsl:stylesheet>
この場合、出力ファイルは以下のようになります。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<s1 title="s1 title attr">
<s2 title="s2 title attr">
<s3>
Content Replaced
</s3>
</s2>
</s1>
例 2 : コンテンツの抽出
この例では、以下の入力 XML から始めます。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<MyRoot>
<MyElement No="13">Some text</MyElement>
<MyElement No="14">Some more text</MyElement>
</MyRoot>
また、以下のスタイル・シートを使用します。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<xsl:stylesheet version="1.1"
xmlns:xsl="http://www.w3.org/1999/XSL/Transform"
xmlns:xs="http://www.w3.org/2001/XMLSchema">
<xsl:output method="text"
media-type="text/plain"/>
<xsl:strip-space elements="*"/>
<!-- utilities not associated with specific tags -->
<!-- emit a newline -->
<xsl:template name="NL">
<xsl:text>
</xsl:text>
</xsl:template>
<!-- beginning of processing -->
<xsl:template match="/">
<xsl:apply-templates/>
</xsl:template>
<xsl:template match="MyElement">
<xsl:value-of select="@No"/>
<xsl:text>: </xsl:text>
<xsl:value-of select="."/>
<xsl:call-template name="NL"/>
</xsl:template>
</xsl:stylesheet>
この場合、出力ファイルは以下のようになります。
13: Some text
14: Some more text
その他の例
XSLT 1.0 の場合は、"Example()"、"Example2()"、および "%XML.XSLT.TransformerOpens in a new tab" のその他のメソッドを参照してください。
エラー処理のカスタマイズ
エラーが発生すると、XSLT プロセッサ (Xalan または Saxon) は現在のエラー・ハンドラの error() メソッドを実行し、引数としてメッセージをそのメソッドに送信します。同様に、致命的なエラーや警告が発生すると、XSLT プロセッサは fatalError() メソッドまたは warning() メソッドを必要に応じて実行します。
これら 3 つのメソッドすべての既定の動作は、現在のデバイスへのメッセージの書き込みです。
エラー処理をカスタマイズするには、以下の手順を実行します。
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Xalan または Saxon プロセッサで、%XML.XSLT.ErrorHandlerOpens in a new tab のサブクラスを作成します。このサブクラスで、必要に応じて error() メソッド、fatalError() メソッド、および warning() メソッドを実装します。
これらのメソッドはそれぞれ、XSLT プロセッサから送信されたメッセージを含む文字列である単独の引数を受け入れます。
これらのメソッドは値を返しません。
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次に、以下の操作を行います。
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スタイル・シートのコンパイル中にこのエラー・ハンドラを使用するには、サブクラスのインスタンスを作成し、スタイル・シートのコンパイル時に引数リストでそれを使用します。"コンパイル済みスタイル・シートの作成" を参照してください。
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XSLT 変換の実行中にこのエラー・ハンドラを使用するには、サブクラスのインスタンスを作成し、使用する変換メソッドの引数リストでそれを使用します。"XSLT 変換の実行" を参照してください。
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スタイル・シートで使用するためのパラメータの指定
スタイル・シートで使用するためにパラメータを指定するには:
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%ArrayOfDataTypesOpens in a new tab のインスタンスを作成します。
-
このインスタンスの SetAt() メソッドを呼び出して、このインスタンスのパラメータとその値を追加します。SetAt() では、最初の引数をパラメータ値として指定し、2 番目の引数をパラメータ名として指定します。
必要なだけパラメータを追加します。
例 :
Set tParameters=##class(%ArrayOfDataTypes).%New() Set tSC=tParameters.SetAt(1,"myparameter") Set tSC=tParameters.SetAt(2,"anotherparameter")
-
このインスタンスを変換メソッドの pParms 引数として使用します。
%ArrayOfDataTypesOpens in a new tab の代わりに、InterSystems IRIS 多次元配列を使用できます。この多次元配列は、以下の構造と値を持つ任意の数のノードを持つことができます。
ノード | 値 |
---|---|
arrayname("parameter_name") | parameter_name で指定されたパラメータの値 |
XSLT 拡張関数の追加と使用
InterSystems IRIS で XSLT 拡張関数を作成し、以下のようにスタイル・シート内でそれらを使用することができます。
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XSLT 2.0 (Saxon プロセッサ) の場合、ネームスペース com.intersystems.xsltgateway.XSLTGateway の evaluate 関数またはネームスペース http://extension-functions.intersystems.com の evaluate 関数を使用できます
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XSLT 1.0 (Xalan プロセッサ) の場合、ネームスペース http://extension-functions.intersystems.com の evaluate 関数のみを使用できます
既定では (および一例として)、後者の関数は受け取る文字を反転します。ただし、その他の動作が実装されるため、この既定の動作は一般的には使用されません。複数の個別の関数をシミュレートするには、セレクタを最初の引数として渡し、その値を使用して実行する処理を選択するスイッチを実装します。
内部的には、evaluate 関数はメソッド (evaluate()) として XSLT コールバック・ハンドラに実装されます。
XSLT 拡張関数を追加および使用するには、以下の手順を実行します。
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Xalan または Saxon プロセッサで、%XML.XSLT.CallbackHandlerOpens in a new tab のサブクラスを作成します。このサブクラスで、必要に応じて evaluate() メソッドを実装します。この後のサブセクションを参照してください。
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スタイル・シートで、evaluate 関数が属するネームスペースを宣言し、必要に応じて evaluate 関数を使用します。この後のサブセクションを参照してください。
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XSLT 変換の実行中に、サブクラスのインスタンスを作成し、使用する変換メソッドの引数リストでそれを使用します。"XSLT 変換の実行" を参照してください。
evaluate() メソッドの実装
内部的には、XSLT プロセッサを呼び出すコードは、任意の数の位置を示す引数を現在のコールバック・ハンドラの evaluate() メソッドに渡すことができます。コールバック・ハンドラは以下の構造を持つ配列としてそれらを受け取ります。
ノード | 値 |
---|---|
Args | 引数の数 |
Args(index) | 位置 index にある引数の値 |
このメソッドは単独の返り値を持ちます。返り値は以下のいずれかになります。
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スカラ変数 (文字列または数字など)。
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ストリーム・オブジェクト。これを使用すると、文字列長の制限を超える、きわめて長い文字列を返すことができます。ストリームは、ストリームを読み取るための XSLT プロセッサを有効にする %XML.XSLT.StreamAdapterOpens in a new tab のインスタンスでラップされる必要があります。以下は、部分的な例です。
Method evaluate(Args...) As %String { //create stream ///... // create instance of %XML.XSLT.StreamAdapter to // contain the stream Set return=##class(%XML.XSLT.StreamAdapter).%New(tStream) Quit return }
スタイル・シートでの evaluate の使用
XSLT で XSLT 拡張関数を使用するには、XSLT スタイル・シートで拡張関数のネームスペースを宣言する必要があります。前述のとおり、インターシステムズの evaluate 関数では、このネームスペースは http://extension-functions.intersystems.com または com.intersystems.xsltgateway.XSLTGateway です。
以下の例は、evaluate を使用するスタイル・シートを示します。
<?xml version="1.0"?>
<xsl:stylesheet
xmlns:xsl="http://www.w3.org/1999/XSL/Transform" version="1.0"
xmlns:isc="http://extension-functions.intersystems.com">
<xsl:output method="xml" indent="yes"/>
<xsl:template match="//@* | //node()">
<xsl:copy>
<xsl:apply-templates select="@*"/>
<xsl:apply-templates select="node()"/>
</xsl:copy>
</xsl:template>
<xsl:template match="/s1/s2/s3">
<xsl:apply-templates select="@*"/>
<xsl:choose>
<xsl:when test="function-available('isc:evaluate')">
<xsl:copy>
<xsl:value-of select="isc:evaluate(.)" disable-output-escaping="yes"/>
</xsl:copy>
</xsl:when>
<xsl:otherwise>
<xsl:value-of select="."/>
</xsl:otherwise>
</xsl:choose>
</xsl:template>
</xsl:stylesheet>
この例の詳細を確認するには、%XML.XSLT.TransformerOpens in a new tab の Example3() メソッドのソース・コードを参照してください。
isc:evaluate キャッシュを使用した作業
XSLT 2.0 ゲートウェイは、isc:evaluate キャッシュに evaluate 関数の呼び出しをキャッシュします。キャッシュの既定の最大サイズは 1000 項目ですが、このサイズを異なる値に設定できます。また、キャッシュをクリアしたり、キャッシュをダンプしたり、以下の形式で %ListOpens in a new tab からキャッシュに自動生成したりすることができます。
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キャッシュ・エントリの総数
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各エントリについて :
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evaluate 引数の総数
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すべての evaluate 引数
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evaluate 値
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キャッシュには、キャッシュできる関数名のフィルタ・リストも含まれます。以下のことに注意してください。
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関数名をフィルタ・リストに追加したり、フィルタ・リストから削除したりすることができます。
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フィルタ・リストをクリアできます。
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すべての evaluate の呼び出しをキャッシュするブーリアンを設定することで、フィルタ・リストをオーバーライドできます。
フィルタ・リストに関数名を追加しても、evaluate キャッシュのサイズは制限されません。同じ関数を多数呼び出す場合がありますが、異なる引数と返り値になることがあります。関数名と引数の各組合せは、evaluate キャッシュでは異なるエントリになります。
%XML.XSLT2.TransformerOpens in a new tab クラスからメソッドを使用することで、evaluate キャッシュを操作できます。詳細は、クラスリファレンスを参照してください。
XSL 変換ウィザードの使用
スタジオで提供されている XSLT 変換を実行するウィザードは、スタイル・シートやカスタム XSLT 拡張関数を短時間でテストしたい場合に便利です。このウィザードを使用する手順は次のとおりです。
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[ツール]→[アドイン]→[XSLT スキーマ・ウィザード] を選択します。
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以下の必須情報を指定します。
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[XMLファイル] で、[参照] を選択して、変換する XML ファイルを選択します。
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[XSLファイル] で、[参照] を選択して、使用する XSL スタイル・シートを選択します。
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[レンダリング] で、[テキスト] または [XML] を選択して、変換の表示方法を制御します。
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この変換で使用する %XML.XSLT.CallbackHandlerOpens in a new tab のサブクラスを作成済みの場合は、以下の情報を指定します。
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[XSLTヘルパークラス] の 1 つ目のドロップダウン・リストで、ネームスペースを選択します。
-
[XSLTヘルパークラス] の 2 つ目のドロップダウン・リストで、そのクラスを選択します。
"XSLT 拡張関数の追加と使用" を参照してください。
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-
[完了] を選択します。
ダイアログ・ボックスの下部に、変換後のファイルが表示されます。この領域からコピーして貼り付けることができます。
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このダイアログ・ボックスを閉じるには、[キャンセル] を選択します。