サプライ・チェーン・ソリューションの概要
このページでは、InterSystems Supply Chain Orchestrator™ で構築されたソリューションに必要なものをまとめます。ソリューションは、以下を容易に構築できるよう設計されています。
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サプライ・チェーン全体にわたる可視性を提供する KPI。
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問題管理 : 問題を生成、分析 (必要に応じてユーザ入力を伴う)、および解決 (外部 API の呼び出しを伴う場合もある) します。
InterSystems IRIS® の基盤によって、ソリューションでは、データのロード、データ変換、独自の API の提供、追加の分析オプションのサポートなど、さらに多くのことが可能になります。
前提条件
前提条件として、Supply Chain Orchestrator のコア・システムを以下のように設定する必要があります。
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InterSystems IRIS インスタンスをデプロイします。
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Supply Chain Orchestrator で使用するよう予約された InterSystems ネームスペース (supply chain namespace) を作成します。このドキュメントでは、ネームスペース名として SC を使用していますが、別の名前を使用することもできます。
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InterSystems Supply Chain Framework をそのインスタンスにインストールします。
"インストールとアップグレード" を参照してください。
実装の基本要件
コア・システムを設定したら、以下の手順を実行する必要があります (特定の順序で実行する必要はありません)。
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必要に応じて、サプライ・チェーン・テーブルを拡張します。
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サプライ・チェーン・テーブルにデータをロードします。このためには、製品により提供される APIOpens in a new tab を使用できます。また、これは以下に示すようにサプライ・チェーン・ネームスペース内で作成するプロダクション内でも実行できます。
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タスク・マネージャを使用して、以下のタスクをスケジュールに追加し、ビジネス・ニーズに適したタイミングでこれらを実行します。
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SC.Core.Tasks.AnalyzeAllNewIssues
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SC.Core.Tasks.BuildCubes
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SC.Core.Tasks.ConsolidatedInventoryTask
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SC.Core.Tasks.PredictInventory
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SC.Core.Tasks.SynchCube
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SC.Core.Tasks.SynchIssueCube
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SC.Core.Tasks.UpdateKPIssue
これらのタスクはすべて、サプライ・チェーン・ネームスペースで実行する必要があります。
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以下に示すように、サプライ・チェーン・ネームスペースにプロダクションを作成します。上にリストした問題に関連したタスクと連携して、プロダクションは問題管理を担います。
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Business Intelligence アナライザを使用して、製品により提供される分析キューブを理解します。これらのキューブの目的は、サプライ・チェーン・データを分析し、KPI を作成できるようにすることです。
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必要に応じて、分析キューブをコピーしてそのコピーを変更するか、独自の分析キューブを最初から作成します。これは、事前定義されたキューブで必要なデータが定義されない場合にのみ必要になります。他に、サブジェクト領域を定義して、データのサブセットへのアクセスを提供することもできます。サブジェクト領域はキューブとまったく同じように使用できます。
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1 つ以上の KPI を定義します。このタスクは主に、要件を調べ、分析キューブを使用して必要な値を取得し、単純な仕様を作成し、API を使用して KPI をシステムに追加することで構成されます。KPI により問題を生成できますが、必ずしもそうしなければならないわけではありません。
プロダクションの要件
Supply Chain Orchestrator の中核となる機能は問題の管理です。これには通常カスタムのビジネス・ロジックが含まれ、このロジックには、自動化、サードパーティ API の呼び出し、および InterSystems のワークフロー・テクノロジを使用したユーザの関与 (必要に応じて) を含めることができます。カスタムのビジネス・ロジックは、管理ポータル内で作成、構成、および管理するプロダクションにより提供されます。このプロダクションの要件は以下のとおりです。
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プロダクションは、サプライ・チェーン・ネームスペース内に存在する必要があります。
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プロダクションには、すぐに使用可能なビジネス・サービス SC.Core.BP.Service.SingleIssueBS を含める必要があります。
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実行する必要のある問題分析のタイプごとに、1 つのビジネス・プロセスを含める必要があります。通常問題のタイプごとに独自の分析が必要です。例えば、出荷の遅れは 1 つの問題のタイプです。出荷の遅れは通常どれも同じように分析され、そのロジックは他のタイプの問題には適用されません。
KPI から自動的に生成された問題の場合は、通常各 KPI 定義に 1 つのビジネス・プロセスがあります。
これらのビジネス・プロセスを作成するには、管理ポータル内でグラフィカル・エディタを使用します。これにより、コーディングなしに複雑なロジックを作成できます。詳細は、チュートリアルを参照してください。
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ワークフローを使用する必要がある場合、プロダクションには、すぐに使用できるビジネス・オペレーション EnsLib.Workflow.OperationOpens in a new tab を含める必要があります。このビジネス・ホストの構成名をメモしてください。ビジネス・プロセス内ではこれを使用する必要があります。該当する場合、ビジネス・プロセスで <call> 要素を使用してこのビジネス・オペレーションを呼び出すことができます。
以下に例を示します。
また、プロダクションを使用して一部またはすべてのデータをサプライ・チェーン・テーブルにロードすることもできます。
安全なカスタマイズのためのガイドライン
アプリケーションを作成する際、以下のガイドラインに留意して、追加またはカスタマイズした内容が InterSystems IRIS やアドオンの InterSystems Supply Chain Framework に対するアップグレード後も存続するようにしてください。
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サプライ・チェーンのデータ・モデルを表す SC.Data パッケージ内のクラスを編集できます。その場合、これらのクラスの Storage セクションに対して手動で変更を行わないようにしてください。クラスを変更する際に InterSystems IRIS が更新を行うようにしてください。クラス・コンパイラはストレージ定義を安全に拡張して、データへのアクセスを維持します。
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フレームワークにより提供される他のクラスは変更しないでください。例えば、パッケージ SC.Core.* の下にあるものは何も変更しないでください。
SC.Data 内のクラスを除き、すべてのクラスはアップグレード時に置換される可能性があります。
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フレームワークにより提供されるパッケージにはクラスを追加しないでください。
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相互運用対応のネームスペースに適用される標準の InterSystems IRIS 命名規則に従って、他のパッケージ内に独自のクラスを作成できます。