Windows でのアップグレードまたは変更
ここでは、InterSystems IRIS、InterSystems IRIS for Health、または HealthShare HealthConnect の単一インスタンスをアップグレードする手順について説明します。この章の "アップグレードの前に" のセクションのタスクを実行してから、次に進んでください。ミラーまたは ECP 構成をアップグレードする場合は、この章の "ミラーのアップグレード" および "ECP 構成のアップグレード" のセクションの情報も確認してください。
アップグレード・プロセスの一部としてマニフェストを使用する場合は、標準のインストール手順を実行する前に、"インストール・マニフェストの作成および使用" の手順を参照してください。
インスタンスのアップグレードを開始する前に、インスタンスを正常にシャットダウンすることが重要です。正常にシャットダウンされたことを確認するには、シャットダウンの終了後に messages.log ファイルを調べます。ログに以下のようなエントリが含まれる場合、シャットダウンは正常に行われています。
... 05/03/19-14:24:13:234 (5204) 0 Journal restore not required at next startup 05/03/19-14:24:13:234 (5204) 0 Transaction rollback not required at next startup ...
これらのエントリが記述されていない場合、インスタンスは正常にシャットダウンされていません。アップグレードを続行する前に、インターシステムズのサポート窓口Opens in a new tabまでお問い合わせください。
Windows でのアップグレード手順
InterSystems IRIS の新規バージョンへのアップグレードに必要なすべての機能は、インストーラによって提供されます。マニフェストを使用する場合に必要なサイレント・アップグレードを実行するには、"自動アップグレードまたは再インストール" の情報を確認してください。
アップグレードを実行するには、以下の手順に従います。
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インストーラ・ファイル (IRIS-win_x64.exe など) をダブルクリックします。
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インストーラにより、ホスト上にある既存の InterSystems IRIS インスタンスがすべて一覧表示されます。アップグレードするインスタンスの名前を選択し、[OK] をクリックします。
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InterSystems IRIS ライセンス・キーの入力を求められたら、[ライセンス] をクリックして新しい iris.key ファイルを参照します。インストーラによって install-dir/mgr ディレクトリで新しいキー・ファイルが検出された場合、ライセンス・キーの入力を求めるプロンプトは表示されずに次に進みます。
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ローカルの Microsoft インターネット・インフォメーション・サービス (IIS) Web サーバが検出された場合、[ローカル Web サーバ] ダイアログ・ボックスで、インストーラがこのインスタンスに Web サーバを自動的に構成するかどうかを選択できます。インストーラが Web サーバを自動構成しないようにする場合は、インストールの完了後に手動で構成する必要があります。ローカル Web サーバが検出されなかった場合は、ダイアログ・ボックスで代わりに [インストールを中断] するか [Web ゲートウェイなしでインストールを続行] するかを尋ねられます。インストールを続行することを選択した場合は、インストールの完了後に手動で Web サーバを構成する必要があります。
Important:Microsoft IIS Web サーバは、アップグレード・プロセスで自動的に構成できるため、この Web サーバの使用をお勧めします。アップグレード・プロセスの開始前に、それがインストールされ、実行されていることを確認してください。ほとんどの場合、IIS Web サーバを手動で構成する必要はありません。
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インストーラによってライセンス・キーが検証されたら、[アップグレード] をクリックします。
Important:インストールの進行中にインストールを中断しないでください。エラー・メッセージが表示されてアップグレードが失敗した場合は、問題を修正して、アップグレード・インストールを再開します。
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アップグレードが完了したら、[完了] をクリックします。
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install-dir\mgr ディレクトリにある messages.log、iboot.log、および ensinstall.log を調べて、エラーがないことを確認します。致命的なエラーが見つかった場合、エラーを修正して、インストーラを再び実行します。
オペレーティング・システムがラージ・メモリ・ページを使用するように構成されている場合は、起動メッセージをチェックして、これらの設定に従って共有メモリが割り当てられていることを確認します。以下のようなメッセージが表示された場合は、サーバを再起動して、メモリ不足の状態に陥るのを防いでください。
Failed to allocate 592MB shared memory using large pages. Switching to small pages.
再インストールまたはアンインストール
セットアップを実行してからインストーラと同じバージョンの InterSystems IRIS インスタンスを選択するか、または Windows のコントロール・パネルで [プログラムと機能] を選択してから InterSystems IRIS インスタンスを選択することで、インスタンスを変更またはアンインストールできます。
"Windows での手動インストール" で説明されているセットアップを実行してから、[インスタンス選択] ボックスでインストーラと同じバージョンの InterSystems IRIS インスタンスを選択するか、または [プログラムと機能] でインスタンスを選択してから [変更] または [修復] ボタンを使用すると、[インスタンスのアップグレード] instancename ダイアログ・ボックスが表示されます。
[プログラムと機能] で [アンインストール] ボタンを選択すると、すぐにアンインストール操作が開始されます。
[次] をクリックすると、[プログラムの変更、修復、または削除] ダイアログ・ボックスを表示されます。このダイアログで適切なオプションを選択して、インスタンスを変更、修復、またはアンインストールします。
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[変更] を選択すると、[カスタム・セットアップ] ダイアログ・ボックスが表示されます ("Windows でのカスタム・インストール" を参照)。このダイアログ・ボックスを使用して、追加または削除するコンポーネント・グループまたはコンポーネントを選択できます。コンポーネントは "セットアップ・タイプ別のインストールされるコンポーネント" のテーブルに記載されています。
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消失または破損したファイルやレジストリ・エントリなどのインスタンスの問題を修復するには、[修復] を選択します。
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インスタンスをアンインストールするには、[削除] を選択します。
InterSystems IRIS のアンインストールには、InterSystems IRIS インストーラまたは Windows コントロール・パネルの [プログラムと機能] のみを使用してください。他のアンインストール・プログラムはサポートされていないため、使用すると予期しない結果が生じる可能性があります。
自動アップグレードまたは再インストール
新規インスタンスのインストールのほかに、インストール済みの既存のインスタンスに対して InterSystems IRIS インストーラを呼び出すこともできます。そのためには、/instance フラグを使用して、ターゲットの既存のインスタンスの名前を指定する必要があります。インストーラが実行するアクションは、インスタンスのバージョンとインストール・ファイルのバージョンとを比較した結果によって異なります。
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インストール・ファイルが、ターゲットのインストール済みインスタンスと同じバージョンである場合、インストーラはインスタンスを再インストール (修復) します。
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インストール・ファイルが、ターゲットのインストール済みインスタンスより後のバージョンである場合、インストーラはインスタンスを新規バージョンにアップグレードします。
例えば、インストール・ファイルより前のバージョンのインストール済みインスタンス IRISB の自動アップグレードを実行するには、以下を使用します。
C:\downloads\IRIS-2019.1.0.516.0-win_x64.exe /instance IRISB /qn
ターゲット・インスタンスを指定して REINSTALL プロパティ ("コマンド行のプロパティ" のテーブルを参照) を使用すると、"カスタム・インストール可能な機能" のテーブルにリストされている 1 つ以上の機能を再インストールできます。例えば、インストール済みインスタンス IRISB に対してスタジオを再インストールするには、以下のコマンドを使用します (インストール・ファイルと IRISB が同じバージョンであると想定しています)。
C:\downloads\IRIS-2018.1.0.508.0-win_x64.exe /instance IRISB /qn REINSTALL=studio
自動削除
自動削除を起動するには、以下のようにアンインストールするインスタンスと REMOVE=ALL プロパティを指定します。
<path>\<installer>.exe /instance <instancename> /q[b|n] REMOVE=ALL
また、REMOVE プロパティを使用して、"カスタム・インストール可能な機能" のテーブルに示されている特定の機能を削除することもできます。例えば、インスタンス IrisC から Apache 2.0 Web ゲートウェイを削除するには、以下のコマンドを使用します。
C:\downloads\IRIS-2018.1.0.508.0-win_x64.exe /instance IrisC /qn REMOVE=cspgateway,cspapache20
特別な考慮事項
元のインストール・パッケージにアクセスできない場合は、以下のように Windows® インストーラのコマンド行アプリケーション (msiexec) およびレジストリの情報を使用して、自動モードでアンインストールを実行できます。
msiexec /x {<product_guid>} /qn /l <logfile>
ここで、<product_guid> はインストールしたバージョンの ProductCode プロパティ値です。
レジストリの以下の場所から ProductCode プロパティ値を取得できます。
プロセッサ・タイプ | レジストリの場所 |
---|---|
32 ビット | HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Intersystems\IRIS\Configurations\<instance> |
64 ビット | HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\WOW6432Node\Intersystems\IRIS\Configurations\<instance> |
ここで <instance> は、自動モードでアンインストールする InterSystems IRIS インスタンスの名前です。ProductCode プロパティ値は、以下のような行に表示されます。
ProductCode REG_SZ {80E3F658-2D74-4A81-92AD-FD16CD226154}
また、msiexec には "コマンド行のプロパティ" テーブル内の任意のプロパティを使用することもできます。msiexec の詳細は、TechNet のドキュメント "Msiexec (コマンドライン オプション)Opens in a new tab" (https://docs.microsoft.com/en-us/previous-versions/windows/it-pro/windows-server-2003/cc759262(v=ws.10)) を参照してください。