スタンドアロン Web ゲートウェイのインストール
Web アプリケーションをホストする InterSystems IRIS® インスタンスとは別のマシンに Web サーバが配置されている場合、InterSystems Web ゲートウェイをスタンドアロン・コンポーネントとして Web サーバ・マシンにインストールできます。
このページでは、WRC コンポーネントのダウンロード・ページ (https://wrc.intersystems.com/wrc/coDistGen.cspOpens in a new tab) から入手できるインストール・キットを使用して、スタンドアロン Web ゲートウェイをインストールする手順について説明します。
このようなシナリオで Web サーバ・マシンにスタンドアロン Web ゲートウェイを導入する方法として、他にも以下のようなものがあります (他の箇所で説明しています)。
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InterSystems IRIS インストーラを使用し、カスタム・セットアップ・タイプ (Windows の場合) または Web サーバ・セットアップ・タイプを選択して、Web ゲートウェイのみをインストールする。
多くの場合、スタンドアロン Web ゲートウェイ・インストーラは、Web ゲートウェイを使用するように Web サーバを自動構成できます。そうでない場合は、Web ゲートウェイを Web サーバ構成に手動で追加するために必要なファイルがインストール・メディアで提供されます。
スタンドアロン Web ゲートウェイ・インストーラでは、InterSystems IRIS インスタンスの接続情報を指定することもできます。スタンドアロン Web ゲートウェイ・インストーラはこの情報を使用して、このインスタンスのサーバ・アクセス・プロファイルと、インスタンス接頭語 URL パスのアプリケーション・アクセス・プロファイルを作成します。インストーラは、Web ゲートウェイを Web サーバに自動接続することに成功すると、インスタンス接頭語 URL パスを含め、インスタンスの Web アプリケーションに関連するすべての URL パスに対して Web ゲートウェイを呼び出すように Web サーバを構成します。
手順 1 : サポート対象 Web サーバのインストール
Web ゲートウェイをインストールする前にサポート対象 Web サーバがインストールされ、実行されている場合、Web ゲートウェイのインストール・キットで、Web ゲートウェイを使用するようにサポート対象 Web サーバを自動的に構成できます。これは、ほとんどのユース・ケースで推奨されるアプローチです。
自動構成がサポートされる Web サーバは、お使いのシステムによって異なります。
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UNIX®/Linux/macOS の場合 : 既定のインストール場所に Apache httpd Web サーバをインストールします。Apache httpd をインストールするための詳細なガイダンスは、Developer Community の記事、https://community.intersystems.com/post/how-install-apache-iris-supported-operating-systemsOpens in a new tab を参照してください。
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Windows の場合 : Microsoft インターネット・インフォメーション・サービス (IIS) を有効にします。手順については、"IIS の有効化" を参照してください。
オペレーティング・システムに指定された Web サーバ以外の Web サーバをインストールする場合、または Web ゲートウェイのインストールが完了するまで指定された Web サーバをインストールしない場合は、Web サーバを手動で構成する必要があります。
お使いのシステムによっては、Web サーバのインストールで自動構成を有効にするために、追加の条件を満たさなければならないことがあります。"自動構成が可能な場合" を参照してください。
手順 2 : インストール・キットのダウンロード
スタンドアロン Web ゲートウェイのインストール・キットは、WRC コンポーネントのダウンロード・ページ (https://wrc.intersystems.com/wrc/coDistGen.cspOpens in a new tab) で配布されています。
[名前] 列に web gateway と入力し、[OS] および [Arch] 列を使用して、システムに適した Web ゲートウェイ・インストール・キットを見つけます。
UNIX®、Linux、および macOS システムの場合、インターシステムズでは、Web ゲートウェイ・インストール・キットを、インストール・スクリプト (GatewayInstall) を含む圧縮された tarball (.tar.gz) として配布しています。Windows システムの場合は、インストーラを実行可能ファイルとして提供しています。
手順 3 : (UNIX®/Linux/macOS のみ) インストール・キット・ファイルの抽出
tarball のコンテンツを解凍して、一時的なファイルシステムの場所に抽出します。元の権限を保持しながらこの操作を行うには、以下のコマンドを発行します (<WebGatewayKit> を、ダウンロードした tarball の名前に置き換えます)。
tar zpxvf <WebGatewayKit>.tar.gz
ファイルは、同じ名前 (<WebGatewayKit>/) のディレクトリに抽出されます。<WebGatewayKit>/ のコンテンツには以下が含まれます。
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install/ サブディレクトリ。これには以下が含まれます。
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インストール・スクリプト GatewayInstall。このページの後続の手順で、このスクリプトを使用して Web ゲートウェイをインストールする方法について説明します。
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nginx/ サブディレクトリ。このサブディレクトリには、Web ゲートウェイを含む Nginx の構築を手動で構成するために必要なファイルが含まれます。
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オペレーティング・システムとアーキテクチャに対応する名前を持つサブディレクトリ、/<platformCode>。このサブディレクトリには、Web ゲートウェイを使用するように Apache httpd Web サーバを手動で構成するために必要なファイルが含まれます。
Note:GatewayInstall スクリプトでは、Web ゲートウェイを使用するように既存の Apache httpd Web サーバを自動的に構成できます。このため、手動構成が必要になるのは、NSD を使用する Web ゲートウェイを導入する場合など、特殊な導入シナリオの場合のみです。
手順 4 : (UNIX®/Linux/macOS のみ) root としてのログイン
GatewayInstall スクリプトを実行するには、コマンド行セッションを root 特権を持つユーザとして実行する必要があります。(別のユーザ・アカウントから root として su を実行すれば十分です。)
手順 5 : インストーラの実行
UNIX®/Linux/macOS
GatewayInstall スクリプトを実行して、インストール・プロセスを開始します。それには、<WebGatewayKit>/install/ ディレクトリに移動して、以下のコマンドを発行します。
./GatewayInstall
GatewayInstall により、一連のインタラクティブ・プロンプトが提供されます。プロンプトに従って、以下の手順を実行します。
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インストールされている Web サーバのタイプを指定します。
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Apache httpd がインストールされていて、Web ゲートウェイを使用するよう Apache をインストーラで自動構成したい場合は、[Apache] を選択します。変更された Web サーバ構成には、組み込みの InterSystems IRIS Web アプリケーションに関連付けられている相対 URL パスに送信される要求に対して Web ゲートウェイを呼び出す指示文が含まれます。
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他のサポート対象 Web サーバがインストールされている場合、または Web サーバがインストールされていない場合は、[なし] を選択します。このオプションを選択すると、インストーラはサポート対象 Web サーバを手動で構成するのに必要なファイルを、次の手順で指定するディレクトリにコピーします。また、後続の手順で指定する接続情報を使用して、Web ゲートウェイを構成します。Web サーバの構成は試行されません。
Note:一部のプラットフォームでは、GatewayInstall がシステム・プラットフォーム名を表す文字列の入力を求めることもあります。この文字列は、インストール・キットのファイル名の末尾に示されます。例えば、インストール・キットが WebGateway-<version>-lnxrh8x64.tar.gz 形式の場合、lnxrh8x64 がプラットフォーム名です。cplatname スクリプトを使用してこの値を取得することもできます。それには、インストール・キットの /install サブディレクトリに移動して、以下のコマンドを発行します。
# ./cplatname identify
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Web ゲートウェイ・ファイルのインストール先ディレクトリを指定するか、既定のディレクトリ (通常は、/opt/webgateway/) を受け入れます。ディレクトリがまだ存在しない場合は、ディレクトリを作成するかどうかを尋ねられます。
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Web ゲートウェイを接続する InterSystems IRIS インスタンスに関する情報を提供します。
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インスタンスが配置されているマシンのホスト名。
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インスタンスが Web ゲートウェイ接続を受け入れるスーパーサーバ・ポート。
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インスタンスの構成名 (CSPConfigName)。(既定では、これは小文字のインスタンス名です。)構成名は、特にそのインスタンスに要求をルーティングするために使用できる接頭語 URL パスとして機能します。
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インスタンスのセキュリティの設定。
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インスタンスが安全でない Web ゲートウェイ接続を許可する場合は、[最小] を選択します。
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インスタンスが、インスタンスの CSPSystem ユーザ・アカウント認証情報を使用して Web ゲートウェイ接続を認証する必要がある場合は、[通常] を選択します。
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インスタンスが、インスタンスの CSPSystem ユーザ・アカウント認証情報を使用して Web ゲートウェイ接続を認証する必要があり、インスタンスのセキュリティ設定がロック・ダウンされている場合は、[ロック・ダウン] を選択します。
[通常] または [ロック・ダウン] を選択する場合は、インスタンスの CSPSystem ユーザ・アカウントのパスワードも指定する必要があります。
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インストーラはこの情報を使用して、Web ゲートウェイの構成ファイル (CSP.ini) を編集し、インスタンスに接続するためのサーバ・アクセス・プロファイルと、インスタンスのアプリケーション (インスタンスの構成名に基づくものを含む) のアプリケーション・アクセス・プロファイルを作成します。
インストーラは、Web ゲートウェイを使用するように Web サーバを正常に自動構成すると、この情報を使用して Web サーバも構成します。Web サーバ構成には、構成名に基づいて、インスタンス接頭語 URL パスに送信される要求に対して Web ゲートウェイを呼び出す指示文が含まれます。
Note:インストーラは、これらのプロンプトに対する応答を必要とします。Web ゲートウェイが提供する InterSystems IRIS インスタンスをインストールする前に、Web ゲートウェイをインストールする場合は、既定値を受け入れるか、プレースホルダ値を指定します。インストール後に、不要な構成項目を削除したり、既存のインスタンスに接続するように構成項目を変更することができます。
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構成の詳細を確認して、インストールを開始します。
Windows
実行可能ファイルを実行して、スタンドアロン Web ゲートウェイ・インストーラ・ウィザードを起動します。ウィザードにより、一連のインタラクティブ・プロンプトが提供されます。プロンプトが表示されたら、以下の手順を実行します。[次へ >] を選択すると、次のプロンプトに進みます。
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セットアップ・タイプを選択します。
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[完了] を選択した場合、すべての Web ゲートウェイ・ファイルが既定の場所にインストールされます。つまり、カスタム・セットアップ・タイプ (次に説明します) と同じ効果があり、すべてのインストール機能が含まれ、既定の場所は上書きされません。IIS が有効化されている場合、インストーラは Web ゲートウェイを使用するように IIS を構成します。
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[カスタム] を選択した場合、ファイルの特定のサブセットをインストールしたり、それらをインストールするディレクトリを選択したりするインストール機能を、含めたり、除外したりすることができます。
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Web ゲートウェイを CGI 拡張として実装するファイルをインストールするには、[Web ゲートウェイ CGI モジュール] を選択します。これらのファイルは、組織で CGI 拡張を排他的に使用する必要がある場合を除き、通常は不要です。
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Web ゲートウェイを使用するように IIS Web サーバを構成するのに必要なファイルをインストールするには、[IIS 用 Web ゲートウェイ] を選択します。IIS が有効化されていて、この項目が選択されている場合、インストーラは Web ゲートウェイを使用するように IIS を構成します。構成されると、IIS は Web ゲートウェイを呼び出して、組み込みの InterSystems IRIS Web アプリケーションに関連付けられている相対 URL パスに送信される要求を処理します。
Note:IIS が有効かどうかにどうかに関係なく、インストーラは常に、[IIS 用 Web ゲートウェイ] のファイルを既定の IIS ディレクトリ (C:\inetpub\) 内にインストールします。
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Web ゲートウェイ・インストール・ディレクトリ内の組み込みの InterSystems IRIS Web アプリケーションによって使用される静的ファイルをインストールするには、[Web ゲートウェイ用の静的ファイル] を選択します。これにより、Web サーバ・マシン上の中央のファイルシステムの場所からこれらの静的ファイルを処理するように Web サーバを構成できます。(既定では、各 InterSystems IRIS インスタンスは独自のディレクトリから、Web アプリケーションに関連付けられているファイルを提供します。)
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Web ゲートウェイを Apache httpd Web サーバの拡張として実装するファイルをインストールするには、[Apache HTTPD サーバ用 Web ゲートウェイ・モジュール] を選択します。
Caution:インターシステムズは、Windows システムでの Apache httpd Web サーバの使用のサポートを終了しました。
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インストーラで、InterSystems IRIS インスタンスに接続するように Web ゲートウェイを構成するには、[サーバに接続するように Web ゲートウェイを構成] を選択します。このオプションを選択した場合、インスタンスに関する以下の接続情報を指定できます。
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アプリケーション名 : インスタンスが提供するアプリケーションの要求をルーティングする URL パスとして使用できるカスタム名。ほとんどの場合、インスタンスの CSPConfigName を指定することをお勧めします。(既定では、これは小文字のインスタンス名です。)
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IRIS サーバ・アドレス : インスタンスが配置されているマシンのホスト名。
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IRIS サーバ・ポート番号 : インスタンスが Web ゲートウェイ接続を受け入れるスーパーサーバ・ポート。
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接続パスワード (オプション) : インスタンスの CSPSystem ユーザ・アカウントのパスワード。(CSPSystem ユーザ・アカウントは、[通常] または [ロック・ダウン] の初期セキュリティ設定でインストールされたインスタンスの Web ゲートウェイを認証するために使用されます。)
インストーラはこの情報を使用して、Web ゲートウェイの構成ファイル (CSP.ini) を編集し、インスタンスに接続するためのサーバ・アクセス・プロファイルと、インスタンスのアプリケーション (指定した [アプリケーション名] に基づくものを含む) のアプリケーション・アクセス・プロファイルを作成します。
インストーラは、Web ゲートウェイを使用するように Web サーバを正常に自動構成すると、このインスタンス情報を使用して Web サーバも構成します。Web サーバ構成には、構成名に基づいて、インスタンス接頭語 URL パスに送信される要求に対して Web ゲートウェイを呼び出す指示文が含まれます。
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[インストール] を選択してインストールを開始します。
Web ゲートウェイ・インストールの変更、修復、削除
システムに既にスタンドアロン Web ゲートウェイがインストールされている場合、スタンドアロン Web ゲートウェイ・インストール実行可能ファイルを使用してそのインストールを [変更]、[修復]、または [削除] できます。
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[変更] では、Web ゲートウェイ・ファイルの特定のサブセットを表すインストール機能を含めたり除外したりして、インストールをカスタマイズできます。これらのインストール機能は、新規インストールの カスタム・セットアップ・タイプで利用できる機能と同じです。[変更] モードでは、InterSystems IRIS インスタンスの接続の詳細を構成 (または再構成) することもできます。
IIS が有効化されている場合、Web ゲートウェイ・インストールを変更して [IIS 用 Web ゲートウェイ] 機能を含めると、インストーラは新規インストールと同様に Web ゲートウェイを使用するように IIS を構成します。InterSystems IRIS インスタンスの接続の詳細を指定した場合、インストーラは、新規インストールと同様にそのインスタンスの要求を処理するように Web ゲートウェイと IIS を構成します。
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[修復] では、元のインストール設定を使用して、削除されたまたは破損したファイルをリストアし、スタンドアロン Web ゲートウェイを修復できます。元のインストールに [IIS 用 Web ゲートウェイ] 機能は含まれていたが、IIS がまだ有効化されていなかった場合、[修復] モードでは再び Web ゲートウェイを使用するように IIS を構成しようとします。元のインストールで InterSystems IRIS インスタンスの接続の詳細は指定されていたが、IIS がまだ有効化されていなかった場合、[修復] モードでは再びそのインスタンスの要求を処理するように Web サーバを構成しようとします。
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[削除] では、スタンドアロン Web ゲートウェイをアンインストールできます。