ObjectScript シェルの概要
InterSystems IRIS® データ・プラットフォームは、学習、開発、デバッグに役立つコマンド行インタフェース (ObjectScript シェル) を提供します。これは、ObjectScript コマンドの実行 (およびその結果の確認) だけでなく、その他のさまざまなシェルへのアクセスに使用できます。また、ObjectScript シェルには、広範な行呼び出し機能および複数のカスタマイズ・オプションが用意されています。
ObjectScript シェルはターミナルやターミナル・プロンプトと呼ばれることもありますが、これらは完全に正確ではありません。それは、ターミナルという Windows アプリケーション (このシェルにアクセスできるようにするアプリケーション) もあるからです。必要に応じて、このドキュメントでは、この Windows アプリケーションを指す場合、より具体的なターミナル・アプリケーションというフレーズを使用します。
ObjectScript シェルの起動
ObjectScript シェルを起動する方法はいくつかあります。
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任意のオペレーティング・システムで、iris terminal コマンドを使用して、オペレーティング・システムのプロンプトから起動できます。
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Windows では、ターミナル・アプリケーションを使用できます。これは、ウィンドウに ObjectScript シェルを表示し、追加オプションのメニュー・バーも提供する Windows アプリケーションです。ターミナル・アプリケーションについては、個別に詳しく説明しています。
関連する InterSystems IRIS サーバのセキュリティ設定に基づいて、ログインするよう求められるか、既定のユーザ名でログインされます。これにより、(既定では) プロンプトに現在のネームスペースの名前が表示されます。例えば、USER ネームスペースにいる場合、既定のプロンプトは以下のようになります。
USER>
別のネームスペースに切り替えるには、以下の例のように、$namespace 変数を使用します。
USER>set $namespace="SAMPLES"
SAMPLES>
これは、コード内でネームスペースを切り替えるのと同じ方法です。詳細は、"ObjectScript リファレンス" の "$namespace" のリファレンス・ページを参照してください。
一般的な使用
プロンプトに単一行の ObjectScript コマンドを入力できます。ルーチンやクラス内のコード行とは異なり、先頭にスペース文字は不要です。以下に例を示します。
do ^myroutine
set dirname = "c:\test"
set obj=##class(Test.MyClass).%New()
write obj.Prop1
シェルでは、入力した各行の後に Use 0 コマンドが暗黙的に発行されるため、出力は自動的にシェルに書き込まれます。
コマンド入力に複数行モードはないため、コマンド全体を 1 行に入力する必要があります (ただし、シェル内で ルーチンを定義することはできます)。
プロンプトの変化
特定のシナリオで、プログラム・スタック・レベルまたはトランザクション・レベルを示すために、プロンプトが変化して追加情報が表示されます。"利用可能なシェル" も参照してください。
プログラム・スタック・レベル (デバッグ・プロンプト)
エラーが発生した場合、プロンプトには、プログラム・スタック・レベルを示す接尾語が含まれます。次に例を示します。
USER 5d3>
Quit コマンドを入力すると、デバッグ・プロンプトを終了できます。または、エラーをデバッグします。"コマンド行ルーチンのデバッグ" を参照してください。
トランザクション・レベル
トランザクション内で作業している場合、プロンプトには、トランザクション・レベルを示す接頭語が含まれます。接頭語の形式は TLn: です。n はトランザクション・レベルです。例えば、USER ネームスペース内で作業している場合に、ObjectScript コマンド TSTART を入力すると、プロンプトは以下のように変更されます。
USER>tstart
TL1:USER>
ObjectScript シェルを終了すると、これによりトランザクションがロールバックされます。
コマンドの繰り返し
前のコマンドを繰り返すには、目的のコマンドがシェルに表示されるまで上矢印キーを繰り返し押します。コマンドを入力するには、Enter キーを押します。ObjectScript シェルでは、より広範な行呼び出し機能も、前のコマンドを検索するオプションと共にサポートされています。
コピーと貼り付け
テキストをコピーするには、そのテキストを選択して、Ctrl-Insert を押します。次にそれを貼り付けるには、Shift-Insert を押します。
ターミナル・アプリケーションを使用している場合は、その他のオプションも利用できます。
実行の中断
フォアグラウンドの実行を中断するには、Ctrl-Shift-c または Ctrl-c を押します。
スクロール、一時停止、および再開
アクティブなテキストが到着したときは常に、ObjectScript シェルによって、新しく到着したテキストにスクロールされます。右のスクロール・バーを使用して、上下にスクロールします。
以下のようにキーボードを使用することもできます。
キーの組み合わせ | 結果 |
---|---|
Ctrl-Home | バッファの先頭にスクロールします。 |
Ctrl-End | カーソルまで下方にスクロールします。 |
Ctrl-PageUp | 1 ページ単位で上方にスクロールします。 |
Ctrl-PageDown | 1 ページ単位で下方にスクロールします。 |
Ctrl-LineUp | 1 行ごとに上方にスクロールします。 |
Ctrl-LineDown | 1 行ごとに下方にスクロールします。 |
Ctrl-s | スクロールを一時停止します。スクロールが一時停止されている間、ObjectScript シェルは、コマンドを受け入れて処理しますが、画面にコマンドや出力を書き込むことはありません (そのため、応答しないように見えます)。 |
Ctrl-q | スクロールを再開します。 |
終了
ObjectScript シェルを終了するには、以下の手順を実行します。
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現在、使用可能ないずれかの (セカンダリ) シェル内にいる場合は、そのシェルを終了します (詳細はさまざまです)。
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HALT または H と入力します (大文字/小文字の区別なし)。
iris terminal コマンドから ObjectScript シェルにアクセスしていた場合、プロンプトはオペレーティング・システムのプロンプトに戻ります。または、ターミナル・アプリケーションにアクセスしていた場合は、そのアプリケーション・ウィンドウが閉じます。