コマンド行からのターミナル・アプリケーションの実行
Windows のコマンド行からターミナル・アプリケーションを起動できます。その際、接続するサーバ、アクセスするネームスペース、実行するコード、およびウィンドウ・サイズと位置を指定できます。ルーチンを実行したり、ターミナル・スクリプトを実行することもできます。
コマンド行からのターミナル・アプリケーションの起動
Windows のコマンド行からターミナル・アプリケーションを起動するには、以下のいずれかの一般的な形式のコマンドを使用します。
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ローカル・インスタンスに接続する場合
iristerm /console=ConnectString Arg1 Arg2 ... ArgN ScriptFilePath
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リモート・インスタンスに接続する場合
iristerm /server=ConnectString Arg1 Arg2 ... ArgN ScriptFilePath
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接続なしでアプリケーションを起動する場合
iristerm Arg1 Arg2 ... ArgN ScriptFilePath
Note:この方法でターミナル・アプリケーションを起動すると、メニュー・バーに追加のメニュー ([接続] メニュー) が表示されます。このメニューを使用して、インスタンスに接続できます。
以下はその説明です。
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ConnectString は、接続先のインスタンスを示します。"接続オプション" を参照してください。
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Arg1 ... ArgN は、空白で区切られた追加のオプション引数です。これらの引数は接続するサーバを指定し、セッションの開始環境に関するその他の情報を提供します。実行するルーチンの名前を指定することもできます。
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ScriptFilePath は、実行するスクリプト・ファイルのオプションのパス名です。
PATH 環境変数に InterSystems IRIS® データ・プラットフォーム・バイナリの場所が設定されている場合は、コマンド名 iristerm または iristerm.exe を使用します。それ以外の場合は、完全なパス名または部分的なパス名を使用する必要があります。InterSystems IRIS の既定のインストールでのバイナリの場所は、install-dir ディレクトリです。\Bin
接続オプション
Windows のコマンド行からターミナル・アプリケーションを起動する際は、/console 引数または /server 引数を指定することも、どちらも指定しないこともできます。次のバリエーションが許可されます。
この構文は、ターミナル・アプリケーションが TELNET 接続を介してやり取りするターゲット・システムを指定します。これは、ローカル・マシン上でスクリプトを実行するのに便利です。この場合は、HostAddr にローカル・マシンの IP アドレスとポートを指定します。次に例を示します。
iristerm /console=cn_iptcp:127.0.0.1[23]
この構文はローカル・インスタンスに接続し、指定されたネームスペースに切り替えます (指定されている場合)。以下に例を示します。
iristerm /console=cn_ap:iris[USER]
この場合、インスタンス名は iris で、ネームスペース名は USER となります。
ネームスペース名はオプションです。ネームスペース名を指定しない場合は、既定のネームスペースが使用されます。
この構文はローカル・インスタンスに接続し、指定されたネームスペースに切り替えて、指定されたルーチンを実行します。以下に例を示します。
iristerm /console=cn_ap:iris[USER]:^^%%D
この場合、インスタンス名は iris で、ネームスペース名は USER となります。ルーチン名は ^%D (現在の日付を出力する) となります。
ネームスペース名はオプションです。ネームスペース名を指定しない場合は、既定のネームスペースが使用されます。
ルーチンが終了したら、セッションは閉じます。
この構文は、リモート・サーバに安全に接続します。以下に例を示します。
iristerm /server=TESTIRIS
ServerName には InterSystems IRIS サーバを指定します。使用できるサーバのリストを確認するには、[InterSystems ランチャー] を選択してから、[優先接続サーバ] を選択します。サーバのリストが表示されます。
この方法でサーバにアクセスするには、以下を確認してください。
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所望のサーバにおいて、Telnet サービス (%Service_Telnet) が有効であること。(既定ではこのサービスが有効ではないことに注意してください。)
詳細は、"セキュリティ管理ガイド" の "サービス" を参照してください。
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サーバが起動していること。
UNIX® では、サーバが起動している必要はありませんが、InterSystems IRIS に直接ではなく、シェルにログインすることになります。
追加の引数
以下の追加の引数を指定することもできます。
ターミナル・アプリケーション画面の初期サイズを行数と列数で指定します。Rows と Cols はどちらも必ず符号なし整数で指定します。行数と列数の間に入る x は上記のとおりに挿入する必要があります。この制御引数ではスペースは使用できません。
Rows および Cols は次の範囲で指定します。
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5 <= Rows <= 64
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20 <= Cols <= 132
ディスプレイ・デバイス・ウィンドウに表示されるターミナル・アプリケーション画面の原点の初期値をピクセル単位で指定します。X と Y はどちらも必ず符号なし整数で指定します。X と Y を囲む括弧、およびこれらを区切るコンマは省略できません。この制御引数ではスペースは使用できません。
ディスプレイ・デバイスのサイズよりも大きな値を X と Y に指定すると、表示領域の外側にウィンドウを配置することができます。ただし、これは行わないようにしてください。
ディスプレイ・デバイス・ウィンドウに表示されるターミナル・アプリケーション画面の原点の初期値を表示領域のパーセンテージで指定します。Xpct と Ypct はどちらも必ず符号なし整数で指定します。X と Y を囲む括弧、およびこれらを区切るコンマは省略できません。この制御引数ではスペースは使用できません。
XPct および Ypct は次の範囲で指定します。
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0 <= Xpct <= 40
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0 <= Ypct <= 40
つまり、ウィンドウの原点はデバイス原点の上と左側には配置できません。ディスプレイ・デバイスの 40% よりも下または右側にも配置できません。
ログがアクティブである場合は、バッファされる代わりに、ログ・ファイルに出力が直ちに書き込まれます。 これは、別のプロセスがログ・ファイルの出力を検査しているときに便利です。
例
例 : バッチ・モードでのスクリプトの実行
この例では、スクリプトをバッチ・モードで実行します。
C:\InterSystems\iris\bin\iristerm.exe /console=cn_iptcp:127.0.0.1[23] C:\TestScript.scr
例 : ルーチンの実行
この例では、ターミナル・アプリケーションを起動し、基本的なデバッグ・ルーチンの ^%STACK を起動して、現在のユーザおよびターミナル・アプリケーション・プロセスに関する情報を表示します。
C:\InterSystems\iris\bin\iristerm.exe /console=cn_ap:iris[USER]:^^%STACK