プロダクションの正式な概要
相互運用プロダクションの目的は、複数のシステムを接続して、それらの間でメッセージを変換およびルーティングできるようにすることです。システムを接続するために、複数のソフトウェア・システムを統合するプロダクションを開発、構成、導入、および管理します。ここでは、プロダクションと基本的な用語の一部について説明します。
プロダクションの概要
相互運用プロダクションは、システムを簡単に接続し、アプリケーションを開発して相互運用性を実現するための統合フレームワークです。プロダクションには、幅広いメッセージ形式と通信プロトコルに対応する組み込みの接続が用意されています。その他の形式やプロトコルを簡単に追加することができ、ビジネス・ロジックとメッセージ変換をコーディングまたはグラフィック・インタフェースを使用して定義できます。プロダクションにはメッセージの永続ストレージが用意されているので、メッセージのパスをトレースして、メッセージが正常に配信されたかどうかを監査できます。プロダクション内の要素は、ビジネス・ホストと呼ばれています。3 種類のビジネス・ホストがあり、次のようにそれぞれの用途が異なります。
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ビジネス・サービスは外部システムと接続し、そこからメッセージを受信します。ビジネス・サービスは、そのメッセージをプロダクション内の他のビジネス・ホストに中継します。
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ビジネス・プロセスでは、ルーティングやメッセージ変換を含むビジネス・ロジックを定義できます。ビジネス・プロセスはプロダクション内の他のビジネス・ホストからメッセージを受信し、その要求を処理するか、他のビジネス・ホストに転送します。
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ビジネス・オペレーションは外部システムと接続し、そこにメッセージを送信します。ビジネス・オペレーションはプロダクション内の他のビジネス・ホストからメッセージを受信し、通常は外部システムに送信します。
下の図は、プロダクションとビジネス・ホストの概念的概要を示しています。
ビジネス・ホストは、メッセージを介して相互に通信します。すべてのメッセージは、InterSystems IRIS® データベースに保存されており、管理ポータル経由で確認できます。
ほとんど (ただし全部ではない) の場合、ビジネス・サービスに受信アダプタが関連付けられています。受信アダプタの役割は、プロダクション外部のエンティティから入力を受け取ることです。同様に、多くの場合、ビジネス・オペレーションに送信アダプタが関連付けられています。送信アダプタの役割は、プロダクション外部のエンティティに出力を送信することです。InterSystems IRIS には、さまざまなテクノロジを処理するための豊富なアダプタのセットが用意されています。例えば、ファイルには FTP 用とは別のアダプタを使用します。独自のアダプタを定義することもできます。
下の図は、管理ポータルに表示された実際のプロダクションを示しています。
このビューには、1 つのビジネス・ホスト Demo.Loan.FindRateDecisionProcessBPL との間のすべての接続が表示されています。ビジネス・サービスとビジネス・オペレーションの定義に含まれているアダプタは表示されないことに注意してください。
設定
大抵の場合、プロダクションには数多くの設定が含まれています。設定は、プロダクションの動作を制御する構成可能な値です。また、設定は、さまざまな方法でプロダクションに影響を与えることができます。例えば、次のような項目を指定できます。
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ビジネス・サービスでリッスンする TCP ポート
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新しい入力をチェックする頻度
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使用する外部データ・ソース名 (DSN)
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外部エンティティと接続するときに使用する TLS 構成
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接続を維持する期間
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その他
InterSystems IRIS の重要な特徴は、システム管理者がプロダクションの実行中に設定を変更できることです。変更は即座に反映されます。システム管理者がこのような変更を加えるために使用する Web ページの例を以下に示します。
プロダクションとそのビジネス・ホストには、InterSystems IRIS から提供された設定が含まれています。これらは、プロダクション・クラスとビジネス・ホスト・クラスのプロパティに対応しています。InterSystems IRIS クラスの独自のサブクラスを定義することによって、全く同様に追加の設定を定義できます。設定を削除することによって、対応するプロパティをハードコードして構成できないようにすることもできます。
プロダクション内のメッセージ・フロー
通常、相互運用プロダクションは次のように受信イベントを処理します。
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受信アダプタが、受信イベントを受け取り、それをメッセージ・オブジェクトに変換して、関連するビジネス・サービスに渡します。
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ビジネス・サービスが、後続の要求メッセージを作成し、その新しいメッセージをプロダクション内のビジネス・プロセスまたはビジネス・オペレーションに渡します。
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要求メッセージを受け取ったビジネス・プロセスが、事前に定義された一連のアクティビティを順次または並列に実行します。これらのアクティビティに、他のビジネス・ホストへの後続のメッセージの送信が含まれる場合があります。また、ビジネス・プロセスは、プロダクション内のほとんどのまたはすべてのビジネス・ロジックを担当しています。
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ビジネス・オペレーションが、InterSystems IRIS 外部のリソース (その多くは外部ソフトウェア・アプリケーション) の機能をカプセル化します。このビジネス・オペレーションは、要求メッセージ・オブジェクトのプロパティを、外部アプリケーション API で使用できる形式に変換します。
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送信アダプタは、プロダクション内部からの特定の外部システムまたはアプリケーションとの通信の詳細を管理します。送信アダプタは API 呼び出しを外部エンティティに送信します。
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外部システムや外部アプリケーションからの応答により、イベントのフローを開始した外部エンティティに対し、連鎖する応答メッセージをトリガして戻すことができます。詳細は、プロダクション開発者がどの設計を選択したかによって異なります。
デモンストレーションとして、下の図は、プロダクションが初期メッセージ (この場合は、外部ソースではなく、管理ポータルのテスト・サービスから送信される) に応答して送信した関連メッセージのセットのトレースを示しています。
この処理には、自動化されたビジネス・プロセスにユーザ操作を組み込めるようにするワークフローを含めることもできます。企業内でのワークフローの使用例としては、受注、注文調達、契約の承認、およびヘルプ・デスク活動があります。"その他のプロダクション・オプション" で詳しく説明します。