入出力コマンドでのデバイスの指定
入出力コマンド OPEN、USE、CLOSE を使用して、作業中以外のデバイスで入出力操作を実行する場合、入出力デバイスを指定する必要があります。デバイス・タイプにより、以下の 3 つの方法でデバイスを指定できます。
指定する種類 | デバイスの用途 |
---|---|
InterSystems IRIS デバイス名 | ターミナルとプリンタ |
InterSystems IRIS デバイス ID またはデバイス・エイリアス | シーケンシャル・ファイル以外のすべてのデバイス |
ファイル名 | シーケンシャル・ファイル |
Windows および UNIX® では、プリンタ入出力の扱いがそれぞれ異なっています。詳細は、"プリンタ" を参照してください。
デバイス名によるターミナルとプリンタの指定
ターミナル (あるいは、いくつかのプラットフォームではプリンタ) に対して入出力操作を行う場合、オペレーティング・システム (UNIX® または Windows) が提供するデバイス名を使用してデバイスを指定できます。形式は以下のとおりです。
OPEN "device"
USE "device"
CLOSE "device"
device は、引用符で囲んだオペレーティング・システムでのデバイス名です。device の最大長は 256 文字です。
Windows システムでのターミナルの指定
シリアル通信ポートに接続された入出力デバイスを開くには、以下の構文で OPEN コマンドを指定します。
OPEN "comn:"
n は、デバイスに接続されたポート番号です。
OPEN "com1:"
UNIX® でのターミナルとプリンタの指定
UNIX® デバイス名 /dev/tty06 を持つターミナルで入出力デバイスを開くには、以下のコマンドを入力します。
OPEN "/dev/tty06"
UNIX® システムでは、プリンタは、OPEN コマンドで指定した名前で識別され、tty デバイスの “character special” ファイルとして処理されます。したがって、サポートされる OPEN と USE のコマンド引数は、ターミナル入出力のコマンド引数と同じであり、シーケンシャル・ファイル入出力のコマンド引数とは異なります。Windows システムでは、プリンタ入出力はシーケンシャル・ファイル入出力と同じように処理されます。
InterSystems IRIS ID によるデバイスの指定
インターシステムズ社の他の製品との互換性と利便性のため、デバイス番号を使用してデバイスを参照できます (デバイス・テーブルに格納されています)。システム管理者は、管理ポータルを使用して、これらの番号をデバイスにリンクできます。[システム管理]、[構成]、[デバイス設定]、[デバイス] を選択して、新規デバイスの作成や既存デバイスの編集を行います。
システム管理者は、特定のデバイス番号を別の番号へ変換できます。例えば、ユーザが発行した OPEN 47 を、InterSystems IRIS は OPEN 49 に変換できます。
以下のテーブルはデバイス番号を示します。
デバイス番号 | デバイス |
---|---|
0 | 主デバイス (ログインしたデバイス) |
2 | InterSystems IRIS スプーラ。UNIX® : このデバイスにはニーモニック SPOOL が適用されます。 |
3 | 無効なデバイス番号。無効な番号のデバイスをオープンしようとすると、timeout の期限切れを待たずに <NOTOPEN> エラーが返されます。 |
63 | 表示バッファ |
20-46, 200-223 | ルーチン・インタロック・デバイス |
224-255 | インタジョブ・コミュニケーション・デバイス |
例
スプーラを開くには、以下のコマンドを発行します。
OPEN 2
ディスクでファイルの指定
二重引用符で囲まれた、オペレーティング・システムのファイル指定を使用して、ディスク・ファイルを開くことができます。
Windows のファイル指定は以下の形式です。
device:\directory\file.type
UNIX® のファイル指定は以下の形式です。
/directory/name
詳細は、"ファイルの指定" を参照してください。
UNIX の例
UNIX® システムまたは Windows システムの現在の既定ディレクトリが /usr/user の場合、そのディレクトリに格納されている pat_rec.dat というファイルを次のように開くことができます。
OPEN "pat_rec.dat"
システムは、自動的にこのファイルを開きます。新規ファイルの場合は、パラメータ文字列 WN を追加して、システムが停止しないようにします。
別のディレクトリに格納された、pat_rec.dat と同じ名前を持つファイルを開くには、以下のようにディレクトリを指定する必要があります。
OPEN "/usr/elsewhere/pat_rec.dat"