Web ゲートウェイの管理と監視
ここでは、Web ゲートウェイ管理ページから、InterSystems Web ゲートウェイを管理および監視する方法について説明します。
システム・ステータスの確認
[システムステータス] オプションには、すべてのアクティブな接続のステータスが表示されます。この機能を使用するには、システム管理者であることが必要です。以下の各表では、列見出しをクリックするとその列を基準にして並べ替えることができます。
InterSystems IRIS への接続
最初のステータス・テーブル (InterSystems IRIS への接続) は、InterSystems IRIS® への接続に関する情報を表示します。
アイテム | 機能 |
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[接続番号] | Web ゲートウェイが接続に割り当てる番号。可能な接続数は InterSystems IRIS ライセンスで決まります。 |
[ゲートウェイPID] | 接続の Web ゲートウェイ (またはホスト Web サーバ) プロセス ID |
[サーバ名] | 接続先 InterSystems IRIS システムの名前。ミラー・メンバは、ミラーメンバ名が付加された現在の構成名を示します。 |
InterSystems IRIS PID | InterSystems IRIS サーバのプロセス ID。 |
[状態] | 以下のように、InterSystems IRIS システムとの間で情報の送受信が行われているかどうかを示します。Free — 情報は送信されておらず、接続は次の要求を処理する準備をしています。In Use — 情報は接続を介して送信中です。Private — 接続はステート認識 (保持モード 1) であり、一般的な用途には解放されていません。Server — 接続は InterSystems IRIS サーバによって使用されています。 |
[アイドル時間]/[タイムアウト] | その接続に適用されるタイムアウトに対して、接続がアイドル状態になっている時間を示します。タイムアウトは、状態なしプール内の接続の場合は '無使用タイムアウト' で、'プライベート' としてマークされた接続の場合は 'アプリケーション・タイムアウト' です (ステート認識)。 |
[アクティビティ] | この接続で処理したトランザクション (ヒット) 数。 |
[中断] | ステータスが '使用中' の接続では、[中断] ボタンは、対応する InterSystems IRIS プロセスを中断し、次の Web 要求を受け入れ可能な状態に戻そうとします。 |
[閉じる] | 使用可能な場合、これを選択すると接続を強制的に閉じることができます。"手動による接続の切断" を参照してください。 |
InterSystems IRIS サーバ・テーブル
2 番目のステータス・テーブル (InterSystems IRIS サーバ) は、InterSystems IRIS サーバに関する情報を表示します。
アイテム | 機能 |
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[サーバ番号] | Web ゲートウェイがサーバに割り当てる番号。 |
[サーバ名] | 接続先 InterSystems IRIS システムの名前。 |
[ミラー・メンバ] | ミラー認識構成の場合、ミラー・メンバの名前。 |
[ミラー・ステータス] | ミラー認識構成の場合、ミラー構成の名前とサーバのミラー・ステータス。メンバ・タイプと、フェイルオーバーまたは非同期のどちらであるかが表示され、プライマリには 'プライマリ' というラベルが付けられます。 |
[総接続] | InterSystems IRIS システムへの接続数。 |
[使用中の接続] | 現在使用中の (Web 要求を実際に処理している) 接続数。 |
[プライベート接続] | ステート認識セッション (保持モード 1) として現在使用中の接続数。 |
[総アクティビティ] | InterSystems IRIS システムが処理したトランザクション (ヒット) 数。 |
[キューイングされた要求] | InterSystems IRIS システムへの接続が空くのを待機して、キューに保持されている Web 要求の数。キューイングされた要求は、高いパフォーマンスを維持するために InterSystems IRIS ライセンスを増加する必要があるかどうかを判断する目安になります。 |
[閉じる] | この InterSystems IRIS サーバ上のすべての接続を閉じます。"手動による接続の切断" を参照してください。 |
アプリケーション・パス・テーブル
3 番目のステータス・テーブルはアプリケーション・パスの情報を表示します。
アイテム | 機能 |
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[パス番号] | Web ゲートウェイがアプリケーション・パスに割り当てる番号。 |
[パス] | アプリケーション・パス。 |
[サーバ番号] | Web ゲートウェイが InterSystems IRIS サーバに割り当てる番号。 |
[サーバ名] | 接続先 InterSystems IRIS システムの名前。 |
[アクティビティ] | 最後のゲートウェイ以降にこのサーバによって処理されたこのパスの要求数。 |
[状態] | このサーバの状態。Disabled、Enabled または Offline のいずれかです。このセットの現在のマスタ・サーバ (またはプライマリ・サーバ) もこの列で示されます。 |
[アクション] | サーバが Offline とマークされている場合、この列には管理者が再度 Online/Enabled とマークできるボタンが含まれます。 |
Web ゲートウェイ・キャッシュ・テーブル
4 番目のテーブルに、Web ゲートウェイの応答キャッシュに保持されるフォームを示します。
アイテム | 機能 |
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[キャッシュされたフォーム] |
キャッシュされたフォームの名前 (パスを含む)。 |
[キャッシュされたデータ (バイト単位)] |
ゲートウェイに保持されているキャッシュされたフォーム・データの量 (バイト単位)。 |
[使用中のキャッシュ・ブロック] |
使用中のキャッシュ・メモリ・ブロック数の合計 |
[キャッシュ・ファイル] |
(Web サーバ・ホスト上の) 永続ストレージを使用してファイルをキャッシュする場合、物理ファイルの名前。 |
[キャッシュ・フォーム・アクティビティ] |
このフォームがキャッシュに要求された回数の合計数。 |
[クリア] |
このフォームをキャッシュからクリアします。"キャッシュのクリア" を参照してください。 |
手動による接続の切断
CSP 接続がまだアクティブなときに InterSystems IRIS システムが停止した場合、以下のいずれかの状況になるまで、CSP は引き続きシステムに接続しようとします。
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システムへの再接続が成功する。
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CSP が停止する。
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手動で接続を閉じる。
長時間にわたる InterSystems IRIS システムのダウンタイムを予定している場合は、接続を閉じることができます。[システムステータス] ページの [閉じる] ボタンを使用して、セッションを手動で閉じることができます。
InterSystems IRIS システムの停止中に接続を閉じることができます。
キャッシュのクリア
Web アプリケーションの開発プロセスなどの特定の状況では、Web ゲートウェイ・キャッシュをクリアすることが必要になる場合があります。これを行うには、以下を実行します。
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管理ポータルで [システム管理]→[構成]→[ウェブゲートウェイ管理] に移動して、[システムステータス] を選択します。
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[システムステータス] ページには、いくつかのテーブルがあります。キャッシュをクリアするには、[キャッシュされたフォーム] テーブルで、[合計] 行 (下の行) の [クリア] 列 (右端列) にあるボタンを選択します。[システムステータス] ページに [キャッシュされたフォーム] テーブルが表示されない場合、現在キャッシュされたコンテンツはありません。これは、キャッシュが最近クリアされ、それ以降何もキャッシュされていないためです。
このアクションでは、Web ゲートウェイのキャッシュされたコンテンツをすべてクリアし、コンテンツが新しくキャッシュされるまで、[キャッシュされたフォーム] テーブルをページから削除します。
サーバ接続のテスト
[サーバ接続のテスト] オプションは、InterSystems IRIS システムへの Web ゲートウェイの接続をテストする際に役立ちます。この機能を使用するには、システム管理者であることが必要です。
CSP 接続をテストするには、以下の手順を実行します。
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Web ゲートウェイ管理ページから、[サーバ接続のテスト] を選択します。
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表示されたリストで、目的の InterSystems IRIS システムを選択します。
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[接続] を選択します。
選択した内容とサーバ接続の状態に応じて、以下のいずれかの結果が表示されます。
結果 | 意味 |
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CSP テスト・フォーム | Web ゲートウェイは正常に動作しており、InterSystems IRIS に接続できます。このフォームは、ターゲットの InterSystems IRIS サーバ によって返される基本パラメータ (バージョンおよびプロセス ID) を示します。 |
サーバアベイラビリティエラー | InterSystems IRIS にアクセスできない場合、このエラーが発生します。追加のエラー・メッセージがない場合は、InterSystems IRIS システムが稼動しているかどうかを確認します。また、Web ゲートウェイ・イベント・ログで特定の接続エラー・メッセージを確認します。 |
どのような場合でも、エラー状況が返された場合は、Web ゲートウェイ・イベント・ログで追加および具体的なエラー情報を確認します。必要に応じ、ログ・レベルを上げて、追加の診断情報を取得することを検討してください。
イベント・ログの表示
Web ゲートウェイ管理ページのメイン・メニューから [イベントログを参照] オプションを使用して、Web ゲートウェイ・イベント・ログの内容を確認します。[イベントログレベル] パラメータは、どのような情報がログに記録されるかを決定します。
Web ゲートウェイは、既定では CSP.log という名前のログ・ファイルにイベント・ログを格納します。便宜のために、Web ゲートウェイの [Web ゲートウェイについて] 管理ページには、このファイルの場所が示されています。アクティブなログ・ファイルが [イベントログ切り替えサイズ] で指定した容量に達すると、このファイルは filename.old (filename は元の完全なファイル名) にコピーされます。[イベントログ切り替えサイズ] が空白の場合 (既定)、このファイルは手動でクリアされるまで増大します。すべてのログを、日付と時刻を含む名前を付けて保存するには、[デフォルトパラメータ] ページの [すべてのログ・ファイルを残す] にチェックを付けます。各ログ・エントリには、そのログ・エントリが作成された日付、時刻、および追加情報を記録したヘッダ・レコードが表示されています。
ログ・エントリは、InterSystems IRIS インスタンスが構造化ログ機能で使用しているものと同じ、機械で判読可能な形式に従っています。つまり、Web ゲートウェイ・イベント・ログの分析には、InterSystems IRIS インスタンスのログの分析に使用しているものと同じサードパーティのツールを使用できます。効率性を高めるため、Web ゲートウェイ・イベント・ログでは、when、level、event、pid、text といった、他の構造化ログで使用されているものと同じフィールド名を使用しています。[イベントログを表示] ページでは、text および details フィールドは、フィールド名なしで表示されています。ただし、CSP.log ファイルで提供されるログ・エントリでは、名前と値のペア (NVP) 形式に完全に準拠しています。
以下に、CSP.log に表示される Web ゲートウェイ・イベント・ログのエントリの例を示します。CSP.log では各エントリが 1 行で記述されます。ただし、この例では、読みやすいように、複数の行に分割されています (\ 文字でマークされています)。
local-time="Thu Jul 21 11:39:20 2022" \ wg-build="RT 2202.1825 (win32/apapi:srv=2.4.52/apr=1.7.0/apu=1.6.1/mpm=WinNT)" \ wg-log-level=0 when="2022-07-21 15:39:20.831" level=WARNING event=WebGateway.SessionOpen \ pid=17216 thread-id=2072 text="Warning" \ details="A Connection between the Web Gateway and InterSystems IRIS has been found to be \ closed (possibly as a result of an intermediary, such as a firewall, timing-out the TCP session)"
イベント・ログから現在のすべてのエントリを消去するには、[ログをクリア] を選択します。
ログは日付/時刻の昇順 (既定) または降順で表示できます。 フォームの右上隅にあるリンクを選択すると表示順が逆になります。このリンクには、2 つのモードを切り替える役割があります。
最後に、ほとんどのブラウザでは、1MB ほどを超えるログ・データを 1 つのフォームで表示することはできません。 このため、返されるログ・データの容量が 1MB に達すると Web ゲートウェイは表示を終了し、次ページのデータを表示するようユーザに指示します (フォームの左下隅にある [次] リンクを参照)。 また、フォームの右下隅にある [トップ] ハイパーリンクを使用すると、一連のフォームのうち最初のフォームにすばやく戻ることができます。
HTTP トレース機能の使用法
HTTP トレース機能には [HTTP トレースを表示] オプションからアクセスします。
トレース・ウィンドウは 2 つの主なフレームから構成されています。左側のフレームには、Web ゲートウェイで処理された HTTP 要求のリストがあり、時刻と (Web ゲートウェイから割り当てられた) 一意の要求 ID が示されます。それぞれの要求を選択すると、要求および応答データが右側のフレームに表示されます。リンクにより、要求メッセージと応答メッセージの表示を簡単に切り替えることができます。
Web ゲートウェイが報告する HTTP 要求ヘッダは再構成されているという点に注意してください。これは、ホスト Web サーバが常に、要求ヘッダを解析する責任を負っているためです。Web ゲートウェイは Web サーバが提供する CGI 環境変数から完全なヘッダを再構成します。ただし、要求が NSD コンポーネントを介して直接 (つまり、実際には Web サーバをバイパスして) 渡される場合、記録された要求ヘッダは、クライアントからディスパッチされた場合とバイト単位で同じになります。