ターミナル・アプリケーションのカスタマイズ
ここでは、ターミナル・アプリケーションの外観と動作をカスタマイズするさまざまな方法について説明します。
フォントの指定
フォント・サイズを指定するには、[編集]→[フォント] を選択します。これによりダイアログ・ボックスが表示されます。このダイアログ・ボックスで、使用しているモニタと解像度に適した書体、サイズ、およびスタイルを選択できます。
画面の枠を越えてウィンドウが拡張するようなフォント・サイズを選択した場合は、画面とフォントの両方が使用可能な最大サイズに自動調整されます。
また、異なるサイズ画面に切り替えたときは常に、そのサイズに対して事前選択されているフォントが使用されます。
色の指定
色を指定するには、[編集]→[色] を選択します。これにより、ターミナル・アプリケーションの既定の前景色と背景色を選択できるダイアログ・ボックスが表示されます。以下のいずれかを選択します。
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[適用] をクリックすると、現在のセッションのみが変更されます。
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[保存] をクリックすると、現在のインスタンスは変更されず、新規セッション用に色情報が保存されます。
ANSI 名で事前指定された色から、ディスプレイ・ボードが提供する任意の色に調整できます。これらの色は、前景色および背景色と共に保存されます。既定の色を選択するには、[デフォルト] を選択してから色を選択します。
ウィンドウ・サイズの指定
ターミナル・アプリケーション・ウィンドウのサイズを指定するには、[編集]→[ウィンドウサイズ] を選択します。次のようなダイアログ・ボックスが表示されます。
列の最大数は 132 で、行の最大数は 64 です。変更を加えると、ダイアログ・ボックスで、使用可能なスクロールバックの行数とページ数が更新されます。以下のいずれかを選択します。
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[適用] をクリックすると、現在のセッションのみが変更されます。
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[保存] をクリックすると、現在のインスタンスは変更されず、新規セッション用にウィンドウ・サイズ情報が保存されます。
ウィンドウのサイズを変更すると、ターミナル・アプリケーションでは、現在の表示ページとすべてのバック・ページにある現行のすべてのデータが消去されます。さらには、新しいサイズ用に選択されているフォントがある場合は、そのフォントが選択されます。
カスタム・キーの組み合わせの定義
カスタム・キーの組み合わせを定義するには、[編集]→[ユーザキー] を選択します。これによりダイアログ・ボックスが表示されます。このダイアログ・ボックスでは、ObjectScript コマンドを、Alt-Shift-F1 から Alt-Shift-F10 までのいずれかのキーの組み合わせと関連付けることができます。
[OK] と [保存] を続けて選択すると、現在のインスタンスが更新されると同時に、以降のセッション用にキー・シーケンスが保存されます。
出力できない文字をコマンドに含めるには、その文字と同等の 10 進数値 (nnn) を使用します。また、<CR>、<F10>、<F7>、<DO>、<TAB>、<LF>、<ESC>、<CSI>、<NL> (= <CR><LF>) のいずれかを使用できます。
<P1>、<P2> などのコマンド行パラメータも使用できます。
ユーザ設定の指定
ユーザ設定を指定するには、[編集]→[ユーザ設定] を選択します。これによりダイアログ・ボックスが表示されます。このダイアログ・ボックスでは、ターミナル・アプリケーションによって使用される各種パラメータの現行設定値と初期値の両方を指定できます。この設定は以下のとおりです。
設定 | 説明 |
---|---|
Wrap | 右側の列での自動折り返しを設定します。 |
<- Key sends ^H | <X> キーが Delete ではなく Ctrl-H を送信するように設定します。 |
Application Keypad | アプリケーション・モードのキーパッドを有効化します。 |
Force Numeric Pad | 標準の PC キーパッドを強制します。 |
Disable Special ID | 特殊なターミナル ID を送信しません。 |
Disable Mouse Reports | マウス・レポートを送信しません。 |
Enable Fast Paint | 高速描画モードを有効化します。 |
Paste Keeps Linefeed | クリップボード内の改行を (キャリッジ・リターンと共に) 送信するように設定します。 |
Pass XOFF Through | リモート・ホストが XOFF/XON を処理するように設定します。 |
Windows edit accelerators | 基本的な編集ショートカット (Ctrl-Insert と Shift-Insert) に加えて、ターミナル・アプリケーションで一般的な Windows の編集ショートカット (Ctrl-C、Ctrl-V、Ctrl-Shift-V) を有効にするかどうかを指定します。
これらの Windows ショートカットが有効化されていない場合は、文字がデータ・ストリームで InterSystems IRIS® データ・プラットフォーム・サーバ・プロセスに渡されます。 |
Paste burst size (in bytes) | 一度の送信に貼り付ける文字数を設定します。 |
Paste pause time (in msec) | バースト・サイズよりも長いマテリアルが貼り付けられた場合の、連続する送信の間隔をミリ秒単位で設定します。 |
一部のシステムでは、そのデータ受信速度が、ターミナル・アプリケーションのデータ送信速度よりも遅い場合があります。その場合は、[Paste burst size] で一度に送信するデータ量を指定し、[Paste pause time] で送信間の一時停止時間を指定します。いずれかの設定が 1 未満の場合は、クリップボード全体が一度に送信されます。
ネットワーク・エンコードの指定
ターミナル・アプリケーションのネットワーク・エンコードでは、以下の場合に文字を変換する方法を制御します。
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キーボード入力が、Unicode を使用してターミナル・アプリケーションのディスプレイ・メモリに変換される場合。キーボードから受け取った文字は、現行の Windows 入力文字セットを使用して、シングルバイトまたはマルチバイトの文字ストリームから変換されます。これは、入力言語を変更した場合に、その変更がアプリケーションによって認識され、対応処理されることを意味します。これによって、複数言語の混在入力が可能となり、混在入力はアプリケーションによって認識され、内部の Unicode 表現に適切に変換されます。複数言語を混在入力する場合は、ネットワーク・エンコードおよび $ZMODE 入出力変換テーブルとして [UTF8] を選択します。
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ターミナル・アプリケーションがピア・サーバと通信する場合。サーバに転送される文字は内部の Unicode 表現からネットワーク・エンコードに変換され、サーバから受け取った文字はネットワーク・エンコードから Unicode に変換されます。
既定のネットワーク・エンコードは UTF8 です。
ネットワーク・エンコードを指定するには、[編集]→[ネットワーク・エンコーディング] を選択します。これにより、ターミナル・アプリケーションで使用するネットワーク・エンコードを選択できるダイアログ・ボックスが表示されます。選択できるエンコードは、[UTF8]、[Windows]、[ISO]、および [EUC] の 4 つです。これらのエンコードのすべてがあらゆる入力ロケールに関連するわけではないため、関連するエンコードのみがメニューに表示されます。
UTF8 エンコード
UTF8 オプションを選択すると、ターミナル・アプリケーションで、内部の Unicode 文字は、サーバへの出力時は UTF8 に変換され、サーバからの受信時は UTF8 から変換されます。UTF8 を選択する場合は、主入出力デバイスの InterSystems IRIS® データ・プラットフォームの入出力変換が UTF8 である必要があります。この入出力変換は、$ZMODE によって確認できます。円記号 (\) で区切られた 4 番目のフィールドにあります。
Windows エンコード
Windows オプションを選択すると、ターミナル・アプリケーションでは、ターミナル・アプリケーションとサーバ間での内部の Unicode 文字セット・エンコードに対する入出力変換に、現行の Windows 入力コード・ページが使用されます。Windows エンコードを使用するときは、InterSystems IRIS 入出力変換 ($ZMODE) を、アクティブな Windows コード・ページが示す文字セットになるように設定する必要があります。
ISO エンコード
ISO オプションを選択すると、ターミナル・アプリケーションでは、ピア・サーバとの入出力変換に、以下の ISO 8859-X コード・ページが使用されます。適切な ISO コード・ページは、現行の Windows 入力コード・ページに基づいて選択されます。有効な対応関係は、以下のとおりです。
言語地域 | ISO 標準 | Windows コード・ページ | ネットワーク・コード・ページ |
---|---|---|---|
西ヨーロッパ | 8859-15 | 1252 | 28605 |
中央ヨーロッパ | 8859-2 | 1250 | 28592 |
キリル文字 | 8859-1 | 1251 | 28591 |
ギリシャ語 | 8859-7 | 1253 | 28597 |
トルコ語 | 8859-9 | 1254 | 28599 |
ヘブライ語 | 8859-8 | 1255 | 28598 |
アラビア語 | 8859-6 | 1256 | 28596 |
バルト・リム語 | 8859-4 | 1257 | 28594 |
韓国語 | iso-2022-kr | 949 | 50225 |
日本語 (JIS) | N/A | 932 | 50220 |
ISO ネットワーク・エンコードが選択されている場合は、他のすべての Windows 入力コード・ページで Windows コード・ページが使用されます。
ISO エンコードを使用するとき、$ZMODE で表示される InterSystems IRIS 入出力変換が、ターミナル・アプリケーションによって使用されるアクティブな ISO コード・ページで示す文字セットと矛盾しないように確認する必要があります。
EUC エンコード
EUC エンコードは、極東地域の言語に関連するエンコードであり、一部の UNIX® システムとの通信に使用します。EUC オプションを選択すると、ターミナル・アプリケーションでは、サーバとの入出力変換に、以下のコード・ページが使用されます。適切な EUC コード・ページは、現行の Windows 入力コード・ページに基づいて選択されます。有効な対応関係は、以下のとおりです。
言語地域 | ISO 標準 | Windows コード・ページ | ネットワーク・コード・ページ |
---|---|---|---|
日本語 | N/A | 932 | 51932 |
簡体字中国語 | N/A | 936 | 51936 |
韓国語 | N/A | 949 | 51949 |
日本語 (JIS) のサポートは、50220 コード・ページを使用する ISO ネットワーク・エンコードによって実現され、内部の Unicode との変換が行われます。
表示の物理文字設定の指定
物理文字設定を指定するには、[編集]→[物理文字表示の設定] を選択し、[論理] または [物理] を選択します。このオプションでは、アプリケーション・ウィンドウに表示される文字の形態を制御できます。両者の相違がわかるのは、マルチバイトの文字セットの使用時のみです。