UNIX®、Linux、および macOS での自動インストール
ここでは、UNIX®、Linux、および macOS での自動インストールの手順について詳しく説明します。
ここに示す手順を実行する前に、以下を完了していることを確認してください。
自動インストールの概要
既定 :
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irisinstall_silent スクリプトを使用すると、InterSystems IRIS インスタンスの自動インストールを各自のシステムで実行できます。
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自動インストールでは、irisinstall_silent コマンド行で指定された構成パラメータとパッケージから構成の仕様を取得します。
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各指定パッケージは InterSystems IRIS コンポーネントを表しています。各コンポーネントのインストール・スクリプトは、irisinstall_silent スクリプトを含むディレクトリの下の packages ディレクトリにあります。
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コマンド行 irisinstall_silent の一般的な形式は、環境変数の設定によるインストール・パラメータの定義の後にコマンド自体が続きます。詳細は、以下の例を参照してください。
例 :
sudo ISC_PACKAGE_INSTANCENAME="<instancename>"
ISC_PACKAGE_INSTALLDIR="<installdir>"
ISC_PACKAGE_PLATFORM="<platform>" ISC_PACKAGE_UNICODE="Y"|"N"
ISC_PACKAGE_INITIAL_SECURITY="Minimal"|"Normal"|"Locked Down"
ISC_PACKAGE_MGRUSER="<instanceowner>" ISC_PACKAGE_MGRGROUP="<group>"
ISC_PACKAGE_USER_PASSWORD="<pwd>" ISC_PACKAGE_CSPSYSTEM_PASSWORD="<pwd>"
ISC_PACKAGE_IRISUSER="<user>" ISC_PACKAGE_IRISGROUP="<group>"
ISC_PACKAGE_CLIENT_COMPONENTS="<component1> <component2> ..."
ISC_PACKAGE_STARTIRIS="Y"|"N"
./irisinstall_silent [<pkg> ...]
手順 1 : 開始前
既定 :
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インストールを開始する前に、必要なインストール前の手順を実行します。
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外部 Web サーバをインストールする方針を決定します。
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最も簡単なオプションは、インストールを開始する前に Apache httpd Web サーバをインストールすることです。インストーラにより、この Web サーバを自動構成できます。
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異なる Web サーバを使用するか、IIS Web サーバを手動で構成する予定である場合は、インストールの前に実施する必要のある手順について、"Web サーバのインストール" を確認してください。
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手順 2 : root としてログイン
既定 :
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ユーザ ID root としてログインします。
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root 以外のアカウントでログインしているときでも、su (スーパーユーザ) コマンドで root に変更できます。
詳細 :
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root が使用できない場合は、非 root ユーザとして InterSystems IRIS の非標準の制限付きインストールを実行できます。続行する前に、"InterSystems IRIS の非 root ユーザとしてのインストール" を参照してください。
手順 3 : 指定するパラメータの決定
既定 :
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自動インストールに必要なパラメータを含めます。
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ISC_PACKAGE_INSTANCENAME=“<instancename>”
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ISC_PACKAGE_INSTALLDIR=“<install-dir>” (新規インスタンスのみ)
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ISC_PACKAGE_USER_PASSWORD=“<password>” (通常またはロック・ダウンのセキュリティ・レベルのインストールに必要)
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これらの必須パラメータの詳細は、"自動インストール・パラメータ" を参照してください。
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インストールでは、含められていないパラメータについては既定値を使用します。必須パラメータが含まれていない場合、インストールは失敗します。
詳細 :
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その他のパラメータを含めます。詳細は、"自動インストール・パラメータ" を参照してください。
手順 4 : 自動インストール・パッケージの使用
既定 :
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パッケージ名や standard_install パッケージを含めないでください。
詳細 :
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各コンポーネントのインストール・スクリプトは、irisinstall_silent スクリプトを含んでいるディレクトリの配下の packages ディレクトリに含まれています。
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各パッケージは、それぞれのディレクトリ内に配置され、各パッケージのディレクトリには、そのディレクトリ内パッケージの前提条件となるパッケージが定義された manifest.isc ファイルが含まれています。
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standard_install パッケージは、すべてのパッケージがインストールされるサーバ・インストールの開始ポイントです。
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インストールにこれらのパッケージを 1 つ以上含めることができます。
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インストールにカスタム・パッケージを定義することもできます。詳細は、"自動インストール・パッケージ" を参照してください。
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より複雑なカスタム・インストール・パッケージの詳細は、"InterSystems IRIS ディストリビューションへの UNIX® インストール・パッケージの追加" を参照してください。
手順 5 : インストール・コマンドの作成
既定 :
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以下の形式を使用してインストール・コマンドを作成します。
sudo ISC_PACKAGE_INSTANCENAME="<instance-name>" ISC_PACKAGE_INSTALLDIR=<install-dir> [PARAMETERS] ./irisinstall_silent [PACKAGES]
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その他のパラメータを空白で区切って含めます。
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特定のパッケージを空白で区切って含めます。
例 :
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この例では、すべてのパッケージが最低限のセキュリティでインストールされます。
sudo ISC_PACKAGE_INSTANCENAME="MyIris" ISC_PACKAGE_INSTALLDIR="/opt/MyIris1" ./irisinstall_silent
MyIris インスタンスが既に存在する場合は、これがアップグレードされます。存在しない場合は、/opt/MyIris1 ディレクトリにインストールされます。
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この例では、MyIris という名のインスタンスが存在しない場合に、インストールが中止され、エラーがスローされます。
sudo ISC_PACKAGE_INSTANCENAME="MyIris" ./irisinstall_silent
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この例では、database_server パッケージ、odbc パッケージおよび odbc クライアント・バインディングのみが最低限のセキュリティでインストールされます。
sudo ISC_PACKAGE_INSTANCENAME="MyIris" ISC_PACKAGE_INSTALLDIR="/opt/MyIris2" ISC_PACKAGE_CLIENT_COMPONENTS="odbc" ./irisinstall_silent database_server odbc
手順 6 : コマンドの実行
既定 :
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上記の手順で作成したコマンドを実行します。
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インストール後の手順に進みます。